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入学編
第四話 王都そして学生寮
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「ほら坊主たち、王都が見えたぞ」
王都が地平線の奥に見えたころ、御者の男がヨハンとモニカに王都を指差した。
「へぇ、あれが王都かぁ。すっごい大きいね」
「ほんとね、思っていた以上だわ。これからあそこが私たちの生活の中心になるのね」
「嬢ちゃん、魔物の時は本当に助かったよ。嬢ちゃんなら冒険者学校でも上位に入れるはずだよ。頑張りな。坊主も嬢ちゃんほどは無理かもしれねぇが頑張るんだぞ」
「はい、頑張ります」
「ありがとうございます」
そうして王都に着いた。
王都は巨大な王宮を中心として、周囲には視界を覆うほどの雄大な市街地がある。周辺は堅牢な外壁に囲われており、簡単には侵入できないようになっていた。
馬車は外壁の中に作られた門の前で停車し、荷台に乗っている人達は王都に入る為に検閲しなければならないのでそれぞれそこで降りる。
「ほぉーーー」
「ふぇーーー」
荷台から降りたヨハンとモニカが口を揃えて外壁を見上げている。
「ほらほらそこの子どもたち。王都は凄いだろ。だが、とりあえず入都する為の検閲だけ済ませといてくれ」
そう言い、あまりの巨大さに圧倒されていたヨハンとモニカは門番から笑われる始末だった。
「うん、今年冒険者学校に入学するヨハン君にモニカちゃんだね。じゃあこれを持っておいてくれ。なくしちゃダメだぞ?」
門番へ持って来た入学証明書を見せて入都するための証明書を発行される。
「これをなくすと再発行するための手続きが面倒だからなくさないようにするんだぞ。まぁ盗難されたとしても他人が使えないように特別な魔法が施されているんだが」
「へぇ~、魔法でそんなこともできるのね」
「うん、凄いね」
「この魔法は特別だがな。まぁ本来こんなことせず自由に往来できればいいのだが、過去に犯罪を犯し王都から追放されたやつが来たりするかもしれないしな」
「わかった、気を付けるわ」
「ありがとう、おじさん」
そうしてモニカと共に初めての王都へと入っていく。これからここで生活をするのかと思うと胸の高鳴りを感じてグッと胸の前で握り拳を作った。
「――ねぇ、モニカは冒険者学校の場所わかるの?」
「知らないわ。まぁでも街の人に聞けばすぐにわかるでしょう。冒険者学校は有名なんだし」
ふと質問するがモニカは楽観的に答える。
王都の中は人で溢れかえっていた。
ヨハンたちが王都に着いたのはイリナ村を出発してからおよそ半日程経っており、もう夕方に差し掛かっていた。翌日が入学式のため、深夜遅くまで冒険者学校入学の受け付けは行われているが、知らない初めての土地、あまり遅くなることは好ましくないためになるべく早く受付を済ましておきたい。
門から少し歩いた果物屋で冒険者学校について聞く事とする。
「ねぇおばさん、私達冒険者学校に行きたいのだけれど、どこにあるのかしら?」
「お嬢ちゃんたち、今年の入学生だね。学校はここから北東に行ってみな、すぐにわかるよ。学生寮は学校のすぐ隣にあるから」
「ありがとうおばさん」
そう言って歩き出そうとした二人に果物屋のおばさんが呼び止められた。
「待ちな」
声に反応して振り返ると、おばさんは笑顔で店から出て手を差し出している。
「ほれ」
果物屋のおばさんがリンゴを手渡された。思わずどういうことかと疑問符を浮かべる。
「入学祝いさ、持っておいき」
「いいんですか?ありがとうございます」
「そういえばまだご飯食べてなかったものね、助かるわ」
おばさんからもらったリンゴを食べながら歩き出した。
「良い街だねここ」
「さすが王都ね、私の町も良いところだったけど」
「モニカの町ってさっき馬車の中で言ってた王都から僕の村よりももっと遠くなんだよね?」
「そうね、だからそう簡単には帰れないのよ」
モニカは少し物憂げに俯き答える。
しばらく歩いていると、遠目に見えていた王城が大きく近づいていく中に冒険者学校が見えた。
王都の中にある冒険者学校なだけあって、立派な建物がそこにはあった。
「ここね。受付は――――」
モニカがキョロキョロと周囲を見渡しているところに遠くに人だかりを見つける。
「こっちみたいだよ!」
指差す方向に受付と少しばかりの人だかりが見られた。
ヨハンたちと同じ新入生達なのだろう。近づいていくと、その中の3人がヨハンたちに気付く。
「おい、お前たちも新入生だな。はんっ、弱そうなやつら」
「本当ですね、ゴンザさん!」
「ゴンザさんに比べたらこいつらなんかひとひねりですよ!」
ゴンザと呼ばれたガタイの良い男が3人組のボスのようだ。
「当たり前だろ?ヤン、ロンお前たちは俺の次に強くなれよ」
そう言いながらゴンザが寮らしき方向に歩いて行き、ヤンとロンと呼ばれた子分らしき2人がゴンザの後を付いて歩いていく。
「むぅ、なんだか偉そうな人達ね」
モニカが少しむすっとした顔をしていた。どうやらあまり良い気はしなかったらしい。
「でももしかしたら凄く強いかもしれないよ?僕も少しは自信あるけど、父さんと母さんには勝てないしね。モニカも魔物に勝てるぐらい強かったけど強い人なんてきっといっぱいいると思うから」
「まぁ、それもそうか。私もとっても強い人一人知ってるしね。……ただ、あいつが強いようには見えなかったけど。そういえばここに来るまでで聞き忘れていたけど、ヨハンは自信があるって、強いのかしら?」
「えぇっと、村には僕以外に歳の近い子どもがいなかったからよくわからないんだけど、いつもお父さんとお母さんに色々教えてもらっていたよ。結局お父さんには最後まで勝てなかったな…………」
そこまで言って昨日の模擬戦を思い出した。そして決意新たにする。次に会う時は負けないように強くなろうと。
「そう、じゃあ私より弱いわね。あなたのお父さんがどれほどかはわからないけど、私は町で私より強い人は大人にもいなかったわ。(……一人を除いて、だけど) それに、酒で酔って暴れた冒険者にも勝ったこともあるし」
「へぇ、凄いんだねモニカは」
自信満々に話すモニカを見て感心する。
「まぁそんな話よりも、早く受付をしましょ」
そうして受付に向かう。
「――はい、じゃあこれで受け付けは完了だよ」
王都に入る際に見せた入学証明書を再び受付に見せて受付を終えたあと、ヨハン達も他の新入生達と思われる子どもたちが向かって行く方向、学生寮に向かって歩き出す。
学生寮に着いた二人を寮母が迎え入れていた。
「おや、次は男の子と女の子かい。寮は男女別だからね。男の子は東側、女の子は西側で共に二人で一部屋だからね。寮には色々とルールがあって、最初の一週間はある程度は大目にみるが、一週間を過ぎると違反者には罰則があるからね。寮の詳しいルールは部屋に置いてあるから各自で見ておくこと」
「「わかりました!」」
モニカと口を揃えて返事をする。
「うん、良い返事だ。じゃあ頑張りな!」
寮母が二人の背中を強く叩いた。
「いったぁー。じゃあねヨハンまた明日」
「ってて。うんまた明日。おやすみ」
二人が背中を擦りながら挨拶をした後、それぞれの寮に向かって歩き出す。
「ここかな?」
寮の中を観察する様に歩きながら自分の部屋を確認したあと中に入る。
部屋の中にはベッドが二つ置かれており、それなりに広かった。
「おお、お前が俺の同居人か」
その内の一つ、ベッドの上には片肘を着いて寝転がる赤髪のすらっとした男の子がいた。
「そうみたいだね。僕はヨハン。えぇっと、君は?」
「俺はレインってんだ。よろしくな!」
「よろしくレイン」
レインと軽く握手を交わす。
「ねぇレインはいつ王都に着いたの?」
荷物を片付けながらふと疑問を投げかけた。
「俺か?俺は王都の生まれだぜ?だから今日の昼過ぎに受付を済ませて同居人が来るのを待ってたんだ」
「そうなの?王都に住んでいても寮に入るの?」
「まぁそうだな。俺達が学校を卒業する時は15歳だろ。大人になるからいつでも1人立ちできるように王都の住人でも寮に住む決まりになっているんだ」
「へぇ、どうして?」
レインから聞いた話によると、王都に住まいがあっても15歳で成人とされるので冒険者学校卒業後には冒険者になる者もいることから何事も一人で対応出来るように冒険者学校入学者は寮での生活が義務付けられているらしい。
不出来なことがあったとしても、冒険者はパーティを組んで対応することもあるため、そこは個々人の采配に委ねられている。それらの即時対応も冒険者としては必須能力となっているとのこと。
「――――ふぅん、そうなんだ。僕は王都に来たの初めてだから、わからないことは教えて欲しいな」
「おう、なんでも聞いてくれよ」
「(良かった、仲良くやれそうだ)」
そうして王都に着いた初日の夜は更けていった。
王都が地平線の奥に見えたころ、御者の男がヨハンとモニカに王都を指差した。
「へぇ、あれが王都かぁ。すっごい大きいね」
「ほんとね、思っていた以上だわ。これからあそこが私たちの生活の中心になるのね」
「嬢ちゃん、魔物の時は本当に助かったよ。嬢ちゃんなら冒険者学校でも上位に入れるはずだよ。頑張りな。坊主も嬢ちゃんほどは無理かもしれねぇが頑張るんだぞ」
「はい、頑張ります」
「ありがとうございます」
そうして王都に着いた。
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馬車は外壁の中に作られた門の前で停車し、荷台に乗っている人達は王都に入る為に検閲しなければならないのでそれぞれそこで降りる。
「ほぉーーー」
「ふぇーーー」
荷台から降りたヨハンとモニカが口を揃えて外壁を見上げている。
「ほらほらそこの子どもたち。王都は凄いだろ。だが、とりあえず入都する為の検閲だけ済ませといてくれ」
そう言い、あまりの巨大さに圧倒されていたヨハンとモニカは門番から笑われる始末だった。
「うん、今年冒険者学校に入学するヨハン君にモニカちゃんだね。じゃあこれを持っておいてくれ。なくしちゃダメだぞ?」
門番へ持って来た入学証明書を見せて入都するための証明書を発行される。
「これをなくすと再発行するための手続きが面倒だからなくさないようにするんだぞ。まぁ盗難されたとしても他人が使えないように特別な魔法が施されているんだが」
「へぇ~、魔法でそんなこともできるのね」
「うん、凄いね」
「この魔法は特別だがな。まぁ本来こんなことせず自由に往来できればいいのだが、過去に犯罪を犯し王都から追放されたやつが来たりするかもしれないしな」
「わかった、気を付けるわ」
「ありがとう、おじさん」
そうしてモニカと共に初めての王都へと入っていく。これからここで生活をするのかと思うと胸の高鳴りを感じてグッと胸の前で握り拳を作った。
「――ねぇ、モニカは冒険者学校の場所わかるの?」
「知らないわ。まぁでも街の人に聞けばすぐにわかるでしょう。冒険者学校は有名なんだし」
ふと質問するがモニカは楽観的に答える。
王都の中は人で溢れかえっていた。
ヨハンたちが王都に着いたのはイリナ村を出発してからおよそ半日程経っており、もう夕方に差し掛かっていた。翌日が入学式のため、深夜遅くまで冒険者学校入学の受け付けは行われているが、知らない初めての土地、あまり遅くなることは好ましくないためになるべく早く受付を済ましておきたい。
門から少し歩いた果物屋で冒険者学校について聞く事とする。
「ねぇおばさん、私達冒険者学校に行きたいのだけれど、どこにあるのかしら?」
「お嬢ちゃんたち、今年の入学生だね。学校はここから北東に行ってみな、すぐにわかるよ。学生寮は学校のすぐ隣にあるから」
「ありがとうおばさん」
そう言って歩き出そうとした二人に果物屋のおばさんが呼び止められた。
「待ちな」
声に反応して振り返ると、おばさんは笑顔で店から出て手を差し出している。
「ほれ」
果物屋のおばさんがリンゴを手渡された。思わずどういうことかと疑問符を浮かべる。
「入学祝いさ、持っておいき」
「いいんですか?ありがとうございます」
「そういえばまだご飯食べてなかったものね、助かるわ」
おばさんからもらったリンゴを食べながら歩き出した。
「良い街だねここ」
「さすが王都ね、私の町も良いところだったけど」
「モニカの町ってさっき馬車の中で言ってた王都から僕の村よりももっと遠くなんだよね?」
「そうね、だからそう簡単には帰れないのよ」
モニカは少し物憂げに俯き答える。
しばらく歩いていると、遠目に見えていた王城が大きく近づいていく中に冒険者学校が見えた。
王都の中にある冒険者学校なだけあって、立派な建物がそこにはあった。
「ここね。受付は――――」
モニカがキョロキョロと周囲を見渡しているところに遠くに人だかりを見つける。
「こっちみたいだよ!」
指差す方向に受付と少しばかりの人だかりが見られた。
ヨハンたちと同じ新入生達なのだろう。近づいていくと、その中の3人がヨハンたちに気付く。
「おい、お前たちも新入生だな。はんっ、弱そうなやつら」
「本当ですね、ゴンザさん!」
「ゴンザさんに比べたらこいつらなんかひとひねりですよ!」
ゴンザと呼ばれたガタイの良い男が3人組のボスのようだ。
「当たり前だろ?ヤン、ロンお前たちは俺の次に強くなれよ」
そう言いながらゴンザが寮らしき方向に歩いて行き、ヤンとロンと呼ばれた子分らしき2人がゴンザの後を付いて歩いていく。
「むぅ、なんだか偉そうな人達ね」
モニカが少しむすっとした顔をしていた。どうやらあまり良い気はしなかったらしい。
「でももしかしたら凄く強いかもしれないよ?僕も少しは自信あるけど、父さんと母さんには勝てないしね。モニカも魔物に勝てるぐらい強かったけど強い人なんてきっといっぱいいると思うから」
「まぁ、それもそうか。私もとっても強い人一人知ってるしね。……ただ、あいつが強いようには見えなかったけど。そういえばここに来るまでで聞き忘れていたけど、ヨハンは自信があるって、強いのかしら?」
「えぇっと、村には僕以外に歳の近い子どもがいなかったからよくわからないんだけど、いつもお父さんとお母さんに色々教えてもらっていたよ。結局お父さんには最後まで勝てなかったな…………」
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自信満々に話すモニカを見て感心する。
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そうして受付に向かう。
「――はい、じゃあこれで受け付けは完了だよ」
王都に入る際に見せた入学証明書を再び受付に見せて受付を終えたあと、ヨハン達も他の新入生達と思われる子どもたちが向かって行く方向、学生寮に向かって歩き出す。
学生寮に着いた二人を寮母が迎え入れていた。
「おや、次は男の子と女の子かい。寮は男女別だからね。男の子は東側、女の子は西側で共に二人で一部屋だからね。寮には色々とルールがあって、最初の一週間はある程度は大目にみるが、一週間を過ぎると違反者には罰則があるからね。寮の詳しいルールは部屋に置いてあるから各自で見ておくこと」
「「わかりました!」」
モニカと口を揃えて返事をする。
「うん、良い返事だ。じゃあ頑張りな!」
寮母が二人の背中を強く叩いた。
「いったぁー。じゃあねヨハンまた明日」
「ってて。うんまた明日。おやすみ」
二人が背中を擦りながら挨拶をした後、それぞれの寮に向かって歩き出す。
「ここかな?」
寮の中を観察する様に歩きながら自分の部屋を確認したあと中に入る。
部屋の中にはベッドが二つ置かれており、それなりに広かった。
「おお、お前が俺の同居人か」
その内の一つ、ベッドの上には片肘を着いて寝転がる赤髪のすらっとした男の子がいた。
「そうみたいだね。僕はヨハン。えぇっと、君は?」
「俺はレインってんだ。よろしくな!」
「よろしくレイン」
レインと軽く握手を交わす。
「ねぇレインはいつ王都に着いたの?」
荷物を片付けながらふと疑問を投げかけた。
「俺か?俺は王都の生まれだぜ?だから今日の昼過ぎに受付を済ませて同居人が来るのを待ってたんだ」
「そうなの?王都に住んでいても寮に入るの?」
「まぁそうだな。俺達が学校を卒業する時は15歳だろ。大人になるからいつでも1人立ちできるように王都の住人でも寮に住む決まりになっているんだ」
「へぇ、どうして?」
レインから聞いた話によると、王都に住まいがあっても15歳で成人とされるので冒険者学校卒業後には冒険者になる者もいることから何事も一人で対応出来るように冒険者学校入学者は寮での生活が義務付けられているらしい。
不出来なことがあったとしても、冒険者はパーティを組んで対応することもあるため、そこは個々人の采配に委ねられている。それらの即時対応も冒険者としては必須能力となっているとのこと。
「――――ふぅん、そうなんだ。僕は王都に来たの初めてだから、わからないことは教えて欲しいな」
「おう、なんでも聞いてくれよ」
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