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七話
しおりを挟む「陛下、ラグル・レイフォード伯爵と息子のヴィル・レイフォードが到着しました。
現在は応接室にて待機させてあります」
食事を終えてから陛下は宰相であるレグダスからその報告を受けた。
「すぐに行こう」
陛下はそのままレイフォード親子が待つ応接室に直行した。
陛下は応接室の前で息を整え、部屋へ入る。
「陛下、この度はこの馬鹿息子が大変ご無礼な事をしでかしてしまい、申し訳ありません!」
応接室に陛下が入るなり、ラグル・レイフォードは土下座をしながらそう言った。
「……」
陛下はそれに答えずにレイフォード親子と対面に座り、その後ろに宰相のレグダスが立つ。
「ラグル。今回、お前の息子は私の娘であるセラをパーティー会場で婚約を破棄し、馬鹿にした。
この意味がわかるな」
「はい……」
ラグルは静かに答える。
一方ヴィルはじっと下を向いている。
「いくら伯爵令息であろうと、王女に対してあの行為は許されるものではない。
不敬罪だ」
陛下は自分の娘が馬鹿にされたことに対して不敬罪を適用するようだ。
「ラグル。今回息子がこのような行動をしたのはお前の責任でもある」
「おっしゃる通りです……」
「今回の件により、レイフォード伯爵家の爵位を剥奪。爵位を男爵にまで格下げとする。以上だ」
「……本当に申し訳ありません」
「陛下、それはおかしくありませんか?」
今まで黙って下を向いていたヴィルがそう言った。
「おい! 何を言っているんだヴィル! これ以上レイフォード家の名を汚すんじゃない!」
ラグルがヴィルを怒鳴りつけるが聞き入れる様子はない。
「私はセラが平民だと思って婚約しましたし、昨日のパーティーまで平民だと思っていました。
そもそも陛下に娘がいたなんて話聞いたこともありません。あの場にいた誰もが平民の娘だと認識していました。
それなのに急に陛下の娘だと明かされ、不敬罪を適用など横暴じゃありませんか?」
ヴィルの言う通りパーティーの時、陛下がセラを自分の娘だと宣言するまで誰もセラを王族として認識していなかった。出来るわけがなかった。
「平民なら許されるのか?」
「いえ……私に非があったことは認めます。ですがあの出来事に対して我がレイフォード家を男爵にまで格下げなど横暴です。
もう少し軽くしてもらえないでしょうか」
「ヴィル。貴様はあの一件の処分はレイフォード家が男爵に格下げされることだけだと思っているのか?」
「どういう事ですか、陛下?」
「レイフォード家が男爵にまで格下げされるのは、貴様の行いを止められなかったラグルへの処分だ。貴様の罪への処罰はまだ言い渡していないぞ」
「え……?」
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