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しおりを挟む各それぞれ自分のベッドの端に座り向かい合う形になり座る。
影山さんからビールの缶を渡される
「じゃあ乾杯~」
碧は控えめに影山の缶に自分の缶をコツンと当てる。
「ずっと成田くんと話してみたいと思ってたんだよね~」
「え?嬉しいです。たくさん営業の方がいるのに認識されていて名前まで知ってもらえてるとは思わなかったです。」
(お世辞でも嬉しいな…)
実際、営業は何人もいて都内のエリアでも10人はいる。しかも碧が担当してるのは都内でも小さなエリアだ。
影山は表彰式では常にランクインしているし、メイクチームとして活動している分知らない人はいない。
またベーシックトレーニングでは教える側となってスタッフにメイクレッスンもしている。
照れ隠しでぐびっとビールを飲む。
「だってさ、こんな綺麗な男の人初めてみたよ。成田くんの入社当初本社だけじゃなく現場の俺らスタッフのところまで噂になってたよ。」
と影山が思い出し笑いをする。
「噂?」
「めっちゃ綺麗な男の子が入社してきたってしかもすごく仕事ができるってね。」
(なんだそれ、俺を過大評価しすぎじゃ…)
「いやいや、そんな事ないですよ。綺麗でもないし、日並さんの教えが上手いんです。」
手をパタパタさせて困ったように碧は言う。
碧は芸能一家に生まれた事もあり、美形も見慣れていて自分にも無頓着な分あまり自覚がない
「正直、会うまで噂を信じてなかったし褒めすぎじゃない?って思ってたけど衝撃だったよ」
(男前の影山さんに言われてもな…)
影山にそんな事を、言われ自然と照れてしまう。
それから1時間程、他愛もない話をして緊張も解けてきた碧はいつの間にかビールを2缶も空けていた。
(やっぱり、仕事柄話題を振ったり話し上手だな。ついつい色んな事を喋っちゃうな。)
緊張の解けていた碧は改めて影山をみる
(この人、本当にかっこいいな。)
バスローブから覗く鍛えられた身体にドキッとしてしまう。
「そういえばさ、碧くんは付き合ってる人いないの?」
話してる内に、碧くんと呼ばれるようになり
碧も朝也さんと呼ぶようになっていた。
「いえ、いないですよ。」
「え?意外、こんな綺麗な子周りはほっとかないだろうに。」
急に恋愛の話になりソワソワする。
恋愛経験皆無の碧はこの手の話は苦手なのだ。
「朝也さんはどうなんですか?先程営業の席で朝也さんには長い彼女がいるんじゃないか?って皆さん話してましたよ。」
ムッとした朝也さんがビールをグイッと飲みながら答える。
「なにそれ?やめてよ~いないよ~席でそんな事話してたの?」
(いないんだ。朝也さんこそ意外だけど…)
「だって朝也さん、すごくかっこいいですし、モテていらっしゃるとか」
少し困った様な顔をした朝也さんから
「実は俺ゲイなんだよね、特別隠してるわけではないけど言う必要もないからさ。杉谷しか知らないけど」
ははっと笑いながら言われる。
(朝也さんがゲイ…?)
驚きのあまり碧は固まってしまった
正直、美容業界にゲイは珍しくない。
(だけどまさか朝也さんがそうだなんて…)
「あ、ごめんごめん。びっくりしたよね?」
「い、いえ。実は俺もなんです。」
なんとなく朝也さんの雰囲気とお酒も入ってか碧も口を滑らせていた。
「ええ!?碧くんも!?」
今度は朝也が固まってしまった
(あ、思わず言っちゃった。)
お酒の勢いで言ってしまった事に碧はすぐ後悔した。
「え?そんな嬉しい誤算ある?」
と小さな朝也の声が聞こえた
「え?」
あまり聞き取れず碧は聞き返す
「ううん、びっくりしただけ」
朝也を見ると先程よりもご機嫌だった。
「じゃあさ、俺どう?」
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