普通に役立たずなので当たり前の様に追放されたんだけど明日からどうしよう

級長

文字の大きさ
上 下
29 / 42
漂流した教室編

サブクエスト:ジュンイチの活動記録

しおりを挟む
 僕らはある日、突如として見知らぬ世界へ飛ばされることとなった。その場所は剣と魔法の世界、異世界と呼ぶに相応しい場所であった。
 その奇っ怪な体験を残すため、僕は記録を付けることにした。スマホのメモは使えない。電気が使えない今、スマホの充電は今あるきり。もしもの時のためにとっておきたい。
 この世界では紙も貴重な様で、羊皮紙を使うことになった。ハリーポッターなんかではよくスネイプ先生がレポートを羊皮紙何枚分と指定していた、そうあれだ。まさか現物を見るどころか使うことになるとは思わなかった。
幸い鉛筆はある。しかし残したい記録に使うには不適切だ。何分、この世界の鉛筆は木材に印を付けるのが主な役割で、濃いものが多い。羊皮紙とも相性が悪く、擦れて文字が消えては意味がない。そこでインクとペンを使うことにした。
 こちらも知識はあるが初めて使うものだ。羽根ペンの様なお洒落なものではなく、木の軸に金属のペン先を付ける。このペン先が鉄なので使い終わったら丹念にインクをぬぐってやらないと錆びてしまうそうだ。アルミニウムは偉大な発見だと思いしらされる。
 僕らが教室と共に飛ばされたためか、付近の村人はすぐ異変に気付いた。そして彼らの頼る治安維持の人員、バスターが派遣されてきた。実に幸運だったのは、彼らが友好的であったこと。看破という敵味方を明白に区別する技術があるらしく、僕らは遭難者として扱われた。
 さらに運がいいことに、この土地では言葉に困らなかった。明らかに知らない言葉でも、僕らは読むことが出来る。そして書き言葉も相手に通じる。そればかりか日本語を話していても向こうにはちゃんと通じる上、向こうの言葉も日本語として聞こえる。これだけで、かなりのアドバンテージだ。言葉が通じないでは、せっかく友好的に接してくれても対応が出来ない。右も左も分からない中で得た味方と意志疎通が出来るのは心強い。
 僕らを保護してくれていたのは魔物退治を生業にするバスター、フィルセ・ゼノリウムとリュウガ・アークライドだ。見た目は西洋人っぽいがともかく、この世界の人間が僕らと大差ないのは理解出来た。苗字が後ろに来る方式の名前だが、苗字を持つこと自体珍しいとのこと。
 フィルセさんは育てられた孤児院、ゼノリウム園から、リュウガは没落した名家の出らしい。
街まで連れていってもらうことになったが、日も暮れるので夜を明かしてからの移動となる。電灯のないこの世界では、夜間の移動が困難なのは想像に難くない。一人ならともかく、この大所帯では特に。
 彼らが来るまで、そして彼らと一晩過ごして解ったことがいくつかある。まず、物理法則に関しては魔法の有無以外基本、僕らの世界と変わりない。もし空気の主成分が猛毒の気体だったり酸素濃度が大きく違えば、僕らはこの世界に来た瞬間命を落としていただろう。
 また、重力についても違いがあれば生存に大きく影響した。詳しい数値こそ分からないが、身体に異変がないということは1Gから大きく逸脱してはいなさそうだ。
 だが、そのいずれも言葉と同じ不確かな何かで矯正されているという危険がないわけではないのだが。

 その夜、ちょっとした事件と共に僕らは魔物の存在を知った。男子が弱そうなリスの魔物を刺激してしまったのだ。ただのリスだとしても、僕らの腰くらいまで大きければそれだけで脅威だ。
 リュウガはあれを弱い魔物と評したが、何の力も持たない僕らには敵わない相手であることは一目瞭然。もしあれがリスと同じ俊敏を持っており、見た目通りの力を有しているとすれば野生動物ではない。魔物と呼ぶに相応しい。
 彼らバスターは神からの加護を受けており、それにより魔物へ立ち向かう力を持つとされている。あのリスを弱いと一蹴するのさえ、僕らの世界では相当の鍛練が必要だろう。だが魔物はあれ以上の脅威が存在し、バスターの加護があればあれくらい撃退出来るといえのは彼らの口振りから予想出来る。
 バスターの加護なるものへの興味は尽きないが、まずはこの現状に対応することが優先だ。

 ここでの暮らしについて記す。灯りが貴重となれば、当然日の出日の入りに合わせて寝起きする。暗闇を照らすものがないではないが、ランプの油は高価、魔法石による灯りも同様だ。似たような高い灯りが二種類存在するが、これは日常生活に用いるか旅に用いるかの違いの様だ。たしかに、魔法石の灯りは風や雨の影響を受けないので屋外での使用に適している。腕の立つ魔法職なら魔力を再度貯めて利用もするが、残念ながらお世話になっているギルド、ネメアクラウンネオにはいない。
 それだけでなく、夜遅くまで起きている様な娯楽が少ないのもあるだろう。ネットでいつでも世界中の動画を見られるのは、いかに素晴らしいことかという話だ。
 水道は通っていないが、各所に井戸があるため水汲みに時間を取られることはない。我々の世界では1日の水を汲むのに子供が駆り出され、勉強できない事例もあるのでそれだけでもありがたいことだ。使う毎に汲む様に指示された。なんでも汲んだ水を置いておくのは良くないらしい。
 雑菌の繁殖、という概念はない様で高齢のギルドマスター、ネアさんも子供の時からそう言われているのでそうしているだけだ。この街がある国や、フィルセさんの育った孤児院では清潔を保つ様に指導が行われているが、その理由も『病気を防ぐため』と防疫のメカニズムまで説明はない。
 啓蒙している人たちは多分、なぜそうするべきかを知っているのだろう。しかし紙さえ貴重なこの環境では教育が難しく、最低限のことを伝える方式になるのは仕方ない。エンタールには学校があるが、リュウガの故郷であるサナトリ村にはないなど教育格差も見受けられる。
 食事は野菜と豆類のスープに雑穀のパン、手に入れば魚や加工肉が並ぶ。栄養の方はカロリー、たんぱく質以外問題はなさそうだ。魔物は食えないのかと聞いたが、奴らは肉体の大部分を魔力で構成しているので落命すると消失してしまうとのこと。
 動く骸骨の様な魔物魔物したものはともかく、ナッツイーターやストーンカの様な動物じみた魔物と野生動物を分類する境目はそこなのだろう。
やはりたんぱく源の確保は難しく、輸送が出来ないというのも悩ましい。氷を魔法で供給出来ても適した箱がない、街と街との距離が遠すぎる。そこに魔物の脅威があれば輸送コストは跳ね上がる。転移魔法にも限界があり、日常的に大荷物を運ぶには至らない。
 海や牧場、街の中間地点に市場はあるが、それでも肉や魚は加工品に限られる。そうなると、豆は畑から入手出来る貴重なたんぱく源だ。それだけに豆は食事からおやつまで多岐に渡って食べることになる。
 ローストした豆を何かある度に齧る生活をする日が来るとは思わなかった。
この国は貨幣制度があるのだが、金本位性となっている。金貨は元より、銀貨や銅貨も存在し枚数でレートが決まっている。特定の単位が存在しないのは、金を軸に鉱石がその貴重さで価値を保っているからなのだろう。
 そういう経済制度故にか、物々交換を行う場合も少なくない。バスターの仕事は嵩張らずその都度不足したものの買い物に使える貨幣が好まれるが、作物などの生産が出来る農家ではまだ物々交換が主流の様だ。
 とりあえず、どれくらい使うのか分からないので早々に自前のペンとインク、羊皮紙がほしい。

 そう考えていたらすぐにチャンスが来た。加護の神殿に志願者で行き、加護を受けようという提案がリュウガからあった。こうあっさりやらせるということは、あまりデメリットがないのだろう。加護は僕らに親しみやすい様な言い換えをすれば、ジョブの様なものだ。フィルセさんはフェンサーといい、細身のレイピアを扱う際に神の加護によって補正を受けている。ただ恩恵ばかりではなく、神の教義などによって重装の防具や盾を装備すると一般人以上に重みを感じてしまう様だ。また魔法の使用には大きく制限を受ける。
 リュウガの加護は審問官。看破というスキルで変身した魔物を見抜き、解呪なども熟す僧侶の様なポジション。それでいながら多少の近接戦は熟せる。しかしどちらも特化ジョブに比べると器用貧乏になりがちらしい。
 加護は何でも受けられるわけではなく、本人の能力に左右される。リュウガはこの世界出身だが、かなり条件を緩くされた審問官にしかなれなかった。ゲームならありえない話だが、これは一つの現実だ。適した加護がないという可能性さえある。
 幸い、僕は加護を受けられた。レンジャーの加護を受けてからというものの視力が回復した様な気がする他、身体が軽い。運動能力や感覚に恩恵がある様だ。また、魔物の気配や罠など手に取る様に分かる。これが加護、凄いものだ。注意深く戦えばあのナッツイーターくらいは倒せそうだ。
 この世界のいいところは、こういう加護さえ受けられれば食いっぱぐれないところだろう。戦いこそできなくても、この世界の魔物は知性を備えている故にそれを利用できる。警らなどで加護を持っている者が往来をパトロールしていれば避けて動く様になるらしい。なのでいるだけで役に立つ、バスターは何人いても困らないというわけだ。
 魔物もまるで本来の熊の行動だ。人間を襲わせていた元凶の魔王がいなくなってから、人間を組織的に襲う魔物自体も減っている。それでも、力が強い魔物は人間に危害を加えたり、少しでも油断すれば徒党を組んで人間からの略奪を試みる。バスターと魔物は実に絶妙なバランスで勢力を維持している。

 そんなわけで早速警らの仕事をしてみる。エンタール周辺の街道をパトロールし、魔物の出現や犯罪者の出入りを確認する。バスターの力は強大だ。故にそれを悪用すれば大きな被害をもたらす。当然、対策がないわけではない。加護を与えている神がバスターの力での犯罪行為を確認した場合、腕などに烙印、入れ墨の様なものが刻まれる。黒いものだが、その周囲は黄色やオレンジに発光して実に目立つ。看破スキルでも表示されるので隠すのは困難、魔物を見抜く為に門へ置かれた水晶も発光してその接近を暴く。殺人など重篤なものはオレンジ、傷害などは黄色だ。加護を持たないものでも、お沙汰で判決を受けると同じ様な烙印を刻まれるようだが、大抵は牢屋に入っているので見る機会はないそうだ。
 バスターの場合、違反即烙印とリアルタイム反映だそうで。それでも魔物退治などで罪を償えば消える。……ん? シンジのやつ、やらかしたのに烙印が付いてないな? いや、器物破損程度ではつかないのかもしれないが。
 そんなことはさておき、警らの仕事は滞りなく終わった。こういう仕事が暇なのはいいことだが、時間が過ぎるのが長いのばかりはいただけない。僕らは歩いているが立ち仕事はもっと暇だろうから門番さんは凄い。
 バスターの仕事は即日報酬が渡される。これでとりあえず、記録を点ける為の羊皮紙とペン、インクが買える。

 仕事によっては警らの二倍稼げるものもあり、毎日仕事がある。身体が資本のバスター業では体調に合わせて仕事を変えられたり休みを取れるのはありがたい。月給制に比べると安定性はどうなのだろうか。うちはバイトが禁止なのでやったことないが、かなりマメに仕事して金銭の管理が出来ないとこの方式は難しいだろうか。幸い僕らはネメアクラウンネオの拠点に住まわせてもらっているので、宿には困らない。いつまでこの生活が続くか分からないが、帰れると信じつつ生活費は余分にためておこう。

 そんなことを考えていたら、妖精の女王から帰還の目途が立ったと話があった。とりあえず帰れることが確定し、安堵する。この事態そのものが現実離れしていて、元の世界に帰れないという危機がリアルなものになる前にこの話を聞けたのは幸いだ。もし見通しが立たない時間が長ければ、クラスの中で何らかの分裂が起きていた危険もある。どうやら本来はもっと時間が掛かるようだが、リュウガが重要なアイテムを手に入れたことでそれが短縮されたのだとか。
 記念にいくつか貨幣を持って帰ろうかと考えたが、原子の総数は地球上で決まっているという話を不意に思い出す。少しくらい持ち帰っても問題ないだろうが、それでもあまり持ち出すのは憚れる。何か日本の法律に触れない記念品に替えて、残りはお世話になったギルドに置いていこう。食費と宿代がタダで済んだので、警らの仕事をするだけでそれなりのお金は溜まっている。
 行き来が出来ないので今生の別れになると思うと、突然飛ばされた場所でも少し離れがたい。僅か数週間に満たない間だったが、僕らはこの世界のことを忘れないだろう。

 そういえばシンジは結局処罰の関係でこの世界に残るのだろうか。まぁあれだけ迷惑をかけて異世界人なのでと甘えるわけにもいかない。女王がいれば戻って来れるだろうし、頭を冷やすには丁度いい機会だ。目立たない奴だとは思っていたが、窮地は人間性を明らかにするもので、あんな横暴で根性なしとは思わなかった。
 まぁ、安心するのは家に帰ってからだが。彼らを信用していれば今回も大丈夫だろう。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

転生者は力を隠して荷役をしていたが、勇者パーティーに裏切られて生贄にされる。

克全
ファンタジー
第6回カクヨムWeb小説コンテスト中間選考通過作 「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門日間ランキング51位 2020年11月4日「カクヨム」異世界ファンタジー部門週間ランキング52位

禁忌地(アビス)に追放された僕はスキル【ビルダー】を使って荒野から建国するまでの物語。

黒猫
ファンタジー
青年マギルは18才になり、国王の前に立っていた。 「成人の儀」が執り行われようとしていた。 この国の王家に属する者は必ずこの儀式を受けないといけない… そう……特別なスキルを覚醒させるために祭壇に登るマギルは女神と出会う。 そして、スキル【ビルダー】を女神から授かると膨大な情報を取り込んだことで気絶してしまった。 王はマギルのスキルが使えないと判断し、処分を下す。 気を失っている間に僕は地位も名誉もそして…家族も失っていた。 追放先は魔性が満ちた【禁忌地】だった。 マギルは世界を巻き込んだ大改革をやり遂げて最高の国を建国するまでの物語。

追放された回復術師、実は復元魔法の使い手でした

理科係
ファンタジー
冒険者パーティー【満月の微笑み】で回復術師として従事していたラノイは、その使い勝手の悪さからパーティーを追い出されてしまう。追放されたラノイは旅をする中で、商人であり鑑定魔法を持つチョウカと出会う。事情を話したラノイはチョウカの鑑定魔法を受けることに。 その結果、ラノイは回復術師でなく復元術師であることが判明した。 ラノイのこれからの運命はどうなってしまうのか!? タイトル変えました。 元タイトル→「幼馴染みがパーティーから追放されたので」 小説家になろうでも載せています。

自分が作ったSSSランクパーティから追放されたおっさんは、自分の幸せを求めて彷徨い歩く。〜十数年酷使した体は最強になっていたようです〜

ねっとり
ファンタジー
世界一強いと言われているSSSランクの冒険者パーティ。 その一員であるケイド。 スーパーサブとしてずっと同行していたが、パーティメンバーからはただのパシリとして使われていた。 戦闘は役立たず。荷物持ちにしかならないお荷物だと。 それでも彼はこのパーティでやって来ていた。 彼がスカウトしたメンバーと一緒に冒険をしたかったからだ。 ある日仲間のミスをケイドのせいにされ、そのままパーティを追い出される。 途方にくれ、なんの目的も持たずにふらふらする日々。 だが、彼自身が気付いていない能力があった。 ずっと荷物持ちやパシリをして来たケイドは、筋力も敏捷も凄まじく成長していた。 その事実をとあるきっかけで知り、喜んだ。 自分は戦闘もできる。 もう荷物持ちだけではないのだと。 見捨てられたパーティがどうなろうと知ったこっちゃない。 むしろもう自分を卑下する必要もない。 我慢しなくていいのだ。 ケイドは自分の幸せを探すために旅へと出る。 ※小説家になろう様でも連載中

弟に裏切られ、王女に婚約破棄され、父に追放され、親友に殺されかけたけど、大賢者スキルと幼馴染のお陰で幸せ。

克全
ファンタジー
「アルファポリス」「カクヨム」「ノベルバ」に同時投稿しています。

お荷物認定を受けてSSS級PTを追放されました。でも実は俺がいたからSSS級になれていたようです。

幌須 慶治
ファンタジー
S級冒険者PT『疾風の英雄』 電光石火の攻撃で凶悪なモンスターを次々討伐して瞬く間に最上級ランクまで上がった冒険者の夢を体現するPTである。 龍狩りの一閃ゲラートを筆頭に極炎のバーバラ、岩盤砕きガイル、地竜射抜くローラの4人の圧倒的な火力を以って凶悪モンスターを次々と打ち倒していく姿は冒険者どころか庶民の憧れを一身に集めていた。 そんな中で俺、ロイドはただの盾持ち兼荷物運びとして見られている。 盾持ちなのだからと他の4人が動く前に現地で相手の注意を引き、模擬戦の時は2対1での攻撃を受ける。 当然地味な役割なのだから居ても居なくても気にも留められずに居ないものとして扱われる。 今日もそうして地竜を討伐して、俺は1人後処理をしてからギルドに戻る。 ようやく帰り着いた頃には日も沈み酒場で祝杯を挙げる仲間たちに報酬を私に近づいた時にそれは起こる。 ニヤついた目をしたゲラートが言い放つ 「ロイド、お前役にたたなすぎるからクビな!」 全員の目と口が弧を描いたのが見えた。 一応毎日更新目指して、15話位で終わる予定です。 作品紹介に出てる人物、主人公以外重要じゃないのはご愛嬌() 15話で終わる気がしないので終わるまで延長します、脱線多くてごめんなさい 2020/7/26

雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった〜

霞杏檎
ファンタジー
祝【コミカライズ決定】!! 「使えん者はいらん……よって、正式にお前には戦力外通告を申し立てる。即刻、このギルドから立ち去って貰おう!! 」 回復術士なのにギルド内で雑用係に成り下がっていたフールは自身が専属で働いていたギルドから、何も活躍がないと言う理由で戦力外通告を受けて、追放されてしまう。 フールは回復術士でありながら自己主張の低さ、そして『単体回復魔法しか使えない』と言う能力上の理由からギルドメンバーからは舐められ、S級ギルドパーティのリーダーであるダレンからも馬鹿にされる存在だった。 しかし、奴らは知らない、フールが【魔力無限】の能力を持っていることを…… 途方に暮れている道中で見つけたダンジョン。そこで傷ついた”ケモ耳銀髪美少女”セシリアを助けたことによって彼女はフールの能力を知ることになる。 フールに助けてもらったセシリアはフールの事を気に入り、パーティの前衛として共に冒険することを決めるのであった。 フールとセシリアは共にダンジョン攻略をしながら自由に生きていくことを始めた一方で、フールのダンジョン攻略の噂を聞いたギルドをはじめ、ダレンはフールを引き戻そうとするが、フールの意思が変わることはなかった…… これは雑用係に成り下がった【最強】回復術士フールと"ケモ耳美少女"達が『伝説』のパーティだと語られるまでを描いた冒険の物語である! (160話で完結予定) 元タイトル 「雑用係の回復術士、【魔力無限】なのに専属ギルドから戦力外通告を受けて追放される〜でも、ケモ耳少女とエルフでダンジョン攻略始めたら『伝説』になった。噂を聞いたギルドが戻ってこいと言ってるがお断りします〜」

良家で才能溢れる新人が加入するので、お前は要らないと追放された後、偶然お金を落とした穴が実はガチャで全財産突っ込んだら最強になりました

ぽいづん
ファンタジー
ウェブ・ステイは剣士としてパーティに加入しそこそこ活躍する日々を過ごしていた。 そんなある日、パーティリーダーからいい話と悪い話があると言われ、いい話は新メンバー、剣士ワット・ファフナーの加入。悪い話は……ウェブ・ステイの追放だった…… 失意のウェブは気がつくと街外れをフラフラと歩き、石に躓いて転んだ。その拍子にポケットの中の銅貨1枚がコロコロと転がり、小さな穴に落ちていった。 その時、彼の目の前に銅貨3枚でガチャが引けます。という文字が現れたのだった。 ※小説家になろうにも投稿しています。

処理中です...