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『・・・もう・・・いいです・・・時継様・・・これ以上会話を続けても・・・何も解決しないと思いますので・・・頭を上げて下さい。』
千代がそう言った後ふと頭を上げると刀を持った千代が私に向かって突進してきた。
『危ないっっ!』
突然の事で悲鳴をあげる事も出来なかった私の前には時継様が立ち塞がってくれた。そしてそれと同時に自分の目の前に血飛沫が舞った。
『・・・と、時継様・・・ち、血が・・・。』
『あ、ああ・・・大丈夫、これくらいかすり傷だ。』
致命傷は免れたものの時継様の左腕からは血が流れており、どんどん着物を染めていった。
時継様が千代を受け止めた時の衝撃で刀は畳に滑り落ちており千代もその衝撃で尻餅をついていた。
『時継様・・・わらわは・・・なんて事を・・・。』
『千代・・・いいんだ。私が全て悪いのだから。だからこそお願いだ。ゆきに危害を与えるのだけはやめてくれ。何かあるのであれば私が全て受け入れよう。』
『時継様!大丈夫ですか!?』
騒ぎを聞きつけて近くにいたであろう秋道さんが駆けつけてくれた。すぐに自分の着物を破り時継様の腕に巻き付け止血してくれた。
千代は魂が抜けたように座り込んでおりもうこちらに危害を加える気はないように見えた。
そして私が千代のその姿を確認した瞬間外から強い光が差し込んだ。
『あ、あれは・・・。』
私は立ち上がり茫然として庭の方を見つめた。
『・・・ゆき、一体どうしたのだ。』
『・・・・・。』
満月の下見覚えのある青い光が屋敷に現れていた。これまでに見たことないくらいの眩しい光。そしてその光に包まれている中にはブラックホールみたいな黒い竜巻が見えた。あれはまさしくお地蔵さんがいる方向だ。
今までとは明らかに違う青い光。光の強さによって光が消えた後の衝撃も大きくなっていった・・・・という事は。
『時継様・・・秋道さん・・・光が・・・お地蔵さんのいる方向に青い光が見えます。落とし穴が・・・また大きくなったみたいです。』
時継様も秋道さんも庭の方向を見るがやはり私にしか見えないらしい。
『今までとは様子が明らかに違うんです。もしこのまま青い光と落とし穴が消えたら前みたいに身体が少し吹き飛ばされるだけじゃ済まされないかもしれません。屋敷事全部・・・吹き飛ばされるかも・・・。』
『な、なんと・・・。』
『時継様、とにかく屋敷にいる人を全員外に避難させましょう!!』
『あ、ああそうだな!』
『しかしなんと言ってみんなに外に出てもらうのだ?』
『この際理由なんてなんでもいいですよ!このままじゃ全員の命が危ないんです!』
そしてそのやりとりを見ていた千代がすっと立ち上がり草履も履かずにおもむろにお地蔵さんのいる方向に歩き出した。
『・・・千代、待って!どこに行くつもり!?』
止めようと急いで千代に近づき手を掴んだけど強く振り払われた。
『・・・落とし穴?まだそんな夢みたいな事を。そなたにはやはりまやかしでも見せる力があるというのか?時継様も秋道もそんなものを信じて気でもふれたのですか?そもそも・・・本当にそんなものがあるというのなら見せてもらおうじゃないか。もとはといえばそんなものがあるからそなたはどっかから屋敷に降ってきたのだろう。もし本当にそれを見れればわらわも納得せざるを得ない。見せてみるがいい、その落とし穴とやらを!』
そう言うと千代は落とし穴の方向に走り出した。
もしあの落とし穴の中に千代が入ってしまえば私のいた世界か・・・もしくは全く別の世界に飛ばされてしまうかもしれない。それにあんなにグルグル巻いてる竜巻の中に入っていったら・・・千代の命だって危ないかもしれない。
そう考えた時には恐怖など消えていて無心で千代の後ろ姿を追っていた。
そして走り出す千代や私の後を時継様や秋道さんも追いかけてきていた。
千代がそう言った後ふと頭を上げると刀を持った千代が私に向かって突進してきた。
『危ないっっ!』
突然の事で悲鳴をあげる事も出来なかった私の前には時継様が立ち塞がってくれた。そしてそれと同時に自分の目の前に血飛沫が舞った。
『・・・と、時継様・・・ち、血が・・・。』
『あ、ああ・・・大丈夫、これくらいかすり傷だ。』
致命傷は免れたものの時継様の左腕からは血が流れており、どんどん着物を染めていった。
時継様が千代を受け止めた時の衝撃で刀は畳に滑り落ちており千代もその衝撃で尻餅をついていた。
『時継様・・・わらわは・・・なんて事を・・・。』
『千代・・・いいんだ。私が全て悪いのだから。だからこそお願いだ。ゆきに危害を与えるのだけはやめてくれ。何かあるのであれば私が全て受け入れよう。』
『時継様!大丈夫ですか!?』
騒ぎを聞きつけて近くにいたであろう秋道さんが駆けつけてくれた。すぐに自分の着物を破り時継様の腕に巻き付け止血してくれた。
千代は魂が抜けたように座り込んでおりもうこちらに危害を加える気はないように見えた。
そして私が千代のその姿を確認した瞬間外から強い光が差し込んだ。
『あ、あれは・・・。』
私は立ち上がり茫然として庭の方を見つめた。
『・・・ゆき、一体どうしたのだ。』
『・・・・・。』
満月の下見覚えのある青い光が屋敷に現れていた。これまでに見たことないくらいの眩しい光。そしてその光に包まれている中にはブラックホールみたいな黒い竜巻が見えた。あれはまさしくお地蔵さんがいる方向だ。
今までとは明らかに違う青い光。光の強さによって光が消えた後の衝撃も大きくなっていった・・・・という事は。
『時継様・・・秋道さん・・・光が・・・お地蔵さんのいる方向に青い光が見えます。落とし穴が・・・また大きくなったみたいです。』
時継様も秋道さんも庭の方向を見るがやはり私にしか見えないらしい。
『今までとは様子が明らかに違うんです。もしこのまま青い光と落とし穴が消えたら前みたいに身体が少し吹き飛ばされるだけじゃ済まされないかもしれません。屋敷事全部・・・吹き飛ばされるかも・・・。』
『な、なんと・・・。』
『時継様、とにかく屋敷にいる人を全員外に避難させましょう!!』
『あ、ああそうだな!』
『しかしなんと言ってみんなに外に出てもらうのだ?』
『この際理由なんてなんでもいいですよ!このままじゃ全員の命が危ないんです!』
そしてそのやりとりを見ていた千代がすっと立ち上がり草履も履かずにおもむろにお地蔵さんのいる方向に歩き出した。
『・・・千代、待って!どこに行くつもり!?』
止めようと急いで千代に近づき手を掴んだけど強く振り払われた。
『・・・落とし穴?まだそんな夢みたいな事を。そなたにはやはりまやかしでも見せる力があるというのか?時継様も秋道もそんなものを信じて気でもふれたのですか?そもそも・・・本当にそんなものがあるというのなら見せてもらおうじゃないか。もとはといえばそんなものがあるからそなたはどっかから屋敷に降ってきたのだろう。もし本当にそれを見れればわらわも納得せざるを得ない。見せてみるがいい、その落とし穴とやらを!』
そう言うと千代は落とし穴の方向に走り出した。
もしあの落とし穴の中に千代が入ってしまえば私のいた世界か・・・もしくは全く別の世界に飛ばされてしまうかもしれない。それにあんなにグルグル巻いてる竜巻の中に入っていったら・・・千代の命だって危ないかもしれない。
そう考えた時には恐怖など消えていて無心で千代の後ろ姿を追っていた。
そして走り出す千代や私の後を時継様や秋道さんも追いかけてきていた。
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