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森の中
食事
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レドラに地上におろしてもらって、一息ついたところで、僕らはエ、エリウー、ウー、バーン・・・?まあ、名前の分からない青い鳥の死体を見た。
「ほんとうに、これどうすればいいの?」
『知らん』
『うわぁ、これちゃんと血抜きまでされてますよ』
『本当だ~。すごいんだね、ちづきって』
『血抜きまでとは凄いな』
「そ、そう?褒められると嬉しい・・・」
嬉しくてによによしていると、ノウルがしっぽを顔にかぶせてきた。
『可愛らしいのはいいことなんだが・・・』
『そうですねえ。破壊力が高すぎて・・・』
『ふへへ、ちづきかわいい~』
『ルフラ、だらしないぞ』
顔にもふもふがあると、なんだかグリグリしたくなるのは僕だけじゃないと思う。皆が思わなくても、僕はしたくなってしっぽを抱きしめて、グリグリと頭を押し付けた。
『いだだだだだ!!!』
ノウルは叫んで、すぐに僕の襟首をつかんで引き離した。そしてすぐに僕と二メートルぐらい距離をとってから座った。
『ん"っ!ふっ・・・ぶふっ』
『あはっははは!!!あの、ノウルが。あははっは!ぐふぇあ!』
『くっ、ふふっ。あ、愛らしいぞ。くっ、ふふふノウル、良かったじゃないか、くくくっ』
「ご、ごめんね、ノウル」
その姿を見てラグワたちが笑いを抑えるのに必死になってる。
ルフラはもう大爆笑してて、ノウルに無言で頭突き?まあ、頭から突進されて、吹き飛んでいった。
『酷いよノウル』
向こうの方に吹き飛んでったのに瞬きした間に帰ってきて笑いを噛み殺しながらノウルに小言を言ってる。
相当向うに飛んでったのに秒で帰ってくるとか怖いんだけど・・・。
僕がルフラの速さにビビっていると、いきなり青い鳥に雷が落ちた。
「っひえええっ!!」
『お、落ち着いてください、い、痛いです』
ビックリして、ラグワの毛を握りしめていたらしい。ラグワが焦った声で大丈夫だと言ってきたから、渋々離す。
実際は離れたくない。なんなんだ。この世界は死んだ鳥の上にいきなり雷が落ちるの?
『すいません。そんなに驚かれるとは思わなくて。今さっきの落雷は私のスキルです。勝手に雷が落ちるなんてことはないですよ』
「ひとこと、いってから、すきる、つかって」
ラグワの毛でもふもふしながら鳥の方を盗み見ると、丸焼きになっていた。
毛は焦げて炭になっている。こっわ!!
僕もあれに当たるとああなっちゃうのか・・・。
「これで食べれるようになったの?」
『ああ。食ってみろ』
恐る恐る近づいて、触れてみる。うわあ、温かい。
でも食う気にはならなくて困ってノウルに助けを求める。
「どうやって、たべれば・・・」
『かぶりつけ。その方法以外ないだろう』
「ええ・・・むりだよ、おおきすぎる」
『そんなに情けない顔をするな』
でも本当にこの丸焼きにかぶりつく勇気はない。
『はあ、ちづき少しのいてくれ』
レドラが空に飛び上がったのに気づいて、目で追っていると、ノウルに後ろに引っ張られた。
「な、なに!?」
『本当にのかないと細切れになるぞ』
「ええ・・・」
これから何をやるんだろうとレドラのことを見ていると、いきなり大きく翼を広げたかと思うと、ぶあっと凄い強風が吹いた。
「うわっ!なにしたの?」
強風が収まってから鳥を見ると、細切れになってて、僕も一口で食べられるようなサイズになっていた。
下の方は地面について土がついているから、上のほうのお肉をレドラに取って貰って、食べた。ほぼ口移しみたいになってるけど、獣だからノーカンだ。そう思いたい。
「あむっ、おいしい!」
『肉は焼くほうが美味しいな』
『とても美味しいです』
『おいし~!ほっぺとろけちゃう』
『これは・・・美味しい』
みんなおいしいって言ってる。ノウルはパタパタと控えめにしっぽが揺れている、狐も犬と一緒なのかな?ラグワはぐるぐるとずっと喉を鳴らしている。ルフラはしっぽブンブンでかわいい。レドラは毎回一口で食べるのに時間をかけて、美味しいと連呼している。
みんなの反応が可愛くて頬が緩む。
肉は焼いただけだから、薬味とかかけたら美味しんだろうな・・・とつぶやくとみんながこっちを見つめてきた。
『薬味というものをかければもっと美味しくなるのか?』
『それは興味があります』
『もっと美味しくなっちゃったら、俺とろけちゃうよ』
『食べてみたいものだな』
「村とかに降りてみたらいいんじゃないの?」
僕がそう言うと、みんながぶんぶん首を振って、行きたくないと伝えてきた。
その姿があまりにも必死で可愛かったから何故行きたくないのかは聞かなかった。
でもいつか聞いてみたいと思う。
その後、みんなで黙々と食べているとラグワの二倍はあった鳥はあっという間になくなった。
と言っても、僕は小さくなったお肉を十個食べたらもうお腹いっぱいになって、近くの木によりかかりながら座って、みんなが食べているところを見てただけなんだけど。
お腹がいっぱいになるのがものすごく早くてびっくりしたけど、みんなの可愛い姿を見れたから別にいいなって思えた。
食べ終わったあとは、ラグワの背に揺られながらそんなに変わらない森の景色を見ていった。
森の中では、この植物がわからないと聞けば、ノウルとレドラが丁寧に教えてくれるから別に飽きはしなかった。でもすごく楽しかった。
「ほんとうに、これどうすればいいの?」
『知らん』
『うわぁ、これちゃんと血抜きまでされてますよ』
『本当だ~。すごいんだね、ちづきって』
『血抜きまでとは凄いな』
「そ、そう?褒められると嬉しい・・・」
嬉しくてによによしていると、ノウルがしっぽを顔にかぶせてきた。
『可愛らしいのはいいことなんだが・・・』
『そうですねえ。破壊力が高すぎて・・・』
『ふへへ、ちづきかわいい~』
『ルフラ、だらしないぞ』
顔にもふもふがあると、なんだかグリグリしたくなるのは僕だけじゃないと思う。皆が思わなくても、僕はしたくなってしっぽを抱きしめて、グリグリと頭を押し付けた。
『いだだだだだ!!!』
ノウルは叫んで、すぐに僕の襟首をつかんで引き離した。そしてすぐに僕と二メートルぐらい距離をとってから座った。
『ん"っ!ふっ・・・ぶふっ』
『あはっははは!!!あの、ノウルが。あははっは!ぐふぇあ!』
『くっ、ふふっ。あ、愛らしいぞ。くっ、ふふふノウル、良かったじゃないか、くくくっ』
「ご、ごめんね、ノウル」
その姿を見てラグワたちが笑いを抑えるのに必死になってる。
ルフラはもう大爆笑してて、ノウルに無言で頭突き?まあ、頭から突進されて、吹き飛んでいった。
『酷いよノウル』
向こうの方に吹き飛んでったのに瞬きした間に帰ってきて笑いを噛み殺しながらノウルに小言を言ってる。
相当向うに飛んでったのに秒で帰ってくるとか怖いんだけど・・・。
僕がルフラの速さにビビっていると、いきなり青い鳥に雷が落ちた。
「っひえええっ!!」
『お、落ち着いてください、い、痛いです』
ビックリして、ラグワの毛を握りしめていたらしい。ラグワが焦った声で大丈夫だと言ってきたから、渋々離す。
実際は離れたくない。なんなんだ。この世界は死んだ鳥の上にいきなり雷が落ちるの?
『すいません。そんなに驚かれるとは思わなくて。今さっきの落雷は私のスキルです。勝手に雷が落ちるなんてことはないですよ』
「ひとこと、いってから、すきる、つかって」
ラグワの毛でもふもふしながら鳥の方を盗み見ると、丸焼きになっていた。
毛は焦げて炭になっている。こっわ!!
僕もあれに当たるとああなっちゃうのか・・・。
「これで食べれるようになったの?」
『ああ。食ってみろ』
恐る恐る近づいて、触れてみる。うわあ、温かい。
でも食う気にはならなくて困ってノウルに助けを求める。
「どうやって、たべれば・・・」
『かぶりつけ。その方法以外ないだろう』
「ええ・・・むりだよ、おおきすぎる」
『そんなに情けない顔をするな』
でも本当にこの丸焼きにかぶりつく勇気はない。
『はあ、ちづき少しのいてくれ』
レドラが空に飛び上がったのに気づいて、目で追っていると、ノウルに後ろに引っ張られた。
「な、なに!?」
『本当にのかないと細切れになるぞ』
「ええ・・・」
これから何をやるんだろうとレドラのことを見ていると、いきなり大きく翼を広げたかと思うと、ぶあっと凄い強風が吹いた。
「うわっ!なにしたの?」
強風が収まってから鳥を見ると、細切れになってて、僕も一口で食べられるようなサイズになっていた。
下の方は地面について土がついているから、上のほうのお肉をレドラに取って貰って、食べた。ほぼ口移しみたいになってるけど、獣だからノーカンだ。そう思いたい。
「あむっ、おいしい!」
『肉は焼くほうが美味しいな』
『とても美味しいです』
『おいし~!ほっぺとろけちゃう』
『これは・・・美味しい』
みんなおいしいって言ってる。ノウルはパタパタと控えめにしっぽが揺れている、狐も犬と一緒なのかな?ラグワはぐるぐるとずっと喉を鳴らしている。ルフラはしっぽブンブンでかわいい。レドラは毎回一口で食べるのに時間をかけて、美味しいと連呼している。
みんなの反応が可愛くて頬が緩む。
肉は焼いただけだから、薬味とかかけたら美味しんだろうな・・・とつぶやくとみんながこっちを見つめてきた。
『薬味というものをかければもっと美味しくなるのか?』
『それは興味があります』
『もっと美味しくなっちゃったら、俺とろけちゃうよ』
『食べてみたいものだな』
「村とかに降りてみたらいいんじゃないの?」
僕がそう言うと、みんながぶんぶん首を振って、行きたくないと伝えてきた。
その姿があまりにも必死で可愛かったから何故行きたくないのかは聞かなかった。
でもいつか聞いてみたいと思う。
その後、みんなで黙々と食べているとラグワの二倍はあった鳥はあっという間になくなった。
と言っても、僕は小さくなったお肉を十個食べたらもうお腹いっぱいになって、近くの木によりかかりながら座って、みんなが食べているところを見てただけなんだけど。
お腹がいっぱいになるのがものすごく早くてびっくりしたけど、みんなの可愛い姿を見れたから別にいいなって思えた。
食べ終わったあとは、ラグワの背に揺られながらそんなに変わらない森の景色を見ていった。
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