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しおりを挟む朝也から嬉しいサプライズがあった後、2人で家を掃除しつつ、碧は自分の荷物を片付ける。
この作業ですら楽しい。
「碧どう~?」
「もうすぐでひと段落つきそうです。」
「じゃあそれが終わったら買い出し行こうか。」
「いいですね!」
「そのまま夕飯も外で済まそうよ。今日は作るのめんどくさいし。」
「ですね。さすがに今日は夜ゆっくり過ごしたいですし。」
そう言ってすぐに片付けを終わらせ、2人で出かける。
2人が住む事にした場所は割と都内でも栄えており、駅の近くにはショッピングができる施設などもある。
2人はとりあえずショッピングモールに入る。
「2人で使う食器とか買おうか?」
「確かに。これから必要ですね。」
おしゃれな雑貨屋に2人で入る。
「あ。これなんかどう?」
朝也の手元には白と黒のマグカップがあった。
「わぁ~、素敵なマグカップですね。持ち手がなんかおしゃれ!」
「ね、いいよね。これ買おう!」
2人で家で使うものを何点か買っていく。
そうして何件かお店を回ってショッピングを楽しんだ。
(あぁ、この時間なんか楽しいな。お揃いものが増えてくっていい。)
心がふわふわとした気持ちになる。
(なんだか朝也さんも嬉しそうな顔してる。)
「なーに?俺の顔みて。」
「ふふ、なんでもないです。」
「そろそろご飯行こっか。」
「ですね。何食べます?」
「うーん、パスタは?」
「あー、いいですね。家の近くになんかカフェみたいなとこがあってそこにパスタありましたよ?」
「あ、わかる。そこ!いいね、そこにしよう!」
2人は家路に向かいながらカフェを目指す。
入ったカフェはとても落ち着いていて少し薄暗い感じの雰囲気におしゃれなランプがついている。
パスタを2人で食べながら話す。
「なんかさ、今日から2人の生活が始まるんだね。少しまだ夢心地なんだよね、俺。」
「その気持ちなんかわかります。」
「俺は平日休みが多いし碧は休日休みじゃん。だから2人の時間を増やすにはやっぱり一緒に住むって大事だと思うんだ。」
うんうんと頷く。
「それにね、少しも溝とかを作りたくないんだ。俺、碧の事となると余裕なんかなくなっちゃうみたい。」
少し不安そうに言う。
(そんな心配しなくていいのに…)
「多分、朝也さんが思ってるより俺は朝也さんの事大好きです。…それはほんと。同棲できるってなってから、朝也さんをこれで独り占めできるって思ったくらいなんですから。」
「…っ!?」
「…ほら。きっと俺のが重いかもしれませんよ?」
「それはない。夜、眠りにつく前に聴く最後の声が俺であってほしいと思うし、朝は俺の声で目覚めてほしい。これから碧の人生が終わるときまでそんな風にさせてほしいって思うんだから。」
そんな重い愛を伝えられても碧はきっと朝也以外は考えられない。
「…そうであってほしいです。」
そう言うと朝也は嬉しそうに微笑む。
「ありがと、碧。」
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