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クリスマスイブの夜は、素敵なディナー
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今日は、待ちに待ったクリスマスイブ。
どんな服にするか悩んだが、手持ちのシンプルなスーツにした。
とても服まで買う余裕がなかったし、ホテルならスーツにネクタイであれば問題ないだろう。
あと、俺は男同士のアレの時ってどうするのか調べてみたら、受けとか攻めとか、なんかめちゃくちゃヤバかった!
俺は自分が攻めだと思ってるけど、翔が攻めがいいと言ったらどうするか、結構真剣に悩んだ。
好きなんだから、それもありかと開き直って、やっと落ち着いた。
これから、翔と待ち合わせして映画デートしてから、ホテルにチェックインして、荷物を置いてディナーの予定だ。
もちろん高校生とバレないようにしないとな。
はぁ、緊張する。
待ち合わせ場所に、すごい美人がいた。
長い髪を後ろに結って、黒のパンツスーツに赤いヒールが映えている。赤い口紅がやけに色っぽい。
すげえ美人だな。
俺は、同じ待ち合わせなんだなと思って、翔が来るのを待っていると、その美女が近寄ってきた。
「ひどくない?私のことわからない?」
え、その声は。
「翔か?」
「ふふっ、分からなかった?」
びびった!いつもの可愛いさから美女にも変身できるのかよ。
「悪りい。美人過ぎるよ」
俺が正直に言うと、翔がクスクス笑った。
「今日、ヒロトが頑張って働いたお金で食べさせてもらうんだから、私も頑張っておめかししてきたの。似合う?」
翔は、サングラスを取ってニコッと笑ってポーズを決めた。
「ちょ、俺の心臓持たないから!ていうか話し方や声のトーンまで変えられると緊張するよ。元の翔の話し方で頼むよ」
俺の動揺が可笑しいらしく、クスクス笑ってる。
勘弁してくれ!
「ははっ!ヒロトの動揺する姿珍しいな。そんなに緊張するか?俺はどんな姿でも俺は俺だぜ?」
美女の翔がいつも通りの話し方で話してくれて、やっと翔に出会えたことにホッとした。
「はぁ、良かった。翔のいつもの話し方を聞いてホッとしたよ」
「あら?ホテルの食事中は、私こんな感じよ?早く慣れてね?ヒ・ロ・ト?」
なんか年上の女性に弄ばれてる気分だなぁ。
「そんな余裕がいつまで持つかな?翔、あとで覚えてろよ?今日は寝かせないからな?」
俺は、ホテルの泊まりのことは言ってあるから騙しうちはしてない。
どう想像してたかは知らないが、今の俺のセリフでさすがに夜、何が起こるか理解しただろうか?
翔の顔は見る見るうちに真っ赤になった。
「え、え、え?あ、う~・・・」
良かった、やっと美人のお姉さんでなく、可愛い翔だ。俺は満足して、気持ちにゆとりが持てた。翔には悪いことをしたが、俺ばかりを翻弄するのが悪いから自業自得だな。
俺は腕に隙間を空けて待つと、翔がフンっと言いながらも、俺の腕に腕を通す。
「今、面白い映画やってるからさ、観に行こうぜ。アクション映画好きだろ?」
「アクション映画か、いいな。よし行くか」
翔のほっぺはまだ赤く、動揺してるのが見え隠れしている。
帰ると言い出さないところを見ると覚悟決めたかな?
大人の男のように、ディナーのあと、鍵を見せて「部屋を取ってある」とか言うのは格好いいけど、土壇場でダメとか言われたら凹む。なので、今のうちダメならダメだと言ってくれた方が傷は浅い・・ハズ。
映画は、俳優がすごく格好よかった。
戦闘シーンがかなり派手で、見応えたっぶりだった。翔はどうだった?と聞くと、かなりどもっている。
まだ、先程匂わせた夜のことを想像してるのだろうか?
どんな想像をしてるのか、ぜひ詳しく聞いてみたい。
だけど、あんまり刺激を与えすぎて逃げられてしまっては元も子もない。
ちょっと脅し過ぎたことを反省する。
「翔?さっきは動揺させるような言葉を使ってごめんな?部屋は取ってあるけど、嫌なら手は出さないって誓うからさ」
「う、うん。サンキュ」
翔はやっと肩の力が抜けたようだ。
ある意味早めにこの話をしといて良かった。
心の準備は必要だよね。
俺たちは、ホテルにチェックインし、荷物を置いて、レストランへ向かった。
どこもかしこもカップルばかり。家族連れやお一人様はほとんどない。
俺たちも席に座り、ウェイターが料理を順々に出してくれる。
「ヒロト、確か外側からホークたナイフ使うのよね?」
「ああ、そうだな。そこの水に入ってるボールはフィンガーボールで指先を洗う為のだから飲むなよ?」
前にテレビで、それを飲んだという芸能人の告白でみんな笑ってるのを見たことがあったので念の為に言っとく。
「えっ?そうなの?知らなかったわ。ありがとう」
うっ、目を丸めて驚く顔も今日は、やけにキラキラと輝いて見える。
改めて見ても、今日の翔は美人だ。
いつもと違う化粧でこんなにも印象が変わるんだな。
話口調も柔らかくて、俺はお酒を飲んでもないのに、顔に熱がたまる。
メインの肉は、柔らかくて甘みがあり、フレッシュなフルーツを使ったソースとよく合って上手い。
「こんな料理は、絶対にうちて出ないよ。上手いな」
「うふふ。ホント美味しい!ヒロト連れてきてくれてありがとう」
「たくっ、そんな口調で言われると調子狂うな。翔があまりにも美人過ぎて緊張するのに、そうやって話し方も女性っぽく言われるとかなり弱いって自覚するよ」
翔が大きな瞳をパチパチと瞬きすると、ポロリと涙が一筋溢れた。
えっ、なんでた?
「どうした?なんで泣くの?」
「ご、ごめん。泣くつもりじゃなかったけど、ヒロトが俺・・じゃなくて私のこと美人だって言って、緊張するって言ってくれたけど、本当は私の方がヒロトがあまりにも格好良くて緊張してたの。でも同じなんだなって思ったらホッとしちゃって」
ヘラリと笑った翔は、本当に綺麗で、もうとてもデザートどころではないのだが。
「翔、俺も嬉しいよ。翔、聞いていい?今まで翔の気持ちを置いてけぼりにして、俺突っ走ってきたけど、最近さ、翔の気持ちがすごく近く感じるんだ。気のせいじゃないって思っていいの?」
翔の顔が化粧で分かりにくいが、耳が赤い。
「お、俺、ヒロトのこと・・すごく好きみたいだ。いや、みたいだじゃなくて、すごく好きだ」
ヤバイ。泣きそうだ。
「なんだよ?俺を泣かしにかかってるのか?感動で泣きそう」
涙腺が壊れそうで、必死に抑えたがダメで涙が出てくる。
「な、なんだよ!お前も泣かなくてもいいだろ!」
「しょうがないだろ、嬉しいんだよ」
翔の気持ちは聞かなくても、態度で伝わってきたし、素直に言ってくれなくても嫌だとはちっとも思ってなかった。だけど、口に想いを出してもらうだけでこんなにも感動するんだなと改めて言葉ってすごいと思う。
俺も、素直な気持ちで翔に想いを伝えておこうと思う。
「翔、ありがとう。俺の一目惚れからお前に一方的に熱を上げてるの承知で好きになったのに、まさか想いを返してもらえるなんてな。特別なクリスマスになったよ。なぁ、もう我慢できないんだけどさ、デザートは部屋に運んでもらってもいい?」
「ひゃ?」
今度はしっかり顔まで赤くなっている。
「行こう?」
俺は、サッと手を上げてウェイターを呼ぶとデザートを部屋に運ぶように頼む。
ついでにデザートに合う、アルコール抜きのドリンクも頼んでおく。
俺は、まだ赤くなっている翔を連れ立って、部屋まで戻ると、もう部屋にはデザートとドリンクが運ばれていた。
「もうその服や靴も脱いで化粧も落としてさ、楽に食べないか?」
「え、あ、うん。そうだな。じゃあ先に入ってくるかな」
翔がシャワーを浴びて、バスローブで戻ってきた。
さっきまでいた、美女とは違う、いつもの学校にいる翔が目の前にいる。
どの翔も好きだが、目の前にいるこの翔が一番いい。
「俺もこのスーツ脱いで、シャワー浴びてくるからもう少し待ってて」
俺は、速攻で体を洗った。
翔に臭いと思われなたくない。
「お待たせ。早速デザート食べようぜ」
「あ、ああ。美味そうだな」
目の前には、チョコのケーキに生クリームがかかっている美味しそうなケーキがあるが、それよりも翔の方が俺には美味しそうに見えた。
どんな服にするか悩んだが、手持ちのシンプルなスーツにした。
とても服まで買う余裕がなかったし、ホテルならスーツにネクタイであれば問題ないだろう。
あと、俺は男同士のアレの時ってどうするのか調べてみたら、受けとか攻めとか、なんかめちゃくちゃヤバかった!
俺は自分が攻めだと思ってるけど、翔が攻めがいいと言ったらどうするか、結構真剣に悩んだ。
好きなんだから、それもありかと開き直って、やっと落ち着いた。
これから、翔と待ち合わせして映画デートしてから、ホテルにチェックインして、荷物を置いてディナーの予定だ。
もちろん高校生とバレないようにしないとな。
はぁ、緊張する。
待ち合わせ場所に、すごい美人がいた。
長い髪を後ろに結って、黒のパンツスーツに赤いヒールが映えている。赤い口紅がやけに色っぽい。
すげえ美人だな。
俺は、同じ待ち合わせなんだなと思って、翔が来るのを待っていると、その美女が近寄ってきた。
「ひどくない?私のことわからない?」
え、その声は。
「翔か?」
「ふふっ、分からなかった?」
びびった!いつもの可愛いさから美女にも変身できるのかよ。
「悪りい。美人過ぎるよ」
俺が正直に言うと、翔がクスクス笑った。
「今日、ヒロトが頑張って働いたお金で食べさせてもらうんだから、私も頑張っておめかししてきたの。似合う?」
翔は、サングラスを取ってニコッと笑ってポーズを決めた。
「ちょ、俺の心臓持たないから!ていうか話し方や声のトーンまで変えられると緊張するよ。元の翔の話し方で頼むよ」
俺の動揺が可笑しいらしく、クスクス笑ってる。
勘弁してくれ!
「ははっ!ヒロトの動揺する姿珍しいな。そんなに緊張するか?俺はどんな姿でも俺は俺だぜ?」
美女の翔がいつも通りの話し方で話してくれて、やっと翔に出会えたことにホッとした。
「はぁ、良かった。翔のいつもの話し方を聞いてホッとしたよ」
「あら?ホテルの食事中は、私こんな感じよ?早く慣れてね?ヒ・ロ・ト?」
なんか年上の女性に弄ばれてる気分だなぁ。
「そんな余裕がいつまで持つかな?翔、あとで覚えてろよ?今日は寝かせないからな?」
俺は、ホテルの泊まりのことは言ってあるから騙しうちはしてない。
どう想像してたかは知らないが、今の俺のセリフでさすがに夜、何が起こるか理解しただろうか?
翔の顔は見る見るうちに真っ赤になった。
「え、え、え?あ、う~・・・」
良かった、やっと美人のお姉さんでなく、可愛い翔だ。俺は満足して、気持ちにゆとりが持てた。翔には悪いことをしたが、俺ばかりを翻弄するのが悪いから自業自得だな。
俺は腕に隙間を空けて待つと、翔がフンっと言いながらも、俺の腕に腕を通す。
「今、面白い映画やってるからさ、観に行こうぜ。アクション映画好きだろ?」
「アクション映画か、いいな。よし行くか」
翔のほっぺはまだ赤く、動揺してるのが見え隠れしている。
帰ると言い出さないところを見ると覚悟決めたかな?
大人の男のように、ディナーのあと、鍵を見せて「部屋を取ってある」とか言うのは格好いいけど、土壇場でダメとか言われたら凹む。なので、今のうちダメならダメだと言ってくれた方が傷は浅い・・ハズ。
映画は、俳優がすごく格好よかった。
戦闘シーンがかなり派手で、見応えたっぶりだった。翔はどうだった?と聞くと、かなりどもっている。
まだ、先程匂わせた夜のことを想像してるのだろうか?
どんな想像をしてるのか、ぜひ詳しく聞いてみたい。
だけど、あんまり刺激を与えすぎて逃げられてしまっては元も子もない。
ちょっと脅し過ぎたことを反省する。
「翔?さっきは動揺させるような言葉を使ってごめんな?部屋は取ってあるけど、嫌なら手は出さないって誓うからさ」
「う、うん。サンキュ」
翔はやっと肩の力が抜けたようだ。
ある意味早めにこの話をしといて良かった。
心の準備は必要だよね。
俺たちは、ホテルにチェックインし、荷物を置いて、レストランへ向かった。
どこもかしこもカップルばかり。家族連れやお一人様はほとんどない。
俺たちも席に座り、ウェイターが料理を順々に出してくれる。
「ヒロト、確か外側からホークたナイフ使うのよね?」
「ああ、そうだな。そこの水に入ってるボールはフィンガーボールで指先を洗う為のだから飲むなよ?」
前にテレビで、それを飲んだという芸能人の告白でみんな笑ってるのを見たことがあったので念の為に言っとく。
「えっ?そうなの?知らなかったわ。ありがとう」
うっ、目を丸めて驚く顔も今日は、やけにキラキラと輝いて見える。
改めて見ても、今日の翔は美人だ。
いつもと違う化粧でこんなにも印象が変わるんだな。
話口調も柔らかくて、俺はお酒を飲んでもないのに、顔に熱がたまる。
メインの肉は、柔らかくて甘みがあり、フレッシュなフルーツを使ったソースとよく合って上手い。
「こんな料理は、絶対にうちて出ないよ。上手いな」
「うふふ。ホント美味しい!ヒロト連れてきてくれてありがとう」
「たくっ、そんな口調で言われると調子狂うな。翔があまりにも美人過ぎて緊張するのに、そうやって話し方も女性っぽく言われるとかなり弱いって自覚するよ」
翔が大きな瞳をパチパチと瞬きすると、ポロリと涙が一筋溢れた。
えっ、なんでた?
「どうした?なんで泣くの?」
「ご、ごめん。泣くつもりじゃなかったけど、ヒロトが俺・・じゃなくて私のこと美人だって言って、緊張するって言ってくれたけど、本当は私の方がヒロトがあまりにも格好良くて緊張してたの。でも同じなんだなって思ったらホッとしちゃって」
ヘラリと笑った翔は、本当に綺麗で、もうとてもデザートどころではないのだが。
「翔、俺も嬉しいよ。翔、聞いていい?今まで翔の気持ちを置いてけぼりにして、俺突っ走ってきたけど、最近さ、翔の気持ちがすごく近く感じるんだ。気のせいじゃないって思っていいの?」
翔の顔が化粧で分かりにくいが、耳が赤い。
「お、俺、ヒロトのこと・・すごく好きみたいだ。いや、みたいだじゃなくて、すごく好きだ」
ヤバイ。泣きそうだ。
「なんだよ?俺を泣かしにかかってるのか?感動で泣きそう」
涙腺が壊れそうで、必死に抑えたがダメで涙が出てくる。
「な、なんだよ!お前も泣かなくてもいいだろ!」
「しょうがないだろ、嬉しいんだよ」
翔の気持ちは聞かなくても、態度で伝わってきたし、素直に言ってくれなくても嫌だとはちっとも思ってなかった。だけど、口に想いを出してもらうだけでこんなにも感動するんだなと改めて言葉ってすごいと思う。
俺も、素直な気持ちで翔に想いを伝えておこうと思う。
「翔、ありがとう。俺の一目惚れからお前に一方的に熱を上げてるの承知で好きになったのに、まさか想いを返してもらえるなんてな。特別なクリスマスになったよ。なぁ、もう我慢できないんだけどさ、デザートは部屋に運んでもらってもいい?」
「ひゃ?」
今度はしっかり顔まで赤くなっている。
「行こう?」
俺は、サッと手を上げてウェイターを呼ぶとデザートを部屋に運ぶように頼む。
ついでにデザートに合う、アルコール抜きのドリンクも頼んでおく。
俺は、まだ赤くなっている翔を連れ立って、部屋まで戻ると、もう部屋にはデザートとドリンクが運ばれていた。
「もうその服や靴も脱いで化粧も落としてさ、楽に食べないか?」
「え、あ、うん。そうだな。じゃあ先に入ってくるかな」
翔がシャワーを浴びて、バスローブで戻ってきた。
さっきまでいた、美女とは違う、いつもの学校にいる翔が目の前にいる。
どの翔も好きだが、目の前にいるこの翔が一番いい。
「俺もこのスーツ脱いで、シャワー浴びてくるからもう少し待ってて」
俺は、速攻で体を洗った。
翔に臭いと思われなたくない。
「お待たせ。早速デザート食べようぜ」
「あ、ああ。美味そうだな」
目の前には、チョコのケーキに生クリームがかかっている美味しそうなケーキがあるが、それよりも翔の方が俺には美味しそうに見えた。
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