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ケンソーク家
お昼御飯
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席に座らせれてから気づく。これ、テーブルが高すぎて、お昼ごはんを食べるにはしんどいと。
すると、いきなり抱き上げられて、下にクッションを敷かれ、そしてもう一度座らされた。凄く慣れてる手付きだ。びっくりする暇もなかった。
テーブルの上がすべて見渡せるぐらいの高さになって、テーブルの上を見てみると、彩りよく、野菜が乗せられており、そこにお肉、パン、スープという具合だ。
なんだか、コース料理的なのを想像していたけれど、一気に出てくるみたいで安心した。
この体になって、とても食べる量が減ったから。自分のペースで食べれたほうがいい。
「席についたかな?では、頂こう」
いただきます、という手を合わせる文化はないみたいだ。みんなノルドさんの声を合図に食べ始めた。
僕は手を合わせて、ものすごく小さい声でいただきますを言った。
終わったあとに皆を見たけれど、全く気にしていないみたいで、良かった。
ときどき、アルシアお兄ちゃんが注意されてるけれど、普通に談笑しながら皆は食べている。僕は時々わからなくて、曖昧に笑みを浮かべるだけだ。
それも面倒くさくなって、自分の前に置かれている料理に手を付ける。
「おいしい・・・」
「そうかい。良かった。今回は少し辛い味付けにしたらしくてね、苦手だったらどうしようかと・・・」
「そんなことないです!本当においしいです!」
本当に本当に凄く美味しかった。お世辞なんかじゃない。肉はホロホロですぐに口の中で溶けるし、野菜はシャキシャキで新鮮。パンは普通のパンよりかは少し噛みごたえがあるけど、味がしっかりついていて美味しい。スープは単純に僕が好きな味だ。少しピリッと来るスパイスが僕の好みに合っている。
スプーンをまだ手が発達していないせいで、うまく使えない。変な持ち方になってしまうけれど、ギュッと握ったほうが楽だった。これは確実に行儀が悪いんだろうけれど、皆は静かに見つめてくるだけだから、安心できた。
ノウルたちが僕が食べているところにやってきた。レドラも小さな姿になって、僕の肩に乗ってきた。
『とても美味しかったよ』
ルフラがしっぽをブンブン振りながら報告してくれる。その姿がかわいくて、ふへへ、とだらしない声が漏れてしまった。
「食べることに集中しようね?」
「あ、はい。すみません」
ノルドさんに注意されてしまった。気をつけないと。
そう思って、しゃきっと姿勢を正して気づいた。あれ?皆食べ終わってる?
「ぼく、たべるのおそい・・・」
「そんなことないよ!可愛いから、そのままもぐもぐしつづけて!」
「???」
お姉ちゃんが意味のわからないことを言っている。
それでも、僕は必死に食べ物をかき込んだけれど、お腹はもういっぱいで、5分の1ぐらいを残してしまった。
「ごめんなさい・・・」
「ふふふっ別にいいのよ。胃袋なんてこれからいくらでも大きくなるんだから」
胃袋って・・・食事中の会話を聞いて分かったけれど、この人はお姫様は使わないような直接的な表現をするから時々びっくりしてしまう。
「ソンアリー、そんなに直接的な表現は・・・」
「あら、ごめんなさい。」
「気をつけてくれ。俺もいきなり使われて、何回かびっくりしたことがあるぞ」
少し、疲労した顔でノルドさんは言った。何かあったんだろうな・・・。おつかれさまです。
すると、いきなり抱き上げられて、下にクッションを敷かれ、そしてもう一度座らされた。凄く慣れてる手付きだ。びっくりする暇もなかった。
テーブルの上がすべて見渡せるぐらいの高さになって、テーブルの上を見てみると、彩りよく、野菜が乗せられており、そこにお肉、パン、スープという具合だ。
なんだか、コース料理的なのを想像していたけれど、一気に出てくるみたいで安心した。
この体になって、とても食べる量が減ったから。自分のペースで食べれたほうがいい。
「席についたかな?では、頂こう」
いただきます、という手を合わせる文化はないみたいだ。みんなノルドさんの声を合図に食べ始めた。
僕は手を合わせて、ものすごく小さい声でいただきますを言った。
終わったあとに皆を見たけれど、全く気にしていないみたいで、良かった。
ときどき、アルシアお兄ちゃんが注意されてるけれど、普通に談笑しながら皆は食べている。僕は時々わからなくて、曖昧に笑みを浮かべるだけだ。
それも面倒くさくなって、自分の前に置かれている料理に手を付ける。
「おいしい・・・」
「そうかい。良かった。今回は少し辛い味付けにしたらしくてね、苦手だったらどうしようかと・・・」
「そんなことないです!本当においしいです!」
本当に本当に凄く美味しかった。お世辞なんかじゃない。肉はホロホロですぐに口の中で溶けるし、野菜はシャキシャキで新鮮。パンは普通のパンよりかは少し噛みごたえがあるけど、味がしっかりついていて美味しい。スープは単純に僕が好きな味だ。少しピリッと来るスパイスが僕の好みに合っている。
スプーンをまだ手が発達していないせいで、うまく使えない。変な持ち方になってしまうけれど、ギュッと握ったほうが楽だった。これは確実に行儀が悪いんだろうけれど、皆は静かに見つめてくるだけだから、安心できた。
ノウルたちが僕が食べているところにやってきた。レドラも小さな姿になって、僕の肩に乗ってきた。
『とても美味しかったよ』
ルフラがしっぽをブンブン振りながら報告してくれる。その姿がかわいくて、ふへへ、とだらしない声が漏れてしまった。
「食べることに集中しようね?」
「あ、はい。すみません」
ノルドさんに注意されてしまった。気をつけないと。
そう思って、しゃきっと姿勢を正して気づいた。あれ?皆食べ終わってる?
「ぼく、たべるのおそい・・・」
「そんなことないよ!可愛いから、そのままもぐもぐしつづけて!」
「???」
お姉ちゃんが意味のわからないことを言っている。
それでも、僕は必死に食べ物をかき込んだけれど、お腹はもういっぱいで、5分の1ぐらいを残してしまった。
「ごめんなさい・・・」
「ふふふっ別にいいのよ。胃袋なんてこれからいくらでも大きくなるんだから」
胃袋って・・・食事中の会話を聞いて分かったけれど、この人はお姫様は使わないような直接的な表現をするから時々びっくりしてしまう。
「ソンアリー、そんなに直接的な表現は・・・」
「あら、ごめんなさい。」
「気をつけてくれ。俺もいきなり使われて、何回かびっくりしたことがあるぞ」
少し、疲労した顔でノルドさんは言った。何かあったんだろうな・・・。おつかれさまです。
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