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LOVE 7
しおりを挟む「覚えてないよね?碧くんはなんて事ない感じで言ったと思うけど。あの日の俺は救われたんだ。」
朝也は碧を見つめ困ったように微笑んで言う。
「俺は、碧くんが本当に好きだよ。君に触れられるのは俺だけでいたい。」
真剣な言葉で告げられる。
「で、でもこの前見たんです。朝也さんがモデルの方に言い寄られてるとこ。俺の事遊びなのかと思って。連絡も…。」
「ない!ないよ。碧君以外考えられない。」
「だってちゃんと断ってなかった…。」
泣きそうな顔で言う。
「どこまで聞いてたかわからないけどちゃんと断ってるよ。正直、碧くんを好きになるまで遊んでたし、付き合ってた人にも誠実じゃなかったと思う。でも碧くんを好きになってから誰ともそんな事してないし考えられない。」
朝也の顔が嘘ではないと告げている。
「俺は碧くんが辛い時や悲しい時そばにいたいし必要としてほしい。ずっと側にいたいと思ってる。」
朝也の手が碧の手を包み込む。
「碧くん好きだよ。もう見てるだけじゃ我慢できない。恋人として愛し合いたい。」
きっとその言葉に嘘はないだろう。
熱を孕んだ視線が碧をみている。
胸が高鳴ってたまらなかった。
次は自分がちゃんと伝える番だ。
「俺も朝也さんが好きです。…次は恋人として俺に触れてください。」
朝也の目が開かれてそして優しく笑う。
(見てるだけじゃ我慢できないのは俺もだ。)
相手の気持ちがわかっても言葉にするのは勇気がいる。
でも伝えないとなにも変わらない。
「碧くん、ありがとう。大事にする。」
耳元で甘く温かい言葉を聞いてポロッと涙が溢れる。
朝也は碧を抱きしめ、ちゅっと唇に口付けを落とす。
碧は心が温かくなるのを感じた。
そしてじわじわ喜びが湧き上がって顔も赤くなる。
「朝也さん、こんな俺を好きになってくれてありがとう。」
「俺はどんな碧でも好きだよ。きっともっと碧を知って好きになるよ。」
溢れんばかりの愛の言葉に碧は満たされるのであった。
「ふふ、今日はもっと朝也さんといたいな。」
その大胆な言葉に朝也はびっくりする。
そしてすぐにニヤッとした顔で「今日は碧を一晩中可愛がって俺の愛を伝えるよ。」と笑う。
そして2人は朝也の家と向かう為立ち上がった。
駅へと向かうその後ろ姿は幸せに満ち溢れていた。
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