上 下
703 / 724
神の名を冠する国

第 七百二 話 転結

しおりを挟む

神都パルスタットの空はまるで当時の人魔戦争と同じような、今にも泣きだしそうな曇天が上空を埋め尽くしている。激しい戦火によって、水の都と称される程の面影はどこにも残されていなかった。

「結局、何がどうなったんだろう?」

そうヨハンは両膝を地面に着きながら小さく呟くのは、記憶が朧気。覚えはあることにはある。しかしまるで夢でも見ていたような感覚。そして魔力はもう底を尽いていた。

「でも、終わったんだ」

見上げる先には巨大な折れた十字架。教皇の間であるその辺り一帯は大きく崩壊している。

「ぐぅっ……くっ……神に等シい力を手ニ入れたのだ…………」

その十字架の真下、地面に倒れ伏しているのはゲシュタルク教皇。既にその身体は魔素へ還る灰になりかけていた。

「ヨハン!」
「やりましたわ!」

モニカとエレナの二人、両隣から力一杯に抱き着かれる。

「ははは、二人も、無事で……よかった」
「ちょ、ちょっとヨハン大丈夫!?」
「これは、相当に参っていますわね」
「うん、流石に疲れたかな。今はゆっくりとしたいよ」
「ええ、存分に休んでくださいませ。もう戦意は完全にありませんわ」

周囲では全員が動きを止めていた。教皇に力を貸していた光と土の聖女の二人もどうやら教皇が倒されたことを目にしてか戦闘を終えている。

「ふむ。まさかあのような手を用いるとは思いもせんかったわ」
「シルビアさん」

スッと地面へと降りて来ていた。

「至上の魔法、しかと堪能させてもらった」
「上手くいって良かったです」

笑みを浮かべるのだが、半分は苦笑い。シルビアとは対照的。
至上の魔法とは言われるものの、今となっては魔法の真理に辿り着いたとさえ思えたあの感覚が今はない。

(なんだったんだろ……あれ)

魔王因子――魔王の力を取り込んだゲシュタルク教皇を倒すために用いた究極の魔法とでも呼べばいいのか、もう一度同じことをしろと言われたところで恐らくできない。極限状態故に成功したと考えるのが一番筋は通る。

かつての人魔戦争でシグが用いた魔法の応用。あれだけの力であっても倒しきることはできずに封印することで精一杯だった。今回に至っては封印しようにもそのための封魔石がない。

「……私は神に並ぶこトが許されナかったとイうのか」

小さな呟きが耳に入って来る中、ゲシュタルク教皇の身体は刻々と消滅へと向っていた。
その教皇の姿に視線を送りながら、先程の会話を思い出す。

『ぐっ、ぐはっ……』
『どうして、こんなことを?』

四つの光の柱で捉えた時の問いかけ。宗教国家の実質トップとも言えるべき立場の人物がどうしてこのような凶行に及んだのか、どうしても聞きたかった。

『どうして、だと?』

苦悶の表情を浮かべながらも、ゲシュタルク教皇は僅かに口角を上げる。

『……知れた、ことよ。私は教皇とはいえ、所詮人間。僅か数十年で寿命を終える、人間などというそのような小さき存在、神と比較すれば矮小な小者にすぎぬ。ならば尤も神に近付くためにはどうすればいいのか貴様にはわかるか?』
『神に近付く?』
『ふはは。貴様のような者には一生かけてもわからんだろうな。神に近付く、神の如き存在へと昇華するということは、それはつまり人間を超越するということだ』
『本気で言っているのか?』
『無論だ。魔族などという魔物の上位互換では人間はやめたところで人間を超越したことにはならん。であればどうすれば人間という種を超越することができる? 答えは、言わなくともわかるだろう? そのためには魔王にでもなろう』
『本当に、本当に……――』

何を言っているのか到底理解できない。これが本気の言葉なのだろうかと疑いたくなるのだが、ここに至るまでの惨状と、教皇の目をみる限り信じざるを得なかった。

『――……それだけのためにこれだけのことを?』
『左様。貴様にとってはそれだけだろうが、私にとってはこれ以上のものはない。結果どれだけの人間が死のうが、信者が巻き込まれようが、獣人だろうと人間だろうと関係のない話だ』

これまでに見たどの人間よりも悪意が剥き出し。いや、当の本人はそれを悪意として捉えている様子すらない。

『貴様もわかっておるのではないのか? 人外の存在への羨望はこれまで幾度も行われて来たということを』
『…………それは』

魔族の存在がその最たるもの。今では数を減らしたとはいえ魔族への転生――種としての概念ではない歪な存在。

『クズですわね』
『でも、私はなんか複雑だなぁ』
『何を言っていますの。結果としてわたくし達は今こうして生きていますけど、死にかけたのですわよ』
『それはそうだけど、でも、あの人がこんなことを起こさないと私の中でアレは覚醒していたわ』

間違いなく、と断言できるモニカは意識を失っている間に襲われていたあの感覚。恐怖でしかない負の感情に苛まれていたのだが、同時に自分ではない何か――魔王因子が反応を示していたのをはっきりと感じられていた。
それは自身をも呑み込もうとしているのだと。スレイと同調したからこそあのままでは自分もスレイのようになっていたのだと、思い返すだけで身震いする。

『…………』

いくつもの事情が複雑に絡み合っているとはいえ、素直に喜べない。
周囲に目を送るモニカは、倒壊した建物の惨状を目にして、これらの事態を招いてしまったのではないかという責任感に圧し潰されそうになった。

『大丈夫ですわモニカ。あなたが気にすることはありませんの』
『……うん』

そうしてヨハンと会話を交わすゲシュタルク教皇へと顔を向ける。

『しかし私は満足だ。結果として私はこうして神に近付くことができたのだからな』
『本当に、救われないみたいだね』
『それは違う。私は既に救われたのだよ。満たされている。この満足感を貴様にも味わって欲しいのだが』
『……そう。もう僕から話すことは何もないよ。だから、これで終わりにしよう』

ここまでの長い戦い。再興を図らなければならないのでこれで終わりではないのだが、それでもここで最低限魔王に関する事柄だけは終わらせる必要があった。

『…………』
『情けをかけるな小僧』
『わかってますシルビアさん。情けなんかじゃありません』

ただ最後の最期までわからなかっただけ。理解はしているのだが、一切の共感はできない。
しかしそれでも、結果として先程エレナが口にしたように、モニカが助かることに繋がったのは素直に嬉しい。
そんな複雑な感情を抱きながら腕を真っ直ぐに伸ばすヨハン。握りしめるようにギュッと指を折り曲げると、その動きに合わせてゲシュタルク教皇の周囲の四色の光の柱が一層の輝きを放つ。

『神よ。今そなたの下へと参ろうではないかッ!』

両腕を高々と上げるゲシュタルク教皇はその漆黒の翼を焦がしながら光の柱に包まれていった。

「…………――――」

満ち足りた表情を浮かべるゲシュタルク教皇はその身体を白い灰と化していく。

「なんだかすっきりしないですね」
「うむ。小僧の言わんとしていることはわからんでもないが、今はこれで良いではないか」

最低限の目的を達成したことが少なからずの成果。

「あら? 終わっちゃってるじゃない?」
「そのようだな」

遠くから近付いて来る聞き慣れた声。

「はぁ。なんじゃ、今さらのこのこと」

その場に姿を見せたのは二人の男女。その姿を見るなりシルビアは溜め息を吐く。

「だぁってぇ、ラウルがだらだらしてたからさぁ」
「おいおい、あれだけこき使っておきながらその言い草はないだろう」

エルフの長であるクーナと剣聖ラウル。

「ラウルさん、クーナさん」

ヨハンも良く知る二人。
王都を旅立って以降父やシルビア達とは行動を共にしていただろうことからして、パルストーンのどこかにいる可能性はあるのだろうとは考えていた。

「へっへへぇ。ここに来たのは私たちだけじゃないよ?」
「え?」

クーナが後方へと顔を向けると、物凄い勢いで飛び込んで来る人影。

「モニカちゃん!」
「お、おかあさん!?」

ギュッとモニカに抱き着く黒髪の女性。モニカの母であるヘレン。

「おそくなってごめんね! ごめんねモニカ!」
「い、いいってお母さん。それよりなんで?」

突然の母の登場にモニカは驚きを隠せない。

「で!? 大丈夫なの!? どこかおかしくなってない!?」
「ちょ、お、おかあさんってば!」

ペタペタとモニカの身体を触るヘレン。抵抗できないモニカはされるがまま。

「もうっ! いい加減にしてッ!」

突き飛ばそうと両腕を押し出すのだが、ヘレンは軽やかに後方宙返りをする。

「っと、その様子だと本当に大丈夫そうね」
「大丈夫に決まってるじゃない!」
「そっかぁ。よかったぁ」
「だからあとで詳しく話すから。本当に大丈夫だと思う。たぶん、だけど…………」

そのままモニカが視線を向ける先は、ゲシュタルク教皇が倒れた場所へ。

「私の……――」

掴むようにして手の平を胸に押し当てた。

「――……ここにあったあの、魔王の存在は、もう、なくなってるから」

感覚的なことでしかないのだが、恐らく、間違いなく。
この国に来てからどうにも増幅するような奇妙な感覚を抱いていたのだが、それも今は全くない。

「だから、安心して。お母さん」

目の前で不安そうにしている母に向けて笑顔を送る。

「よ、かった……ほんとうによかった」

へたへたとその場に座り込むヘレン。

「おかあ、さん…………」

母の顔を見て安堵の表情を浮かべるモニカなのだが、次の瞬間に尋常ではない寒気が襲い掛かった。

「ま――」

まだ終わっていないのだと声を発しようとした瞬間、パンパンと乾いた音が響き渡る。

「あらあらぁ、素晴らしいですわ皆さまぁ」

大きく手を叩いているのは土の聖女ベラル・マリア・アストロス。満面の笑みを浮かべていた。

「なんじゃ。まだやるというのか?」
「いえいえぇ、お互い疲労が蓄積している中、そのような増援が来たとなっては私だけではさすがに手に負えませんわぁ」

口調とは異なる鋭い視線をラウルとクーナとヘレンに向けるベラル。

(まさかこれだけの者が集結することになるとは)

気配で察せられる強者。駆け付けた三人も無傷ではない。いくらか消耗しているように見える。だがそれでも自分一人ではとても太刀打ちできないという見解。

「アスラ」
「はっ!」

声を発すると同時にラウル達の頭上より降り注ぐのは大量の光の粒。

「流星群」

錫杖を高々と掲げる光の聖女アスラ。

「ぐっ!」

突然の魔法の発動に全員が防御姿勢を取る。いつの間にか教皇の間よりもさらに上方にて展開されていた魔法。

「まずいわ!」

即座に巨大な魔法障壁をその場へ張るクーナ。押し倒すようにしてモニカへ覆いかぶさるヘレン。辺り一帯にけたたましい音が響き渡り、激しい土煙を上げる。

「ラウルさん!」

土煙が晴れるよりも先、ヨハンが踏み込むよりも早くベラルへと飛び出したのは剣聖ラウル。

「なに?」

しかしその剣がベラルへと届くことはなく、まるで何かに阻まれるようにしてその剣はベラルの首の手前で止まっていた。

「お前……――」
「あらあらぁ、怖いですわぁ」

余裕綽々で頬へ手の平を送るベラル。

「――……この魔法、ただの結界ではないな? 何をした?」
「まぁったくぅ。一切の遠慮がない剣ですものぉ。ほぉんとうに、こわいこわい」
「ぐっ!」

ベラル自身を取り囲むようにして、一瞬で黒い膜が包み込む。ラウルがバチンとその場から弾き出された。

「そ、そんな……まさか…………」

突然の衝撃にガタガタと歯を鳴らすモニカ。驚愕するしかない。

「モニカ? どうしたっていうのよ」
「お、お母さん、あ、あれ、魔王の力よ」
「え? だって魔王は」

ヘレンが疑問に思うのも無理はない。つい先程終わったと聞かされたばかり。それがまだ終わっていないのだと。

「だったら!」

しかし瞬時に思考を切り替えるヘレンは臨戦態勢に入る。それは他の面々にしても同じ。

「僕も」
「お前は下がっていろ。十分によくやった」
「でも」
「俺達が信用できないか?」

呆れるように声を放つラウル。この光景は二度目。かつてカサンド帝国でも似たような光景があった。

「……いえ、ではお任せします」

頼りにならないはずがない。自分達の力を過信するわけではないが、それでもこの人たちで云えばそれ以上。得て来た経験で云えば段違い。英雄と同列に目される剣の師である剣聖ラウル。

「えー? せっかく楽できたと思ったのにぃ」

ただでさえ巨大な魔力を有するエルフ族。その長であるクーナ。

「さってと、ここは景気良くいきましょうか。モニカちゃんのためにもね」

パシッと拳と手の平を合わせるヘレン。以前手合せした時は全く歯が立たなかった。
これだけの面々が来てくれたのだから。

「では、お願いします。僕は、ちょっとだけ休ませてもらいます」

安堵を滲ませると、どっと疲労が押し寄せて来た。
疲労困憊、満身創痍の身体を後ろに倒したところでエレナに抱き留められる。

「大丈夫ですの?」
「うん。ありがとうエレナ」
「いえ、これもわたくしの務めですもの」
「え?」
「今はわたくしの胸の中で休んでいてくださいませ」
「え? あ、ありがとう」

言葉の意図が理解できない中、ラウル達はゆっくりと歩を進めていた。

「ようやく、この時が来ましたわぁ」

それらの様子を意にも介さず宙へと浮く土の聖女ベラル・マリア・アストロス。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります

古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。 一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。 一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。 どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。 ※他サイト様でも掲載しております。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

集団転移した商社マン ネットスキルでスローライフしたいです!

七転び早起き
ファンタジー
「望む3つのスキルを付与してあげる」 その天使の言葉は善意からなのか? 異世界に転移する人達は何を選び、何を求めるのか? そして主人公が○○○が欲しくて望んだスキルの1つがネットスキル。 ただし、その扱いが難しいものだった。 転移者の仲間達、そして新たに出会った仲間達と異世界を駆け巡る物語です。 基本は面白くですが、シリアスも顔を覗かせます。猫ミミ、孤児院、幼女など定番物が登場します。 ○○○「これは私とのラブストーリーなの!」 主人公「いや、それは違うな」

【完結】異世界転移特典で創造作製のスキルを手に入れた俺は、好き勝手に生きてやる‼~魔王討伐?そんな物は先に来た転移者達に任せれば良いだろ!~

アノマロカリス
ファンタジー
俺が15歳の頃…両親は借金を膨らませるだけ膨らませてから、両親と妹2人逃亡して未だに発見されていない。 金を借りていたのは親なのだから俺には全く関係ない…と思っていたら、保証人の欄に俺の名前が書かれていた。 俺はそれ以降、高校を辞めてバイトの毎日で…休む暇が全く無かった。 そして毎日催促をしに来る取り立て屋。 支払っても支払っても、減っている気が全くしない借金。 そして両親から手紙が来たので内容を確認すると? 「お前に借金の返済を期待していたが、このままでは埒が明かないので俺達はお前を売る事にした。 お前の体の臓器を売れば借金は帳消しになるんだよ。 俺達が逃亡生活を脱する為に犠牲になってくれ‼」 ここまでやるか…あのクソ両親共‼ …という事は次に取り立て屋が家に来たら、俺は問答無用で連れて行かれる‼ 俺の住んでいるアパートには、隣人はいない。 隣人は毎日俺の家に来る取り立て屋の所為で引っ越してしまった為に、このアパートには俺しかいない。 なので取り立て屋の奴等も強引な手段を取って来る筈だ。 この場所にいたら俺は奴等に捕まって…なんて冗談じゃない‼ 俺はアパートから逃げ出した!   だが…すぐに追って見付かって俺は追い回される羽目になる。 捕まったら死ぬ…が、どうせ死ぬのなら捕まらずに死ぬ方法を選ぶ‼ 俺は橋の上に来た。 橋の下には高速道路があって、俺は金網をよじ登ってから向かって来る大型ダンプを捕らえて、タイミングを見てダイブした! 両親の所為で碌な人生を歩んで来なかった俺は、これでようやく解放される! そして借金返済の目処が付かなくなった両親達は再び追われる事になるだろう。 ざまぁみやがれ‼ …そう思ったのだが、気が付けば俺は白い空間の中にいた。 そこで神と名乗る者に出会って、ある選択肢を与えられた。 異世界で新たな人生を送るか、元の場所に戻って生活を続けて行くか…だ。 元の場所って、そんな場所に何て戻りたくもない‼ 俺の選択肢は異世界で生きる事を選んだ。 そして神と名乗る者から、異世界に旅立つ俺にある特典をくれた。 それは頭の中で想像した物を手で触れる事によって作りだせる【創造作製】のスキルだった。 このスキルを与えられた俺は、新たな異世界で魔王討伐の為に…? 12月27日でHOTランキングは、最高3位でした。 皆様、ありがとうございました。

エラーから始まる異世界生活

KeyBow
ファンタジー
45歳リーマンの志郎は本来異世界転移されないはずだったが、何が原因か高校生の異世界勇者召喚に巻き込まれる。 本来の人数より1名増の影響か転移処理でエラーが発生する。 高校生は正常?に転移されたようだが、志郎はエラー召喚されてしまった。 冤罪で多くの魔物うようよするような所に放逐がされ、死にそうになりながら一人の少女と出会う。 その後冒険者として生きて行かざるを得ず奴隷を買い成り上がっていく物語。 某刑事のように”あの女(王女)絶対いずれしょんべんぶっ掛けてやる”事を当面の目標の一つとして。 実は所有するギフトはかなりレアなぶっ飛びな内容で、召喚された中では最強だったはずである。 勇者として活躍するのかしないのか? 能力を鍛え、復讐と色々エラーがあり屈折してしまった心を、召還時のエラーで壊れた記憶を抱えてもがきながら奴隷の少女達に救われるて変わっていく第二の人生を歩む志郎の物語が始まる。 多分チーレムになったり残酷表現があります。苦手な方はお気をつけ下さい。 初めての作品にお付き合い下さい。

男女比1:10。男子の立場が弱い学園で美少女たちをわからせるためにヒロインと手を組んで攻略を始めてみたんだけど…チョロいんなのはどうして?

ファンタジー
貞操逆転世界に転生してきた日浦大晴(ひうらたいせい)の通う学園には"独特の校風"がある。 それは——男子は女子より立場が弱い 学園で一番立場が上なのは女子5人のメンバーからなる生徒会。 拾ってくれた九空鹿波(くそらかなみ)と手を組み、まずは生徒会を攻略しようとするが……。 「既に攻略済みの女の子をさらに落とすなんて……面白いじゃない」 協力者の鹿波だけは知っている。 大晴が既に女の子を"攻略済み"だと。 勝利200%ラブコメ!? 既に攻略済みの美少女を本気で''分からせ"たら……さて、どうなるんでしょうねぇ?

30年待たされた異世界転移

明之 想
ファンタジー
 気づけば異世界にいた10歳のぼく。 「こちらの手違いかぁ。申し訳ないけど、さっさと帰ってもらわないといけないね」  こうして、ぼくの最初の異世界転移はあっけなく終わってしまった。  右も左も分からず、何かを成し遂げるわけでもなく……。  でも、2度目があると確信していたぼくは、日本でひたすら努力を続けた。  あの日見た夢の続きを信じて。  ただ、ただ、異世界での冒険を夢見て!!  くじけそうになっても努力を続け。  そうして、30年が経過。  ついに2度目の異世界冒険の機会がやってきた。  しかも、20歳も若返った姿で。  異世界と日本の2つの世界で、  20年前に戻った俺の新たな冒険が始まる。

処理中です...