普通に役立たずなので当たり前の様に追放されたんだけど明日からどうしよう

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漂流した教室編

女神像の村

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 生活基盤も整いつつあるので、俺達はある場所に向かうことにした。それは、加護の神殿である。バスターの加護を受けるには、特定の神殿に向かう必要がある。
「このメンバーだな」
 バスターの加護を受けたいというのはハルカ、ジュンイチなど数人。エンタールからだと地味にサナトリ村より遠いので中間の村で休憩をする必要がある。地図を見てルートを考え、俺とフィルセの引率で向かうことにする。
「おらいくぞ!」
「……」
 調査の為にシンジも連れて行く。頭に茨の輪っかが付いているが、これは妖精王、ニアの付けたアイテムだ。俺達の念で締めることが出来、この駄々っ子を制御するには最適なものである。流石に物理的ダメージを与えられれば言うことを聞くしかない。
 あの寛容な妖精王がここまでの仕打ちをしたのは、俺達の話を聞いたからだけではない。離れた場所にテントを置いてそこに住まわせ、必要なものを妖精に持って来させていたのだが、やれ「パンが甘くない」だの「充電器なるものが欲しい」だのわがままばかりで妖精を困らせていた。さすがにお仕置きが必要ということでこの措置に至った。
「有無を言わさず吹っ飛ば差ない辺り温情だな妖精王……」
「歩くってのは精神の鍛練になるからな。そこをすっ飛ばしたらこいつは矯正出来ないってこったろう」
 ジュンイチは妖精王の措置がまだ優しいと思っている様だ。それに転移は飛ばす人数と距離が増えれば大がかりになるし、ここでどんだけ暮らすことになるか分からないなら周囲の土地を把握するのも大事だ。
「装備まで貰っちゃって悪いわね」
「加護が無い以上、無防備では危険だからな」
 ハルカは革のベストなどを着ていた。ネメアクラウンネオの倉庫にはアイテムが結構死蔵されており、今現在それが大活躍している状態だ。
「出発―」
 俺達は街を出て、街道を往く。整備された道には魔物も少ないし、バスターが往来しているので飛び込んだ魔物はすぐ討伐される。そして魔物も殆どはバスターが多く行き交うこの道を避ける。
「魔物って魔王に率いられて人間を狙ってるイメージがあったけど、そうでもないのね」
「昔はそうだったらしいぞ」
 ハルカの言う通り、魔物と言えば魔王の指示で人間世界の支配を狙う眷属であった。だがその魔王の勢いが衰えてからは野生動物と何ら変わらない生活をするもの、そして生きながらえる為バスターと言葉を交わしてでも戦いを避けようとするものが現れた。
「ただ死霊系はそんなの関係なく狙ってくるけどな。だから昼に移動するんだ」
 だが、人間が無念や憎しみを抱えて死んだ果てに変異した存在、死霊使いが生み出した使い魔などは話が違う。人間を恨んでいたり、人間を襲う様に調教されていたりするからな。そしてこいつらは自己分裂や増幅の能力があったり、そもそも人間の慣れ果てだから尽きることはない。
「へぇ、そうなんだ」
「中には勢力を増して人間の住みやすい村を狙う魔物もいるけどな」
 とはいえ、魔物も群れれば考えが変わって生活圏拡大を狙ってくる種族もいる。獣の様な魔物でも数が増えれば餌に困って人里に降りてくる。勢力を増さないうちに撃破するのもバスターの仕事だ。
「さて、もうすぐ村だ」
 案外すぐに目的の村へは辿り着いた。休憩するにも往来よりお茶屋がある村の方がいい。シンジの奴が制裁を恐れて黙々と歩けばこうもスムーズなものか。
「あの村の教会には綺麗な女神像があって、ちょっとした観光スポットになっているのよ」
「詳しいな」
 フィルセは案外そういう知識があった。俺よりバスターとしてあちこち行ってるからそれもそうか。
「ん? なんだあれは? バスター?」
 ジュンイチが遠くにいる鎧姿の人物を見つけた。だが、様子がおかしい。頭があるべきところに頭が無く、煙の様なものが出ている。俺は看破でその存在を調べた。
「これは……魔物?」
 看破は『首無し騎士 レベル34』という魔物であるという情報を俺に伝える。首無し騎士も俺達に気づいた。
「人間……バスターか」
 ぐぐもってはいるが女性の声に聞こえる。ボロボロのマントに錆びついた損傷だらけの鎧。あちこちに刺さった矢。どこかで戦死した騎士が魔物に成り果てたのか。
「ちょっと、死霊って日光とかに弱いんじゃ……」
「ものによるとしか……」
 確かにハルカが言う様に死霊は日の光に弱いのが通説だが、場合によっては少し弱くなる程度のこともある。この首無し騎士は元人間というのもあって多少なり日光に耐性があるのか。
「おい首無し! 複数対一は分が悪かろう! 街道に出れば他のバスターも合流する。退いた方が身の為だぞ!」
 俺は右手を後ろに隠し、金縛り魔法のナシバを溜めておく。帰ってくれれば御の字、せめて来たらこれで動きを止めてやる。
「そうね、どうやら何かが邪魔して村を襲えないでいたんじゃない?」
 フィルセも会話を重ねて時間稼ぎをする。確かに村の前にいたのに村を襲わないのは不自然な気がしたんだよね。
「全体的に不利なのはあんたなんだから、見逃してあげてもいいけど」
「そんなことなど考えていない……私は人間を殺す……」
 どうやら話は通じなかったらしい。首無し騎士は剣を抜き、俺に襲い掛かってくる。さぁ来い、金縛りにしてやる!
「不意打ちだで!」
「あ、おい馬鹿!」
 が、なんとシンジが隠していた金縛りをばらしてしまう。俺が溜めていたナシバを放つと同時に首無し騎士はその言葉もあって回避に成功する。そして、バックステップで大きく距離を取る。
「ちょっと何してんの!」
「黙ってたってのに!」
 ハルカやジュンイチからも非難の嵐。魔王レベル99と違い、何の加護も無い彼らは下手すれば自分達の命に関わる。
「とでも思ったか! ゼナシバ!」
 だがプランBは世の常、俺は左手から敵全体に放てる金縛り魔法を使う。全体に効果が及ぶ、つまり効力は少なくても当てるのは容易なのだ。
「くっ……」
「今だ!」
 死霊系の魔物なだけあり、審問官のスキルは刺さる。僅かに動きが止まった瞬間、フィルセがレイピアで攻撃を仕掛ける。素早い連撃の後に退いたので、その隙に再度金縛り魔法を仕掛ける。
「ナシバ!」
「ぐおおおっ!」
 単体用ではかなりの効き目があり、全く動けなくなっていた。
「これで!」
 フィルセの連撃の間に俺は首無し騎士のない頭に斧を叩き込む。これが致命的となり、首無し騎士はふらつきながら撤退する。
「く……貴様……」
「よし!」
 わざわざ追いかけてやることもない。あのまま見逃す。シンジがこそこそ追いかけようとしたが、余計なことをして何かえらいことになったらいけないので輪っか閉めて制裁する。
「深追いはするな」
「いでででで!」
 相手が逃げた先に罠とかあるといけないし、こいつの場合首無し騎士の仲間にでも待ち伏せされてて逃げたところ大勢の魔物をこっちに引き連れて来かねない。
「さて、この村で休憩だ。魔力使っちゃったし」
 村はとくに代わり映えしない普通の村だが、女神像への案内板がある。多少観光で潤っているのだろうか。
「あの首無し騎士はこの村に何の用だったんだろう」
「さぁ? 死霊系は認知が歪んでいるから何かに恨みがあってもそれを正しく認識できていないことも多々あるし」
 ハルカに聞かれたが、それは俺にも分からない。それが死霊系の魔物というものだからだ。もしかしたら復讐や未練は終わっていたけどそのまま放浪しているのかもしれない。
「ちょうどお茶屋から女神像が見えるのね」
「本当だ、思ったより小さいけど綺麗だな」
 女神像を見ながらお茶出来るのは頭いい設計だ。噂の女神像は手で持てそうなサイズであるが、祠が作られておりとても大切にされている様子だった。凄く細やかな作りで、掃除しろって言われたら壊しそうで怖い。
「金か何かか? いや、魔法錬金の類か」
 女神像からは神聖な雰囲気を感じる。お茶を飲み終えたので近くの看板を見に行くと、詳しい説明が書かれていた。
「祝福を受けた魔力の金で出来たこの女神像は魔物、特に死霊から村を守ってくれます、か。それでさっきの首無し騎士が村に入れなかったんだな」
「ああ、やっぱりそういう」
 首無し騎士が立ち往生していた原因も何となく理解出来た。こいつのおかげか。でもあんなのが出待ちしているとなると迂闊に村から出られないぞ。
「ところでさっき入り口で首無し騎士を追い払ったんだが、討伐の依頼は出しているんで?」
 とりあえず村人に確認する。もし知らないで出くわしたら大変だ。
「はい、明日来るそうです」
「そうか、ならよかった」
 首無し騎士の存在はちゃんと村に伝わっていた。なら俺達が心配することはない。このまま普通に神殿を目指そう。
「また首無し騎士が来てるよ」
「え? さっき追い払ったばっかじゃん」
 村人たちが首無し騎士のことを話していた。フィルセもさすがに呆れていた。執念深いというかなんというか。村人も女神像のおかげで攻め込めないので、見世物感覚だ。
「出る時に邪魔だからもう一回追い払うか……」
「金縛り効く相手には積極的ねあんた」
「まぁな」
 自分の特技が通じるとなれば多少なり強めに出られる。審問官なの俺くらいしかいないし、こういう時くらい頑張らないと。
「さてさて、懲りないお嬢さんはどちらかな?」
「減らず口を……」
 俺が村の出口に行くと、さっきの首無し騎士が立っていた。どうにか抜け穴を探そうとうろうろしている。軽口に返す程度の知能はあったが、何を目的に村を襲おうとしているのか分からない。
「何が目的だ」
「人間……殺す……」
「なぜだ?」
「殺す……」
 だが肝心なところはぼやけていて分からない。死霊はその原動力が憎しみや無念、自分でも認識出来ないくらい深くへ根付いてしまったのだろう。
「さて、俺達はこれから先に行かなければならない……」
 二度も同じ手は通用しないだろう。両手を開いて何も隠していない素振りを見せて即座に金縛りを食らわせてやる。
「やい首無し!」
「あ?」
 その時、シンジが現れた。ようやく魔王の加護を活かして戦う気になったか、と思ったがなんか手に女神像持ってる。いやまさかな。
「ん?」
「これが狙いだろう! こんなもの!」
 シンジは手にした女神像を振り上げると、それを地面にたたきつけた。当然の様に、そんな頑丈な作りではない女神像は粉々になる。
「何やってんだあああああ!」
 俺と村人の悲鳴が木霊する。いやマジで何してんの? さっきこれのおかげで首無し騎士入ってこないって言ったよね? あと何をどう解釈したらこれを狙ってるってなるんだ? 百歩譲ってそうだとしても壊すことで何の意味が?
「ふん、どうやら死にたいようだな。これで村に入れる」
 首無し騎士は女神像の破壊を見届けると、村に歩を進める。
「だでええええ?」
 予想外の反応にシンジは腰を抜かして逃げ出そうとする。だが逃がすか、身体張って責任を取ってもらう。輪っかを締めて逃げるのを防止する。
「待てや!」
「あだだだ!」
 そして首根っこを掴み、肉壁にしてそのまま首無し騎士に突撃する。
「うおおおお!」
「だでええ!」
 シールドバッシュの要領で敵を押し出す。さすがレベル99、硬いぜ。
「おらおらぁ! 肉体労働で償えやぁ!」
「チッ!」
 どうにか村の外まで押し出した。その隙にフィルセも駆け付けてくれた。
「全く、急に女神像を持ち出したと思ったら……なんてことを!」
 本当だよ。賠償じゃ済まないっての。安全問題もある。
「とにかくこいつをここで倒すぞ!」
「ええ!」
 女神像の守りが無くなった今、この首無し騎士をここで撃破しないといけない。それにはシンジにも働いてもらう。
「貴様……!」
 首無し騎士が剣を振りかぶる。そんな時はルクスワイヤでシンジを引っ張ってくればいい。
「バーリア!」
「あでえええ!」
 シンジのレベル依存の防御力を全力で振り回す。生身で剣を受けてもそれを弾くだけの硬さがある。これなら安心だ。レベル差が大きいから大した怪我しないだろうし少しは怪我して痛い目見てくれた方がいいと思ったが、もうどんどん壁にしていこう。
「ナシバ!」
「よし、任せといて!」
 俺は防御と補助に専念。フィルセが攻撃に集中できる環境を作る。
「俺達もいるぞ!」
「手を貸すぞ!」
 観光に来ていた他のバスターもやってきて状況は有利。
「しかしこのガキ硬いな。なんなんだ?」
「レベル99の魔王だそうで」
「本当かよ」
 壁にしている様子は見られていた様だが、聞かれても困るというもの。
「死霊系は審問官のナシバが通りやすいです。俺が足止めをします!」
「おっしゃ!」
 作戦を周囲に伝え、攻撃開始。フィルセ以外に攻め手がいると安定するし負担も減る。ここが旅の最終目的地でない以上、消耗は避けたい。駆けつけてきてくれたバスターには感謝だ。
「うおおおお!」
「あががあがが!」
 ルクスワイヤでぎっちぎちに縛ったシンジを盾にして金縛りを絶えずかけていく。
「ぐ……クソが……」
 硬いものを剣で叩くのはさすがの首無し騎士にも負担があるらしい。攻撃の激しさも衰えていく。
「正拳突きだ!」
「火炎斬り!」
「タイニードル!」
 格闘家、戦士、フィルセの攻撃が直撃し、首無し騎士を大きく後退させる。
「ぐぅうう!」
「待てよ、こいつが死霊ってことは……」
 俺は余裕も出て来たのであることを考えた。こいつ自身によって身に着けているものが呪われているという考えは出来ないか?
「デカース!」
 つまり呪いを解除してやれば弱体化するのではないか? とりあえずやれるだけやってみた。すると、首無し騎士の全身から焼ける様な音がして黒い煙が上がる。
「ぐぉおおお……何を……した?」
 首無し騎士は倒れ、その禍々しい気配は消え失せる。どうやら撃破したらしい。日光の中動き回ってたのもあって弱ってたんかな?
「とりあえずこれで……解決か?」
「げふ」
 俺はシンジを捨てて様子を見る。完全に倒れたのか、ぴくりとも動かない。安全を確認したのか、ハルカが駆け寄ってきた。
「大丈夫だった? ごめん、うちの馬鹿のせいで」
「謝ることはない。こんなバカ制御できるか」
 こいつらがどんな集まりかは知らないが、村人並のうっすい繋がりでこんなバカがいて馬鹿やって責任取れって言われたら俺も困る。
「なんだかこの魔物も可哀そう……女神像が壊されなければ戦う必要も無かったのに」
「そうだな」
 ハルカは倒れた首無し騎士を憐れみ、刺さっていた矢を抜いてやる。いつかはこうなっていただろうが、今戦う必要はなかったはずだ。全てはシンジの大馬鹿が女神像を壊したことに起因する。
「道の真ん中じゃあれだから隅に寄せましょう」
「だな」
 俺達は首無し騎士の遺体を道の隅に移動させる。ハルカは首無し騎士を仰向けに寝かせ、手を組ませマントを上にかけてやり、道端の花を供えてやる。
「ねぇ、これは?」
「あ、それか」
 首無し騎士の遺品からハルカは木のタグの様なものを見つける。よほど長旅をするバスターでないと持っていない、出生地と名前を記したキーホルダーだ。もし旅先で死んでも骨の一部くらい故郷に届くようにするためのものだったりする。
「名前は削れて読めないけど、出生地は分かるな。レブサクか」
 地図を確認すると、何の因果か近い場所にその村はあった。無意識に故郷まで戻ってきていたんだな。
「よし、神殿行った帰りに寄ってくか」
 こうして旅の目的を一つ増やし、俺達は目的の神殿へ向かう。が、その前にこの代償をどうしようか……。余計な問題が増えていく様な気がしないでもない。
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