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「こちらは挿絵がありますので文字が読めなくとも分かりやすいと思います。基本の色と道具は用意いたしましたが足りない物がありましたらおっしゃってくださいね。こちらの紙とペンは図案を考える時にご利用ください」
思ったより大量の道具と本がワゴンに乗せて届けられた。
私とのやり取りで「刺繍を嗜んでるわけでない」と彼女は判断したのか、恐らく初心者向けの入門ガイドと思われる本や参考図案のイラストが沢山載っている本なども合わせて持ってきてくれたようだ。
ペンはインクを付けて書くタイプでペン先は丸ペンっぽい。
最近デジタルでしか描いてなかったからちょっと懐かしい。
漫画を描き始めた頃は粋がってGペンなどを使おうとしたものだ。
難しかったし、ズボラな私はインクを付けたまま放置してしまったりで、使いこなせる前に諦めてデジタルで描くようになったけど。
…うん、ポンコツな部分は忘れよう。
この世界は印刷技術があるんだなーなんて思いながら本をパラパラとめくる。
結構キレイな印刷で驚くが絵は写実的な物が多い。
刺繍の参考図案だからかなーとも思うけど…デフォルメされた絵とかもない。
なんか可愛くないなーとガリガリとデフォルメした鳥と花の絵をペンの練習がてら紙に描いているとちょっと楽しくなってきた。
日常に使われているものだからか家で使っていたペン先より随分と使いやすく、ちょっと描き慣れてくると久々に描く絵が楽しすぎて夢中になった。
本物のユニコーンを見れたなんて貴重な体験、もっとしっかり見とくべきだったと後悔しつつ思い出しながら描いてはデフォルメしたのも周りに飛ばせ、折角なので可愛くキラキラさせといた。
ノックの音でハッとする。
こんなに集中して絵を描いたのなんていつぶりだろう。
「お茶の時間です」
紅茶とお菓子を持っていつもの侍女メイドさんが入ってきた。
インクを乾かすのに広げていたため散乱している紙を見て「何か良い図案は浮かびましたか?」と手近な一枚を手に取り、侍女メイドさんは驚いた。
「え!?かわっ…可愛い!すごっ…こっちも可愛い!」
リアルメイドがキャッキャなってる。
むしろアナタが可愛いです。
「マヤさんは絵がお上手なんですね!それにこの可愛い描き方はなんですか?スゴすぎます!」
お目々がキラキラしている。
「ちょっと待ってもらえますか?」
簡略化したマンガ風似顔絵を描いてあげる。
「どうでしょう?」
ピラっと見せると彼女は嬉しそうにキャーっと声を上げた。
「これ、私ですか?ものすごく可愛いです!こんな…わぁ!ありがとうございます!」
うーーーん、感!激!
私の絵でこんな喜んで貰えるなんて…。
ジーンと喜びを噛みしめる。
「コレ!皆に見せても良いですか?」
勿論と了承すると大喜びで部屋を出ていった。
そして夕食の時間。
「失礼します」と入ってきたのはゾロゾロと5人。
「あの、リターシャがとても可愛い絵を見せてもらって、描いてももらったと聞きまして…私にも絵をお見せ頂けませんか!?」
藍色の髪をした人がこれまたキラキラした目で見つめながら言ってくる。
赤茶のいつもの人はリターシャさんというらしい。
「あの絵を見せてユニコーンの可愛い絵の話を使用人仲間にしたら皆見たいと言いまして…手隙の者でお邪魔してしまいました」
ちょっと申し訳無さそうにそう言いつつ可愛い小さな包みを渡してくれる。
「こちら…あの絵のお礼と言うとおこがましいかもしれませんが…」
包みを開くとキレイな色のキャンディが入った小瓶だった。
あんな半分落書きに対してお礼をもらうなんて逆に申し訳ない。
「ありがとう!」と顔を上げるとキラキラした目で見つめられている。
よく見たら焦げ茶髪の人は図案の下絵描きように渡された紙より分厚く質の良さそうな物を抱えてるではないか。
「えと…描きましょうか?」
「「「「「ありがとうございます!」」」」」
ご飯冷めるな…ちょっとそんな事を思いながら5人とも可愛いイラストにして描いてあげた。
思ったより大量の道具と本がワゴンに乗せて届けられた。
私とのやり取りで「刺繍を嗜んでるわけでない」と彼女は判断したのか、恐らく初心者向けの入門ガイドと思われる本や参考図案のイラストが沢山載っている本なども合わせて持ってきてくれたようだ。
ペンはインクを付けて書くタイプでペン先は丸ペンっぽい。
最近デジタルでしか描いてなかったからちょっと懐かしい。
漫画を描き始めた頃は粋がってGペンなどを使おうとしたものだ。
難しかったし、ズボラな私はインクを付けたまま放置してしまったりで、使いこなせる前に諦めてデジタルで描くようになったけど。
…うん、ポンコツな部分は忘れよう。
この世界は印刷技術があるんだなーなんて思いながら本をパラパラとめくる。
結構キレイな印刷で驚くが絵は写実的な物が多い。
刺繍の参考図案だからかなーとも思うけど…デフォルメされた絵とかもない。
なんか可愛くないなーとガリガリとデフォルメした鳥と花の絵をペンの練習がてら紙に描いているとちょっと楽しくなってきた。
日常に使われているものだからか家で使っていたペン先より随分と使いやすく、ちょっと描き慣れてくると久々に描く絵が楽しすぎて夢中になった。
本物のユニコーンを見れたなんて貴重な体験、もっとしっかり見とくべきだったと後悔しつつ思い出しながら描いてはデフォルメしたのも周りに飛ばせ、折角なので可愛くキラキラさせといた。
ノックの音でハッとする。
こんなに集中して絵を描いたのなんていつぶりだろう。
「お茶の時間です」
紅茶とお菓子を持っていつもの侍女メイドさんが入ってきた。
インクを乾かすのに広げていたため散乱している紙を見て「何か良い図案は浮かびましたか?」と手近な一枚を手に取り、侍女メイドさんは驚いた。
「え!?かわっ…可愛い!すごっ…こっちも可愛い!」
リアルメイドがキャッキャなってる。
むしろアナタが可愛いです。
「マヤさんは絵がお上手なんですね!それにこの可愛い描き方はなんですか?スゴすぎます!」
お目々がキラキラしている。
「ちょっと待ってもらえますか?」
簡略化したマンガ風似顔絵を描いてあげる。
「どうでしょう?」
ピラっと見せると彼女は嬉しそうにキャーっと声を上げた。
「これ、私ですか?ものすごく可愛いです!こんな…わぁ!ありがとうございます!」
うーーーん、感!激!
私の絵でこんな喜んで貰えるなんて…。
ジーンと喜びを噛みしめる。
「コレ!皆に見せても良いですか?」
勿論と了承すると大喜びで部屋を出ていった。
そして夕食の時間。
「失礼します」と入ってきたのはゾロゾロと5人。
「あの、リターシャがとても可愛い絵を見せてもらって、描いてももらったと聞きまして…私にも絵をお見せ頂けませんか!?」
藍色の髪をした人がこれまたキラキラした目で見つめながら言ってくる。
赤茶のいつもの人はリターシャさんというらしい。
「あの絵を見せてユニコーンの可愛い絵の話を使用人仲間にしたら皆見たいと言いまして…手隙の者でお邪魔してしまいました」
ちょっと申し訳無さそうにそう言いつつ可愛い小さな包みを渡してくれる。
「こちら…あの絵のお礼と言うとおこがましいかもしれませんが…」
包みを開くとキレイな色のキャンディが入った小瓶だった。
あんな半分落書きに対してお礼をもらうなんて逆に申し訳ない。
「ありがとう!」と顔を上げるとキラキラした目で見つめられている。
よく見たら焦げ茶髪の人は図案の下絵描きように渡された紙より分厚く質の良さそうな物を抱えてるではないか。
「えと…描きましょうか?」
「「「「「ありがとうございます!」」」」」
ご飯冷めるな…ちょっとそんな事を思いながら5人とも可愛いイラストにして描いてあげた。
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