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13 【秋道視点】

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布団に横たわって深くため息をついた。なんだか今日は疲れる一日だった。

玄関で待っているといつもより鮮やかな着物を着た女が現れた。

『お待たせしました。』

不覚にもちゃんとすれば可愛い娘じゃないかと思ってしまった。

いかん、いかん、頭を切り替えなければ!これから化けの皮をはがしにいくのだ!

『・・・いくぞっ!』

雑念を取り払って私は颯爽と街へ向かった。それなのに気付いた時には女は後ろにいなかった。

まずい、逃げられた!私としたことが!もしやこの隙に時継様に何か仕掛けるのではあるまいな!そう思うと一気に血の気が引いて屋敷への道を一目散に突っ走る。すると戻っている途中に女はあっさり見つかった。

『な、何しておるのだ!』

『着物にスニーカーは合わないので草履にしたんですが・・・あ、スニーカーっていうのは私が最初に履いていた履物です!でも草履はあまり履いて歩いた事がないので歩きづらくて・・・早く歩けません。』

私の歩みが早かっただけか、なんだ、人騒がせな。

『そ、そうか、なら早く言えばいいものを!』

女は物珍しいのか街並みをキョロキョロ見ていたがそのうち視線が止まり一点を見つめている。

ムムッ、怪しいぞ。

まさか何か見つけたのか?街の中に仲間でもいるまいな・・・。

グゥー。

すると女の腹の音が聞こえた。

『なんだ、腹が減ってるのか?』

人騒がせな。しかしあまりにも羨ましそうに見ているので私は渋々店員を呼び団子を二つ注文する。

『おい、お主、ここに座れ。』

ボーっとするな、恥ずかしい、とは思ったがすんでのところで言うのを辞めた。
人の目もあるのだ、仲間も隠れてこちらを伺っておるのかもしれぬ。そうして私はこちらに来なさいと椅子をポンポンと叩き女を呼び寄せた。

『ほら、食べろ。』

『いいんですか?私、お金持って無くて・・・。』

『なんだそんなことか。お金のことは心配しなくてもよい。何か街で欲しいものがあれば私に言え。』

すると女は子供のように喜んだ顔をして団子を食べ始めた。

『美味しいか?』

『はい、ご馳走していただきありがとうございます!』

あまりにも嬉しそうに団子を食べるので見てるこちらも悪い気はしない・・・っはっ!私は何を考えているのだ!やはりこの女、何か変な術を持っているのか!
わ、私は騙されんぞ!

そうして動揺しているうちに団子を食べ終わった。さて、次はどこへ行こうか。

『ここを真っ直ぐ行けば大通りに出る。そこはいろんな物が売っているぞ。』

気を利かせたつもりだった。

『・・・ちょっとここで待っててもらってもいいですか?』

それなのに女は迷いなく橋の麓にある階段を降りて行ってしまった。


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