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十二話
しおりを挟む四人で夕食を食べた後、私はお風呂に入ってから自分の部屋に戻った。
「うーん、疲れた……」
私はベットに倒れこむ。
メイド時代の時に使っていたベットとは違いこの高級ベットは私を優しく包み込んでくれる。
ふかふかだぁ。
今日のハンバーグ作りは正直すごく疲れた。
最後にユキの作ってくれたハンバーグを食べたのは三年ほど前だった思う。
作るのを横から見ていたことはあったけど作るのを手伝ったことは無かったから思い出すのに苦労した。
料理人さんの手を借りずにアベルトさんと私で作ったハンバーグだけど割と上手くできたと思う。昔ユキが作ってくれたのとどちらが美味しかったかと言われれば即答でユキの作ってくれたハンバーグと答える。だけど、初めて作ったにしては及第点だと思う。
今度会ったらコツを聞かないと。
今日のハンバーグ作りを振り返ってから部屋の電気を消した。
疲れたのでもう寝ることにする。
「ん? 明かり?」
部屋のカーテンを閉めていなかったので窓の外の明かりが見えた。
ここ一帯は王家の敷地なので他の家の明かりということはまずないし、街灯もなかったはず。
一体なんだろう。
私は起き上がって窓から外を見る。
「陛下?」
窓の外を見るとランプを持った陛下が歩いていた。
こんな夜遅くにどうしたんだろう?
気になってしまった私は陛下を追いかけることにした。
すぐに部屋を出て靴を履き外に出る。
「えーと、この辺だったはずなんだけど……」
ちょうどさっきまで居た部屋の下のあたりに来て陛下を探す。
うーん、いない。
一体どこ行ったんだろう?
それから陛下が歩いて行ったと思われる方向に歩きながら探していると奥の方で明かりが見えたような気がした。
その方向に走っていくと徐々に明かりが見えてくる。
そして、とうとう陛下の姿が見えた。
「こんなところでどうしたんですか?」
私が声をかけるとランプをこちらに向けてくる。
「セラか。お前こそどうしてここに?」
「私は陛下がランプを持ってこんな夜遅くに歩いていく姿が見えたので気になって」
「そうか。報告をしなければと思ったのでな」
「報告?」
私が疑問を口にすると陛下がランプを別の報告に向けた。
ランプに照らされてぼんやりと見えて来たのは一つのお墓だった。
その墓石には一つの名前が彫られている。
「リリア・アミーツ……」
アミーツとはこの国の名前だ。
アミーツ王国。王国の名前がつく人間なんてほとんどが偉い人のはずだ。
それにリリアという名前は聞いたことがある。
「私の妻……お前の母親だ」
陛下は静かに言った。
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