転生したら、皇女でした

三章

勢揃い

ある日の夕食、この日は久しぶりに皇家の人間が勢揃いとなった。いつもは誰かしらいないので全員揃うのは珍しい。父が上座に座り、母がその次。そこから私、シエル、カールでその後はリツィア妃、カルテン、クララ、レーネ妃、ライオット、セレスティア妃、アマリリスの順番。カールは私とシエルの実弟で今年6歳になる。

「カール、野菜も食べないといけませんよ」

「とまとは嫌いです…」

口をとんがらせて渋りながらもトマトを食べたカール。給仕人にお肉のおかわりをねだっていた。

「カール殿下、食べ過ぎはいけませんからこれで最後ですよ」

「はーい！ありがとう、ハイル」

「まあ、カール様はちゃんと礼が言えますのね。それなのにライオットは……」

「母上、何故ここで俺の名前がでるのですか！」

ライオット、悪い奴ではないんだけどなんか脳筋になりそうな雰囲気がでてるんだよね…

「あなたはマナーの授業を放り出して剣の訓練に行ってしまうでしょう。だからいつまで経っても及第点をもらえないのです」

「俺はマリーのところに婿にいきますから」

マリーというのはレーネ妃の侍女の娘で子爵令嬢になる。身分差があるので本来なら難しいのだが。

「ライオット、中等部で良い成績を取れればマリーさんと貴方の婚約を斡旋して差し上げますからとりあえずマナーを身につけなさい」

可愛い弟のためなら私も権力を使おう。これでも皇太子なのでそれなりに権力はあるのだ。

「ありがとうございます、エルダ姉上」

《良い成績を取れば》だけどね。