パーティー中に婚約破棄された私ですが、実は国王陛下の娘だったようです〜理不尽に婚約破棄した伯爵令息に陛下の雷が落ちました〜

雪島 由

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九話

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 「それじゃあ、俺も仕事に行って来るよ」

 「行ってらっしゃい、兄さん」

 「行ってらっしゃい、グランさん」

 「あぁ、それじゃ」

 食事を終えた後すぐにグランさんは仕事に行ってしまった。

 「さて、二人とも仕事に行ってしまったし夜まで暇ですね。何かやりたいこととかありません?」

 「私ですか? そうですねぇ……今まで生きていければそれでいいと思って生活してきたので特に何がしたいというのはないんですよね」

 「それは困りましたね。今日一日が暇になってしまいます」

 真剣に困ったという表情をするアベルトさん。
 陛下とグランさんは仕事があるって言ってたけど、アベルトさんの仕事は今日は休みなのかな?

 「アベルトさんの仕事って今日は休みなんですか?」

 「え? 僕の仕事は毎日休みだよ?」

 「え?」

 毎日? それって働いてないってことじゃ……

 「僕は国王になるとかは興味ないからあんまり仕事とか勉強とかないんですよね。だから次期国王は兄さんで決まりかな。
 その方が兄弟関係も良好に保てるし、僕もめんどくさい仕事につかなくていいしWin Winですね。
 仕事としては時々第二王子としての仕事がありますけど」

 「じゃあ普段は何を?」

 「いつもは剣を振ったり、魔法の練習をしてみたりですかね」

 「すごいですね」

 魔法なんて使える人少ないのに。

 「まぁ、いつも兄さんと剣の試合をすると負けてしまうのですごいと言われるほどではありませんよ」

 「グランさんも剣が使えるんですか?」

 「兄さんは習慣的に王国騎士団と訓練をしていますから。噂では王国騎士団の中で騎士団長の次に強いとか」

 「そんなにつよいんですか!?」

 王国騎士団長って言ったらこの国の中でもトップの剣の腕を誇る人じゃないですか!?
 
 「いや~、すごいですよね。国王になるための勉強もして、第一王子としての仕事もして、それで剣の腕もたつんですから」

 「それは多才ですね」

 「それはそうと、何かやりたいこと見つかりました?」

 「やりたい事ですか……」

 メイド時代にはできなかった事。
 沢山あるけど今すぐこれと言ったものって見つからないんですよね。

 うーん。

 「ここで考えていても思いつかないかもしれませんし、街にでも行ってみますか?」

 「そうですね。王都に来てから観光もしてませんし」

 とりあえず私たちは街に出ることにした。

 
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