妹に婚約者を奪われ、聖女の座まで譲れと言ってきたので潔く譲る事にしました。〜あなたに聖女が務まるといいですね?〜

雪島 由

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七話

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 「つまらないですね……」

 私は、歩いても歩いても変わらない景色に嫌気がさしていた。
 どれだけ歩いても、森、森、森!
 馬や馬車を使ってるわけじゃないからそんなにすぐに森を抜けられないのは分かってたけど、こんなに同じ景色ばかりだと嫌になりますね。

 そろそろ私が街を出てから二日が経とうとしているので後もう一日、二日歩けば国境に着きますかね。

 そんなことを考えていると唐突に景色が変わりました。

 相変わらず周りは木ばかりだけどこの辺だけは空が見えますね。

 「わぁ、雲一つない綺麗な青空」

 それにしてもここだけどうしてこんなに木が生えていないんでしょう?
 生えていないと言うよりは、木が地面から抜けていたり切り倒されていたりするんですが。

 これ、明らかに戦闘の傷跡ですよね?
 今この森には屍食鬼グール之王がいるので立ち入るような人間は討伐に向かったと言うSランクパーティーだけ……

 「とりあえずこの明らかに戦闘の痕跡が残っている場所は迂回しましょう!」

 ここで戦闘があったと言うことは近くにまだいるかもしれません。絶対に会いたくないのでここは避けるほかありません。
 最悪出くわしても勝てると思うけど、万が一ということもあります。安全第一です。

 とりあえず進むルートが決まった私はこの場所を大きく迂回するような形で進むために足を動かしました。

 一歩、二歩、三歩……

 私は三歩、歩いたところで自分の足に何かが当たった感触があり下を向きました。

 「ヒッ!……」

 ど、どうして、人間の頭部がこんなところに……?

 どうやら頭部から下はないようです。
 流石にこんなものが落ちているなんて思っていなかったので軽くホラーですね。

 「とにかく早くここから離れましょう」

 「グァ? グァァァァァァァア!」

 叫び声がしました。明らかに人間の声でない叫び声が。

 うん、オークとかオーガとか森には魔物がいっぱいいるもんね!

 私はゆっくりと顔をあげました。

 人間の形をしているけど明らかに人間じゃない。どす黒い色の皮膚をして、少し前かがみになっている。
 それから、異常な量の魔力が溢れ出ている。こんなに魔力が溢れ出てる魔物見たことない。

 うぅ、これはもう決まりですね。
 恐らくこの魔物は……

 「屍食鬼之王ですね」

 「ガァァァ!」

 ちょっと! 正解! みたいな感じで返事しないでください!

 
 
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