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漂流した教室編
ウォールバイターを追え!
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俺達はウォールバイターを追いかけたが、フィルセはどうも戦いに集中出来ていない様子であった。ギルドマスターがテーネに用があるのか、奴を呼び止めていた。このまま混戦になってもややこしいだろうが、目を離すのも思考を乱す原因になっている。
「ギルドマスターはあの烙印持ちと浅からぬ関係がある様だったな」
「そうか?」
ジャンヌから見れば、どうもあの二人には長い付き合いがあるらしい。だからフィルセとテーネ、両方の肩を持つ様な態度を取っていたのか? 俺は街を後にする直前に聞いた二人の会話を思い出す。
(テーネや、お前さんでは魔物を相手にするのは無理だろう? 久しぶりに会ったんだ、積もる話でもしようじゃないか)
(ネア……、まさかエンタールに。ギルドの名前で気づくべき、だったかな?)
まるで若い頃からの知り合いみたいな話し方だったが、二人の年齢差は見ての通り離れている。まぁ今はいいか。
(とりあえず、花街にこのことを知らせないと。ボクは魔力を感知して駆け付けたけど、バスターですらないみんなは何が起きてるか知らないだろうし)
(うむ、魔物との戦いはうちの子らに任せてくれ)
テーネは先に花街へ事態を知らせに行った。
「まぁ、それはいいけどあれどうやって倒すの?」
ハルカはウォールバイターの攻略を考えていた。しかし、今俺達で倒す必要はない。
「援軍を呼んである。俺達はそれが到着するまで持たせるんだ。無理をする必要はない。各員、死ぬなよ!」
ウォールバイターの尻尾が見えてきた。見た目から魔王の作った傀儡、つまりあの時の鎧みたいなもんだし金縛りが効くか?
「ナシバ!」
一か八か、ものは試しだ。俺は魔法を放つ。命中を受けたウォールバイターの動きが鈍くなる。さすがにデカイだけあって利きは弱いが、無意味ではない様だ。
「よし、行けるぜ! 足止めだ!」
フィルセとジャンヌが攻撃を仕掛け、ウォールバイターの侵攻を止める。問題はどれだけ援軍が来るのに時間が掛かるかだ。ハルカはジャンヌの戦力を当て込んで連れて来ただけだし、俺達の戦力は少ない。テーネがいるだけでも多少楽になりそうだが、チーム内不和はそれだけで大きく戦力を落とす原因になる。
「くっ、デカイだけに攻撃が……」
「タフだな」
フィルセとジャンヌは一旦敵から離れる。懸命に攻撃を加えても、相手のサイズが大きいだけで通りが悪くなる。人間を殺すには十分な毒でも、魔物ですらない体格の大きな動物には不足ということもあるからな。
「他に有効な策はないか?」
俺はどうにか打開策を見つけようと、看破スキルでウォールバイターを見る。何か弱点でも露呈すれば状況は変わるし、後続に繋がるはずだ。
「クソ、やっぱ見えるのは加護とレベルか……」
しかしそう都合よく弱点が分かるわけではない。一応炎が弱点ということは見えているが、多分これはギルドマスターの攻撃で得た情報が追加されているだけだ。
「あん?」
再度攻撃を仕掛けるフィルセとジャンヌだが、彼女達の姿を見ると今まで無かった情報が入ってくる。二人の使える魔法やスキルが見えるのだ。
「なんだ? 急に情報が増えた……?」
まさか、魔の加護と初めて遭遇してスキルが強化されたのか? ジャンヌはそういえば、生前の記憶がいくらか抜けていたな。もしかしてスキルも忘れているかもしれない。
そう思って俺がジャンヌを見ると、魔法剣が使えることが見えた。
「ジャンヌ! お前魔法剣士だったのか?」
「何? そうなのか?」
本人も知りえない情報のようだが、まさに僥倖。属性が付くだけで大きく好転するはずだ。
「呪文は『ケルビ』! 炎を剣に纏わせろ!」
「分かった! ケルビ!」
ジャンヌが剣を撫でると同時に、炎が迸る。炎魔法では最も初歩的だが、あるとないとでは違うはずだ。
「これでどうだ!」
炎の剣はウォールバイターを裂く。流石にダメージが入ったらしく、首を地面に降ろして悶えている。
「リュウガ! これを使ってみる?」
「それは、スダマか!」
ハルカは周囲から魔物になる前の魔力生物、スダマを集めていた。足止めにはなるかもしれない。
「俺は金縛りに集中する、それを奴に投げるんだ!」
「オッケー!」
俺達は金縛りとスダマの魔力で牽制を続ける。スダマの魔力をぶつけられると、僅かに能力が減少したり魔法が通り易くなったりするのだ。この僅かが勝敗を決する時もある。
「タイニードル!」
動きが止まった隙を突き、フィルセのレイピアが車輪の中央を撃ち抜く。そしていくら相手が大きくて車輪もそれに伴っているとはいえ、車輪の中央から放射状に広がる細いパーツを正確無比にそれぞれ二回ずつ貫いた。
「ビースパイクス! カストハニー!」
初めて見る様な技が連発される。斬撃の後に光り輝く針の様なものが残っており、二つ重なって毒々しい靄が出ている。
「へぇ、少しいいものを買うと壊れないのね」
「まさか今まで使い捨てに出来る安物だから使えてなかったのか……」
フィルセは刃こぼれ一つしないレイピアを眺めて感嘆の声を漏らす。以前までの彼女は武器の手入れを惜しんで安物のレイピアを使い捨てていた。普通のバスターは身体を休めている間に鍛冶屋で武器の手入れを頼む。オーバーワークを顧みたフィルセは溜め込んだ報酬でそれなりにいいレイピアをしつらえたと言っていたが、ここまでとは。
「俺も少しはやらねぇとな!」
俺も斧を手に、車輪へ迫る。いくら魔王の兵器とはいえ、基本は木造。弱っていれば技術が通じるはずだ。
「見えた!」
木は木目を見れば、割れる方向が分かる。そこに沿って上から手斧を叩きつけてやる。さすがにただの木材と違って気持ちよく割ることは出来ないが、確かな手ごたえがある。
「あんたやっぱ木こりの方が向いてるんじゃない?」
「それは思う」
バスターよりそっちの方がいいかも、とは重々思っているが、ギルドの人手が増えるまでは続けるのかな。
「これで終わりだ!」
ジャンヌが傷ついた車輪に飛び込み、燃え盛る剣で切り裂く。完全に破壊こそできなかったが、僅かに車輪が傾いて機能不全に陥った。
「よっしゃ!」
「とりあえず足止め自体は成功ね」
目に見える速度で再生こそしているが、ウォールバイターは一時的に動けなくなる。
「うおっ、なんだ?」
だが安心するのは早かった。奴は箱の、首が飛び出している方と反対から尻尾みたいなものを出して動く方の車輪を回し、ぐるぐるをその場で回り始めた。
「撤収―!」
巻き込まれては一たまりもないため、俺達は花街の方へ移動して範囲から抜ける。
「どうしようか、これ」
「様子見だな。援軍が来る前にリソースが尽きても困る」
大きな隙を晒している様に見えるが、無秩序に暴れる相手に攻撃を当てるのは骨が折れる。それに、援軍の目途も立たないうちから体力魔力を消耗し過ぎても後で困る。
「……」
「フィルセ?」
フィルセは花街の方を見る。そういえばテーネは知らせるために戻ったんだっけ。
「あいつ……」
「おいおい、まさか喧嘩売りに行くんじゃねーだろうな?」
今やらなくても、ウォールバイターの件が終わったらカチコミにでも行きそうな雰囲気だ。ハルカは彼女らしからぬピリついた空気を感じていた。
「フィルセ、あの子が出てきてからなんか変」
「ああ、前より酷いぞお前」
ヤケになって死に場所を求めていた時よりも悪化している様に思える。
「……」
「恐らく、烙印持ちと過去に何かあったのだろう。私が生きていた頃には珍しくもない話だ」
フィルセは口を閉ざしているが、ジャンヌはおおよそ何が起きたのかを察していた。死神、とかアホ弟が言ってたが、過去にパーティーを烙印持ちとの戦いで失った、とかか?
「かく言う私も烙印持ちに殺された。あいつの顔に刻まれた烙印を見ていたら、ぼんやりと自分の死んだ時のことを思い出したよ」
「そんなにありふれてたのか……」
いくら加護の範疇で魔物扱いとはいえ、人同士が殺し合うなんて恐ろしい時代があったものだ。
「ジャンヌは記憶がないから余裕があるんでしょうね」
「返す言葉もないな」
自分が殺されたというのに、テーネへ特別な思いを抱かないのは彼女が一度死んでいる上に記憶も曖昧になっている為だ。首がないので表情は読めないが、微かな笑みさえたたえていそうだ。
「とはいえ、恨みに取り憑かれていた時のことはよく覚えている。テーネが復讐すべき相手かは見極めるんだな」
「ええ、私の仲間を殺したのは、鉄の腕を持つ人斬りですもの」
鉄の腕を持つ人斬り、ねぇ。
「あ、援軍」
ハルカが援軍の到着を確認する。さすがに魔王の兵器が平和な場所に投げ込まれたとあれば、それなりのバスターが泡食って押っ取り刀で駆けつけるか。
「よし、俺達は撤収だ。帰るぞ」
援軍の方が練度も連携も上だし、いても邪魔だろう。俺達は引継ぎを確認して帰還することにした。
「援軍だな、俺はエンタール、ネメアクラウンネオの審問官、リュウガ・アークライドだ」
「お勤めご苦労様。ここからは私達に任せて下さい」
バレッタで後ろ髪を止めた軍服の少女とすれ違い、戦闘を受け渡した。これで問題はないはずだ。最後まで戦うことはなかったが、バスターの仕事は敵を倒すことではなく人を守ること。これでいい。
「ギルドマスターはあの烙印持ちと浅からぬ関係がある様だったな」
「そうか?」
ジャンヌから見れば、どうもあの二人には長い付き合いがあるらしい。だからフィルセとテーネ、両方の肩を持つ様な態度を取っていたのか? 俺は街を後にする直前に聞いた二人の会話を思い出す。
(テーネや、お前さんでは魔物を相手にするのは無理だろう? 久しぶりに会ったんだ、積もる話でもしようじゃないか)
(ネア……、まさかエンタールに。ギルドの名前で気づくべき、だったかな?)
まるで若い頃からの知り合いみたいな話し方だったが、二人の年齢差は見ての通り離れている。まぁ今はいいか。
(とりあえず、花街にこのことを知らせないと。ボクは魔力を感知して駆け付けたけど、バスターですらないみんなは何が起きてるか知らないだろうし)
(うむ、魔物との戦いはうちの子らに任せてくれ)
テーネは先に花街へ事態を知らせに行った。
「まぁ、それはいいけどあれどうやって倒すの?」
ハルカはウォールバイターの攻略を考えていた。しかし、今俺達で倒す必要はない。
「援軍を呼んである。俺達はそれが到着するまで持たせるんだ。無理をする必要はない。各員、死ぬなよ!」
ウォールバイターの尻尾が見えてきた。見た目から魔王の作った傀儡、つまりあの時の鎧みたいなもんだし金縛りが効くか?
「ナシバ!」
一か八か、ものは試しだ。俺は魔法を放つ。命中を受けたウォールバイターの動きが鈍くなる。さすがにデカイだけあって利きは弱いが、無意味ではない様だ。
「よし、行けるぜ! 足止めだ!」
フィルセとジャンヌが攻撃を仕掛け、ウォールバイターの侵攻を止める。問題はどれだけ援軍が来るのに時間が掛かるかだ。ハルカはジャンヌの戦力を当て込んで連れて来ただけだし、俺達の戦力は少ない。テーネがいるだけでも多少楽になりそうだが、チーム内不和はそれだけで大きく戦力を落とす原因になる。
「くっ、デカイだけに攻撃が……」
「タフだな」
フィルセとジャンヌは一旦敵から離れる。懸命に攻撃を加えても、相手のサイズが大きいだけで通りが悪くなる。人間を殺すには十分な毒でも、魔物ですらない体格の大きな動物には不足ということもあるからな。
「他に有効な策はないか?」
俺はどうにか打開策を見つけようと、看破スキルでウォールバイターを見る。何か弱点でも露呈すれば状況は変わるし、後続に繋がるはずだ。
「クソ、やっぱ見えるのは加護とレベルか……」
しかしそう都合よく弱点が分かるわけではない。一応炎が弱点ということは見えているが、多分これはギルドマスターの攻撃で得た情報が追加されているだけだ。
「あん?」
再度攻撃を仕掛けるフィルセとジャンヌだが、彼女達の姿を見ると今まで無かった情報が入ってくる。二人の使える魔法やスキルが見えるのだ。
「なんだ? 急に情報が増えた……?」
まさか、魔の加護と初めて遭遇してスキルが強化されたのか? ジャンヌはそういえば、生前の記憶がいくらか抜けていたな。もしかしてスキルも忘れているかもしれない。
そう思って俺がジャンヌを見ると、魔法剣が使えることが見えた。
「ジャンヌ! お前魔法剣士だったのか?」
「何? そうなのか?」
本人も知りえない情報のようだが、まさに僥倖。属性が付くだけで大きく好転するはずだ。
「呪文は『ケルビ』! 炎を剣に纏わせろ!」
「分かった! ケルビ!」
ジャンヌが剣を撫でると同時に、炎が迸る。炎魔法では最も初歩的だが、あるとないとでは違うはずだ。
「これでどうだ!」
炎の剣はウォールバイターを裂く。流石にダメージが入ったらしく、首を地面に降ろして悶えている。
「リュウガ! これを使ってみる?」
「それは、スダマか!」
ハルカは周囲から魔物になる前の魔力生物、スダマを集めていた。足止めにはなるかもしれない。
「俺は金縛りに集中する、それを奴に投げるんだ!」
「オッケー!」
俺達は金縛りとスダマの魔力で牽制を続ける。スダマの魔力をぶつけられると、僅かに能力が減少したり魔法が通り易くなったりするのだ。この僅かが勝敗を決する時もある。
「タイニードル!」
動きが止まった隙を突き、フィルセのレイピアが車輪の中央を撃ち抜く。そしていくら相手が大きくて車輪もそれに伴っているとはいえ、車輪の中央から放射状に広がる細いパーツを正確無比にそれぞれ二回ずつ貫いた。
「ビースパイクス! カストハニー!」
初めて見る様な技が連発される。斬撃の後に光り輝く針の様なものが残っており、二つ重なって毒々しい靄が出ている。
「へぇ、少しいいものを買うと壊れないのね」
「まさか今まで使い捨てに出来る安物だから使えてなかったのか……」
フィルセは刃こぼれ一つしないレイピアを眺めて感嘆の声を漏らす。以前までの彼女は武器の手入れを惜しんで安物のレイピアを使い捨てていた。普通のバスターは身体を休めている間に鍛冶屋で武器の手入れを頼む。オーバーワークを顧みたフィルセは溜め込んだ報酬でそれなりにいいレイピアをしつらえたと言っていたが、ここまでとは。
「俺も少しはやらねぇとな!」
俺も斧を手に、車輪へ迫る。いくら魔王の兵器とはいえ、基本は木造。弱っていれば技術が通じるはずだ。
「見えた!」
木は木目を見れば、割れる方向が分かる。そこに沿って上から手斧を叩きつけてやる。さすがにただの木材と違って気持ちよく割ることは出来ないが、確かな手ごたえがある。
「あんたやっぱ木こりの方が向いてるんじゃない?」
「それは思う」
バスターよりそっちの方がいいかも、とは重々思っているが、ギルドの人手が増えるまでは続けるのかな。
「これで終わりだ!」
ジャンヌが傷ついた車輪に飛び込み、燃え盛る剣で切り裂く。完全に破壊こそできなかったが、僅かに車輪が傾いて機能不全に陥った。
「よっしゃ!」
「とりあえず足止め自体は成功ね」
目に見える速度で再生こそしているが、ウォールバイターは一時的に動けなくなる。
「うおっ、なんだ?」
だが安心するのは早かった。奴は箱の、首が飛び出している方と反対から尻尾みたいなものを出して動く方の車輪を回し、ぐるぐるをその場で回り始めた。
「撤収―!」
巻き込まれては一たまりもないため、俺達は花街の方へ移動して範囲から抜ける。
「どうしようか、これ」
「様子見だな。援軍が来る前にリソースが尽きても困る」
大きな隙を晒している様に見えるが、無秩序に暴れる相手に攻撃を当てるのは骨が折れる。それに、援軍の目途も立たないうちから体力魔力を消耗し過ぎても後で困る。
「……」
「フィルセ?」
フィルセは花街の方を見る。そういえばテーネは知らせるために戻ったんだっけ。
「あいつ……」
「おいおい、まさか喧嘩売りに行くんじゃねーだろうな?」
今やらなくても、ウォールバイターの件が終わったらカチコミにでも行きそうな雰囲気だ。ハルカは彼女らしからぬピリついた空気を感じていた。
「フィルセ、あの子が出てきてからなんか変」
「ああ、前より酷いぞお前」
ヤケになって死に場所を求めていた時よりも悪化している様に思える。
「……」
「恐らく、烙印持ちと過去に何かあったのだろう。私が生きていた頃には珍しくもない話だ」
フィルセは口を閉ざしているが、ジャンヌはおおよそ何が起きたのかを察していた。死神、とかアホ弟が言ってたが、過去にパーティーを烙印持ちとの戦いで失った、とかか?
「かく言う私も烙印持ちに殺された。あいつの顔に刻まれた烙印を見ていたら、ぼんやりと自分の死んだ時のことを思い出したよ」
「そんなにありふれてたのか……」
いくら加護の範疇で魔物扱いとはいえ、人同士が殺し合うなんて恐ろしい時代があったものだ。
「ジャンヌは記憶がないから余裕があるんでしょうね」
「返す言葉もないな」
自分が殺されたというのに、テーネへ特別な思いを抱かないのは彼女が一度死んでいる上に記憶も曖昧になっている為だ。首がないので表情は読めないが、微かな笑みさえたたえていそうだ。
「とはいえ、恨みに取り憑かれていた時のことはよく覚えている。テーネが復讐すべき相手かは見極めるんだな」
「ええ、私の仲間を殺したのは、鉄の腕を持つ人斬りですもの」
鉄の腕を持つ人斬り、ねぇ。
「あ、援軍」
ハルカが援軍の到着を確認する。さすがに魔王の兵器が平和な場所に投げ込まれたとあれば、それなりのバスターが泡食って押っ取り刀で駆けつけるか。
「よし、俺達は撤収だ。帰るぞ」
援軍の方が練度も連携も上だし、いても邪魔だろう。俺達は引継ぎを確認して帰還することにした。
「援軍だな、俺はエンタール、ネメアクラウンネオの審問官、リュウガ・アークライドだ」
「お勤めご苦労様。ここからは私達に任せて下さい」
バレッタで後ろ髪を止めた軍服の少女とすれ違い、戦闘を受け渡した。これで問題はないはずだ。最後まで戦うことはなかったが、バスターの仕事は敵を倒すことではなく人を守ること。これでいい。
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