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最強ヤンキーくんの初恋。⑥
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きっとこれが俺の初恋なのだと思う。
今まで人を好きになったことはあったけれど、それまでの比ではないぐらい想いが募っていた。
だから唐突に言ってしまった。
ドン、とぶつかった時に「存在している」ことが分かったから。
「付き合ってください!」
馬鹿みたいに真っ直ぐな俺は馬鹿みたいにピュアで──そして本当に馬鹿だった。
「いや、無理」
「え……何で?」
振られることなど1ミリも考えていなかったのだから。
幼い頃から人でないモノを視るタイプだった。
一言で言えば霊感がある──それも、かなり。
幽霊はいつでも俺の視界に入っていた。
この世界には視えない人が思うよりもずっと沢山幽霊が溢れ返っている。
だから俺の目に映る世界には倍以上ニンゲンが存在する。
子供の頃はそれが当たり前だと思っていて、狭い世界だと思っていた。
しかし徐々に気付き始める。
ヒトとヒトが確実にぶつかっているのに何も言わない時があること。
ヒトとヒトが明らかに重なっているのに気にした様子もないこと。
その頃にはもうある程度理解していた。
「こんな風」に視えるのは俺だけなのかもしれないと。
小学生になって初めてネットを使った時、最初に検索したのはそのことについてだった。
よく視れば幽霊は半透明だということに気付けるはずだとか、あまりこのことは他人に言わない方がいいとか。
在り来たりなことから新事実まで沢山の情報を得ることが出来た。
そのお陰で上手く立ち回る術を知った。
とにかく誰にも言わないこと、視線を向けないこと、幽霊に絡まれても無視し続けること──それを自分の中で徹底した。
隠すことさえ出来れば普通のヒトとして生きられる。
とはいえ、それでもヤバい時はあった。
幽霊に囲まれた時、執拗に追われた時、触れられた時。
恐怖の感情よりもただ煩わしかった。
不審な動きをする俺に周りが訝しむ──それは俺が一番危惧していたことだった。
「紅蓮、どうした?」
「いや!何でもない!俺、ちょっと遠回りして帰るわ!」
そう言って毎日のように友達から幽霊を引き剥がす日々。
中学時代はその所為でストレスが溜まる一方だった。
そして幽霊と戦うことが俺の日常になってしまった。
日増しに募った苛立ちを解消する為に始めたのが喧嘩だった。
ヤンキーと名乗る程は強くなかったし、深夜まで暴れていた訳ではない。
そもそも深夜に裏路地や人気のない場所に行くなど俺には有り得ないことだった。
そんな時間にそんな場所へ行ったらどれだけの幽霊に囲まれるか分からない。
だから健全に不健全なことをしていた、ずっと。
中学3年間の思い出は喧嘩しかないと言ってもいいぐらい喧嘩ばかりしていた。
何故か人に好かれやすかった俺は暴れていても学校内に友達は出来たし、学校外にも沢山友達がいた。
年上にも年下にも慕われていたように思う。
でも誰にも言えなかった──幽霊が視えることは。
沢山友達がいようとも素の自分を見せることが出来ない。
それは逆に虚しいことのように思えた。
次第に俺は笑顔ばかり見せるようになった。
喧嘩をしている時以外はとにかく笑う。
そのおかげでより他人に好かれるようになって、より虚しく感じるようになった。
「これで……いいんだよな」
自分の生き方に無理やり納得して。
自分の生き方を無理やり受け入れて。
そんな時に出会ったのが──ゼロだった。
ゼロを初めて見た時、この世に実在しないヒトだと思った。
その頃の俺は人間と幽霊の区別がつきにくくなっていて、どちらも同じぐらいの色合いに視えるようになっていた。
「……怖」
やけに人間離れしているし、綺麗過ぎる奴だと思った。
人外と言った方が納得出来るような見た目。
だから絶対に関わりたくないと思った。
高校に入学してすぐ出会った所為で学校へ行く気も下がったけれど、中学で喧嘩を辞めた俺は高校で絶対にサッカーをすると決めたのだ。
人間のような幽霊に構っている方が無駄な時間。
そう割り切ったはずが何故か俺は校内で彼を探していた。
そして視界に入って震える──怖くて、綺麗で。
後から思うとその時にはもう恋をしていたのだと思う。
転機が訪れたのは入学して1週間程経った時だ。
部活に遅れそうになった俺はとにかく急いでいた。
靴箱で上履きから靴に履き替えて何も考えずにダッと駆け出した。
前に人がいることなど考えもしなかった。
だからドン、とぶつかってしまった。
「あっ!ごめんなさ……」
振り返った彼の目を見て、姿を確認して、ぶつかった感触を思い出して。
「実在している」と認識した途端、口から言葉が飛び出していた。
「付き合ってください!」
「いや、無理」
「え……何で?」
「お前のこと、好きじゃないから」
初めて交わす言葉にしては辛辣だと思う。
まるで昔から俺のことを知っていたかのような言い方も気になった。
「え?ちょっと待って待って!」
去っていく彼の手を掴む。彼は嫌そうに振り返った。
「……何?」
「俺のこと、知ってんの?」
「知ってる。だから嫌い」
俺より背が低く体格も小さいにも関わらず彼は強い力で俺の手を振り払った。
基本的に好かれることが多い自分的には初めての経験だ。
あまり頭を使うことが得意でない俺にはどうしたらいいか分からなかった。
けれど今話さなければ二度と話してくれない気がした。
「そ、そっか。あのさ、俺全然覚えてないんだけど……理由とか教えてくれない?」
「執拗い」
「理由聞いたら離れるから!」
はあ、と大きく溜息をついた彼は嫌そうに理由を語った。
自分は耳が良いこと、中学時代に俺が混ざっていた抗争で不快な思いをしたこと、その時から俺のことを忘れたくても忘れられないこと。
「……マジか」
「分かった?なら二度と話し掛けないで」
「ごめんっ!本当にごめん!」
「今更謝られても意味ないから。俺は一生忘れられないって言ったでしょ?」
「だからそういうのも含めて本当にごめんなさいっ!」
バッと深く頭を下げる。
好き勝手に暴れたことで誰かを傷付けていたなんて考えもしなかった。
ただ単にムシャクシャした気持ちを発散したくて暴れていた自分が無様に思えた。
「別にもういいから。それじゃ」
俺に追いかける権利はない。だからその日はもう追い掛けなかった。
(俺……本当に馬鹿だ)
ふらふらと部活に向かう。ボールを蹴れば何となく気が紛れた。
ネガティブ思考になると幽霊が近寄ってくるのだ。
だから少しでも明るい気持ちになりたかった。
(俺に出来ること、考えないとな)
サッカーボールを上に蹴り上げ、頭を使って上手く操り、今度は膝で蹴る。
──明日からの自分がすべきことが見えた気がした。
「離れるって言ってなかったっけ?」
「昨日は離れただろ?だからあの約束は終わり」
「すごい屁理屈だと思う、それ」
翌日、俺は朝から彼に会いに行った。
俺に出来ることは彼をもっと知ること、もっと喋ること、そして出来る限りの謝罪をすること。
それが俺の──贖罪だ。
傍に居るのを嫌がった彼だけれど、毎日話し掛けているうちに少しずつ話し返してくれるようになった。
零と書いてレイという名前だということ、いつも隣にいるのは恋人じゃなくて親友だということ、勉強が得意だということ。
知れば知るほど好きになっていった。
「零!今日部活ないんだ。一緒に帰ろうぜ!」
「……まぁ、いいけど」
「カバンとか持つし!」
「そういうの本当いいから」
呆れ顔の零に笑顔を返す。
傍から見たら俺たちは奇妙な関係に見えたかもしれない。
それもそうだ。自分たちでも関係性に名前を付けられそうになかった。
ただ俺は零と話せれば幸せだった。
だから絶対に「あの話」だけはしてはならないと思っていたのだけれど。
「変なこと聞くけど幽霊見えてたりする?」
帰り道、カフェに寄った俺たちはフラペチーノを買って公園で飲んでいた。
デートのような雰囲気に俺は内心テンションが上がっていたのだけれど、ベンチに座った瞬間に言われた一言で背筋が凍りついた。
「……え?」
「誰かに聞いたとかじゃないよ。俺が何となくそう思っただけ」
零の前では特に気を付けていたはずだ。
幽霊を見ても無視することに徹していたし、視線を向けるのも一瞬にするようにしていた。
だから気付かれるはずがない。
今までだって誰にも気付かれなかったのだから。
「何で……?」
「たまに一瞬、すごく嫌そうな顔する。本当に一瞬。だから最初は身体の何処かが痛くなったのかと思ってた」
「……」
「でも毎日話すようになって気付いた。もしかして人に見えないモノが視えてるんじゃないかって」
「……そんなこと気付かれたの初めてだ」
「だろうね。俺もカメラアイがなければ気付かなかったと思う。全て覚えてる俺には些細な動きも忘れられないから」
自嘲気味に笑う零を見てぎゅっと胸が痛くなる。
そして俺は自分が「視える」存在だということを零に訥々と語った。
過去の話や辛かったこと、少しだけあった楽しいこと──全部。
零は何も言わずに優しく聞いてくれた。
誰かに幽霊のことを喋るのは初めてだった。
気付けば1時間以上話してしまい、俺はハッと我に返った。
「ごめん!喋り過ぎた!あんまり面白くない話なのに」
「ううん。こう言っていいか分からないけど興味深かったよ」
「そっか。零って本当に優しいよな」
「んー……」
零は突然言葉を切り、しばらく喋らなくなってしまった。
何も言わない零は精巧な人形のようにも見える。
じっと見つめ、改めて綺麗だと思った。
顔面に惚れたのは否定しない。けれど今はそれ以上に内面に惚れている自信がある。
零は淡白で物静かだけれど友達思いで根が熱い。
そのギャップに落ちたのだ。
だから毎日のように好きになってしまう。
5分後、零は不思議なことを口にした。
「俺のこと、これからゼロって呼んで」
「え?」
意味が分からず首を傾げた。
「俺は紅蓮って呼ぶから。この間の返事もOKってことで」
「え?え??どういうこと?」
「ゆっくり考えてみて」
頷き、言われた通りに思考を働かせる。
呼び方を変えて欲しいということ、名前で読んでくれるということ、そして──付き合ってくれるということ。
「あっ!え、嘘!?付き合ってくれんの!?」
思わずガタッとベンチから立ち上がってしまう。
俺の反応を見てゼロはふふっと笑った。
「そういうこと」
「でも……何で?」
「紅蓮に興味が湧いたからかな。最初はただの馬鹿だと思ってたけど本当は全然違うみたいだし。似非笑い多い理由も分かった気がする」
ゼロには本当に驚かされる。
まさかそこまで気が付いているとは思わなかった。
「似非笑い、気付いてたんだ」
「大丈夫。俺ぐらいしか気付いてないと思うから。上手く笑えてると思うよ」
「そっか。ありがとう」
「普通のフリして生きるには笑顔が1番いいからね」
思わず泣きそうになってしまった。
俺が子供の頃から誰にも言えずにいたこと。
俺が子供の頃から笑顔の裏に隠し続けていたこと。
まさか好きな人に見破られるとは思わなかった。
「うん……そうだな。で、呼び方変えて欲しいっていうのは何で?」
「だってレイって……何か嫌じゃん」
ぷいっとそっぽを向きながら言われた言葉の意味を考えて──納得した。
幽霊が視える俺に気遣ってくれたのだということも、照れているのだということも。
「へへっ、嬉しい。すげぇ嬉しい。ありがとな、ゼロ。俺、話す度に好きになってたけど今が1番好きになった!めっちゃ好き、大好き!」
「……ありがと。だから俺の前では嘘の顔しなくていいから」
「ゼロといると自然と笑顔になると思うけどな!サンキュ」
本当の意味で好きになったのは今かもしれない。
素の自分を出せる相手が出来たことが嬉しくて。
それが好きな人だということがもっと嬉しくて。
「……本当にありがとな、ゼロ」
小声の呟きはゼロには届かなかったはずだ。
付き合った日、密かに決めたことがある。
これから絶対にゼロを守るということ。
偽りの自分を見せないということ。
それを徹底しながら過ごしていた1週間──ゼロは「俺への愛、重すぎじゃない?」と言った。
「え?そう?」
「俺のことになると怖いってレアちゃんに言われたんだけど」
「あー……まぁ、確かに」
ゼロの親友である怜愛──通称・レアと友達になったのはゼロと付き合ってすぐだ。
金髪褐色の見た目に軽くたじろいだが、話してみると気さくで良い奴だった。
けれど友達になって早々に「アイツ裏で結構人気あるから気を付けた方がいいぜ」と言われて思わずギロッと睨んでしまった。
その顔は恐らく喧嘩していた時と同じような顔だっただろう。
「だって……ゼロが誰かに取られたらって思ったらさ」
「有り得ないって」
「レアには悪かったと思ってる。あの後めっちゃ謝ったし。でもきっとレアの言うことは正しいんだ。ゼロは人気あるんだと思う。だからゼロのこと取ろうとする奴もゼロのこと泣かせる奴も全部消したい」
ギリッと奥歯を噛み締める。
想像するだけで苛立ちが募ってしまう。
そんな俺にゼロは苦笑した。
「過激だなぁ、紅蓮は。でも本当の紅蓮ってそういう奴なんだろうね」
「あ……」
いくら偽りの自分を見せないと言ってもここまで本性を見せるのは間違いなのだ、きっと。
初めて恋愛をする俺には匙加減が難しい。
落ち込む俺の肩をポンポンと叩き、ゼロは言った。
「でもいいよ。気にしないで。そういうのも隠さなくていいから。但し、あんまり脅し過ぎないこと。もし誰かに好きになられても俺の心は動かないから」
「うん……ありがと。そう言えば俺、ゼロと付き合い始めてからいいことばっかりだ」
「そうなの?」
「幽霊にあまり出会わなくなった。っていうか俺が視ないようになったのかも。そんな暇ねぇよ!って感じで」
今までは毎日のように幽霊を目撃していた。
学校など幽霊の定番でうじゃうじゃと視えていた時期もあったぐらいだ。
だが最近は半分ぐらいしか遭遇しなくなった。
追い掛けられることもなく、自分の中では平和な日々を送ることが出来ている。
何となくそれはゼロのお陰のように思うのだ。
「なるほどね。紅蓮の役に立てたなら良かった。魔除けみたいな感じだね」
「うーん。俺にとっては幸運の女神さまって感じ!」
「女神って柄じゃないんだけどな」
ふふっと笑うゼロが可愛くて思わず抱き着こうとしてしまう。
感情が表情や行動に出るのはいいようで悪いのかもしれない。
現にゼロは「人前でくっつかない」と俺のハグを上手くかわした。
「あ」
「紅蓮、そういうのちゃんと言わないと本当に気にしなさそうなんだもん」
きっとゼロの方が正しいのだ。
だから感情と行動をもっとコントロール出来るようにならなければならない。
「うーん……確かに。俺、多分世間とズレてると思うから色々教えてよ」
「わかった。俺の常識で良ければね」
「勿論。ゼロのことが一番好きなんだからゼロの常識だけ知ってればいいっしょ」
「ふふっ、偏った常識」
それから俺は学ぶようになった、ゼロの常識を。
それは普通の常識と大差なかったのだろう。
ゼロのおかげで俺はやっと普通の生活が出来るようになった気がする。
「普通」に憧れていた俺が恋人のおかげでそうなれるなんて、出来過ぎたドラマのようで少し怖くなる。
けれど折角貰ったチャンスなのだ。
絶対に、手放さない。
「出会った時のこと?勿論覚えてるよ」
付き合って1年以上経った今も俺とゼロは一緒にいる。
「昨日その辺りの夢見てさ。懐かしくなったんだ」
今日は日曜日でサッカー部も休みだ。
久しぶりにゼロを誘って映画を観に行くことにした。
「確かに懐かしいね。すごく昔みたい」
「だな。最初の頃は人前でくっつこうとしたりハグしようとしたり常識外れなことしてたよな、俺」
「紅蓮らしいと言えばらしかったかな。でもちゃんとそういうの学んでくれたじゃん」
「ゼロに嫌われたくなかったからな」
この1年、俺は恋愛について学んだ──というよりゼロについて学んだ。
ほぼレアに聞いたのだけれど、そのお陰で上手くいっているのだと言える。
恋愛やゼロについて教えてくれたレアには感謝していた。
「1回好きになったらそう簡単に嫌いにならないのに」
「ゼロの人気にビビってたからさ」
「紅蓮って喧嘩強いしサッカー上手いし幽霊にも勝てるのにそういうとこはビビりだよね」
「少しぐらい弱点あった方がいいだろ?」
胸を張って言うことではないと分かっているが、虚勢を張った。
弱みを見せる時は強気に見せた方がいいと学んだのは中学時代のことだ。喧嘩ばかりしていた時代。
どんなに不利でもそんな素振りは見せないように、と。
黒歴史とも言える時代の教訓が今も活きているのは不思議な感覚だけれど。
「そういえば映画館って幽霊大丈夫なの?」
「ゼロといれば大丈夫」
「本当?魔除けになってるなら良かった」
「だから幸運の女神さまなんだって」
「ふふっ、懐かしい」
「覚えててくれて嬉しい。……って、あれ?もう13時!?やべぇ!映画始まるまで10分しかない」
「あれ?30分からって言ってなかったっけ?」
「ううん!10分っ!走ろ!」
「え、わっ!」
ぎゅっとゼロの手を掴んで走り出す。
大事なとこは抜けていて、やっぱり頼りなくて、いつもカッコつかない俺だけれど。
「悪ぃな、ゼロ!」
「ううん、大丈夫」
仕方ないなと笑ってくれる君がずっと隣にいてくれるから──誰よりも幸せだと思うんだ。
今まで人を好きになったことはあったけれど、それまでの比ではないぐらい想いが募っていた。
だから唐突に言ってしまった。
ドン、とぶつかった時に「存在している」ことが分かったから。
「付き合ってください!」
馬鹿みたいに真っ直ぐな俺は馬鹿みたいにピュアで──そして本当に馬鹿だった。
「いや、無理」
「え……何で?」
振られることなど1ミリも考えていなかったのだから。
幼い頃から人でないモノを視るタイプだった。
一言で言えば霊感がある──それも、かなり。
幽霊はいつでも俺の視界に入っていた。
この世界には視えない人が思うよりもずっと沢山幽霊が溢れ返っている。
だから俺の目に映る世界には倍以上ニンゲンが存在する。
子供の頃はそれが当たり前だと思っていて、狭い世界だと思っていた。
しかし徐々に気付き始める。
ヒトとヒトが確実にぶつかっているのに何も言わない時があること。
ヒトとヒトが明らかに重なっているのに気にした様子もないこと。
その頃にはもうある程度理解していた。
「こんな風」に視えるのは俺だけなのかもしれないと。
小学生になって初めてネットを使った時、最初に検索したのはそのことについてだった。
よく視れば幽霊は半透明だということに気付けるはずだとか、あまりこのことは他人に言わない方がいいとか。
在り来たりなことから新事実まで沢山の情報を得ることが出来た。
そのお陰で上手く立ち回る術を知った。
とにかく誰にも言わないこと、視線を向けないこと、幽霊に絡まれても無視し続けること──それを自分の中で徹底した。
隠すことさえ出来れば普通のヒトとして生きられる。
とはいえ、それでもヤバい時はあった。
幽霊に囲まれた時、執拗に追われた時、触れられた時。
恐怖の感情よりもただ煩わしかった。
不審な動きをする俺に周りが訝しむ──それは俺が一番危惧していたことだった。
「紅蓮、どうした?」
「いや!何でもない!俺、ちょっと遠回りして帰るわ!」
そう言って毎日のように友達から幽霊を引き剥がす日々。
中学時代はその所為でストレスが溜まる一方だった。
そして幽霊と戦うことが俺の日常になってしまった。
日増しに募った苛立ちを解消する為に始めたのが喧嘩だった。
ヤンキーと名乗る程は強くなかったし、深夜まで暴れていた訳ではない。
そもそも深夜に裏路地や人気のない場所に行くなど俺には有り得ないことだった。
そんな時間にそんな場所へ行ったらどれだけの幽霊に囲まれるか分からない。
だから健全に不健全なことをしていた、ずっと。
中学3年間の思い出は喧嘩しかないと言ってもいいぐらい喧嘩ばかりしていた。
何故か人に好かれやすかった俺は暴れていても学校内に友達は出来たし、学校外にも沢山友達がいた。
年上にも年下にも慕われていたように思う。
でも誰にも言えなかった──幽霊が視えることは。
沢山友達がいようとも素の自分を見せることが出来ない。
それは逆に虚しいことのように思えた。
次第に俺は笑顔ばかり見せるようになった。
喧嘩をしている時以外はとにかく笑う。
そのおかげでより他人に好かれるようになって、より虚しく感じるようになった。
「これで……いいんだよな」
自分の生き方に無理やり納得して。
自分の生き方を無理やり受け入れて。
そんな時に出会ったのが──ゼロだった。
ゼロを初めて見た時、この世に実在しないヒトだと思った。
その頃の俺は人間と幽霊の区別がつきにくくなっていて、どちらも同じぐらいの色合いに視えるようになっていた。
「……怖」
やけに人間離れしているし、綺麗過ぎる奴だと思った。
人外と言った方が納得出来るような見た目。
だから絶対に関わりたくないと思った。
高校に入学してすぐ出会った所為で学校へ行く気も下がったけれど、中学で喧嘩を辞めた俺は高校で絶対にサッカーをすると決めたのだ。
人間のような幽霊に構っている方が無駄な時間。
そう割り切ったはずが何故か俺は校内で彼を探していた。
そして視界に入って震える──怖くて、綺麗で。
後から思うとその時にはもう恋をしていたのだと思う。
転機が訪れたのは入学して1週間程経った時だ。
部活に遅れそうになった俺はとにかく急いでいた。
靴箱で上履きから靴に履き替えて何も考えずにダッと駆け出した。
前に人がいることなど考えもしなかった。
だからドン、とぶつかってしまった。
「あっ!ごめんなさ……」
振り返った彼の目を見て、姿を確認して、ぶつかった感触を思い出して。
「実在している」と認識した途端、口から言葉が飛び出していた。
「付き合ってください!」
「いや、無理」
「え……何で?」
「お前のこと、好きじゃないから」
初めて交わす言葉にしては辛辣だと思う。
まるで昔から俺のことを知っていたかのような言い方も気になった。
「え?ちょっと待って待って!」
去っていく彼の手を掴む。彼は嫌そうに振り返った。
「……何?」
「俺のこと、知ってんの?」
「知ってる。だから嫌い」
俺より背が低く体格も小さいにも関わらず彼は強い力で俺の手を振り払った。
基本的に好かれることが多い自分的には初めての経験だ。
あまり頭を使うことが得意でない俺にはどうしたらいいか分からなかった。
けれど今話さなければ二度と話してくれない気がした。
「そ、そっか。あのさ、俺全然覚えてないんだけど……理由とか教えてくれない?」
「執拗い」
「理由聞いたら離れるから!」
はあ、と大きく溜息をついた彼は嫌そうに理由を語った。
自分は耳が良いこと、中学時代に俺が混ざっていた抗争で不快な思いをしたこと、その時から俺のことを忘れたくても忘れられないこと。
「……マジか」
「分かった?なら二度と話し掛けないで」
「ごめんっ!本当にごめん!」
「今更謝られても意味ないから。俺は一生忘れられないって言ったでしょ?」
「だからそういうのも含めて本当にごめんなさいっ!」
バッと深く頭を下げる。
好き勝手に暴れたことで誰かを傷付けていたなんて考えもしなかった。
ただ単にムシャクシャした気持ちを発散したくて暴れていた自分が無様に思えた。
「別にもういいから。それじゃ」
俺に追いかける権利はない。だからその日はもう追い掛けなかった。
(俺……本当に馬鹿だ)
ふらふらと部活に向かう。ボールを蹴れば何となく気が紛れた。
ネガティブ思考になると幽霊が近寄ってくるのだ。
だから少しでも明るい気持ちになりたかった。
(俺に出来ること、考えないとな)
サッカーボールを上に蹴り上げ、頭を使って上手く操り、今度は膝で蹴る。
──明日からの自分がすべきことが見えた気がした。
「離れるって言ってなかったっけ?」
「昨日は離れただろ?だからあの約束は終わり」
「すごい屁理屈だと思う、それ」
翌日、俺は朝から彼に会いに行った。
俺に出来ることは彼をもっと知ること、もっと喋ること、そして出来る限りの謝罪をすること。
それが俺の──贖罪だ。
傍に居るのを嫌がった彼だけれど、毎日話し掛けているうちに少しずつ話し返してくれるようになった。
零と書いてレイという名前だということ、いつも隣にいるのは恋人じゃなくて親友だということ、勉強が得意だということ。
知れば知るほど好きになっていった。
「零!今日部活ないんだ。一緒に帰ろうぜ!」
「……まぁ、いいけど」
「カバンとか持つし!」
「そういうの本当いいから」
呆れ顔の零に笑顔を返す。
傍から見たら俺たちは奇妙な関係に見えたかもしれない。
それもそうだ。自分たちでも関係性に名前を付けられそうになかった。
ただ俺は零と話せれば幸せだった。
だから絶対に「あの話」だけはしてはならないと思っていたのだけれど。
「変なこと聞くけど幽霊見えてたりする?」
帰り道、カフェに寄った俺たちはフラペチーノを買って公園で飲んでいた。
デートのような雰囲気に俺は内心テンションが上がっていたのだけれど、ベンチに座った瞬間に言われた一言で背筋が凍りついた。
「……え?」
「誰かに聞いたとかじゃないよ。俺が何となくそう思っただけ」
零の前では特に気を付けていたはずだ。
幽霊を見ても無視することに徹していたし、視線を向けるのも一瞬にするようにしていた。
だから気付かれるはずがない。
今までだって誰にも気付かれなかったのだから。
「何で……?」
「たまに一瞬、すごく嫌そうな顔する。本当に一瞬。だから最初は身体の何処かが痛くなったのかと思ってた」
「……」
「でも毎日話すようになって気付いた。もしかして人に見えないモノが視えてるんじゃないかって」
「……そんなこと気付かれたの初めてだ」
「だろうね。俺もカメラアイがなければ気付かなかったと思う。全て覚えてる俺には些細な動きも忘れられないから」
自嘲気味に笑う零を見てぎゅっと胸が痛くなる。
そして俺は自分が「視える」存在だということを零に訥々と語った。
過去の話や辛かったこと、少しだけあった楽しいこと──全部。
零は何も言わずに優しく聞いてくれた。
誰かに幽霊のことを喋るのは初めてだった。
気付けば1時間以上話してしまい、俺はハッと我に返った。
「ごめん!喋り過ぎた!あんまり面白くない話なのに」
「ううん。こう言っていいか分からないけど興味深かったよ」
「そっか。零って本当に優しいよな」
「んー……」
零は突然言葉を切り、しばらく喋らなくなってしまった。
何も言わない零は精巧な人形のようにも見える。
じっと見つめ、改めて綺麗だと思った。
顔面に惚れたのは否定しない。けれど今はそれ以上に内面に惚れている自信がある。
零は淡白で物静かだけれど友達思いで根が熱い。
そのギャップに落ちたのだ。
だから毎日のように好きになってしまう。
5分後、零は不思議なことを口にした。
「俺のこと、これからゼロって呼んで」
「え?」
意味が分からず首を傾げた。
「俺は紅蓮って呼ぶから。この間の返事もOKってことで」
「え?え??どういうこと?」
「ゆっくり考えてみて」
頷き、言われた通りに思考を働かせる。
呼び方を変えて欲しいということ、名前で読んでくれるということ、そして──付き合ってくれるということ。
「あっ!え、嘘!?付き合ってくれんの!?」
思わずガタッとベンチから立ち上がってしまう。
俺の反応を見てゼロはふふっと笑った。
「そういうこと」
「でも……何で?」
「紅蓮に興味が湧いたからかな。最初はただの馬鹿だと思ってたけど本当は全然違うみたいだし。似非笑い多い理由も分かった気がする」
ゼロには本当に驚かされる。
まさかそこまで気が付いているとは思わなかった。
「似非笑い、気付いてたんだ」
「大丈夫。俺ぐらいしか気付いてないと思うから。上手く笑えてると思うよ」
「そっか。ありがとう」
「普通のフリして生きるには笑顔が1番いいからね」
思わず泣きそうになってしまった。
俺が子供の頃から誰にも言えずにいたこと。
俺が子供の頃から笑顔の裏に隠し続けていたこと。
まさか好きな人に見破られるとは思わなかった。
「うん……そうだな。で、呼び方変えて欲しいっていうのは何で?」
「だってレイって……何か嫌じゃん」
ぷいっとそっぽを向きながら言われた言葉の意味を考えて──納得した。
幽霊が視える俺に気遣ってくれたのだということも、照れているのだということも。
「へへっ、嬉しい。すげぇ嬉しい。ありがとな、ゼロ。俺、話す度に好きになってたけど今が1番好きになった!めっちゃ好き、大好き!」
「……ありがと。だから俺の前では嘘の顔しなくていいから」
「ゼロといると自然と笑顔になると思うけどな!サンキュ」
本当の意味で好きになったのは今かもしれない。
素の自分を出せる相手が出来たことが嬉しくて。
それが好きな人だということがもっと嬉しくて。
「……本当にありがとな、ゼロ」
小声の呟きはゼロには届かなかったはずだ。
付き合った日、密かに決めたことがある。
これから絶対にゼロを守るということ。
偽りの自分を見せないということ。
それを徹底しながら過ごしていた1週間──ゼロは「俺への愛、重すぎじゃない?」と言った。
「え?そう?」
「俺のことになると怖いってレアちゃんに言われたんだけど」
「あー……まぁ、確かに」
ゼロの親友である怜愛──通称・レアと友達になったのはゼロと付き合ってすぐだ。
金髪褐色の見た目に軽くたじろいだが、話してみると気さくで良い奴だった。
けれど友達になって早々に「アイツ裏で結構人気あるから気を付けた方がいいぜ」と言われて思わずギロッと睨んでしまった。
その顔は恐らく喧嘩していた時と同じような顔だっただろう。
「だって……ゼロが誰かに取られたらって思ったらさ」
「有り得ないって」
「レアには悪かったと思ってる。あの後めっちゃ謝ったし。でもきっとレアの言うことは正しいんだ。ゼロは人気あるんだと思う。だからゼロのこと取ろうとする奴もゼロのこと泣かせる奴も全部消したい」
ギリッと奥歯を噛み締める。
想像するだけで苛立ちが募ってしまう。
そんな俺にゼロは苦笑した。
「過激だなぁ、紅蓮は。でも本当の紅蓮ってそういう奴なんだろうね」
「あ……」
いくら偽りの自分を見せないと言ってもここまで本性を見せるのは間違いなのだ、きっと。
初めて恋愛をする俺には匙加減が難しい。
落ち込む俺の肩をポンポンと叩き、ゼロは言った。
「でもいいよ。気にしないで。そういうのも隠さなくていいから。但し、あんまり脅し過ぎないこと。もし誰かに好きになられても俺の心は動かないから」
「うん……ありがと。そう言えば俺、ゼロと付き合い始めてからいいことばっかりだ」
「そうなの?」
「幽霊にあまり出会わなくなった。っていうか俺が視ないようになったのかも。そんな暇ねぇよ!って感じで」
今までは毎日のように幽霊を目撃していた。
学校など幽霊の定番でうじゃうじゃと視えていた時期もあったぐらいだ。
だが最近は半分ぐらいしか遭遇しなくなった。
追い掛けられることもなく、自分の中では平和な日々を送ることが出来ている。
何となくそれはゼロのお陰のように思うのだ。
「なるほどね。紅蓮の役に立てたなら良かった。魔除けみたいな感じだね」
「うーん。俺にとっては幸運の女神さまって感じ!」
「女神って柄じゃないんだけどな」
ふふっと笑うゼロが可愛くて思わず抱き着こうとしてしまう。
感情が表情や行動に出るのはいいようで悪いのかもしれない。
現にゼロは「人前でくっつかない」と俺のハグを上手くかわした。
「あ」
「紅蓮、そういうのちゃんと言わないと本当に気にしなさそうなんだもん」
きっとゼロの方が正しいのだ。
だから感情と行動をもっとコントロール出来るようにならなければならない。
「うーん……確かに。俺、多分世間とズレてると思うから色々教えてよ」
「わかった。俺の常識で良ければね」
「勿論。ゼロのことが一番好きなんだからゼロの常識だけ知ってればいいっしょ」
「ふふっ、偏った常識」
それから俺は学ぶようになった、ゼロの常識を。
それは普通の常識と大差なかったのだろう。
ゼロのおかげで俺はやっと普通の生活が出来るようになった気がする。
「普通」に憧れていた俺が恋人のおかげでそうなれるなんて、出来過ぎたドラマのようで少し怖くなる。
けれど折角貰ったチャンスなのだ。
絶対に、手放さない。
「出会った時のこと?勿論覚えてるよ」
付き合って1年以上経った今も俺とゼロは一緒にいる。
「昨日その辺りの夢見てさ。懐かしくなったんだ」
今日は日曜日でサッカー部も休みだ。
久しぶりにゼロを誘って映画を観に行くことにした。
「確かに懐かしいね。すごく昔みたい」
「だな。最初の頃は人前でくっつこうとしたりハグしようとしたり常識外れなことしてたよな、俺」
「紅蓮らしいと言えばらしかったかな。でもちゃんとそういうの学んでくれたじゃん」
「ゼロに嫌われたくなかったからな」
この1年、俺は恋愛について学んだ──というよりゼロについて学んだ。
ほぼレアに聞いたのだけれど、そのお陰で上手くいっているのだと言える。
恋愛やゼロについて教えてくれたレアには感謝していた。
「1回好きになったらそう簡単に嫌いにならないのに」
「ゼロの人気にビビってたからさ」
「紅蓮って喧嘩強いしサッカー上手いし幽霊にも勝てるのにそういうとこはビビりだよね」
「少しぐらい弱点あった方がいいだろ?」
胸を張って言うことではないと分かっているが、虚勢を張った。
弱みを見せる時は強気に見せた方がいいと学んだのは中学時代のことだ。喧嘩ばかりしていた時代。
どんなに不利でもそんな素振りは見せないように、と。
黒歴史とも言える時代の教訓が今も活きているのは不思議な感覚だけれど。
「そういえば映画館って幽霊大丈夫なの?」
「ゼロといれば大丈夫」
「本当?魔除けになってるなら良かった」
「だから幸運の女神さまなんだって」
「ふふっ、懐かしい」
「覚えててくれて嬉しい。……って、あれ?もう13時!?やべぇ!映画始まるまで10分しかない」
「あれ?30分からって言ってなかったっけ?」
「ううん!10分っ!走ろ!」
「え、わっ!」
ぎゅっとゼロの手を掴んで走り出す。
大事なとこは抜けていて、やっぱり頼りなくて、いつもカッコつかない俺だけれど。
「悪ぃな、ゼロ!」
「ううん、大丈夫」
仕方ないなと笑ってくれる君がずっと隣にいてくれるから──誰よりも幸せだと思うんだ。
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