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2月14日 躰を贈る乙女
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「これで……」
輝く金色の髪を伸ばした少女は準備を進めていた。今日は2月14日、乙女たちが恋人へチョコレートなどを贈り、愛を伝える日である。しかし青い瞳を曇らせるこの少女、マルアークの状況はその甘さが感じられなかった。
「どうにか、用意できたけど……」
ロッカーの並ぶ部屋で、自分にあてがわれたそれの前で立ち尽くすマルアーク。手には錠剤を収めたシートや注射器が握られている。
(私……本当は……)
魔法少女マルアーク。彼女は今、敵の手に落ちている。これまで魔法少女が討ってきた怪人たちの根城に仲間と共に囚われ、毎晩凌辱の限りを尽くされている。
(こんなの……意味が……)
悪趣味なことに、魔法少女が犯されるところを見たり、それこそ彼女たちを抱いた怪人たちは気に入った少女にポイントを投げる。基本無料というところが魔法少女たちの尊厳を踏みにじる。
そのポイントを集めることで少女たちも様々な品を購入できるが、大半は犯してもらうためのローションやディルドなどの性玩具。ただ高額にはなるが、コンドームや避妊ピルの類も購入できる。
それでも意味がない、と悟るのはマルアークが犯される頻度にもある。強く抱きしめれば壊れてしまいそうな、華奢で人形のように整った顔の美しい少女。怪人たちの美的感覚は人間のそれに近いのか単純にマルアークは客の途切れない人気者だった。
「っ……」
彼女は昨日の客を思い出す。胎が裂けるまでミチミチに卵管まで精液を注ぎ込まれる。シャワーを浴びて必死に掻き出しても、全部出たか分からない。子宮に子種汁が張り付いている感覚がまだある。
「これじゃ……本当に意味がない……っ」
マルアークは目に涙を浮かべる。ピルやゴムを買うためには必死に腰を振り、化け物たちに媚びてポイントをもらわねばならない。それはつまり、自ら孕みにいくことを示している。
「なーに被害者ぶってんの?」
そんな彼女に声をかけたのは、かつての仲間。魔法少女エイル、現在はデリンジャーと化け物たちに呼ばれている。チョコをモチーフにしたと思われるブラウンのドレスを纏っているが、甘い香水の匂いに紛れて生臭いすえた匂いがしてドレスの胸元や髪が乱れている。
「その涙、少しはあんたが殺したみんなに分けてあげなよ」
デリンジャーはすっかり変わってしまった。紫の瞳やメッシュ、インナーカラーという見た目の話ではない。ショートヘアになったことも些末だ。その心が大きく変化してしまった。
「じゃーん、みてみて」
デリンジャーは着込んでいたドレスのスカートをたくし上げる。下着を着用せず、白濁が下腹部をべったりと汚しながら垂れている様子がはっきりと見えた。彼女からしたすえた匂いの正体がこれだ。
「たっぷり種付けされちゃった♡ これじゃ産んでも誰の子かわかんないや。みんなで育てるから関係ないけど」
何体かの化け物に犯され、孕まされそうなことを喜々として報告するデリンジャー。彼女はスカートを戻すと胸元をはだけてささやかな乳房の間に糸を引く白濁を見せつける。
「ふふっ、すっごい雄の匂い擦り付けられちゃった……」
「あんた、好きな人がいるんでしょ? なのにそんな……」
マルアークは思わず言葉を漏らした。デリンジャーには怪人たちの側に伴侶がいる。しかし今さっき、デリンジャーが犯されてきたのはその他大勢。伴侶はなぜ見過ごしているのか。
「ふざけるな!」
「っ!」
唐突にデリンジャーからの平手打ちがマルアークへ飛ぶ。
「人間の価値観であの人を測るな!」
「うぁっ!」
それも一度ではなく、二度。左右の頬を叩く形となった。
「愛の軽い人間と一緒にするな!」
それだけでは気が済まなかったのか、デリンジャーはマルアークの髪を掴んでロッカーへ頭を叩きつける。
「うぐっ!」
「インディラは私が他の男に穢されても、それを塗りつぶすために抱く人なの。執拗に相手の携帯を覗くような、信用も信頼もできない、人間の浅い愛と一緒にしないで」
デリンジャーはロッカーの中に、マルアークが避妊具を用意しているのを見つける。それを見て彼女は悪そうな笑みを浮かべる。
「へぇ、ゴムも用意したんだ。ゴムでセックスするの、射精された回数見えて興奮するんだ」
「だれが! 化け物に犯されて悦ぶあんたと一緒に……」
マルアークは負けじとデリンジャーを罵るが、仲間を化け物と言われたことでデリンジャーは激昂しマルアークの首へ手をかけ、締め上げる。
「がっ……」
「っと、こんなことしてる場合じゃなかった」
すぐに正気に戻り、デリンジャーはマルアークを手放す。マルアークは床へ崩れ堕ち、せき込みながら呼吸を整える。
「げほっ、げほっ!」
「他の雄の匂いが消えないうちに、塗りつぶされる様に抱き潰されてくるね」
デリンジャーからすれば、マルアークの言葉は許せない。だが既に、生殺与奪は自分が握っている。自身の快楽を優先するのも納得だ。
「あんたが殺した命、あんたの胎で償いなさい」
最後に吐き捨てた言葉がマルアークにはおぞましく感じた。殺しただけ、化け物を孕め。化け物を産み落とせ。そういう意味なのだから。
「誰が……」
マルアークは着替えた服のポケットにコンドームを忍ばせる。ロッカーの鏡に映る彼女はブラウンのドレスを纏っていた。まるで贈り物の様な、明るい色合いのリボンが映える。スカートの短さも常識的な膝上だが、用途が用途だけに肩や背中の露出も屈辱的に感じる。ドレスなのにポケットがあるのも、こうして性具を忍ばせるためなのだから。
「意味……ないのに」
一個や二個ではすぐに使い切られてしまう上、使用は化け物の側に委ねられている。だから他のピルに比べてポイントで購入する価値は薄い。
「やっぱ、入り切らない……」
ドレスのポケットもさすがに箱一つは入らない。マルアークはコンドームの封を開け、中身だけをポケットに入れた。
「ん、くっ……」
ピルも服用する。今日だけではなく、丹念に数日飲み続けたのだから効果があるはず。その間、膣内に注ぎ込まれた分も妊娠しないとよいのだが。服用のルールや箱の文字といい、用意しているのは化け物やデリンジャー側だが人間界で流通している本物ではあるらしい。
「くっ、うぅ……」
恐怖に震える手で首筋に注射を打ち込む。避妊薬は本当にいろんな種類があるのだが、それがなんのためかは分からない。腰を振らせるための餌なのか、それとも効かないことを身体に叩きこんで希望をへし折るためか。
「……くそっ」
マルアークは現状を吐き捨てる。ポイントのことだけではなく、化け物が少しでも満足すれば仲間への負担も減る。自分が拒絶すればその分、仲間が犯されるだけだ。逃げることも拒絶することもできない。リボンで髪をポニーテールに結うという、一種の変身を行うことで凌辱される少女を自分と切り離す様な、誤魔化す様な抵抗しかできない。
化け物たちは昨日からパーティー会場でどんちゃん騒ぎをしていた。どうもこの化け物たちは日本のイベントに詳しいらしい。日本人のデリンジャーがいるから当然なのだが。
「ほう、いい恰好じゃないか」
「やっぱ全裸はつまんねぇな」
化け物たちはマルアークの姿を舐めるように見る。彼らの姿は人間に近いが、角があったり肌が青や赤だったりと化け物と呼ぶに差し支えないものと、マルアークは考えていた。
「へぇ、今日も犯されにきたか」
「っ……!」
そしてマルアークの前に立つ男は、彼女の姿を見て、ズボンの上からでも遠目にわかるほど男根を怒張させていた。
「あ……ぁ♡」
マルアークの頭は痺れ、ぼうっとする。黒い角を髪の隙間から覗かせる、線の細い美少年。マルアークは以前、彼に孕まされたことがある。あのデリンジャーが『孕まされ壊される』と評する相手。
「うっ……♡」
彼相手に孕むこと、彼の子を出産する快楽は身体に覚えさせられてしまった。催眠の類ではなく、確かに知らない男に抱かれる嫌悪感、化け物の子種を注がれる屈辱、腹が膨らむ絶望を味わった上で快楽がそれを上回っているのだ。
「だ、だれが……」
「ま、君が拒否ればどうなるか……わかるよね?」
確かに拒否感はある。だから本当は突っぱねたい。だが、仲間を人質に取られている以上それはできない。
「別にいいんだけどさ、君以外を」
「わかったわよ……好きにすれば?」
少年のマルアーク以外に興味がない、という宣誓に被せる。それに気づいたマルアークは思わず口を覆った。
「やっぱ、したいんじゃん」
「だ、誰が……」
「へぇ、そう」
口では拒絶しつつも、マルアークは少年の前に屈んでいた。口でズボンのチャックを下ろし、鼻先で勃起したペニスを持ち上げて口に含む。ご奉仕の仕方が板についてしまった。これは少年がマルアークに教えたやり方だ。
「ん、んぅ……じゅるっ……」
マルアークは少年の腰に抱き着き、自ら喉を責める様に頭を振る。唾液と先走りが胸元を汚す。息が苦しいはずなのに、マルアークは猛る肉槍を貪り続ける。
「ん、んくっ……!」
「うまくなったじゃん。最初は歯を立てちゃうくらいへたくそだったのに」
「じゅぶっ、んぐ……」
かつて、少年の亀頭に歯を立てては頬をはたかれたことを思い出し、マルアークの秘部から蜜が垂れる。
「射精るぞ、飲み干せ」
「んんんぅううっ!」
少年はマルアークの頭を掴み、喉奥へペニスを差し込んでから口内で爆ぜた。息をするには飲むしかない、とマルアークは自分に言い聞かせて精液を飲み干す。おいしそうに鳴る喉の音は聞かない様に。
「ずずっ、ぷはっ……!」
皮の中や尿道に残った精液を舌で啜り、マルアークは肉槍から口を離す。
「あ……ぅ」
「よくできました」
呆けるマルアークの頭を少年は撫で、手を取って立ち上がらせる。その後、精液の匂いも気にすることなく少年はマルアークと唇を重ねる。ただのキスではない。舌を挿入れ、彼女の味を楽しんでいる。
「ちゅ、ん……だ、だめっ……汚なっ……」
「まるで恋人みたいに、気にかけてくれるじゃん」
その一言にマルアークは激怒し、少年へ平手打ちをしようとする。陽大という恋人がいるのに、犯した挙句唇まで奪ってこの言葉なのだから当然だ。
「な……」
「活発だね。また元気な赤ちゃん産んでよ」
しかしそれは、手首を掴まれて止められてしまう。そして少年はマルアークを机の上に投げ出し、足首を掴んで股を開かせる。敷かれた純白のテーブルクロスも相まって、まるでパーティーの料理であるかの様に扱われている。
「ま、待って……」
「愛液の匂いすっごいよ。待ちきれないんじゃない?」
少年の言う通り、彼女の股は蜜でびしょびしょ。だがそれに意識を向けることなど許されなかった。今はただ、孕むことから逃げなければならない。
「あの……これ使い……くっ、使い……」
マルアークはポケットからつづられたコンドームを取り出し、口に咥えて見せる。陳腐な誘惑であったが、少年のモノはぴくりと反応する。
「ぅ、うぅ、使い、切る……まで! わたし、まんぞく……できな、い……」
孕まないために誘惑する矛盾した図式。屈辱と自分の奥底にある感情の否定でいっぱいいっぱいになりながら、大粒の涙を流し嗚咽を漏らしながらの誘惑であった。
「え?」
少年はマルアークの顔の隣に、その顔ほどのサイズがある箱をドン、と少しだけ音がするくらいには強く置いた。
「これも使い切ろうか」
それは業務用のコンドーム。ラブホテルなどで客室に置くためのコンドームを大量に収めたものだ。少年はその中の一つを取り出し、中身を隅に寄せてからマルアークに加えさせる。
「んっ……」
彼女の口でそれを開けさせ、少年は慣れた手つきで自身の性器をゴムで彩る。そこからは地獄でもあり、天国のような時間だった。
「う、うあっ……ああああっ!」
マルアークの苦悶に満ちた声が響く。彼女の秘部に少年の肉棒が突き立てられ、ナカをかき回される。肉がぶつかり合い、汁がはじける。
「あぐっ、やめ……やめてよぉっ! うああ、あぅっ!」
年相応の女の子らしい、拒絶の声。しかしそんなものは余計に相手の興奮を誘うだけだ。マルアークは無力にも化け物の雄に突かれ、それを他の化け物に見られるという醜態をさらしていた。
「あああぁぁぁっ! 奥っ、奥やめっ! やめ……てっ!」
「へぇ、あの悪魔がこんなメスみてーな声出すんだな」
「いやあああっ! もう、突かな、い……でっ!」
マルアークを犯したい、というものだけが見ているわけではない。仲間を虐殺した魔法少女マルアークの無様で悲惨な姿を見て、溜飲を下げようとしているのだ。
「あぐうぅぅっ! イ、イっちゃ……イっちゃうっ!」
一時期は人間全てに復讐しよう、という機運もあった。だが魔法少女エイル、現在のデリンジャーが来てからは違う。
「やめてやめてやめてやめてぇえええっ!」
同じ人間でも、魔法少女に使い捨てられる者がいると理解した。エイル自身が彼らに寄り添う姿勢を見せたのも大きい。
「とめてっ! イきたく……イきたくないいっ!」
悪いのは人間ではなく、レギオンの魔法少女。殺戮を続けた魔法少女たち。そういう認識が生まれたことで人類と彼らの全面対立は回避された。
「イくっ、イぐぅうううっ! ひ、ああああっ♡ イ、イったあぁぁ♡」
ただ、それを理解しても復讐心が全て消えることはない。だからこうして、主犯の無様な姿を見せつけ、彼女たちの胎で償わせるのだ。
「う……ぐ……」
マルアークは意識を失うが、それでも少年は容赦なく彼女を犯し続ける。その快楽により、彼女はわずかな時間さえも気絶していられない。
「があああっ! もう、やめ……ゆるし、て♡」
「だーめ、すっごい締まってって射精そうなんだけど」
「やだ、やだやだやだぁ♡ ぐ、また、イっちゃ……♡
少年はその後も、何度も絶頂に晒されるマルアークを肉槍で嬲り続けてからようやく射精する。
「あああっ♡ あ……あ……ぁ」
ゴム越しの射精を受け、マルアークの頭は真っ白になった。胎が灼けるほど熱く、ゴムが間にあるのか一瞬不安になるほどの勢いで暴れる。
「で、射精て……っ♡」
しかし、声色が苦痛よりも快楽に媚びる色合いが強まった彼女には一種の虚しさもあった。
「あ……♡ あぁ……」
お腹がきゅんきゅんして、痛いくらい疼いている。子種を欲しがっているのに、体は精液を注がれたがっているのにゴムのせいで届かない。
「ご、ゴム……なしでしても……」
そう口走りそうになるが、頑張って本心を飲み込む。自分が用意した分だけでなく、わざわざ自分から業務用の箱まで用意しているのだ。これを使い切らせることができれば、しばらくは種付けなどできないかもしれない。
「な、なんでもない!」
「そうか」
「んっ、あっ!」
少年は微笑みながら、マルアークのナカからペニスを引き抜く。ゴムの先端は何倍にも膨らみ、暖房が効いていて寒くはないはずなのに湯気が立っている。
「はぁ、はぁっ……はぁっ……」
マルアークは起き上がり、吸い寄せられるようにペニスへ顔を近づける。ゴムを外してやり、そのゴムに口をつけて中の精液を飲んだ。
「あつっ……」
これは誘惑のためだ、と自分に言い聞かせるマルアーク。だが心の中では、気持ちいいからという理由も否定できなかった。舌を火傷しながら精液を啜り、洗うように肉棒も舐めて白濁を拭きとる。
「いじらしくて、かわいいじゃないか」
「ん、ぅうっ!」
その途中、少年はマルアークの口内で爆ぜる。
「ん、ぶっ、んぅううっ!」
彼女はその濃さ、熱さ、量の多さに肩を震わせ口でかき混ぜる様に、一生懸命に飲み干す。
「ん、く……じゅる……こくっ」
そして精液を腹へ落とさないうちに再び机に寝ころび、犯しやすいようにスカートをたくし上げる。化け物たちの視線に囲まれ、マルアークはゴムを使い切るまで犯され続ける。
「あ、あああっ♡」
もはや声色に拒絶や苦痛はなく、ただ快楽に身をゆだねる。もうドレスの胸元をはだけさせられても、恥じらうことさえしない。
「うぐっ♡ お腹、きゅんきゅん来るっ♡」
躰は種付けを望むが、理性がそれを阻む。だが、一度産んでしまった以上、その幸福感が絡みついてくる。
「もう、ナマでしてっ♡ ナマで無責任中出しっ♡ わたしに種付けしてぇ♡」
十月十日もの間、孕まされた命と過ごす幸福は忘れられなかった。
「うあ、あっ! うそうそうそ! ちゃんと、ゴム、使い切って……」
だがマルアークの強固な理性は不幸にも、完全に傾くことを許さなかった。
「あぐっ♡」
犯され、射精され、舐め取り、飲み干し、この繰り返し。通常の男ならばとっくに枯れているような回数だが、その気配が見えないのは絶望的なはず。
「ああっ♡ この体位、深いぃ♡」
体位を変え、日がな一日犯されるマルアーク。自分が用意したものと箱の半分を使い切る頃には彼女も、机に手を突いて腰を突き出し、立ちバックの姿勢で犯されていた。
「あ、あぐっ! うぅ!」
ボタボタとまるで、中出しされたものがこぼれるかの様な勢いで愛液が床に垂れる。少年の能力で構築された浮かぶぼんやりとした手が、マルアークの頭を掴み顎を持ち上げ口を開かせ、使い終わったゴムの中身を絞って飲ませている。
「んくっ、ん、けふっ……♡」
一個の量が膨大にも関わらず、それが何十個とある。もう彼女の腹は精液でいっぱいだ。
「そろそろ……お腹いっぱい……けほっ、子宮も、いっぱいに……して♡」
少年もマルアークの懇願には素直に応じない。ここまで来たら彼も、ゴムを使い切るまでやりたいのだ。
「う、ああっ!」
マルアークの腰を掴み、自分の肉槍を叩きつける。体位が変わるだけで、何十回と嬲られ絶頂した後でもマンネリすることがない。
「ナカ、擦れてっ♡」
亀頭の当たる位置やカリ首の擦れる場所が変わると、マルアークの上げる嬌声にも変化が現れた。
「うぐっ、あ、あづっ♡」
一体、何十回目だろうかも分からない射精がマルアークを襲う。少年はゴムを付け直すと、衰えるどころか怒張を強めるペニスをマルアークへ突き立て続ける。
「ああ“あ”っ! おちんぽ、まだ……硬くて、太くて……あっつい♡ あっ♡」
彼女の左腕を少年は掴み、体を寄せる。より深く、射精を重ねる度にもう片方の腕も引き、深く深く刺激する。
「うあ、さみ……しい……お射精、お腹に来なくてぇ……」
両肘を固定されて、小刻みにくちゅくちゅと最奥をかき回されるマルアーク。もはや抵抗も嫌悪も蕩け切ってしまった。
「奥、ぐちょぐちょにされ……っ、すきっ♡」
回数が多くなると、マルアークは最後こうなって快楽を貪るだけの雌に落ちる。
「これで最後だ」
最後のゴムへ射精される。相変わらず、量は減ることなどない。周囲には中身を絞り取られた、無数の使用済みのゴムが散らばっている。
「あ、あぁぁあっ! 次から……種付け♡」
「さ、お部屋行こうか」
少年に担ぎ上げられ、目の前に現れた扉へ連れていかれる。周囲の化け物たちがくすくすと、雌の顔を晒すマルアークを笑っていたが彼女にはもう届かない。
「んっ……」
連れていかれた部屋はいつもの、少年の寝床。少年はマルアークをそこのベッドへ投げこんだ。
「あ、ぁ……」
強いとも言い切れない雄の匂い、しかしあの時、孕まされた匂い。それを身体が覚えている。
「ま、まて……自分で、脱げる……」
半ば熱に浮かされながら、マルアークは自分でドレスを脱ごうとした。しかし少年はドレスの布地を口に咥えると、破るように引きはがしていく。
「あっ、だめっ……」
まるで、皮をむかれて全てをあらわにされているような。無残で容赦はないが、少しドキドキする脱がせ方。
「っぱ、種付けセックスは全裸でするもんだな」
少年も服を脱ぎ捨て、ベッドに乗る。線は細いが確かに筋肉を感じる。少年はマルアークの足首を掴み、股を開かせて自分の体をねじ込む。
「あ……まって、わたし、もう……っ」
少しずつ冷静さを取り戻しつつあったマルアークは、体力の限界を感じてはいた。だが、そんなもので止まるような男ではない。容赦なく肉槍をマルアークへぶち込み、種付けを始める。
「うあああっ!」
突如、体を襲う快楽。マルアークは身体を弓なりに反らして震える。シーツを掴むことしか、自身の理性を保つ手段がない。
「あ、ああっ、ぐ、うっ! や、やだっ……!」
ぐぽっ! ぐぽっ! ばちゅばちゅっ!
「や、やめっ……てっ!」
マルアークが懇願しても腰は止まらない。それどころか、ナカで暴れるペニスはどんどん太くなっていく。
「お前の産んだ子、かわいくってしょうがねぇ……もうひとり、産んでくれ」
「い、いやっ……あ、あぁっ♡」
拒絶しながらも求める、矛盾したマルアークの表情は少年をそそるだけだった。彼はマルアークの膝に手を置き、より距離を詰めていく。
「あぐっ♡ もっと、奥にぃ……♡」
「しっかり種付け、してやるからな」
「あ……♡」
腰の動きが早まる。奥をかき回される。先ほどまで何度も果てて、子種のお預けを受けていた子宮がきゅんきゅん疼いてくる。
「チンポちぎれるくらい締め付けやがって……そんなに孕みたいのか?」
「は、孕みますっ♡ あなたの、赤ちゃん……も一回♡」
少年はマルアークに密着し、子宮口に亀頭でキスした。
「射精すぞ」
「はいっ♡ 来て、ください♡」
そして、射精する。空っぽの子宮へ直に、ロスなく煮えたぎる精液が注ぎ込まれていく。
「う、あああああっ♡」
びゅるっ!びゅるびゅるびゅるっ!
「あ、はっ……♡ は、はっ♡」
びゅーっ、びゅーっ!
「っ……♡ ああっ♡」
どくんっ、どくんっ、どくんっ!
「……♡ っ♡」
喘ぎ声さえ出なくなるマルアーク。その強くシーツを握る手首を、少年はがっちり握って逃げられない様にしてからまた腰を振る。腰は肉棒で抑えられ、上から載られ、腕は組み伏せられ、逃げられないまま続けて種付けをしようとしていた。
「だ、だめっ、もう、私……っ!」
了承も遠慮もない、無責任で身勝手な種付けがマルアークを襲う。
「あ“……っ♡」
どぶっ! どぷどぷどぷっ!
「あ、あ“づ……ぃ♡」
どぷんっ、どぷんっ!
マルアークは半ば、意識を失いかけていた。しかし、そんな彼女を逃がすまいと少年は腕を回してがっちり抱きしめる。
「あ、やめ……っ、もうだめっ♡ わたし、どうにかなちゃ……」
躰がぶつかり合う音、ベッドが軋む音にマルアークの拒絶、懇願が混ざる嬌声がかき消される。
(この前受精した時はすっごい衝撃だった……あれが来てないから、大丈夫)
マルアークは冷静な方の頭で、孕んでいない証拠をかき集める。この少年の精液で受精すると、凄まじい快楽に襲われた。今日はまだだ。していないはずだ、と証拠にもならない安心を得る。
「あぐぅううっ♡」
びゅくっ! びゅくびゅくびゅく!
(あ、もうだめかも……)
そんなことは関係ない、と言わんばかりの種付けをうけ、マルアークは言い訳を考えることも出来なくなっていた。
「孕みたい……孕ませて……」
快楽に頭をやられ、意識が飛びかける中でうわごとのように言葉が出る。少年がそれを聞いていないはずもない。
「無論、そのつもりだ」
その言葉に安心し、マルアークは意識を失った。最後に自分の子宮へ、灼けるような精液が注ぎ込まれる音を全身に受けながら。
輝く金色の髪を伸ばした少女は準備を進めていた。今日は2月14日、乙女たちが恋人へチョコレートなどを贈り、愛を伝える日である。しかし青い瞳を曇らせるこの少女、マルアークの状況はその甘さが感じられなかった。
「どうにか、用意できたけど……」
ロッカーの並ぶ部屋で、自分にあてがわれたそれの前で立ち尽くすマルアーク。手には錠剤を収めたシートや注射器が握られている。
(私……本当は……)
魔法少女マルアーク。彼女は今、敵の手に落ちている。これまで魔法少女が討ってきた怪人たちの根城に仲間と共に囚われ、毎晩凌辱の限りを尽くされている。
(こんなの……意味が……)
悪趣味なことに、魔法少女が犯されるところを見たり、それこそ彼女たちを抱いた怪人たちは気に入った少女にポイントを投げる。基本無料というところが魔法少女たちの尊厳を踏みにじる。
そのポイントを集めることで少女たちも様々な品を購入できるが、大半は犯してもらうためのローションやディルドなどの性玩具。ただ高額にはなるが、コンドームや避妊ピルの類も購入できる。
それでも意味がない、と悟るのはマルアークが犯される頻度にもある。強く抱きしめれば壊れてしまいそうな、華奢で人形のように整った顔の美しい少女。怪人たちの美的感覚は人間のそれに近いのか単純にマルアークは客の途切れない人気者だった。
「っ……」
彼女は昨日の客を思い出す。胎が裂けるまでミチミチに卵管まで精液を注ぎ込まれる。シャワーを浴びて必死に掻き出しても、全部出たか分からない。子宮に子種汁が張り付いている感覚がまだある。
「これじゃ……本当に意味がない……っ」
マルアークは目に涙を浮かべる。ピルやゴムを買うためには必死に腰を振り、化け物たちに媚びてポイントをもらわねばならない。それはつまり、自ら孕みにいくことを示している。
「なーに被害者ぶってんの?」
そんな彼女に声をかけたのは、かつての仲間。魔法少女エイル、現在はデリンジャーと化け物たちに呼ばれている。チョコをモチーフにしたと思われるブラウンのドレスを纏っているが、甘い香水の匂いに紛れて生臭いすえた匂いがしてドレスの胸元や髪が乱れている。
「その涙、少しはあんたが殺したみんなに分けてあげなよ」
デリンジャーはすっかり変わってしまった。紫の瞳やメッシュ、インナーカラーという見た目の話ではない。ショートヘアになったことも些末だ。その心が大きく変化してしまった。
「じゃーん、みてみて」
デリンジャーは着込んでいたドレスのスカートをたくし上げる。下着を着用せず、白濁が下腹部をべったりと汚しながら垂れている様子がはっきりと見えた。彼女からしたすえた匂いの正体がこれだ。
「たっぷり種付けされちゃった♡ これじゃ産んでも誰の子かわかんないや。みんなで育てるから関係ないけど」
何体かの化け物に犯され、孕まされそうなことを喜々として報告するデリンジャー。彼女はスカートを戻すと胸元をはだけてささやかな乳房の間に糸を引く白濁を見せつける。
「ふふっ、すっごい雄の匂い擦り付けられちゃった……」
「あんた、好きな人がいるんでしょ? なのにそんな……」
マルアークは思わず言葉を漏らした。デリンジャーには怪人たちの側に伴侶がいる。しかし今さっき、デリンジャーが犯されてきたのはその他大勢。伴侶はなぜ見過ごしているのか。
「ふざけるな!」
「っ!」
唐突にデリンジャーからの平手打ちがマルアークへ飛ぶ。
「人間の価値観であの人を測るな!」
「うぁっ!」
それも一度ではなく、二度。左右の頬を叩く形となった。
「愛の軽い人間と一緒にするな!」
それだけでは気が済まなかったのか、デリンジャーはマルアークの髪を掴んでロッカーへ頭を叩きつける。
「うぐっ!」
「インディラは私が他の男に穢されても、それを塗りつぶすために抱く人なの。執拗に相手の携帯を覗くような、信用も信頼もできない、人間の浅い愛と一緒にしないで」
デリンジャーはロッカーの中に、マルアークが避妊具を用意しているのを見つける。それを見て彼女は悪そうな笑みを浮かべる。
「へぇ、ゴムも用意したんだ。ゴムでセックスするの、射精された回数見えて興奮するんだ」
「だれが! 化け物に犯されて悦ぶあんたと一緒に……」
マルアークは負けじとデリンジャーを罵るが、仲間を化け物と言われたことでデリンジャーは激昂しマルアークの首へ手をかけ、締め上げる。
「がっ……」
「っと、こんなことしてる場合じゃなかった」
すぐに正気に戻り、デリンジャーはマルアークを手放す。マルアークは床へ崩れ堕ち、せき込みながら呼吸を整える。
「げほっ、げほっ!」
「他の雄の匂いが消えないうちに、塗りつぶされる様に抱き潰されてくるね」
デリンジャーからすれば、マルアークの言葉は許せない。だが既に、生殺与奪は自分が握っている。自身の快楽を優先するのも納得だ。
「あんたが殺した命、あんたの胎で償いなさい」
最後に吐き捨てた言葉がマルアークにはおぞましく感じた。殺しただけ、化け物を孕め。化け物を産み落とせ。そういう意味なのだから。
「誰が……」
マルアークは着替えた服のポケットにコンドームを忍ばせる。ロッカーの鏡に映る彼女はブラウンのドレスを纏っていた。まるで贈り物の様な、明るい色合いのリボンが映える。スカートの短さも常識的な膝上だが、用途が用途だけに肩や背中の露出も屈辱的に感じる。ドレスなのにポケットがあるのも、こうして性具を忍ばせるためなのだから。
「意味……ないのに」
一個や二個ではすぐに使い切られてしまう上、使用は化け物の側に委ねられている。だから他のピルに比べてポイントで購入する価値は薄い。
「やっぱ、入り切らない……」
ドレスのポケットもさすがに箱一つは入らない。マルアークはコンドームの封を開け、中身だけをポケットに入れた。
「ん、くっ……」
ピルも服用する。今日だけではなく、丹念に数日飲み続けたのだから効果があるはず。その間、膣内に注ぎ込まれた分も妊娠しないとよいのだが。服用のルールや箱の文字といい、用意しているのは化け物やデリンジャー側だが人間界で流通している本物ではあるらしい。
「くっ、うぅ……」
恐怖に震える手で首筋に注射を打ち込む。避妊薬は本当にいろんな種類があるのだが、それがなんのためかは分からない。腰を振らせるための餌なのか、それとも効かないことを身体に叩きこんで希望をへし折るためか。
「……くそっ」
マルアークは現状を吐き捨てる。ポイントのことだけではなく、化け物が少しでも満足すれば仲間への負担も減る。自分が拒絶すればその分、仲間が犯されるだけだ。逃げることも拒絶することもできない。リボンで髪をポニーテールに結うという、一種の変身を行うことで凌辱される少女を自分と切り離す様な、誤魔化す様な抵抗しかできない。
化け物たちは昨日からパーティー会場でどんちゃん騒ぎをしていた。どうもこの化け物たちは日本のイベントに詳しいらしい。日本人のデリンジャーがいるから当然なのだが。
「ほう、いい恰好じゃないか」
「やっぱ全裸はつまんねぇな」
化け物たちはマルアークの姿を舐めるように見る。彼らの姿は人間に近いが、角があったり肌が青や赤だったりと化け物と呼ぶに差し支えないものと、マルアークは考えていた。
「へぇ、今日も犯されにきたか」
「っ……!」
そしてマルアークの前に立つ男は、彼女の姿を見て、ズボンの上からでも遠目にわかるほど男根を怒張させていた。
「あ……ぁ♡」
マルアークの頭は痺れ、ぼうっとする。黒い角を髪の隙間から覗かせる、線の細い美少年。マルアークは以前、彼に孕まされたことがある。あのデリンジャーが『孕まされ壊される』と評する相手。
「うっ……♡」
彼相手に孕むこと、彼の子を出産する快楽は身体に覚えさせられてしまった。催眠の類ではなく、確かに知らない男に抱かれる嫌悪感、化け物の子種を注がれる屈辱、腹が膨らむ絶望を味わった上で快楽がそれを上回っているのだ。
「だ、だれが……」
「ま、君が拒否ればどうなるか……わかるよね?」
確かに拒否感はある。だから本当は突っぱねたい。だが、仲間を人質に取られている以上それはできない。
「別にいいんだけどさ、君以外を」
「わかったわよ……好きにすれば?」
少年のマルアーク以外に興味がない、という宣誓に被せる。それに気づいたマルアークは思わず口を覆った。
「やっぱ、したいんじゃん」
「だ、誰が……」
「へぇ、そう」
口では拒絶しつつも、マルアークは少年の前に屈んでいた。口でズボンのチャックを下ろし、鼻先で勃起したペニスを持ち上げて口に含む。ご奉仕の仕方が板についてしまった。これは少年がマルアークに教えたやり方だ。
「ん、んぅ……じゅるっ……」
マルアークは少年の腰に抱き着き、自ら喉を責める様に頭を振る。唾液と先走りが胸元を汚す。息が苦しいはずなのに、マルアークは猛る肉槍を貪り続ける。
「ん、んくっ……!」
「うまくなったじゃん。最初は歯を立てちゃうくらいへたくそだったのに」
「じゅぶっ、んぐ……」
かつて、少年の亀頭に歯を立てては頬をはたかれたことを思い出し、マルアークの秘部から蜜が垂れる。
「射精るぞ、飲み干せ」
「んんんぅううっ!」
少年はマルアークの頭を掴み、喉奥へペニスを差し込んでから口内で爆ぜた。息をするには飲むしかない、とマルアークは自分に言い聞かせて精液を飲み干す。おいしそうに鳴る喉の音は聞かない様に。
「ずずっ、ぷはっ……!」
皮の中や尿道に残った精液を舌で啜り、マルアークは肉槍から口を離す。
「あ……ぅ」
「よくできました」
呆けるマルアークの頭を少年は撫で、手を取って立ち上がらせる。その後、精液の匂いも気にすることなく少年はマルアークと唇を重ねる。ただのキスではない。舌を挿入れ、彼女の味を楽しんでいる。
「ちゅ、ん……だ、だめっ……汚なっ……」
「まるで恋人みたいに、気にかけてくれるじゃん」
その一言にマルアークは激怒し、少年へ平手打ちをしようとする。陽大という恋人がいるのに、犯した挙句唇まで奪ってこの言葉なのだから当然だ。
「な……」
「活発だね。また元気な赤ちゃん産んでよ」
しかしそれは、手首を掴まれて止められてしまう。そして少年はマルアークを机の上に投げ出し、足首を掴んで股を開かせる。敷かれた純白のテーブルクロスも相まって、まるでパーティーの料理であるかの様に扱われている。
「ま、待って……」
「愛液の匂いすっごいよ。待ちきれないんじゃない?」
少年の言う通り、彼女の股は蜜でびしょびしょ。だがそれに意識を向けることなど許されなかった。今はただ、孕むことから逃げなければならない。
「あの……これ使い……くっ、使い……」
マルアークはポケットからつづられたコンドームを取り出し、口に咥えて見せる。陳腐な誘惑であったが、少年のモノはぴくりと反応する。
「ぅ、うぅ、使い、切る……まで! わたし、まんぞく……できな、い……」
孕まないために誘惑する矛盾した図式。屈辱と自分の奥底にある感情の否定でいっぱいいっぱいになりながら、大粒の涙を流し嗚咽を漏らしながらの誘惑であった。
「え?」
少年はマルアークの顔の隣に、その顔ほどのサイズがある箱をドン、と少しだけ音がするくらいには強く置いた。
「これも使い切ろうか」
それは業務用のコンドーム。ラブホテルなどで客室に置くためのコンドームを大量に収めたものだ。少年はその中の一つを取り出し、中身を隅に寄せてからマルアークに加えさせる。
「んっ……」
彼女の口でそれを開けさせ、少年は慣れた手つきで自身の性器をゴムで彩る。そこからは地獄でもあり、天国のような時間だった。
「う、うあっ……ああああっ!」
マルアークの苦悶に満ちた声が響く。彼女の秘部に少年の肉棒が突き立てられ、ナカをかき回される。肉がぶつかり合い、汁がはじける。
「あぐっ、やめ……やめてよぉっ! うああ、あぅっ!」
年相応の女の子らしい、拒絶の声。しかしそんなものは余計に相手の興奮を誘うだけだ。マルアークは無力にも化け物の雄に突かれ、それを他の化け物に見られるという醜態をさらしていた。
「あああぁぁぁっ! 奥っ、奥やめっ! やめ……てっ!」
「へぇ、あの悪魔がこんなメスみてーな声出すんだな」
「いやあああっ! もう、突かな、い……でっ!」
マルアークを犯したい、というものだけが見ているわけではない。仲間を虐殺した魔法少女マルアークの無様で悲惨な姿を見て、溜飲を下げようとしているのだ。
「あぐうぅぅっ! イ、イっちゃ……イっちゃうっ!」
一時期は人間全てに復讐しよう、という機運もあった。だが魔法少女エイル、現在のデリンジャーが来てからは違う。
「やめてやめてやめてやめてぇえええっ!」
同じ人間でも、魔法少女に使い捨てられる者がいると理解した。エイル自身が彼らに寄り添う姿勢を見せたのも大きい。
「とめてっ! イきたく……イきたくないいっ!」
悪いのは人間ではなく、レギオンの魔法少女。殺戮を続けた魔法少女たち。そういう認識が生まれたことで人類と彼らの全面対立は回避された。
「イくっ、イぐぅうううっ! ひ、ああああっ♡ イ、イったあぁぁ♡」
ただ、それを理解しても復讐心が全て消えることはない。だからこうして、主犯の無様な姿を見せつけ、彼女たちの胎で償わせるのだ。
「う……ぐ……」
マルアークは意識を失うが、それでも少年は容赦なく彼女を犯し続ける。その快楽により、彼女はわずかな時間さえも気絶していられない。
「があああっ! もう、やめ……ゆるし、て♡」
「だーめ、すっごい締まってって射精そうなんだけど」
「やだ、やだやだやだぁ♡ ぐ、また、イっちゃ……♡
少年はその後も、何度も絶頂に晒されるマルアークを肉槍で嬲り続けてからようやく射精する。
「あああっ♡ あ……あ……ぁ」
ゴム越しの射精を受け、マルアークの頭は真っ白になった。胎が灼けるほど熱く、ゴムが間にあるのか一瞬不安になるほどの勢いで暴れる。
「で、射精て……っ♡」
しかし、声色が苦痛よりも快楽に媚びる色合いが強まった彼女には一種の虚しさもあった。
「あ……♡ あぁ……」
お腹がきゅんきゅんして、痛いくらい疼いている。子種を欲しがっているのに、体は精液を注がれたがっているのにゴムのせいで届かない。
「ご、ゴム……なしでしても……」
そう口走りそうになるが、頑張って本心を飲み込む。自分が用意した分だけでなく、わざわざ自分から業務用の箱まで用意しているのだ。これを使い切らせることができれば、しばらくは種付けなどできないかもしれない。
「な、なんでもない!」
「そうか」
「んっ、あっ!」
少年は微笑みながら、マルアークのナカからペニスを引き抜く。ゴムの先端は何倍にも膨らみ、暖房が効いていて寒くはないはずなのに湯気が立っている。
「はぁ、はぁっ……はぁっ……」
マルアークは起き上がり、吸い寄せられるようにペニスへ顔を近づける。ゴムを外してやり、そのゴムに口をつけて中の精液を飲んだ。
「あつっ……」
これは誘惑のためだ、と自分に言い聞かせるマルアーク。だが心の中では、気持ちいいからという理由も否定できなかった。舌を火傷しながら精液を啜り、洗うように肉棒も舐めて白濁を拭きとる。
「いじらしくて、かわいいじゃないか」
「ん、ぅうっ!」
その途中、少年はマルアークの口内で爆ぜる。
「ん、ぶっ、んぅううっ!」
彼女はその濃さ、熱さ、量の多さに肩を震わせ口でかき混ぜる様に、一生懸命に飲み干す。
「ん、く……じゅる……こくっ」
そして精液を腹へ落とさないうちに再び机に寝ころび、犯しやすいようにスカートをたくし上げる。化け物たちの視線に囲まれ、マルアークはゴムを使い切るまで犯され続ける。
「あ、あああっ♡」
もはや声色に拒絶や苦痛はなく、ただ快楽に身をゆだねる。もうドレスの胸元をはだけさせられても、恥じらうことさえしない。
「うぐっ♡ お腹、きゅんきゅん来るっ♡」
躰は種付けを望むが、理性がそれを阻む。だが、一度産んでしまった以上、その幸福感が絡みついてくる。
「もう、ナマでしてっ♡ ナマで無責任中出しっ♡ わたしに種付けしてぇ♡」
十月十日もの間、孕まされた命と過ごす幸福は忘れられなかった。
「うあ、あっ! うそうそうそ! ちゃんと、ゴム、使い切って……」
だがマルアークの強固な理性は不幸にも、完全に傾くことを許さなかった。
「あぐっ♡」
犯され、射精され、舐め取り、飲み干し、この繰り返し。通常の男ならばとっくに枯れているような回数だが、その気配が見えないのは絶望的なはず。
「ああっ♡ この体位、深いぃ♡」
体位を変え、日がな一日犯されるマルアーク。自分が用意したものと箱の半分を使い切る頃には彼女も、机に手を突いて腰を突き出し、立ちバックの姿勢で犯されていた。
「あ、あぐっ! うぅ!」
ボタボタとまるで、中出しされたものがこぼれるかの様な勢いで愛液が床に垂れる。少年の能力で構築された浮かぶぼんやりとした手が、マルアークの頭を掴み顎を持ち上げ口を開かせ、使い終わったゴムの中身を絞って飲ませている。
「んくっ、ん、けふっ……♡」
一個の量が膨大にも関わらず、それが何十個とある。もう彼女の腹は精液でいっぱいだ。
「そろそろ……お腹いっぱい……けほっ、子宮も、いっぱいに……して♡」
少年もマルアークの懇願には素直に応じない。ここまで来たら彼も、ゴムを使い切るまでやりたいのだ。
「う、ああっ!」
マルアークの腰を掴み、自分の肉槍を叩きつける。体位が変わるだけで、何十回と嬲られ絶頂した後でもマンネリすることがない。
「ナカ、擦れてっ♡」
亀頭の当たる位置やカリ首の擦れる場所が変わると、マルアークの上げる嬌声にも変化が現れた。
「うぐっ、あ、あづっ♡」
一体、何十回目だろうかも分からない射精がマルアークを襲う。少年はゴムを付け直すと、衰えるどころか怒張を強めるペニスをマルアークへ突き立て続ける。
「ああ“あ”っ! おちんぽ、まだ……硬くて、太くて……あっつい♡ あっ♡」
彼女の左腕を少年は掴み、体を寄せる。より深く、射精を重ねる度にもう片方の腕も引き、深く深く刺激する。
「うあ、さみ……しい……お射精、お腹に来なくてぇ……」
両肘を固定されて、小刻みにくちゅくちゅと最奥をかき回されるマルアーク。もはや抵抗も嫌悪も蕩け切ってしまった。
「奥、ぐちょぐちょにされ……っ、すきっ♡」
回数が多くなると、マルアークは最後こうなって快楽を貪るだけの雌に落ちる。
「これで最後だ」
最後のゴムへ射精される。相変わらず、量は減ることなどない。周囲には中身を絞り取られた、無数の使用済みのゴムが散らばっている。
「あ、あぁぁあっ! 次から……種付け♡」
「さ、お部屋行こうか」
少年に担ぎ上げられ、目の前に現れた扉へ連れていかれる。周囲の化け物たちがくすくすと、雌の顔を晒すマルアークを笑っていたが彼女にはもう届かない。
「んっ……」
連れていかれた部屋はいつもの、少年の寝床。少年はマルアークをそこのベッドへ投げこんだ。
「あ、ぁ……」
強いとも言い切れない雄の匂い、しかしあの時、孕まされた匂い。それを身体が覚えている。
「ま、まて……自分で、脱げる……」
半ば熱に浮かされながら、マルアークは自分でドレスを脱ごうとした。しかし少年はドレスの布地を口に咥えると、破るように引きはがしていく。
「あっ、だめっ……」
まるで、皮をむかれて全てをあらわにされているような。無残で容赦はないが、少しドキドキする脱がせ方。
「っぱ、種付けセックスは全裸でするもんだな」
少年も服を脱ぎ捨て、ベッドに乗る。線は細いが確かに筋肉を感じる。少年はマルアークの足首を掴み、股を開かせて自分の体をねじ込む。
「あ……まって、わたし、もう……っ」
少しずつ冷静さを取り戻しつつあったマルアークは、体力の限界を感じてはいた。だが、そんなもので止まるような男ではない。容赦なく肉槍をマルアークへぶち込み、種付けを始める。
「うあああっ!」
突如、体を襲う快楽。マルアークは身体を弓なりに反らして震える。シーツを掴むことしか、自身の理性を保つ手段がない。
「あ、ああっ、ぐ、うっ! や、やだっ……!」
ぐぽっ! ぐぽっ! ばちゅばちゅっ!
「や、やめっ……てっ!」
マルアークが懇願しても腰は止まらない。それどころか、ナカで暴れるペニスはどんどん太くなっていく。
「お前の産んだ子、かわいくってしょうがねぇ……もうひとり、産んでくれ」
「い、いやっ……あ、あぁっ♡」
拒絶しながらも求める、矛盾したマルアークの表情は少年をそそるだけだった。彼はマルアークの膝に手を置き、より距離を詰めていく。
「あぐっ♡ もっと、奥にぃ……♡」
「しっかり種付け、してやるからな」
「あ……♡」
腰の動きが早まる。奥をかき回される。先ほどまで何度も果てて、子種のお預けを受けていた子宮がきゅんきゅん疼いてくる。
「チンポちぎれるくらい締め付けやがって……そんなに孕みたいのか?」
「は、孕みますっ♡ あなたの、赤ちゃん……も一回♡」
少年はマルアークに密着し、子宮口に亀頭でキスした。
「射精すぞ」
「はいっ♡ 来て、ください♡」
そして、射精する。空っぽの子宮へ直に、ロスなく煮えたぎる精液が注ぎ込まれていく。
「う、あああああっ♡」
びゅるっ!びゅるびゅるびゅるっ!
「あ、はっ……♡ は、はっ♡」
びゅーっ、びゅーっ!
「っ……♡ ああっ♡」
どくんっ、どくんっ、どくんっ!
「……♡ っ♡」
喘ぎ声さえ出なくなるマルアーク。その強くシーツを握る手首を、少年はがっちり握って逃げられない様にしてからまた腰を振る。腰は肉棒で抑えられ、上から載られ、腕は組み伏せられ、逃げられないまま続けて種付けをしようとしていた。
「だ、だめっ、もう、私……っ!」
了承も遠慮もない、無責任で身勝手な種付けがマルアークを襲う。
「あ“……っ♡」
どぶっ! どぷどぷどぷっ!
「あ、あ“づ……ぃ♡」
どぷんっ、どぷんっ!
マルアークは半ば、意識を失いかけていた。しかし、そんな彼女を逃がすまいと少年は腕を回してがっちり抱きしめる。
「あ、やめ……っ、もうだめっ♡ わたし、どうにかなちゃ……」
躰がぶつかり合う音、ベッドが軋む音にマルアークの拒絶、懇願が混ざる嬌声がかき消される。
(この前受精した時はすっごい衝撃だった……あれが来てないから、大丈夫)
マルアークは冷静な方の頭で、孕んでいない証拠をかき集める。この少年の精液で受精すると、凄まじい快楽に襲われた。今日はまだだ。していないはずだ、と証拠にもならない安心を得る。
「あぐぅううっ♡」
びゅくっ! びゅくびゅくびゅく!
(あ、もうだめかも……)
そんなことは関係ない、と言わんばかりの種付けをうけ、マルアークは言い訳を考えることも出来なくなっていた。
「孕みたい……孕ませて……」
快楽に頭をやられ、意識が飛びかける中でうわごとのように言葉が出る。少年がそれを聞いていないはずもない。
「無論、そのつもりだ」
その言葉に安心し、マルアークは意識を失った。最後に自分の子宮へ、灼けるような精液が注ぎ込まれる音を全身に受けながら。
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