18 / 28
17【ミキ視点】
しおりを挟む
今日は待ちに待ったデートの日。もうすぐサトルさんに会える。そう思うだけで胸が苦しくなった。
新調した春らしいピンクのニットは今までの自分だったら絶対に触れていなかった色だ。サトルさんの隣にいて少しでも違和感の無い女性になりたい。あのキラキラしたオーラの中にふさわしい色味はいつも手に取りがちなグレーや黒ではないだろう。トルソーが着ているものなんて今まで気にした事無かったのに私にとっては派手目なそのニットに迷わず手を伸ばした。
変じゃないかな・・・家の鏡の前で何度もくるくる回った。でも、これしかない訳だし少なくともいつもよりはましなはず!そうやってなんとか自分を鼓舞し誤魔化しながら待ち合わせ場所へ向かった。
道路で待っていると遠くからサトルさんの車が走ってくるのが見えた。
ああ、本当に来てくれたんだ。
トクン、トクンと胸の鼓動が聞こえるのを感じたままサトルさんの車はあっという間に自分の前に止まった。
「こんにちは。」
「こんにちは。今日も可愛い服着てるんだね!とても似合っているよ!」
「あ、ありがとうございます!」
サトルさんは不思議なくらい私が欲しかった言葉を沢山くれる人だった。人の心の中が読めるのかな?なんてこの時は思ったりもしていた。私は嬉しくて顔が真っ赤になりながらもサトルさんの車に乗り込み映画館へと向かった。
週末の映画館はかなり混んでいて家族連れや恋人同士で来ている人も多かった。
サトルさんはカッコよくて目立つから人混みの中でもすれ違い様にチラッと見られ、視線を感じる事が多かった。当の本人は全く気にしてなかったけど周りの人達からみたら・・・私とサトルさんは恋人同士に見えるのかな?
サトルさんが近距離に座っている。そう思うだけで正直映画どころでは無く、恋愛映画の内容は全く入って来なかった。視線を感じて振り向いた先にいるサトルさんの笑顔に翻弄されながら夢心地で上映時間を過ごしたんだ。
それから美味しいイタリアンでご馳走になりそろそろ食べ終わる、その時だった。
「ミキ、この後どうする?」
この後どうするの意味は・・・一つしか思い当たらなかった。
「明日も休みだよね?よかったらボクの家に来ないかい?」
「あ・・・えっと・・・。」
「抵抗あるようだったらミキの家まで送って行くし。」
断る理由なんて無い。わかっていても頭をよぎるのはまた自分が傷つくんじゃないかって事だった。サトルさんに限って身体目当てなんて事は無いだろうけど・・・ましてや私なんか・・・。
本当はもっと一つ一つ、関係を上書きしてお互いを知っていくのが恋愛だったのかもしれない。
でも恋愛から遠のき過ぎて経験もあまり無い私は目の前の綺麗なサトルさんという存在に負けた。
この後、身体も心もボロボロになって記憶が途絶えるとも知らずに。
新調した春らしいピンクのニットは今までの自分だったら絶対に触れていなかった色だ。サトルさんの隣にいて少しでも違和感の無い女性になりたい。あのキラキラしたオーラの中にふさわしい色味はいつも手に取りがちなグレーや黒ではないだろう。トルソーが着ているものなんて今まで気にした事無かったのに私にとっては派手目なそのニットに迷わず手を伸ばした。
変じゃないかな・・・家の鏡の前で何度もくるくる回った。でも、これしかない訳だし少なくともいつもよりはましなはず!そうやってなんとか自分を鼓舞し誤魔化しながら待ち合わせ場所へ向かった。
道路で待っていると遠くからサトルさんの車が走ってくるのが見えた。
ああ、本当に来てくれたんだ。
トクン、トクンと胸の鼓動が聞こえるのを感じたままサトルさんの車はあっという間に自分の前に止まった。
「こんにちは。」
「こんにちは。今日も可愛い服着てるんだね!とても似合っているよ!」
「あ、ありがとうございます!」
サトルさんは不思議なくらい私が欲しかった言葉を沢山くれる人だった。人の心の中が読めるのかな?なんてこの時は思ったりもしていた。私は嬉しくて顔が真っ赤になりながらもサトルさんの車に乗り込み映画館へと向かった。
週末の映画館はかなり混んでいて家族連れや恋人同士で来ている人も多かった。
サトルさんはカッコよくて目立つから人混みの中でもすれ違い様にチラッと見られ、視線を感じる事が多かった。当の本人は全く気にしてなかったけど周りの人達からみたら・・・私とサトルさんは恋人同士に見えるのかな?
サトルさんが近距離に座っている。そう思うだけで正直映画どころでは無く、恋愛映画の内容は全く入って来なかった。視線を感じて振り向いた先にいるサトルさんの笑顔に翻弄されながら夢心地で上映時間を過ごしたんだ。
それから美味しいイタリアンでご馳走になりそろそろ食べ終わる、その時だった。
「ミキ、この後どうする?」
この後どうするの意味は・・・一つしか思い当たらなかった。
「明日も休みだよね?よかったらボクの家に来ないかい?」
「あ・・・えっと・・・。」
「抵抗あるようだったらミキの家まで送って行くし。」
断る理由なんて無い。わかっていても頭をよぎるのはまた自分が傷つくんじゃないかって事だった。サトルさんに限って身体目当てなんて事は無いだろうけど・・・ましてや私なんか・・・。
本当はもっと一つ一つ、関係を上書きしてお互いを知っていくのが恋愛だったのかもしれない。
でも恋愛から遠のき過ぎて経験もあまり無い私は目の前の綺麗なサトルさんという存在に負けた。
この後、身体も心もボロボロになって記憶が途絶えるとも知らずに。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子
ちひろ
恋愛
マッサージ師にそれっぽい理由をつけられて、乳首とクリトリスをいっぱい弄られた後、ちゃっかり手マンされていっぱい潮吹きしながらイッちゃう女の子の話。
Fantiaでは他にもえっちなお話を書いてます。よかったら遊びに来てね。
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)
幻田恋人
恋愛
夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。
でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。
親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。
童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。
許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…
僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…
愛娘(JS5)とのエッチな習慣に俺の我慢は限界
レディX
恋愛
娘の美奈は(JS5)本当に可愛い。そしてファザコンだと思う。
毎朝毎晩のトイレに一緒に入り、
お風呂の後には乾燥肌の娘の体に保湿クリームを塗ってあげる。特にお尻とお股には念入りに。ここ最近はバックからお尻の肉を鷲掴みにしてお尻の穴もオマンコの穴もオシッコ穴も丸見えにして閉じたり開いたり。
そうしてたらお股からクチュクチュ水音がするようになってきた。
お風呂上がりのいい匂いと共にさっきしたばかりのオシッコの匂い、そこに別の濃厚な匂いが漂うようになってきている。
でも俺は娘にイタズラしまくってるくせに最後の一線だけは超えない事を自分に誓っていた。
でも大丈夫かなぁ。頑張れ、俺の理性。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる