30 / 30
ケンソーク家
外遊び
しおりを挟む
疲れ切って部屋に戻る。
本当に疲れた。着替え続けるのも体力がいるし、ずっと立ってたから足が痛い。
ノウルが気を使ってくれて、背に乗せてくれたから帰りの廊下は歩かなくてよかった。
ノウルがベッドの上に飛び乗って僕を降ろしてくれる。シーツのつるつるした感覚が何故か懐かしく感じる。
ノウルは僕を抱きしめるように座った。
っていうか、靴でベッドの上に上がっても良かったのかな?まあ、いいんだと思って
『大丈夫か?あれは大変だな・・・』
「あれは、もうやりたくない」
『くくくっ、もみくちゃにされている時の顔はもう一度みたいな』
「ええ・・・」
と、僕が呻っていると、コンコンッと扉がなった。
「ちづき、大丈夫だった?」
「あるしあおにいちゃん・・・大変だった」
と言いながら、ベッドから降りて扉を開けようとすると、アルシアお兄ちゃんが先に扉を開けた。
「うわっ。そんなに近くに来てると思ってなかった。ぶつかってない?大丈夫?」
顔を手でわしわしされる。ちょ、ちょっと痛い。
「だ、だいじょうぶ」
「そっかあ・・・良かった!!」
ひまわりがバックに付きそうな笑顔を見せられる。まぶしい・・・。アルシアお兄ちゃんはノルドさんと同じ金髪だから余計にまばゆくて目を細める。
「じゃあ!外に行こう!!」
「ふぇっ?そと・・・?だいじょうぶなの?」
「うん!許可は取ってるから!お父様もそうしたほうが良いって言ってたから」
「う・・・うん・・・」
不安だけどアルシアお兄ちゃんの後ろについて行く。後ろを見ると、ノウルが付いてきてくれて少し安心した。
でも、いつもいる他の三匹が居なくてキョロキョロしてしまう。
『大丈夫だ。別に変なことになってはいない。皆気まぐれだからな』
ノウルは困ったような顔をしながらも、声は明るい。
僕のことを元気づけようとしてくれてるんだなって分かる。
ノウルのおかげで落ち着いた僕は周りの景色を見ていく。
アルシアお兄ちゃんは迷いのない早さでどんどん廊下を歩いて行くけれど、この複雑な廊下をどうやって覚えるんだろう。
何回も曲がりまくる。覚えようとするけれど、ほぼ同じ景色で混乱してしまう。
「ほら、ここ!!」
「わあ!」
渡り廊下的なところがあって、そこから庭が見える。綺麗なお花が咲き誇って、蝶がいっぱい飛んでいる。
そして、お花畑の中にラグワの真っ黒くて、ツヤツヤの毛波が見える。
ここに居たのか・・・。
「あ、黒猫さんがいる!綺麗だよねえ」
「ラグワはすごいんだよ」
僕は誇らしい気持ちで言うと、ノウルが
「あれ?黒猫さんってちづきと一緒に来たの?」
「うん。ノウルとルフラとレドラも」
「?なんかわかんないけど、まあ遊ぼうよ!」
「うん!なにしてあそぶの?」
「魔法!」
「まほう・・・?」
子供だけで使って良いの?
「大丈夫!きっと!」
「きっと、でいいの?」
「あ~わかんない」
アルシアお兄ちゃんはうう、と言いながら目をさまよわせる。
これ大丈夫じゃない系だよね?
『まあ、我が付いてやる。仕方がないからな』
ノウルは面倒くさそうに横たわりながら言った。
危険になったらきっと止めてくれるだろう。
ノウルを信じて、僕はアルシアお兄ちゃんについて行った。
本当に疲れた。着替え続けるのも体力がいるし、ずっと立ってたから足が痛い。
ノウルが気を使ってくれて、背に乗せてくれたから帰りの廊下は歩かなくてよかった。
ノウルがベッドの上に飛び乗って僕を降ろしてくれる。シーツのつるつるした感覚が何故か懐かしく感じる。
ノウルは僕を抱きしめるように座った。
っていうか、靴でベッドの上に上がっても良かったのかな?まあ、いいんだと思って
『大丈夫か?あれは大変だな・・・』
「あれは、もうやりたくない」
『くくくっ、もみくちゃにされている時の顔はもう一度みたいな』
「ええ・・・」
と、僕が呻っていると、コンコンッと扉がなった。
「ちづき、大丈夫だった?」
「あるしあおにいちゃん・・・大変だった」
と言いながら、ベッドから降りて扉を開けようとすると、アルシアお兄ちゃんが先に扉を開けた。
「うわっ。そんなに近くに来てると思ってなかった。ぶつかってない?大丈夫?」
顔を手でわしわしされる。ちょ、ちょっと痛い。
「だ、だいじょうぶ」
「そっかあ・・・良かった!!」
ひまわりがバックに付きそうな笑顔を見せられる。まぶしい・・・。アルシアお兄ちゃんはノルドさんと同じ金髪だから余計にまばゆくて目を細める。
「じゃあ!外に行こう!!」
「ふぇっ?そと・・・?だいじょうぶなの?」
「うん!許可は取ってるから!お父様もそうしたほうが良いって言ってたから」
「う・・・うん・・・」
不安だけどアルシアお兄ちゃんの後ろについて行く。後ろを見ると、ノウルが付いてきてくれて少し安心した。
でも、いつもいる他の三匹が居なくてキョロキョロしてしまう。
『大丈夫だ。別に変なことになってはいない。皆気まぐれだからな』
ノウルは困ったような顔をしながらも、声は明るい。
僕のことを元気づけようとしてくれてるんだなって分かる。
ノウルのおかげで落ち着いた僕は周りの景色を見ていく。
アルシアお兄ちゃんは迷いのない早さでどんどん廊下を歩いて行くけれど、この複雑な廊下をどうやって覚えるんだろう。
何回も曲がりまくる。覚えようとするけれど、ほぼ同じ景色で混乱してしまう。
「ほら、ここ!!」
「わあ!」
渡り廊下的なところがあって、そこから庭が見える。綺麗なお花が咲き誇って、蝶がいっぱい飛んでいる。
そして、お花畑の中にラグワの真っ黒くて、ツヤツヤの毛波が見える。
ここに居たのか・・・。
「あ、黒猫さんがいる!綺麗だよねえ」
「ラグワはすごいんだよ」
僕は誇らしい気持ちで言うと、ノウルが
「あれ?黒猫さんってちづきと一緒に来たの?」
「うん。ノウルとルフラとレドラも」
「?なんかわかんないけど、まあ遊ぼうよ!」
「うん!なにしてあそぶの?」
「魔法!」
「まほう・・・?」
子供だけで使って良いの?
「大丈夫!きっと!」
「きっと、でいいの?」
「あ~わかんない」
アルシアお兄ちゃんはうう、と言いながら目をさまよわせる。
これ大丈夫じゃない系だよね?
『まあ、我が付いてやる。仕方がないからな』
ノウルは面倒くさそうに横たわりながら言った。
危険になったらきっと止めてくれるだろう。
ノウルを信じて、僕はアルシアお兄ちゃんについて行った。
20
お気に入りに追加
122
この作品の感想を投稿する
みんなの感想(2件)
あなたにおすすめの小説

こちらの異世界で頑張ります
kotaro
ファンタジー
原 雪は、初出勤で事故にあい死亡する。神様に第二の人生を授かり幼女の姿で
魔の森に降り立つ 其処で獣魔となるフェンリルと出合い後の保護者となる冒険者と出合う。
様々の事が起こり解決していく

劣悪だと言われたハズレ加護の『空間魔法』を、便利だと思っているのは僕だけなのだろうか?
はらくろ
ファンタジー
海と交易で栄えた国を支える貴族家のひとつに、
強くて聡明な父と、優しくて活動的な母の間に生まれ育った少年がいた。
母親似に育った賢く可愛らしい少年は優秀で、将来が楽しみだと言われていたが、
その少年に、突然の困難が立ちはだかる。
理由は、貴族の跡取りとしては公言できないほどの、劣悪な加護を洗礼で授かってしまったから。
一生外へ出られないかもしれない幽閉のような生活を続けるよりも、少年は屋敷を出て行く選択をする。
それでも持ち前の強く非常識なほどの魔力の多さと、負けず嫌いな性格でその困難を乗り越えていく。
そんな少年の物語。

悪役令嬢のいない乙女ゲームに転生しました
かぜかおる
ファンタジー
悪役令嬢のいない乙女ゲームに転生しました!しかもサポートキャラ!!
特等席で恋愛模様を眺められると喜んだものの・・・
なろうでも公開中
婚約破棄されて辺境へ追放されました。でもステータスがほぼMAXだったので平気です!スローライフを楽しむぞっ♪
naturalsoft
恋愛
シオン・スカーレット公爵令嬢は転生者であった。夢だった剣と魔法の世界に転生し、剣の鍛錬と魔法の鍛錬と勉強をずっとしており、攻略者の好感度を上げなかったため、婚約破棄されました。
「あれ?ここって乙女ゲーの世界だったの?」
まっ、いいかっ!
持ち前の能天気さとポジティブ思考で、辺境へ追放されても元気に頑張って生きてます!

聖女として召還されたのにフェンリルをテイムしたら追放されましたー腹いせに快適すぎる森に引きこもって我慢していた事色々好き放題してやります!
ふぃえま
ファンタジー
「勝手に呼び出して無茶振りしたくせに自分達に都合の悪い聖獣がでたら責任追及とか狡すぎません?
せめて裏で良いから謝罪の一言くらいあるはずですよね?」
不況の中、なんとか内定をもぎ取った会社にやっと慣れたと思ったら異世界召還されて勝手に聖女にされました、佐藤です。いや、元佐藤か。
実は今日、なんか国を守る聖獣を召還せよって言われたからやったらフェンリルが出ました。
あんまりこういうの詳しくないけど確か超強いやつですよね?
なのに周りの反応は正反対!
なんかめっちゃ裏切り者とか怒鳴られてロープグルグル巻きにされました。
勝手にこっちに連れて来たりただでさえ難しい聖獣召喚にケチつけたり……なんかもうこの人たち助けなくてもバチ当たりませんよね?

勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。

【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。

婚約破棄され、平民落ちしましたが、学校追放はまた別問題らしいです
かぜかおる
ファンタジー
とある乙女ゲームのノベライズ版悪役令嬢に転生いたしました。
強制力込みの人生を歩み、冤罪ですが断罪・婚約破棄・勘当・平民落ちのクアドラプルコンボを食らったのが昨日のこと。
これからどうしようかと途方に暮れていた私に話しかけてきたのは、学校で歴史を教えてるおじいちゃん先生!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。
このユーザをミュートしますか?
※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。
とっても面白いです!
これからも更新頑張ってください!
個人的にラ行好きなのでもふもふ四銃士の名前は大好きです!
もふもふ四銃士!
いいネーミングセンスですね。
おもしろい!
お気に入りに登録しました~
ありがとうございます!