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しおりを挟むあの刺激的な夜の後、朝也は朝早く碧を家へと送った。
朝也は今日休みだったので家に帰ると少しソファーでゆっくりとして先程までの幸せに浸る。
「朝兄!おはよ~朝帰り~?」
これから出勤の大地が起きてきた。
「おはよ~まあ。そう。」
「羨ましい~俺もやっと彼女とうまくいきそうだよ。」
「よかったね。」
「ありがと。この喧嘩でちゃんとしなきゃと思ったよ。」
実は弟の大地は彼女と同棲して4年と付き合いも大分長くなっていた。
この前このままどうするのか、と将来のこと結婚の事などを聞かれ、特に何も考えてなかった大地はちゃんと答えられなかったらしい。
そして彼女に怒らせてしまい、追い出されたのだ。
「そうだよ。お前の彼女いい子なんだから。」
「愛情表現してたつもりだったけど、ちゃんと言葉にして行動して形で示さなきゃなんだなって思ったよ。」
大地は反省しているようだった。
(言葉にして行動して…形で示す…か…。)
「この喧嘩でやっぱりあいつじゃなきゃと改めて思ったし。俺、プロポーズしようと思ってる。」
(なるほど。形ねぇ。)
「そっか。頑張れよ。」
「ありがと、朝兄。とりあえず今日帰ろうかと思う。」
「やっとか。2週間近くいたのか、大地…。」
「ははは、朝兄は嬉しいか。恋人連れ込めなかったもんね。」
「ほんとだよ。」
「朝兄もちゃんとしなよ~」そう言われ「お前には言われたくない」と返す。
(俺たちも同棲した後の事も考えなきゃなのか…。)
いや、朝也はもう碧を手放す事はできないし、ずっとこれからも一緒にいるものだと思っている。
でも、碧は?どう考えてる?
そう思った。
まずは碧にもっと好きになってもらいたい。
同棲したらいろんな一面を見られるし、見るだろう。
でもどんな碧でも好きなのだ。
いつかもっと付き合いが長くなったら何か形に残せたらなと思う。
でもまずは、幸せな同棲生活を送りたい。
こうしちゃいられないと朝也はすっかり目が覚め携帯で物件などを調べる。
(碧と住む家。少しでもいいところにしたい。)
碧の事となるとなんでもできる気がしてくる。
「何、朝兄にやにやしてんの?」
「碧と住む家探してんのっ!」
「え?同棲??あの朝兄が~?」
「そうだよ。大地は早く準備しろ!」
「はいはーい。わかったよ~」
そう言って大地は帰る準備をする。
今までの兄を知っているので今までとの違いにびっくりする。
今までの恋人は同棲とか絶対なかったのに。
兄はあんまり自分のテリトリーに人を入れたがらないのだ。恋人だってそうだった。
大地は嬉しそうに携帯を見ている朝也をみて
「楽しそうだな~。朝兄も唯一の人見つけたんだ。」
そう呟いたのだった。
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