7 / 11
新たな生活
しおりを挟む
私は、3ヶ月ですっかり回復して幼児体型を取り戻せた。
最初、病院の鏡で自分の顔を見た時は、ギスギス、パサパサとした激やせの子供で、自分で見ても怖かったが、今では、ほっぺがぷっくりとなって、自分でも言うのもあれだけど、可愛くなっていた。
目がパッチリしてるし、睫毛が長い!え、1cm以上あるよね?
髪も艶が出て、サラサラになった。
退院の許可が降りて、霧島家に引き取ってもらえたんだよ、と聞いた時は、泣いたね!嬉しくて!
この世には神も仏もないと思ったのは間違いのようだ。
神様ありがとう!!
お父さんがお迎えに来てくれて、久々に会った時には、お父さんも涙ぐんで「可愛くなったな」と嬉しそうに笑ってくれた。
新しい生活といっても、前世での家族だし、元々自分の部屋。
転生としては、かなり恵まれてると思う。
まぁ、死にそうになってわけだから、今となってはだけど。
ただ、自分自身がミニマムになってしまったので、何をするにも不便なことこの上ない。
椅子が高い、ベッドも高い。
トイレにもドアさえ開けられない!
「不便すぎる!」
と私が叫んでしまっても仕方ないことだと思う。
「なっちゃん」
カズが私を呼ぶ。
どうも、元姉を呼び捨てにすることを躊躇った結果、なっちゃんに落ち着いたようだ。
「カズお兄ちゃん」
私が、うるうると瞬きしながら見上げると、カズがウッと胸を押さえた。
弟はどうも妹の魅力に悶えてるらしい。
一度気付いてしまうと止められなくなっちゃうんだよね。カズ面白いわー。
「なっちゃん、もうからかうのやめて」
はぁ、とため息をつくカズは、昔の中学の頃と違って、背も高くなって、声も声変わりしていて男らしくなってる。
私だけが、小さくなってしまった。
「なっちゃんが、住みやすいように、今から踏み台を作るよ」
「わぁ!うれしい!!私も手伝うよ」
小さい段ボールから少し大きめの段ボールに新聞紙を丸めて詰め込んで、ガムテープでいくつも閉じた。
「たくさん出来たけど、まさかこれで完成とか言わないよね?」
私が、可愛さも欠片もない、段ボールの山を見て言うと、ガスはギクリと肩を揺らした。
やっぱりね、まぁ男の子だし、これを可愛くしようなんて思わないか。
よし!じゃ、可愛い布で私がカバーを作ろう!
「カズお兄ちゃん、私カバー作るから布が欲しいの。今から一緒に買いに行こう?」
可愛くおねだりすると、カズは「はい、はい。お嬢様」と耳を赤くしながら頼みを聞いてくれるのだった。
お母さんに、カズと布を買いにお買い物に行くと言うと、お母さんも一緒に行くと言うので3人でお買い物に行くことになった。
「なっちゃん、その服似合う!」
因みにお母さんも、なっちゃん呼びになった。
小さな子に、「ちゃん」付けしたくなる気持ち、私もわかる。
今日の服は、寒くなってきたのでウサミミフードがついているコートにミニスカートにお尻から足までのスパッツを履いている。リュックもピンクのうさぎで可愛い。
可愛くていいんだけどね!中身16才だから!!
もう少し、シックなコーデでもいいと思うんだけどな。
でも、この菜津の体型と顔に合ってるのも事実。
ウム、あざと可愛らしく生きてみるか。
カズは、イチコロだよね。
クスリと思い出し笑いをしながら、鏡の前でポーズを決めたら、カズが固まった。
「な、な、なっちゃん!可愛いすぎる!誘拐されちゃうよ?」
カズよ、それはちと大げさではなかろうか?
お兄ちゃん呼びは、カズを危険な道に行かせてしまったのかもしれない。
う、うん、カズってやっぱり呼び捨てにしとこう!
ごめんね、お姉ちゃんが、悪かったような気がする。
「カズ、私は普通の3才とは違うの。中身は16才なんだから心配しなくても大丈夫だから」
私が小さな胸を反らしてどや顔になる。
カズは、頭を押さえた。
「なっちゃんは、何にも分かってない。そんなこと自慢したところも可愛いすぎる!」
「ええっ!」
「あと、もうお兄ちゃんって呼んでくれないわけ?」
シュンと耳としっぽが垂れ下がってるのは幻像だろうか?
「カズは、お兄ちゃんって言うよりも、やっぱ可愛い弟だからね?カズって呼んでもいい?」
小首を傾げて聞いてみる。
「うっ、なっちゃんズルい」
「ん?何か言った?」
「ううん、分かったよ、今まで通りカズって呼んで。なっちゃん」
カズは、優しい笑顔で、私の頭を優しく撫でると、私を抱っこした!
えっ!抱っこ?えっ?
「か、カズ!」
「エヘヘ。なっちゃん可愛いからさ、ずっと抱っこしてみたかったんだよね」
いいでしょ?と甘えたように私の目を覗きこんだ目線は、昔の弟のものでー。
そう、私は昔からその可愛い弟に弱かったのだった。
「うっ、弟に抱っこされちゃう姉って。うーん、今は妹だし……わ、わかったよ。いいよ、でも落とさないでよ?」
「そんなこと当たり前だよ、なっちゃんは安心してくれていいよ」
そんな様子を見てた母は、クスクスと笑いだした。
「ふ、うふふっ、やだおかしい!ふふっ」
「お、お母さん?」
「あー、仲の良かった姉弟のやり取りを見て、真由が還ったんだって、うふふ、あ、なっちゃんだよね、ごめんね」
お母さんは、笑いながら目に涙をためていた。
「お、お母さんっ!うっ、や、やだ、私まで泣けてきちゃうよ」
カズも、目がうるうるしだしてるし、自然と私を強くギュッと抱き締めた!
「い、痛っ!つ、強い、カズ!ギブ!」
「あ、ごめん、なっちゃん」
慌てて加減をするカズ。
この日は、沢山の布と、お母さんとカズで私の抱っこの取り合いをしたり、私の洋服を買いに寄り道したり、幸せいっぱいな1日を過ごしたのだった。
最初、病院の鏡で自分の顔を見た時は、ギスギス、パサパサとした激やせの子供で、自分で見ても怖かったが、今では、ほっぺがぷっくりとなって、自分でも言うのもあれだけど、可愛くなっていた。
目がパッチリしてるし、睫毛が長い!え、1cm以上あるよね?
髪も艶が出て、サラサラになった。
退院の許可が降りて、霧島家に引き取ってもらえたんだよ、と聞いた時は、泣いたね!嬉しくて!
この世には神も仏もないと思ったのは間違いのようだ。
神様ありがとう!!
お父さんがお迎えに来てくれて、久々に会った時には、お父さんも涙ぐんで「可愛くなったな」と嬉しそうに笑ってくれた。
新しい生活といっても、前世での家族だし、元々自分の部屋。
転生としては、かなり恵まれてると思う。
まぁ、死にそうになってわけだから、今となってはだけど。
ただ、自分自身がミニマムになってしまったので、何をするにも不便なことこの上ない。
椅子が高い、ベッドも高い。
トイレにもドアさえ開けられない!
「不便すぎる!」
と私が叫んでしまっても仕方ないことだと思う。
「なっちゃん」
カズが私を呼ぶ。
どうも、元姉を呼び捨てにすることを躊躇った結果、なっちゃんに落ち着いたようだ。
「カズお兄ちゃん」
私が、うるうると瞬きしながら見上げると、カズがウッと胸を押さえた。
弟はどうも妹の魅力に悶えてるらしい。
一度気付いてしまうと止められなくなっちゃうんだよね。カズ面白いわー。
「なっちゃん、もうからかうのやめて」
はぁ、とため息をつくカズは、昔の中学の頃と違って、背も高くなって、声も声変わりしていて男らしくなってる。
私だけが、小さくなってしまった。
「なっちゃんが、住みやすいように、今から踏み台を作るよ」
「わぁ!うれしい!!私も手伝うよ」
小さい段ボールから少し大きめの段ボールに新聞紙を丸めて詰め込んで、ガムテープでいくつも閉じた。
「たくさん出来たけど、まさかこれで完成とか言わないよね?」
私が、可愛さも欠片もない、段ボールの山を見て言うと、ガスはギクリと肩を揺らした。
やっぱりね、まぁ男の子だし、これを可愛くしようなんて思わないか。
よし!じゃ、可愛い布で私がカバーを作ろう!
「カズお兄ちゃん、私カバー作るから布が欲しいの。今から一緒に買いに行こう?」
可愛くおねだりすると、カズは「はい、はい。お嬢様」と耳を赤くしながら頼みを聞いてくれるのだった。
お母さんに、カズと布を買いにお買い物に行くと言うと、お母さんも一緒に行くと言うので3人でお買い物に行くことになった。
「なっちゃん、その服似合う!」
因みにお母さんも、なっちゃん呼びになった。
小さな子に、「ちゃん」付けしたくなる気持ち、私もわかる。
今日の服は、寒くなってきたのでウサミミフードがついているコートにミニスカートにお尻から足までのスパッツを履いている。リュックもピンクのうさぎで可愛い。
可愛くていいんだけどね!中身16才だから!!
もう少し、シックなコーデでもいいと思うんだけどな。
でも、この菜津の体型と顔に合ってるのも事実。
ウム、あざと可愛らしく生きてみるか。
カズは、イチコロだよね。
クスリと思い出し笑いをしながら、鏡の前でポーズを決めたら、カズが固まった。
「な、な、なっちゃん!可愛いすぎる!誘拐されちゃうよ?」
カズよ、それはちと大げさではなかろうか?
お兄ちゃん呼びは、カズを危険な道に行かせてしまったのかもしれない。
う、うん、カズってやっぱり呼び捨てにしとこう!
ごめんね、お姉ちゃんが、悪かったような気がする。
「カズ、私は普通の3才とは違うの。中身は16才なんだから心配しなくても大丈夫だから」
私が小さな胸を反らしてどや顔になる。
カズは、頭を押さえた。
「なっちゃんは、何にも分かってない。そんなこと自慢したところも可愛いすぎる!」
「ええっ!」
「あと、もうお兄ちゃんって呼んでくれないわけ?」
シュンと耳としっぽが垂れ下がってるのは幻像だろうか?
「カズは、お兄ちゃんって言うよりも、やっぱ可愛い弟だからね?カズって呼んでもいい?」
小首を傾げて聞いてみる。
「うっ、なっちゃんズルい」
「ん?何か言った?」
「ううん、分かったよ、今まで通りカズって呼んで。なっちゃん」
カズは、優しい笑顔で、私の頭を優しく撫でると、私を抱っこした!
えっ!抱っこ?えっ?
「か、カズ!」
「エヘヘ。なっちゃん可愛いからさ、ずっと抱っこしてみたかったんだよね」
いいでしょ?と甘えたように私の目を覗きこんだ目線は、昔の弟のものでー。
そう、私は昔からその可愛い弟に弱かったのだった。
「うっ、弟に抱っこされちゃう姉って。うーん、今は妹だし……わ、わかったよ。いいよ、でも落とさないでよ?」
「そんなこと当たり前だよ、なっちゃんは安心してくれていいよ」
そんな様子を見てた母は、クスクスと笑いだした。
「ふ、うふふっ、やだおかしい!ふふっ」
「お、お母さん?」
「あー、仲の良かった姉弟のやり取りを見て、真由が還ったんだって、うふふ、あ、なっちゃんだよね、ごめんね」
お母さんは、笑いながら目に涙をためていた。
「お、お母さんっ!うっ、や、やだ、私まで泣けてきちゃうよ」
カズも、目がうるうるしだしてるし、自然と私を強くギュッと抱き締めた!
「い、痛っ!つ、強い、カズ!ギブ!」
「あ、ごめん、なっちゃん」
慌てて加減をするカズ。
この日は、沢山の布と、お母さんとカズで私の抱っこの取り合いをしたり、私の洋服を買いに寄り道したり、幸せいっぱいな1日を過ごしたのだった。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?
すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。
翔馬「俺、チャーハン。」
宏斗「俺もー。」
航平「俺、から揚げつけてー。」
優弥「俺はスープ付き。」
みんなガタイがよく、男前。
ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」
慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。
終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。
ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」
保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。
私は子供と一緒に・・・暮らしてる。
ーーーーーーーーーーーーーーーー
翔馬「おいおい嘘だろ?」
宏斗「子供・・・いたんだ・・。」
航平「いくつん時の子だよ・・・・。」
優弥「マジか・・・。」
消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。
太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。
「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」
「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」
※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。
※感想やコメントは受け付けることができません。
メンタルが薄氷なもので・・・すみません。
言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。
楽しんでいただけたら嬉しく思います。
【R18】エリートビジネスマンの裏の顔
白波瀬 綾音
恋愛
御社のエース、危険人物すぎます───。
私、高瀬緋莉(27)は、思いを寄せていた業界最大手の同業他社勤務のエリート営業マン檜垣瑤太(30)に執着され、軟禁されてしまう。
同じチームの後輩、石橋蓮(25)が異変に気付くが……
この生活に果たして救いはあるのか。
※サムネにAI生成画像を使用しています
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれた女子高生たちが小さな公園のトイレをみんなで使う話
赤髪命
大衆娯楽
少し田舎の土地にある女子校、華水黄杏女学園の1年生のあるクラスの乗ったバスが校外学習の帰りに渋滞に巻き込まれてしまい、急遽トイレ休憩のために立ち寄った小さな公園のトイレでクラスの女子がトイレを済ませる話です(分かりにくくてすみません。詳しくは本文を読んで下さい)
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる