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全て元に…にさせない!
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目が覚めるとちょっと固いベッドの上。
カーテンに囲まれ腕には点滴。
あ、ここ病院だな、とすぐ気が付いた。
周りに誰もいないのでナースコールを押して自分で看護師さんを呼ぶ。
意識障害が無いことを確認され、すぐに来た医師の診察を受けているとバタバタと両親がやって来た。
「このアホタレ!!!気をつけろ!!!」
何がどうなって病院にいるのか聞くと私は3日ほど行方不明になっていたらしい。
コンビニに行くと言ったまま帰らず心配した両親は捜索願まで出していた。
で、昨日の昼間にマンホールに落ちて気絶してる私が見つかったのだそうだ。
蓋が少し割れて躓きそうな穴が空いていたらしいが落ちるほど開いていたわけでないので何故そこに居たかは不明らしい。
取り替え時に発見され、特に外傷もなかったが意識がないので病院に運び込まれ、身元確認の時に届けが出てる人間と判明。
親も今朝私の入院を知ったのだと言った。
当然なんでマンホールの中にいたのかと問われたが私も落ちる感覚はあったけど分からないと答えておいた。
流石に異世界言ってましたなんて言えない。
夢かもしれないし。
一通り検査をされ、脱水すら見られないので即退院オッケーとなり看護師さんの手によって入院着を着せられていたので身に着けていた衣服を返してもらう。
その中に小さな宝石が付いた見知った首飾りがあった。
異世界で初めてもらったファンからのプレゼントだ。
向こうの世界で幸運のお守りだという水滴のようなモチーフに小さな宝石が嵌められた銀の首飾り。
嬉しくて毎日身に着けてるうちに着けるのが習慣になっていた。
2ヶ月間、あまりに毎日着けていたから元の世界から着けていたと思われたのかもしれない。
コレだけ取り上げられていなかったようだ。
「宝石は魔法に干渉するから駄目です!」
持っていこうと貴金属を手にしていた時に言われた言葉を思い出す。
帰還魔法の説明を受けた時、ユニコーンへの返礼品があるから元通りの時間から数分ずれるかもしれないが大きな誤差は無いし元の位置に戻ると聞いた。
なのに3日も行方不明になってマンホールの中にいたのは…もしかしてコレのせい?
鎖をつまみ持ち上げると窓からの光を受けてキラキラ輝く。
夢じゃなかったと教えてくれる。
「私、売れっ子漫画家だったのになぁ~」
なんてポソリと呟くと
「いい夢見てたんだな」
と少し疲れの浮かぶ顔した父親が笑いながら頭に手をのせた。
「私、あと一本漫画を賞に出す。それが全然ダメだったら就職するよ」
コンビニに行くと家を出たあの時から3日しか経ってないはずなのに、明らかに少し老けた両親に向かって気付けばそう口にしていた。
「約束よ!?」
「聞いたからな?」
うわっ!自分でも意識せず出た言葉なのにシッカリ聞かれてた!ヤバい!
しかし、約束の一本はよくある展開なのに実感がこもって感じると、人気雑誌で初めて佳作を取ることに成功し、なんと相談出来る担当者も付いた。
今はデビューに向けて担当さんにダメ出しを受けながら新作に取り組んでいる。
人生が好転したの漫画の内容は実体験って事は秘密だ(笑)
タイトルは
「異世界で夢の人気者に!帰りたくないんですけど!」
読了ありがとうございました!
カーテンに囲まれ腕には点滴。
あ、ここ病院だな、とすぐ気が付いた。
周りに誰もいないのでナースコールを押して自分で看護師さんを呼ぶ。
意識障害が無いことを確認され、すぐに来た医師の診察を受けているとバタバタと両親がやって来た。
「このアホタレ!!!気をつけろ!!!」
何がどうなって病院にいるのか聞くと私は3日ほど行方不明になっていたらしい。
コンビニに行くと言ったまま帰らず心配した両親は捜索願まで出していた。
で、昨日の昼間にマンホールに落ちて気絶してる私が見つかったのだそうだ。
蓋が少し割れて躓きそうな穴が空いていたらしいが落ちるほど開いていたわけでないので何故そこに居たかは不明らしい。
取り替え時に発見され、特に外傷もなかったが意識がないので病院に運び込まれ、身元確認の時に届けが出てる人間と判明。
親も今朝私の入院を知ったのだと言った。
当然なんでマンホールの中にいたのかと問われたが私も落ちる感覚はあったけど分からないと答えておいた。
流石に異世界言ってましたなんて言えない。
夢かもしれないし。
一通り検査をされ、脱水すら見られないので即退院オッケーとなり看護師さんの手によって入院着を着せられていたので身に着けていた衣服を返してもらう。
その中に小さな宝石が付いた見知った首飾りがあった。
異世界で初めてもらったファンからのプレゼントだ。
向こうの世界で幸運のお守りだという水滴のようなモチーフに小さな宝石が嵌められた銀の首飾り。
嬉しくて毎日身に着けてるうちに着けるのが習慣になっていた。
2ヶ月間、あまりに毎日着けていたから元の世界から着けていたと思われたのかもしれない。
コレだけ取り上げられていなかったようだ。
「宝石は魔法に干渉するから駄目です!」
持っていこうと貴金属を手にしていた時に言われた言葉を思い出す。
帰還魔法の説明を受けた時、ユニコーンへの返礼品があるから元通りの時間から数分ずれるかもしれないが大きな誤差は無いし元の位置に戻ると聞いた。
なのに3日も行方不明になってマンホールの中にいたのは…もしかしてコレのせい?
鎖をつまみ持ち上げると窓からの光を受けてキラキラ輝く。
夢じゃなかったと教えてくれる。
「私、売れっ子漫画家だったのになぁ~」
なんてポソリと呟くと
「いい夢見てたんだな」
と少し疲れの浮かぶ顔した父親が笑いながら頭に手をのせた。
「私、あと一本漫画を賞に出す。それが全然ダメだったら就職するよ」
コンビニに行くと家を出たあの時から3日しか経ってないはずなのに、明らかに少し老けた両親に向かって気付けばそう口にしていた。
「約束よ!?」
「聞いたからな?」
うわっ!自分でも意識せず出た言葉なのにシッカリ聞かれてた!ヤバい!
しかし、約束の一本はよくある展開なのに実感がこもって感じると、人気雑誌で初めて佳作を取ることに成功し、なんと相談出来る担当者も付いた。
今はデビューに向けて担当さんにダメ出しを受けながら新作に取り組んでいる。
人生が好転したの漫画の内容は実体験って事は秘密だ(笑)
タイトルは
「異世界で夢の人気者に!帰りたくないんですけど!」
読了ありがとうございました!
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