普通に役立たずなので当たり前の様に追放されたんだけど明日からどうしよう

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漂流した教室編

霧の魔物

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 教会には俺とハルカが残った。シンジは数に入れない。
「残ってくれたのか」
「まぁ、私が言い出したし」
 元々、ここに来たのはハルカが首無し騎士の遺品を埋葬したいと言った為。本当はすんなり済む寄り道であったが、何故か難色を示されてしまった。まぁ、この事態を解決すればいいわけなんだけど。
 俺達は教会の中で待機しているが、シンジは怖がって外に行ってしまった。あんだけ首無し騎士に斬られても傷一つ付かないような奴が明らかな元人間を怖がるなど、相変わらず臆病というかなんというか。
「エンタールとか女神像の村の人みたいにいい人もいるのに……」
「それは往来の量によるところだな」
 ハルカの土地ではこのレブサク村みたいな偏狭な人々が少ないのだろうか。ただ、この周辺では俺の故郷であるサナトリ村を始め珍しくもないことだ。
「人の行き来が多ければ外部の価値観を取り入れる機会も増える。逆にここまで人が来ないと、凝り固まった価値観が蔓延したままになる。そんな奴が頭にいる村、自分が頭になって変えるより外に出た方が快適に暮らせるからまともな奴ほど村を出る……」
 バスター制度もその一助となっている。命懸けの仕事ではあるが、どこに行っても食っていけるのは強い。無理をしなければ生活自体は可能だからな、俺みたいに極端な才能無しでない限り。
「来い……」
 外からボソッと誰かが呼んだ。あんまりにも小さな声なので聞き間違いかと確認する。
「何か聞こえたか?」
「確かに何かの声が」
 声であることは共通認識であったが、それが何を示しているのかは分からない。魔物と化したモニカの方を向くと、彼女は首を横に振って扉の方を指差した。
「来い……二人で」
「なんだ?」
 俺達は扉を開けて教会を出る。すると、そこにはシンジがいた。なんと、あろうことか村人に人質に取られているではないか。
「おいおい……」
「さぁ、こいつの命が惜しけりゃ俺達についてこい」
 だが、こいつはこんな成りでも魔王レベル99。人質になぞ使えない。ぞんざいに扱っても死なないのは実証済みってわけ。
「こいつはレベル99の魔王だ、人質にはならん」
 俺が真実を告げると、村人たちは笑い出した。
「ははは、こんなのが魔王なんてもう少しマシな嘘を付け」
「だよねー……」
 まぁ信じられないよな。シンジは不服そうな顔をしているが、なら少しはこの状況から抵抗しろって話。
「それともお前らに武器を向ければいいか? バスターは人殺し出来ないんだったな」
「クソ、やってくれるぜ」
 村人は俺とハルカに農具を向けて追いやる。バスターは魔物と戦える力を持つが、そんなもので力のない人を傷つけてはいけない。これは基本的な道義であると同時に、加護側にも対抗策が施されている。
 加護を悪用して人を殺めた場合、『烙印』が付与されて俺の様な看破スキルがなくとも周囲から丸わかりになる。烙印状態になったバスターはバスターが殺しても問題ない。とにかくこれが付くとまともに暮らせない。
 中には人殺しも厭わない悪党という箔が付いたと自慢する奴もいるらしいが、そんな刹那的な生き方は出来ん。
「こっちだ!」
 俺達は村の裏手にある山へ連れていかれた。魔物を入れない為なのか、門と塀がある。
「どうしよう! この隙にモニカさんが殺されちゃう!」
「シンジの心配は……いいか、とにかく村へ戻ろう」
 ハルカの言う通り、村の連中は俺達を排除してモニカを始末するつもりなんだろう。もし神殿から呪いを解ける人が来て、彼女の呪いが解かれたら奴らの仕打ちは外に漏れる。直接の罰則はないかもしれないが、噂が流れればただでさえ人の来ないこの村は避けられる。
 ただ行き先として避けられるだけではない。村人が信用出来ないということは、その村から出るクエストも信用できないということだ。報酬の踏み倒しならまだしも、だまし討ちの追いはぎでもされたらたまったものではない。
「さて、どうする?」
 魔物を防ぐ壁だけあり、俺三人分程度の高さはある。材質も分厚いが木材で、総合的にエンタールの壁とは比べるべくもないが壊せるものではない。
「迂回して村に戻ろう。どっかに抜け道とか、壁の終端があるはずだ」
 村に入った時に壁は無かった、ということはこの壁は多くとも三方向にしかないはず。そこから村に戻れる可能性はある。
 俺達は壁を沿って歩き、入れる場所を探す。しかし案外距離が長い。霧も濃いので、魔物に襲われないか注意しながら歩くしかないのだが事は一刻を争う。フィルセも急いでくれるだろうが、モニカとゼロ距離の村人が手を下す方が早いだろう。
「ん?」
 敵に注意を払うため、発動していた看破スキルに反応があった。魔物の気配……『ミストウォーム レベル30』か。
「やべ、霧の原因っぽいけど強そう」
 名前からして霧に住むか霧を起こす魔物なんだろうが、今このメンバーで倒せる相手ではない。というか、近づいてくるじゃないか。
「フハハハ……久しぶりに獲物が来たわ」
 霧の中から出て来たのは大きな芋虫に手足が生えた様な魔物。知能が高いのか、言葉が通じる様だが逃がしてくれそうにない。
「この霧はお前の仕業か?」
 とりあえず、今後の為に情報を集めておく。話して時間を稼ぎ、後ろ手にナシバを溜めておく。
「おお、そうだ……。俺を倒す為に来たバスターを魔物に変えてやった。村の教会にいれば村人は喰わないと約束したが、まだ生きてるとはな」
「なるほど、そういうことか」
 話せるだけの知能はあるが、こちらを甘く見ているのか手口を全て明かしてくれた。だが、ここからモニカの生死を確認している辺り遠くから看破の様な技が使えるかもしれない。霧を産むだけある。
「お前の強さも分かるぞ……。まぁまぁだが、そこのレベル1を守りながら戦えるかな?」
「戦うつもりはないぞ!」
 俺はナシバをミストウォームにかけ、ハルカと共に逃げた。こっちは最初から勝つ気ないんでな。だが、あまり金縛りの効果が無かったのかミストウォームはすぐに追ってくる。
「意外と足が速い!」
 そして短い割に足も速い。芋虫体型の恩恵か、うねうね動いていける。
「きゃあ!」
「ハルカ!」
 霧で視界が悪いのと木の根っこで足場が悪いことが重なり、ハルカは転んでしまう。助けに向かうが、もう追い付かれてその巨体が俺達に襲い掛かる。
「フハハハハ、死ねい!」
「ん?」
 もうダメか、と諦める間もなく視界の端にある情報が飛び込む。『首無し騎士 レベル34』、この種族とレベルはまさか……。
「デュランスラッシュ!」
 闇を纏った剣がミストウォームを切り裂く。後ろから不意を撃たれたミストウォームはのたうち回ることしか出来ない。
「ウグアアアア! な、なんだ、何が……」
「霧で誤魔化したつもりだろうが、生憎ここは私の地元なのでな」
 首無し騎士は俺達の前に立つ。青いオーラを纏い、看破の情報には見たことのない紋章が追加されていた。
「え? もしかしてこれ、テイムしてる?」
「何?」
 テイマーであるハルカは、この首無し騎士を自分が手なずけていることが分かる様だ。確かに、看破すると彼女と首無し騎士の間に繋がりを見ることが出来る。
「故郷に帰りたいと願う無念……受け止めてくれたことを感謝する。今はお前を守ろう」
 テイマーってのがどんな風に魔物を仲間にするのかは知らないが、少なくともこの首無し騎士はハルカの仲間になってくれたのか。
「しゃぁ! 俺も手を貸すぞ! こいつがこの辺を霧で覆ったんだ!」
「ならば、倒すまで」
 あんな村でも故郷なら思うところがあるのか、首無し騎士と共闘することが出来た。あの強さなら、ミストウォームを倒すこともできるかもしれん。
「人間の死霊風情が純粋な魔物に勝てると思っているのか!」
 ミストウォームは巨体を使って首無し騎士を押し潰そうとする。だが、それは剣に向かって的を差し出す様なもの。騎士は剣で巨体を突き刺し、そのまま押し返して転ばせる。
「ぎゃああああ! な……ぜ」
「力が沸いてくる、これがテイマーの能力か」
 首無し騎士も元はバスターだったのだろうが、テイマーの力を魔物側で受けるのは初めての経験だろう。
「おのれ……」
 ミストウォームが片腕を突いて立ち上がろうとするので、その腕に俺は斧を叩きつける。木の様に割ることは出来ないが、体勢を崩すくらいは可能だ。案の定骨で刃が止まってしまうが、そういう時の抜き方も慣れたものだ。武器を失ったり、手間取って隙を晒すことはない。
「ぐ、ガアアアア!」
「ふんっ!」
 首無し騎士が胴体をスッパリ斬ると、魔物らしい青い血が吹き出す。強化の有無があるとはいえ、これを喰らってはじき返していたシンジの加護だけは本物だろう。
「これでどうだ!」
 俺は徹底的に手足を狙うことで首無し騎士を援護した。起き上がる隙を与えず、騎士がダメージを与えるのに集中できるようにしていく。
「グォエエエエエエッ!」
 騎士の剣捌きは鋭く、ものの数分でミストウォームを絶命させた。奴の放った霧はみるみるうちに晴れていく。環境を変えることに特化した魔物だったのだろうか。魔王が活発だった時代にはああいう狡い手で人間を分断する奴が多かったって話は聞く。
「そうだ! 早く村に帰らないとモニカさんが!」
 霧は晴れたが、魔物になったモニカが無事か分からない。
「任せろ、この壁の向こうが村だな」
 首無し騎士は俺とハルカを抱えると、壁を蹴りながら乗り越えていった。
「おお、凄いぞ!」
「あれ、見て!」
 騎士の能力に感心している場合ではない。上空から見えた村の中央では、人の姿に戻ったモニカが縛り付けられて今にも火あぶりにされそうになっていた。
「おーい、ストップストップ!」
 彼女を魔物の姿にしたミストウォームは倒した。これで全て解決なのだが、あの村人は一筋縄でいくだろうか。俺達が降り立つと、シンジもモニカの処刑に参加していた。あの働かない奴が自分から薪を運ぶとは驚きだ。
「霧の原因は倒した! その人は魔物に姿を変えられて、村人を襲わないことを条件に教会にいる様に脅されていたんだ!」
 俺はことの経緯を説明した。当然村人はざわつくが、誰一人モニカを解放しようとしないのでハルカと騎士が拘束を解いていた。
「ああ……終わったのですね……皆さんが無事で……」
 モニカは憔悴しきっていたが、どうにか命だけは助けられた。回復薬を持ち歩いていたので、彼女に与えて手当する。魔力が戻れば自分の治癒魔法も使えるはずだ。
「首無しだぁあああ!」
「また魔物が増えた!」
 テイムしていることは見た目で一目瞭然にも関わらず、村人は首無し騎士の姿を見て脅える。注目すれば加護がなくともぼわっと青い光が見えてテイムされていることを判別できるのだが。
「この人が遺品の騎士さんです この村の出身だそうで」
「は、早く出て行ってくれ! 次から次へ魔物を呼んで!」
 ハルカの説明も村人には届いていない。故郷の変貌に首無し騎士の表情は分からないものの、悲しげに呟いていることだけは理解出来た。
「私が村を出た頃はいいところだったが……思い出というのは美化されるものなのか?」
「騎士さん……」
 どのくらい村に帰るまで時間が空いたのか分からないが、自分の故郷の人間に化け物扱いされるのは辛かろう。文化の違う土地から来たハルカにもその痛みが分かるほど、普遍的な悲しみだ。
「おーい! どうなってるのこれ!」
 その時、甲高い音と共に数人が降り立つ。加護の神殿へ戻っていたフィルセ達が合流したのだ。神官を連れており、この人の転送魔法でここまで来たのだろう。
「首無し騎士が助けてくれて、霧の原因をぶっ倒せたんだ」
「そうか、モニカさんも人間に戻れたみたいね」
 フィルセ達から見ても一件落着に見えるが、村人は頑なに拒否する。
「魔物が油断させる作戦かもしれないだろう!」
「頼んでもないのに押しかけて報酬をせびる気か!」
「第一本当に魔物が原因でそれも倒したのか信じられん!」
 おいおい、解決したんだからいいだろそれで……。村人の為に尽くしたモニカも、帰りたいと生きる者への憎しみへ変わるほど願い続けた首無し騎士もこれでは浮かばれない。
「なぁ、なんでモニカさんはこの村に来たんだ? それともこの村の人か?」
 マサキは鋭いところを突く。村人のギクッとした反応からもそれが伺えた。なんでバスターが魔物と交戦して、その結果魔物の術に堕ちたのか経緯がまだ不明だ。
「確かに、ここは僕らも寄り道で来るほど往来の少ない村だ。モニカさんが村の人でないとすると、魔物討伐の依頼で来た可能性は高い」
 ジュンイチもそこを怪しむ。村人は露骨にうろたえるが、傷が多少癒えたモニカが事の経緯を語る。
「私は村からの依頼で来ましたが、恐らく皆さんあの魔物に脅されていたのでしょう。私を罠に嵌める手伝いをせねばならなかったのだと思います」
「そうそう、そうなんだ!」
 これ幸いと村人はモニカの発言に乗っかる。怪しい、とても怪しい。もうちょっと後ろめたさを感じてもいいのではないだろうか。
「では、聴取を取りますね」
 神官は状況を纏める為に村人から聞き取りを開始した。首無し騎士とハルカが席を外そうとしたので、俺も一緒に行くことにした。本当は審問官の仕事なんだろうけど、消去法でなっただけの俺に難しい話は分からない。
「どこ行くんだ?」
「私の好きだった場所だ。眠るなら、そこがいい」
 ようやく故郷に帰れた首無し騎士は自らが埋葬される場所を求めていた。腕が立つしもったいないと思うが、働かせるのも酷か。
「私はこの村の英雄に憧れてバスターになった」
「この村にも英雄がいたんだ」
 この惨状からは信じがたいが、そんな人物がいたとは。ハルカも驚いている。一体どれだけ時間が経ったんだろうな。
「かつてこの村は旅人を襲って生計を立てていたそうだ。しかし、襲った旅の騎士に魔物を倒してもらったことで救われ、それ以降過去の行いを悔い改めて過ちを忘れない様に騎士の像を立てたんだ」
「へぇ、それで騎士やってんのか」
 騎士に憧れて、その通り騎士になった。どう死んだかは知らないし適正があったかもわからないが、憧れた通りに生きられるのは凄いな。俺にはとてもできない。
「ここだ……が」
 その像があるという場所に来たが、像は壊されており碑文は削り取られて読めない状態だ。
「酷い……」
「ああ、だが私の故郷には変わりない……ここなら、眠れる」
 ハルカは絶句したが、騎士としてはこれでいいらしい。だが、こんな場所に埋葬して大丈夫なのか、墓を掘り返されないか心配だ。何かあったら、ようやく悪霊でなくなったのにまた化けて出ることにならないだろうか。
「ねぇ、手伝ってほしいことがあるの」
 それは彼女も同じ思いだったらしく、騎士の手を取りある頼みをした。
「手伝う……?」
「私達、急にこの土地に飛ばされてどうすれば帰れるか分からないの。帰る為に、私達に手を貸して!」
 首無し騎士は故郷に帰ることを切望した身、同じく故郷に帰ることが叶わないハルカ達の気持ちも分かるだろう。
「あ、ああ……そう、だな。これも何かの縁、力を貸そう」
「ありがとう!」
 ハルカの想いに応えた首無し騎士は、彼女の仲間として新しい生を受けることになった。こうして、少しの善意と寄り道が大きな力となって返ってきてくれた。彼女達がこの騎士の様に無事帰れることを願いながら、俺達はエンタールへの帰路へ着いた。
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