普通に役立たずなので当たり前の様に追放されたんだけど明日からどうしよう

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漂流した教室編

別れの時、また会う日までさようなら!

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 ついにニアの準備が終わり、ハルカ達を元の土地へ返す日が来た。
「まず、この転移は教室が肝なのです。これを無理矢理引っ張って来ているから、元通りにする術式を使えばそれに乗って帰れるというわけです」
「そうなのか」
 ニアの説明ではそういうことらしい。言うなれば大きな船を元に戻す時に、同じ倉庫にいれる荷物を一緒に乗せて移動させるとかそんな感じだ。術式は教室を囲む様に描かれており、ろうそくや魔法石などのアイテムも配置されている。
「それじゃあ、元気でね」
「フィルセも無茶しないでよ」
 思ったより仲良くなっていたらしく、ハルカとフィルセは別れの挨拶を交わす。
「世話になったな」
「お前らがいなかったらと思うとゾっとしたぜ」
 ジュンイチとマサキも教室の窓から手を振る。バスターとして困っている人を助けるのは当然だが、感謝されると嬉しいものだ。
「行けたらそっちにも行ってみたいな」
 俺はそんなことを思っていたが、そんな機会あるのかな。あればいいけど。しかしこのタイミングまでシンジの話題が上がらない辺り、嫌われているというより関心持たれていなんだな。
「私達も協力します」
「寂しくなるな」
 不測の事態に備え、モニカさんとリバストさんも待機している。この術だけは確実に成功させないといけない。テーネがいればもっと安心できるが、まぁ怪我してるし話ややこしくなるしこれが最大限か。
「ジャンヌ、これは私達から」
 ハルカは別れ際、ジャンヌにあるものを渡した。それは俺が作っていた彼女の頭部だ。彼らの依頼でこそこそコツコツ作っていた。材料も集めて貰ったのでいいものができた。
「これは……」
「みんなのこと、よろしくね。それが私の、テイマーとしての最後の頼み」
 テイマーのハルカが元の世界に帰ってしまっても、ジャンヌは付いていくことが出来ない。どんな影響が出るか分からないため、全員加護を取り払っての帰還となる。その代わりに、とジャンヌをエンタールの街を守る為に置いていくことになった。
 テイマーのいなくなった魔物が、即座にその制御を離れて暴れる様なことはない。一度テイムされた魔物は以降もバスターの味方として行動する。魔物側の知能にもよるが、テイマー無しで他のバスターの指示を聞くこともあるらしい。
「さすが俺、イカすぜ」
 会心の出来だと思った頭だが、それをジャンヌが装着するとまるで生きている人間の様な血色が宿る。きっと生前はこうだろうというイメージで作られた頭は、美しい黄金の髪に澄んだ水の様な青い瞳。いかにもな麗しの女騎士だ。
「了解した、我がマスター。エンタールの街は、私が守る」
 これで、お別れは済んだ。正真正銘今生の別れって奴か。あいつらの土地に行く方法はないもんな今のとこ。
「術式を展開します。教室から離れてください」
 ニアが術式の展開を始め、外にいる俺達は言われた通りに教室から距離を取る。教室は天高く届く光の柱に囲まれているが、中の様子からしてハルカ達に害はない様子。
「光には触れないでくださいね。えらいことになりますから」
「術式に影響が?」
 見た目、熱量も衝撃もない光だが触ってはいけないというのはもう当然のこと。しかし思っていたのとは違うとニアの口から語られる。
「いえ、術式に影響はないのですが……死ぬ方がマシな苦痛を受けてどこに飛ばされるか……」
「こわっ」
「飛ばされる場所は座標も年代も所説あって、最悪転移魔法の大事故であった様な洞窟の岩盤に閉じ込められるということにも……」
 ひぇ、つまり大昔の地中に埋められることもあるのか……。もし命だけは助かっても戻れないし、そもそも助からないのか。
「転移魔法の事故ですか?」
「あー、ギルドマスターから聞いたかも」
 モニカさんが疑問に思っていると、フィルセが切り出す。確かにギルドマスターなら知ってそうだ。
「魔法って加護以外でも、魔力が足りてれば自力で習得できるじゃない?」
「ああ」
 今まさに、俺が回復魔法を覚えようとしているメカニズムだな。元々、加護のレベルが上がれば自動で習得するんじゃなくて魔力を鍛えて練習するのが魔法なんだってよ。
「加護とか無かった時代は転移魔法の座標入力に失敗して壁に埋まる人多かったんだって。加護で覚えた場合は防衛機能が追加されてそういうことないんだけど」
「へぇー、じゃあ転移魔法だけは加護で受けた方がいいのか」
 空間を超越した転移魔法は人間の手に余るのか、それとも単にデリケートな魔法なのかは分からない。ただ、言えることは加護で覚えようってだけのことだ。
「とにかくあれにはうっかりでも触れない方がいいな」
 光は徐々に輝きを増し、魔力の高まりを感じる。あれに触る奴は危機感が足りない。
「これ中大丈夫か?」
「内部は大丈夫です。外側が危ないだけで」
 どういう理屈なのか、外だけが危険な様だ。まぁ移動だしな。動かすものが粉々になったら意味がないからそういうことだろう。その分、外に流れる魔力は絶大だ。
「ん?」
 その時、リバストさんが何かを見つけた。門番のスキルには索敵があったか。その方向を向いて看破すると、なんと『魔王 レベル99』の表示があった。こんなバカげた加護を持っているのはあいつしかいない。
「シンジ! あそこから出たのか!」
「ふん、まぁいいわ。ギリギリ間に合ったんじゃない?」
 今まで以上にみすぼらしく小汚いが、のったらのったらこっちへやってくる。このまま便乗して帰るだろうが、なんか嫌な予感がするので身構えておく。
「まだ終わっちゃいないんでぇえええ!」
「いやまぁ確かに刑期は終わってねぇな」
 シンジが叫んだ言葉は意味不明。一体これ以上何をやらかす気なんだ?
「オラはようやく、チート能力を手に入れて復讐の時が来た! このまま見返せもせず、帰らせはせんで!」
「チート能力? まさか!」
 奴の要領を得ない言葉からふと、調査の時にあいつの机から見つけた書籍の内容を思い出す。異世界転生というものをして、チート能力というものをもらい、クラスメイトを見返して……。異世界転生がハルカ達の土地からここへ来ること、チート能力が魔王の加護だとすれば辻褄が合う。
「まさか教室をここに飛ばしたのは、お前か!」
「そうだ! なのに勝手に帰るなんて!」
 なんと、この事件自体の犯人がシンジだった。いやまさかそんな力があるとは。にしてもそんなことに他人を大勢巻き込むなんて本格的にイカレてやがる。
「そんなことの為に私達まで巻き込んだっての?」
「ふざけんな! リュウガ達に会わなかったら俺ら野垂れ死にじゃねーか!」
 ハルカとマサキの言うことも尤もだ。教室からはシンジへのブーイングが飛んだ。
「うるさあああい!」
 だが、奴はもう自分のことしか頭にない。逆上する一方だ。
「奴の目的は術式の妨害だ! 止めるぞ!」
『加護を与えし神よ!』
 全員が一斉に、加護を与えた神へ反撃の許しを伺う。それはすぐに承認され、テイマーを持たないジャンヌにも攻撃が解禁されたのか光の輪が彼女を囲む様に浮かぶ。
「馬鹿とはいえ加護は本物だ! 当てられるなよ!」
 しかし底抜けの馬鹿アホ間抜けとはいえ、単純な能力差は大きい。一発貰えば命に関わるな。
「ナシバ!」
 とりあえず金縛りで様子を見る。しかし、あまり効き目がない。しかしシンジは走る姿が情けなく、加護によって得られた能力を活かせていない。金縛り無しでもこちらに来るまで時間が掛かる。
「筋力、速度強化よし……いつでもどうぞ!」
 モニカさんが補助魔法をかけてフィルセとリバストさん、ジャンヌを援護する。強化の度合いは時間をかけただけあり最大。
「ドレイクシャウト!」
 リバストさんの槍が唸り、一気にシンジへ向けて踏み込む。そこへ隙を潰す様に、フィルセも飛び込んだ。
「ラプターピーク!」
 共に習得している中で最高の技だというのは分かる。熟練度も決して低くはない。武器だけとは思えない空気を呑む音が、離れた俺にも聞こえる。
「だでぇええ?」
 両者の研ぎ澄まされた技がシンジに直撃する。甲高い音と共に奴は地面に転がり、悲鳴を上げる。
「し、死ぬぅうう! 殺されるでぇええ!」
「ば、バカな……」
 しかし、二人の武器は折れており、シンジは出血もしていない。
「こいつ、やはり加護だけは本物か!」
 一旦距離を取るリバストさんとフィルセ。この攻撃を受けきった隙を活かせる奴でなくて助かった。シンジは自分が無傷であるということに気づくまで数十秒費やした。
「あ、あれ? 生きてる?」
「ジガ……ザダンガ!」
 そこへ自身へ魔法強化を施したモニカさんが魔法を叩き込む。視界を塗りつぶすほどの閃光と熱、そして遅れて鳴り響く轟音。
「おわああああ!」
 見たこともない威力の攻撃に俺もびっくりするが、光が晴れた時にはポカンとしているシンジが黒焦げの地面に立っているだけであった。
「な、なにいぃい!」
「アンペイオン!」
 モニカさんは瞬時に集中した電撃をシンジへ浴びせるも、まるで効き目がない。こいつ、無敵か? みんなの攻撃で効かないんじゃ、俺の攻撃なんてリスクしかねぇ!
「カストハニー!」
 フィルセもレイピアが折れてしまっているが、構わず攻撃を再開する。毒々しい針がシンジに突き刺さり、再度そこへ目掛けてフィルセが攻撃を仕掛ける。
「ぎょえ、なんか刺さったで?」
「トドメよ、カストハニー!」
 毒の針が爆発し、禍々しい煙が吹き出す。しかしシンジは何ともない。フィルセはすぐ離れて状況を見ていた。
「電撃もダメ……、毒や呪殺もダメ……」
「チルディアス、魔法剣で勝負だ」
 ジャンヌは魔法に氷を宿し、シンジに斬りかかる。ただ奴もこれだけ攻撃されて棒立ちということもなく、どんくさいなりに避けようとする。
「させるか!」
 そこへ出たのは二本目の剣。まさかジャンヌ、二刀流の剣士だったのか?
「ぐえええ!」
 しかし、直撃はさせたが目立ったダメージはない。その隙へすかさずモニカさんが魔法を唱える。
「ケルビオン!」
 離れているはずのこちらも熱くなる様な火球がシンジを包む。しかしやはりダメージはない。まともな装備を持っておらず、戦闘技法も意思もないのが救いか?
「コケにしやがってえええ!」
 シンジは俺達を無視し、術式を整えているニアへ突撃する。これまで無理矢理転移させられたりテント暮らしを強いられたり、自業自得ながらさぞかし恨みつらみがあるだろう。だがそれはさせるわけにはいかない。俺は背後から奴に迫る。
「やらせるか! デカース!」
 もしかして魔王の加護、ではなく呪いなら? 一縷の望みをかけて解呪魔法を込めた斧で脳天を叩く。ただ流石に人をぶっ叩くのは抵抗が生まれ、寸前で斧の背に替えてしまったのだが。
「で!」
「何?」
 しかしいくら背とはいえ斧は鉄製。それを受けて怪我一つしない上に木製の柄が折れてしまった。手もジンジンする。そしてシンジは止まらない。
「防御式……竜の鱗! 逆鱗解放!」
 そこで間に入ったリバストさんが盾を構える。あれはうちのバカ弟の聖剣を完璧に防いだ技の強化版か? 複数枚にも重なった光の鱗が盾の前に出現する。
「うべっ!」
「な、なんだと?」
 が、シンジが雑にぶつかっただけで防御は破壊され、シールドも凹んで吹き飛ばされる。幸い、リバストさんに大きなダメージはないが、ただの体当たりであれか。
「あと少し持ち堪えるよ!」
 フィルセは諦めず、新しいレイピアを手に立ち上がる。オーバーワークしていた頃の名残か余りか、安価な予備を持っていたのだ。
「あと少し……?」
 彼女があと少しと言ったことが気になる。術式の光はより輝きを増し、教室が僅かに浮き上がっていた。そうか、あと少しで術式が完了するのか。
「この馬鹿! 最後まで迷惑かけんじゃないわよ!」
 教室からハルカの声が飛ぶ。
「せめて、この世界で罪を償ってから戻ってこい!」
「負けるなよ、バスター!」
 ジュンイチとマサキも声援をくれる。
「こんなもん、ぶっ壊してやるでぇ!」
 シンジは素手で術式の光柱を叩き割ろうとする。魔王レベル99の加護相手じゃさすがに危ないか? その時、光の中に見覚えのあるマークが浮かぶ。
「あれ……テーネの顔にあったやつか?」
 拳がぶつかった時、シンジは言葉にならない悲鳴を上げる。身体が硬直し、光から手を離せない状態になっていたのだ。
「そうか……魔の加護の血!」
「それがどうした?」
 フィルセは術式の材料を思い出す。手順を簡略化し、精度を上げるために烙印持ち、魔の加護を持つテーネの血を使っていた。
「魔の加護は人間や私達、バスターの加護を持つ者を殺すのに適した力を持っている。血を通じて、その呪いがこの術式に流れているのだとすれば……」
「そうか、どういう理屈か奴は魔王名義だが扱いはバスターなんだ」
 魔の加護を持っているため魔物同然の扱いであるテーネと、何故かバスター寄りの判定を受けるシンジ。その差がここで出るなんて。
「は、はな……」
「まずい、離れるぞ!」
 どうにか奴は光から手を離そうとしていた。押し込んでやりたいが、俺達も迂闊に触れない。
「ん?」
 その時、リバストさんがシンジの足元に何かを見つける。
「あれ、スダマじゃないか?」
「え?」
 スダマ? スダマって魔物になる前の魔力の塊の? なんでそんなもんが?
「ま、まさか!」
 俺はふと、あいつがエンタールに来た時スダマを踏みつぶしていたのを思い出した。あいつは風呂にも入らないって聞いてたし、その粒子が付着して奴の魔力を食い、再構成されたってのか?
「スダマが一気に成長して……」
 スダマは何か、ぶよぶよした不定形の魔物へ成長してシンジの足元にいた。それを踏み、弾力に足を取られて奴は光の方へ倒れ込んだ。
「うべべべべ!」
「スダマの逆襲ってか」
 あの時、俺が逃がしてやったスダマを不必要に踏みつぶさなければあるいは……。全部こいつの性格が招いた事態か。
「よし、こうなりゃ一気にトドメだ!」
 俺は残った魔力を全て右手に溜めると、渾身の力で得意技をぶっ放す準備をする。それは他のみんなも同じ考えだった。
「タイニードル!」
 フィルセはレイピアを投げる。それは刺さりこそしないが、シンジに直撃して一瞬の間空中で静止する。そこを狙っていたのは魔法を使うモニカさんとジャンヌ。
「ジガルクスティア!」
「ダグジャドオン!」
 光と闇の魔力がレイピアに向かっていき、シンジを術式の方に押し出す。それと同時に、術式の完成が近づき教室はさらに持ち上がる。
「さようなら! ありがとう!」
「お前らのこと二度と忘れねーぞ!」
「本当にありがとう!」
 その言葉を最後に、教室は立ち昇っていく光の柱と共に消える。憐れそこに巻き込まれたのはシンジである。
「だでえええええええええ!」
 光の柱の内と外の二つに分かれ、断裂しながら断末魔を上げて教室と共に消えさる。看破で奴を確かめると、魔王のレベルがもりもり下がっているのが分かる。
「終わった……」
「みんな、帰れたのね」
 術式は成功したのか、俺達には分からない。ただ、帰れたことを祈るだけだ。長らく見知らぬ建材で作られた建造物が鎮座していた場所には、その痕跡すら残っていない。俺達の記憶に、彼らとの思い出があるだけだ。

   @

 数日後、あの教室がやってきた村の人から連絡があった。見知らぬ、綺麗な花を咲かせる木があの場所に出たらしい。俺達が駆けつけると、淡い桃色の花をつけた木が教室のあった場所に植わっていた。
「これ……」
「ああ、梅、だ」
 フィルセも俺も、あの時彼らから聞いた『梅』という木を思い出した。
「ねぇ、見て」
「ん?」
 その木には、あるものがぶら下がっていた。それは一通の封筒。そこには読めないが、見たことのある字が記されている。
「あいつらの土地の言葉だ」
 俺達の名前をどう書くのかくらいは教わっていたので、それが俺達宛であることは理解出来た。それを開けると、ハルカ達の写真が中に入っていた。
「帰れたみたいね。よかった」
「そうだな」
 一人の身勝手から始まった珍事件はこうして無事、全てが元通りに終わった。
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