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初めてのプレゼント
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レイフォードとシオンはお店に出てから自然と手を繋いだ。
後ろに控えている護衛達も2人を穏やかな表情で眺めていた。
2人はいろんな店を見たりして楽しい時間を過ごした。
最後におしゃれな雑貨屋さんがあったのでクラリスにお土産を買いたいと伝えレイフォードと共に中に入る。
店内は色んな物が置いてあり、見るだけでワクワクした。
クラリスには流行りだと言う真珠のイヤリングに決めた。
「シオン、お前も欲しい物があれば言ってくれ。」
「え、あ、はい。」
(…欲しいものか。王宮にはなんでも揃っているし。うーん。)
店内をゆっくりとみていると、髪飾りや髪紐が置かれているところをみつけた。
そこには物欲のないシオンでも目を惹く綺麗な髪紐を見つけた。
それは黒の革でできた髪紐でダイヤモンドが繊細についていた。
普段髪を緩く三つ編みにし肩に流しているので髪につけたら素敵だろうとシオンは思った。
(とても綺麗。あ、でも黒にダイヤモンドってレイフォード様の色だ。これが欲しいって恥ずかしくて言えないや。)
普段白ばかり選ぶシオンが黒を選ぶなんてレイフォード様の事を無意識に意識してる事に気づいた。
きっとレイフォード様にも気づかれて恋仲でもない僕に自分の色を身につけられたら嫌に思うだろう。
やめておこう。
「お前、これが欲しいのか?」
いつの間にかレイフォードが隣にいた。
咄嗟に手に取っていた黒の髪紐を慌てて元に戻してレイフォードに向き直る。
「あ、いえ。たまたま手に取っただけです。特に欲しい物はないので今回はクラリスのお土産にします。」
「…そうか。お前のメイドの土産は俺が支払いをしておくから護衛と共に外に待っていてくれ。」
シオンはそう言われ、レイフォードの言う通りに外で待つ。
そして待っている間、素直にあれが欲しいと言えばよかったと少し後悔した。
そして2人はまた馬車に乗り込み王宮へ帰ったのだった。
その日の夜、シオンは今日の出来事を思い出していた。
(ああ、今日は楽しかったな。また機会があればレイフォード様連れて行ってくれるかな。)
今日、レイフォード様との距離が更に縮まった感じがする。
すると、扉が開き寝間着姿のレイフォードが入ってきた。
「レイフォード様、今日は王都に連れて行ってくれてありがとうございました。」
「ああ。お前は楽しめたか?」
レイフォードはシオンの隣に座り問いかける。
「はい。とても楽しかったです。ウィンザードは良いところですね。」
その言葉にレイフォードは優しい表情になる。
「そうか。また時間を作って連れてってやる。」
「本当ですか?嬉しいです!」
そうすると、レイフォードは寝間着のポケットから小さな小包をシオンの前に差し出す。
「…?レイフォード様これは?」
「いいから開けてみろ。」
そう言われ、綺麗に包装されている小包みを開けていく。
そこにはシオンが欲しいと思っていたあの黒の髪紐が入っていた。
「レイフォード様、これ!」
「お前がこれを物欲しげに見ていたから…まあプレゼントだ。」
「レイフォード様、嬉しい。嬉しいです。」
レイフォードが自分を見ていた事に気づいてくれ買ってくれていた事がこんなにも嬉しい。
(レイフォード様、優しいな。)
「…ありがとうございます。」
シオンはレイフォードからのプレゼントに心から喜び涙目になりながら笑顔でレイフォードに伝える。
「…っ」
すると、レイフォードがシオンに近づき頬に手を添える。
「……レイフォード様?」
そう言った瞬間、一気に距離が縮まりシオンが気づく前に唇に柔らかな感触がした。
「…んんっ」
口付けだと気づいた時には口を開けられ、口内にぬるりとした物が入り込む。
(口付けされてる、レイフォード様に。)
レイフォードの舌がシオンの口内を蹂躙し犯していく。
今までされた事のない感触に気持ちいいと感じシオンはうっとりしてしまう。
初めての深い口付けにシオンは息ができないでいた。唇の端からよだれが溢れる。
「ふぁ……んぅ…」
このままでは息が続かないと思ったシオンは思わずレイフォードの胸を押す。
するとレイフォードは唇を離し、我に返ったように焦っていた。
「その、…すまない。」
そう言って今まで見た事ない焦った表情していて頬に少し赤みが差していた。
レイフォードはシオンの言葉を聞く前に立ち上がり「大事な仕事忘れていた。」と言い放ち足早に部屋を出て行ってしまった。
シオンは今起きた出来事が信じられないでいた。
「…レイフォード様に口付けされた?」
(初めての口付け。レイフォード様どういうつもりだったんだろ…。)
あれが間違いだったとしても嬉しい。
一気に顔が赤くなり全身が熱く沸騰したようになった。
シオンはレイフォードから貰った髪紐を胸の前で大事に握り目を閉じる。
そして先程の出来事を思い出していた。
後ろに控えている護衛達も2人を穏やかな表情で眺めていた。
2人はいろんな店を見たりして楽しい時間を過ごした。
最後におしゃれな雑貨屋さんがあったのでクラリスにお土産を買いたいと伝えレイフォードと共に中に入る。
店内は色んな物が置いてあり、見るだけでワクワクした。
クラリスには流行りだと言う真珠のイヤリングに決めた。
「シオン、お前も欲しい物があれば言ってくれ。」
「え、あ、はい。」
(…欲しいものか。王宮にはなんでも揃っているし。うーん。)
店内をゆっくりとみていると、髪飾りや髪紐が置かれているところをみつけた。
そこには物欲のないシオンでも目を惹く綺麗な髪紐を見つけた。
それは黒の革でできた髪紐でダイヤモンドが繊細についていた。
普段髪を緩く三つ編みにし肩に流しているので髪につけたら素敵だろうとシオンは思った。
(とても綺麗。あ、でも黒にダイヤモンドってレイフォード様の色だ。これが欲しいって恥ずかしくて言えないや。)
普段白ばかり選ぶシオンが黒を選ぶなんてレイフォード様の事を無意識に意識してる事に気づいた。
きっとレイフォード様にも気づかれて恋仲でもない僕に自分の色を身につけられたら嫌に思うだろう。
やめておこう。
「お前、これが欲しいのか?」
いつの間にかレイフォードが隣にいた。
咄嗟に手に取っていた黒の髪紐を慌てて元に戻してレイフォードに向き直る。
「あ、いえ。たまたま手に取っただけです。特に欲しい物はないので今回はクラリスのお土産にします。」
「…そうか。お前のメイドの土産は俺が支払いをしておくから護衛と共に外に待っていてくれ。」
シオンはそう言われ、レイフォードの言う通りに外で待つ。
そして待っている間、素直にあれが欲しいと言えばよかったと少し後悔した。
そして2人はまた馬車に乗り込み王宮へ帰ったのだった。
その日の夜、シオンは今日の出来事を思い出していた。
(ああ、今日は楽しかったな。また機会があればレイフォード様連れて行ってくれるかな。)
今日、レイフォード様との距離が更に縮まった感じがする。
すると、扉が開き寝間着姿のレイフォードが入ってきた。
「レイフォード様、今日は王都に連れて行ってくれてありがとうございました。」
「ああ。お前は楽しめたか?」
レイフォードはシオンの隣に座り問いかける。
「はい。とても楽しかったです。ウィンザードは良いところですね。」
その言葉にレイフォードは優しい表情になる。
「そうか。また時間を作って連れてってやる。」
「本当ですか?嬉しいです!」
そうすると、レイフォードは寝間着のポケットから小さな小包をシオンの前に差し出す。
「…?レイフォード様これは?」
「いいから開けてみろ。」
そう言われ、綺麗に包装されている小包みを開けていく。
そこにはシオンが欲しいと思っていたあの黒の髪紐が入っていた。
「レイフォード様、これ!」
「お前がこれを物欲しげに見ていたから…まあプレゼントだ。」
「レイフォード様、嬉しい。嬉しいです。」
レイフォードが自分を見ていた事に気づいてくれ買ってくれていた事がこんなにも嬉しい。
(レイフォード様、優しいな。)
「…ありがとうございます。」
シオンはレイフォードからのプレゼントに心から喜び涙目になりながら笑顔でレイフォードに伝える。
「…っ」
すると、レイフォードがシオンに近づき頬に手を添える。
「……レイフォード様?」
そう言った瞬間、一気に距離が縮まりシオンが気づく前に唇に柔らかな感触がした。
「…んんっ」
口付けだと気づいた時には口を開けられ、口内にぬるりとした物が入り込む。
(口付けされてる、レイフォード様に。)
レイフォードの舌がシオンの口内を蹂躙し犯していく。
今までされた事のない感触に気持ちいいと感じシオンはうっとりしてしまう。
初めての深い口付けにシオンは息ができないでいた。唇の端からよだれが溢れる。
「ふぁ……んぅ…」
このままでは息が続かないと思ったシオンは思わずレイフォードの胸を押す。
するとレイフォードは唇を離し、我に返ったように焦っていた。
「その、…すまない。」
そう言って今まで見た事ない焦った表情していて頬に少し赤みが差していた。
レイフォードはシオンの言葉を聞く前に立ち上がり「大事な仕事忘れていた。」と言い放ち足早に部屋を出て行ってしまった。
シオンは今起きた出来事が信じられないでいた。
「…レイフォード様に口付けされた?」
(初めての口付け。レイフォード様どういうつもりだったんだろ…。)
あれが間違いだったとしても嬉しい。
一気に顔が赤くなり全身が熱く沸騰したようになった。
シオンはレイフォードから貰った髪紐を胸の前で大事に握り目を閉じる。
そして先程の出来事を思い出していた。
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