2 / 2
序章。異世界へ行ってきます
睡眠と猫は疲労への特効薬である。
しおりを挟む
退屈な面接が終わりついに退屈な退社の時間がやってきた。
私には心の中で決めている退社時のルールがあった。
「会社を出る時は必ず右足から出る」
他の人が聞くとどうでもいいとかめんどくさいという印象を持つかもしれないがしっかりと理由があるのだ。
私は根っからの怪我知らずでありそんな大きな怪我なんてした覚えが数える程しかない。
しかもその数える程というのも軽い怪我であり未だに私の体には傷跡の1つもない。
ある日ふと自分がある程度の怪我をした箇所を思い出してみた。
数える程度しか怪我をした経験がないためスラスラと思い出すことが出来た。
覚えている中で最も古い怪我は11歳の頃にジャングルジムから落ちて左足の小指を骨折。
その次が14歳の時に体育のテニスの授業でボールが左目にあたり炎症。
その後17歳でなんでかは忘れたが左手首にヒビ。
そして20歳になってすぐにバイト中に包丁で左腕を切創。
それから現在23歳になるまで大きな怪我は無し。
怪我の記録を思い出した時に2つの法則が見えてきた。
まず1つ目は11歳から2年おきに怪我をしていること。
そして2つ目は怪我をした所が全部左半身であること。
この2つ目の法則に気づいてから私の左半身は不吉なのではないかと思うようになり験担ぎとして先程の右足からというルールが生まれたのである。
しかし今日は疲れが溜まっていた。
疲れは時に人の行動を狂わせ、大きくうねらせる。
「あ。左足から出ちゃった。」
退社するだけ、たったそれだけの行動にも疲労は邪魔をしてくる。
ボソリとそう呟いたあと、いつもの自分なら怪我をしないように気をつけるのだが今日の私はそうはいかなかった。
「ま、大丈夫か。」
疲労は判断を鈍らせる。
夜ご飯は何にしようかなぁ。
もっと考えるべきこと、払うべき注意があるはずなのに無駄なことを考えてしまう。
ドラマ録画しとかないと。
心では気をつけろと思っているのにいつの間にか柔らかいどうでもいい話に心が擦り寄っていく。
夜景ってなんだか綺麗だなぁ。
夜の匂いって落ち着くなぁ。
あぁ、帰り道に猫に会えたら幸せだなぁ。
私には心の中で決めている退社時のルールがあった。
「会社を出る時は必ず右足から出る」
他の人が聞くとどうでもいいとかめんどくさいという印象を持つかもしれないがしっかりと理由があるのだ。
私は根っからの怪我知らずでありそんな大きな怪我なんてした覚えが数える程しかない。
しかもその数える程というのも軽い怪我であり未だに私の体には傷跡の1つもない。
ある日ふと自分がある程度の怪我をした箇所を思い出してみた。
数える程度しか怪我をした経験がないためスラスラと思い出すことが出来た。
覚えている中で最も古い怪我は11歳の頃にジャングルジムから落ちて左足の小指を骨折。
その次が14歳の時に体育のテニスの授業でボールが左目にあたり炎症。
その後17歳でなんでかは忘れたが左手首にヒビ。
そして20歳になってすぐにバイト中に包丁で左腕を切創。
それから現在23歳になるまで大きな怪我は無し。
怪我の記録を思い出した時に2つの法則が見えてきた。
まず1つ目は11歳から2年おきに怪我をしていること。
そして2つ目は怪我をした所が全部左半身であること。
この2つ目の法則に気づいてから私の左半身は不吉なのではないかと思うようになり験担ぎとして先程の右足からというルールが生まれたのである。
しかし今日は疲れが溜まっていた。
疲れは時に人の行動を狂わせ、大きくうねらせる。
「あ。左足から出ちゃった。」
退社するだけ、たったそれだけの行動にも疲労は邪魔をしてくる。
ボソリとそう呟いたあと、いつもの自分なら怪我をしないように気をつけるのだが今日の私はそうはいかなかった。
「ま、大丈夫か。」
疲労は判断を鈍らせる。
夜ご飯は何にしようかなぁ。
もっと考えるべきこと、払うべき注意があるはずなのに無駄なことを考えてしまう。
ドラマ録画しとかないと。
心では気をつけろと思っているのにいつの間にか柔らかいどうでもいい話に心が擦り寄っていく。
夜景ってなんだか綺麗だなぁ。
夜の匂いって落ち着くなぁ。
あぁ、帰り道に猫に会えたら幸せだなぁ。
0
お気に入りに追加
1
この作品の感想を投稿する
あなたにおすすめの小説
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
特殊部隊の俺が転生すると、目の前で絶世の美人母娘が犯されそうで助けたら、とんでもないヤンデレ貴族だった
なるとし
ファンタジー
鷹取晴翔(たかとりはると)は陸上自衛隊のとある特殊部隊に所属している。だが、ある日、訓練の途中、不慮の事故に遭い、異世界に転生することとなる。
特殊部隊で使っていた武器や防具などを召喚できる特殊能力を謎の存在から授かり、目を開けたら、絶世の美女とも呼ばれる母娘が男たちによって犯されそうになっていた。
武装状態の鷹取晴翔は、持ち前の優秀な身体能力と武器を使い、その母娘と敷地にいる使用人たちを救う。
だけど、その母と娘二人は、
とおおおおんでもないヤンデレだった……
第3回次世代ファンタジーカップに出すために一部を修正して投稿したものです。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!
イケメン社長と私が結婚!?初めての『気持ちイイ』を体に教え込まれる!?
すずなり。
恋愛
ある日、彼氏が自分の住んでるアパートを引き払い、勝手に『同棲』を求めてきた。
「お前が働いてるんだから俺は家にいる。」
家事をするわけでもなく、食費をくれるわけでもなく・・・デートもしない。
「私は母親じゃない・・・!」
そう言って家を飛び出した。
夜遅く、何も持たず、靴も履かず・・・一人で泣きながら歩いてるとこを保護してくれた一人の人。
「何があった?送ってく。」
それはいつも仕事場のカフェに来てくれる常連さんだった。
「俺と・・・結婚してほしい。」
「!?」
突然の結婚の申し込み。彼のことは何も知らなかったけど・・・惹かれるのに時間はかからない。
かっこよくて・・優しくて・・・紳士な彼は私を心から愛してくれる。
そんな彼に、私は想いを返したい。
「俺に・・・全てを見せて。」
苦手意識の強かった『営み』。
彼の手によって私の感じ方が変わっていく・・・。
「いあぁぁぁっ・・!!」
「感じやすいんだな・・・。」
※お話は全て想像の世界のものです。現実世界とはなんら関係ありません。
※お話の中に出てくる病気、治療法などは想像のものとしてご覧ください。
※誤字脱字、表現不足は重々承知しております。日々精進してまいりますので温かく見ていただけると嬉しいです。
※コメントや感想は受け付けることができません。メンタルが薄氷なもので・・すみません。
それではお楽しみください。すずなり。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる