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ケンソーク家
外遊び
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疲れ切って部屋に戻る。
本当に疲れた。着替え続けるのも体力がいるし、ずっと立ってたから足が痛い。
ノウルが気を使ってくれて、背に乗せてくれたから帰りの廊下は歩かなくてよかった。
ノウルがベッドの上に飛び乗って僕を降ろしてくれる。シーツのつるつるした感覚が何故か懐かしく感じる。
ノウルは僕を抱きしめるように座った。
っていうか、靴でベッドの上に上がっても良かったのかな?まあ、いいんだと思って
『大丈夫か?あれは大変だな・・・』
「あれは、もうやりたくない」
『くくくっ、もみくちゃにされている時の顔はもう一度みたいな』
「ええ・・・」
と、僕が呻っていると、コンコンッと扉がなった。
「ちづき、大丈夫だった?」
「あるしあおにいちゃん・・・大変だった」
と言いながら、ベッドから降りて扉を開けようとすると、アルシアお兄ちゃんが先に扉を開けた。
「うわっ。そんなに近くに来てると思ってなかった。ぶつかってない?大丈夫?」
顔を手でわしわしされる。ちょ、ちょっと痛い。
「だ、だいじょうぶ」
「そっかあ・・・良かった!!」
ひまわりがバックに付きそうな笑顔を見せられる。まぶしい・・・。アルシアお兄ちゃんはノルドさんと同じ金髪だから余計にまばゆくて目を細める。
「じゃあ!外に行こう!!」
「ふぇっ?そと・・・?だいじょうぶなの?」
「うん!許可は取ってるから!お父様もそうしたほうが良いって言ってたから」
「う・・・うん・・・」
不安だけどアルシアお兄ちゃんの後ろについて行く。後ろを見ると、ノウルが付いてきてくれて少し安心した。
でも、いつもいる他の三匹が居なくてキョロキョロしてしまう。
『大丈夫だ。別に変なことになってはいない。皆気まぐれだからな』
ノウルは困ったような顔をしながらも、声は明るい。
僕のことを元気づけようとしてくれてるんだなって分かる。
ノウルのおかげで落ち着いた僕は周りの景色を見ていく。
アルシアお兄ちゃんは迷いのない早さでどんどん廊下を歩いて行くけれど、この複雑な廊下をどうやって覚えるんだろう。
何回も曲がりまくる。覚えようとするけれど、ほぼ同じ景色で混乱してしまう。
「ほら、ここ!!」
「わあ!」
渡り廊下的なところがあって、そこから庭が見える。綺麗なお花が咲き誇って、蝶がいっぱい飛んでいる。
そして、お花畑の中にラグワの真っ黒くて、ツヤツヤの毛波が見える。
ここに居たのか・・・。
「あ、黒猫さんがいる!綺麗だよねえ」
「ラグワはすごいんだよ」
僕は誇らしい気持ちで言うと、ノウルが
「あれ?黒猫さんってちづきと一緒に来たの?」
「うん。ノウルとルフラとレドラも」
「?なんかわかんないけど、まあ遊ぼうよ!」
「うん!なにしてあそぶの?」
「魔法!」
「まほう・・・?」
子供だけで使って良いの?
「大丈夫!きっと!」
「きっと、でいいの?」
「あ~わかんない」
アルシアお兄ちゃんはうう、と言いながら目をさまよわせる。
これ大丈夫じゃない系だよね?
『まあ、我が付いてやる。仕方がないからな』
ノウルは面倒くさそうに横たわりながら言った。
危険になったらきっと止めてくれるだろう。
ノウルを信じて、僕はアルシアお兄ちゃんについて行った。
本当に疲れた。着替え続けるのも体力がいるし、ずっと立ってたから足が痛い。
ノウルが気を使ってくれて、背に乗せてくれたから帰りの廊下は歩かなくてよかった。
ノウルがベッドの上に飛び乗って僕を降ろしてくれる。シーツのつるつるした感覚が何故か懐かしく感じる。
ノウルは僕を抱きしめるように座った。
っていうか、靴でベッドの上に上がっても良かったのかな?まあ、いいんだと思って
『大丈夫か?あれは大変だな・・・』
「あれは、もうやりたくない」
『くくくっ、もみくちゃにされている時の顔はもう一度みたいな』
「ええ・・・」
と、僕が呻っていると、コンコンッと扉がなった。
「ちづき、大丈夫だった?」
「あるしあおにいちゃん・・・大変だった」
と言いながら、ベッドから降りて扉を開けようとすると、アルシアお兄ちゃんが先に扉を開けた。
「うわっ。そんなに近くに来てると思ってなかった。ぶつかってない?大丈夫?」
顔を手でわしわしされる。ちょ、ちょっと痛い。
「だ、だいじょうぶ」
「そっかあ・・・良かった!!」
ひまわりがバックに付きそうな笑顔を見せられる。まぶしい・・・。アルシアお兄ちゃんはノルドさんと同じ金髪だから余計にまばゆくて目を細める。
「じゃあ!外に行こう!!」
「ふぇっ?そと・・・?だいじょうぶなの?」
「うん!許可は取ってるから!お父様もそうしたほうが良いって言ってたから」
「う・・・うん・・・」
不安だけどアルシアお兄ちゃんの後ろについて行く。後ろを見ると、ノウルが付いてきてくれて少し安心した。
でも、いつもいる他の三匹が居なくてキョロキョロしてしまう。
『大丈夫だ。別に変なことになってはいない。皆気まぐれだからな』
ノウルは困ったような顔をしながらも、声は明るい。
僕のことを元気づけようとしてくれてるんだなって分かる。
ノウルのおかげで落ち着いた僕は周りの景色を見ていく。
アルシアお兄ちゃんは迷いのない早さでどんどん廊下を歩いて行くけれど、この複雑な廊下をどうやって覚えるんだろう。
何回も曲がりまくる。覚えようとするけれど、ほぼ同じ景色で混乱してしまう。
「ほら、ここ!!」
「わあ!」
渡り廊下的なところがあって、そこから庭が見える。綺麗なお花が咲き誇って、蝶がいっぱい飛んでいる。
そして、お花畑の中にラグワの真っ黒くて、ツヤツヤの毛波が見える。
ここに居たのか・・・。
「あ、黒猫さんがいる!綺麗だよねえ」
「ラグワはすごいんだよ」
僕は誇らしい気持ちで言うと、ノウルが
「あれ?黒猫さんってちづきと一緒に来たの?」
「うん。ノウルとルフラとレドラも」
「?なんかわかんないけど、まあ遊ぼうよ!」
「うん!なにしてあそぶの?」
「魔法!」
「まほう・・・?」
子供だけで使って良いの?
「大丈夫!きっと!」
「きっと、でいいの?」
「あ~わかんない」
アルシアお兄ちゃんはうう、と言いながら目をさまよわせる。
これ大丈夫じゃない系だよね?
『まあ、我が付いてやる。仕方がないからな』
ノウルは面倒くさそうに横たわりながら言った。
危険になったらきっと止めてくれるだろう。
ノウルを信じて、僕はアルシアお兄ちゃんについて行った。
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