43 / 44
邪魔な弟2人組
しおりを挟む朝也は困っていた。
仕事が終わり、碧が待っている家に嬉々として帰ると目の前に広がるのは最近よく見る光景だ。
それは……
「おおー朝兄おかえりー。」
テレビの前に座る我が弟、大地。
「お邪魔してまーす。」
大地の隣に座るのは碧の弟、紫貴である。
「…あぁまた来たの。」
帰ったら碧とゆっくりとした時間を過ごし、イチャイチャしたかったというのが本音だ。
「あ、朝也さんおかえりなさい。」
キッチンの方から碧がでて満面の笑みで近寄ってくる。
「ただいま、碧。」
ああ、この笑顔だけで疲れが飛んでいく。
「朝兄、顔、顔!緩みすぎ~」
そんな、ヤジは無視をする。
「おい、大地。止まってんぞ。早くしろ。」
「あ、ごめんごめん~」
そう言って弟2人組は仲良くゲームをしている。
たまたま大地が家に来た時に、紫貴も家に遊びに来た所から2人は意気投合し仲良くなっている。
それは嬉しい事なのだが、なぜかうちに来るのだ。
「すっかり、あの2人仲良しですね?」
「本当だよ。なんでうちに来るんだ。」
「さあ。居心地いいんですかね?」
そう言ってクスッと笑う。
(ああ、あの2人を早く追い出したい。)
「俺は、早く碧と2人っきりになって思う存分碧を愛でたいんだけどな」
そう2人に聞こえないよう、耳元で囁く。
そうすると碧はすぐに顔を真っ赤にして口をパクパクしている。
あー本当、付き合って結構経つのにまだ顔を赤くしちゃって可愛い。
「あー、早く2人っきりになりたい。」
「おい、声漏れてんぞ。」
「本当だよ!朝兄ひどい!」
「あー。お前ら帰れ!」
弟2人組がぶーぶー朝也に言ってくる。
「ふふっ」
後ろから碧の笑い声が聞こえる。
「なんかいいですね。この感じ。」
その言葉に朝也は胸がきゅっとなる。
認めたくないけど、わかる。と思ってしまった。
碧がトコトコ朝也の近くへ来て耳に顔を寄せる。
「大地くんと紫貴が帰ったら、2人で一緒にお風呂入りましょう。」
と言ってくる。
次に顔が真っ赤になったのは朝也の方だった。
_________________________________
こんにちは。お久しぶりです。
久しぶりの投稿です。新しい小説を書いたのでよければそちらも読んでみてください!
1
お気に入りに追加
381
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


鬼上司と秘密の同居
なの
BL
恋人に裏切られ弱っていた会社員の小沢 海斗(おざわ かいと)25歳
幼馴染の悠人に助けられ馴染みのBARへ…
そのまま酔い潰れて目が覚めたら鬼上司と呼ばれている浅井 透(あさい とおる)32歳の部屋にいた…
いったい?…どうして?…こうなった?
「お前は俺のそばに居ろ。黙って愛されてればいい」
スパダリ、イケメン鬼上司×裏切られた傷心海斗は幸せを掴むことができるのか…
性描写には※を付けております。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる