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ーーーピッ、ピッ、ピッ。
・・・・・。
医療ドラマ等でよく聞く心電図の機械音を聞きながら目が覚めた。無機質な柄の天井が少しずつ鮮明に見えてくる。
ここは・・・病院!?
慌てて身体を起こそうとすると身体全体に痛みが走り思わず身体を硬らせる。身体のあちこちに包帯が巻かれ右足はギブスで固定されている状態だった。どうやらここは個室のようで部屋にはボク以外誰もいなかった。ボクはそばにあったナースコールを押す。すると応答より先に外からバタバタと人が走ってくる音が聞こえてきてすぐに病室のドアが開いた。
「・・・黄田川さん、お目覚めになられたんですね!良かった!」
そこには医者であろう人物と後ろには数人の看護婦さんも来ていた。
「七日間寝たきりだったんですよ。ご気分はいかがですか?」
「・・・まあなんとか・・・それより、家族は皆この病院に入院しているんですよね!?姉さんは・・・姉さんは無事なんですか!?」
ボクがこの時先に姉さんの病状を聞いたのは車の中で見た光景で一番重症なのは明らかに姉さんだと思っていたからだ。
「お姉様は数日前に目を覚まされました。黄田川さんと同じく骨折や身体中に裂傷の後が多数みられています。頭を強く打たれていたのですぐに検査をしましたが異常は見られませんでした。お二人共しばらく入院していただいてリハビリに励んでいただければ二カ月後には退院になるかと思います。」
「そうですか・・・じゃあ父さんと母さんは入院するまでの怪我は無かったって事ですよね。」
とりあえず、家族全員は無事なのか・・・そう思って一安心した時だった。
「・・・・・・・・。」
すぐに返答が無くておかしいと思いボクが医者やナースの方を見ると皆うつむいて暗い顔をしていた。
「・・・お伝えしなければいけない事があります。」
医者が気まずそうに切り出した。
「誠に残念な事ではありますが・・・救急車が到着した時にはもうお父様とお母様は心停止の状態でした。蘇生措置などを試みましたが・・・力及ばす・・・お二人共、その日にお亡くなりになられました。
「えっ・・・・・。」
ボクが絶句している最中も医者とナースは頭を下げ続けていた。
父さんと母さんが亡くなった???
そんな、まさか!?
だってボクが気を失う前に二人の姿を見たじゃないか。ボクが出血多量で死ぬならわかる。でも二人は明らかにボクや姉さんより出血なんてしていなかったし、失神しているだけで死ぬような状態には見えなかった。あれは・・・幻を見たって事?違う!そんな事ありえない!
「っ・・・痛っ。」
「黄田川さん、大丈夫ですか!?」
頭の混乱と共に激しい頭痛に見舞われた。
「・・・痛み止めの点滴を入れますね。とりあえず今日はゆっくり休みましょう!お姉様も今は安静にしておられますので。」
「・・・姉さん?」
そうだ、姉さんはこの病院にいるんだ!
「今すぐ、姉さんに会わせてください!きっと父さんと母さんが死んだなんて何かの間違いなんです!姉さんが何か知っているかも!」
暴れ出したボクに注入された点滴は今考えれば痛み止めじゃなくて強い麻酔みたいなものだったんじゃないかって思う。
まああのままだったらずっと暴れて誰かに怪我を負わせてたかもしれないし、医者としては懸命な判断だったんじゃないかって思うよ。
次に目が覚めたのは翌日の午前中でしばらくは身体が重く頭も冴えなくて暴れる気力も失っていた。そして動けない身体で車の中で見た事を繰り返し思い出していた。
・・・・・。
医療ドラマ等でよく聞く心電図の機械音を聞きながら目が覚めた。無機質な柄の天井が少しずつ鮮明に見えてくる。
ここは・・・病院!?
慌てて身体を起こそうとすると身体全体に痛みが走り思わず身体を硬らせる。身体のあちこちに包帯が巻かれ右足はギブスで固定されている状態だった。どうやらここは個室のようで部屋にはボク以外誰もいなかった。ボクはそばにあったナースコールを押す。すると応答より先に外からバタバタと人が走ってくる音が聞こえてきてすぐに病室のドアが開いた。
「・・・黄田川さん、お目覚めになられたんですね!良かった!」
そこには医者であろう人物と後ろには数人の看護婦さんも来ていた。
「七日間寝たきりだったんですよ。ご気分はいかがですか?」
「・・・まあなんとか・・・それより、家族は皆この病院に入院しているんですよね!?姉さんは・・・姉さんは無事なんですか!?」
ボクがこの時先に姉さんの病状を聞いたのは車の中で見た光景で一番重症なのは明らかに姉さんだと思っていたからだ。
「お姉様は数日前に目を覚まされました。黄田川さんと同じく骨折や身体中に裂傷の後が多数みられています。頭を強く打たれていたのですぐに検査をしましたが異常は見られませんでした。お二人共しばらく入院していただいてリハビリに励んでいただければ二カ月後には退院になるかと思います。」
「そうですか・・・じゃあ父さんと母さんは入院するまでの怪我は無かったって事ですよね。」
とりあえず、家族全員は無事なのか・・・そう思って一安心した時だった。
「・・・・・・・・。」
すぐに返答が無くておかしいと思いボクが医者やナースの方を見ると皆うつむいて暗い顔をしていた。
「・・・お伝えしなければいけない事があります。」
医者が気まずそうに切り出した。
「誠に残念な事ではありますが・・・救急車が到着した時にはもうお父様とお母様は心停止の状態でした。蘇生措置などを試みましたが・・・力及ばす・・・お二人共、その日にお亡くなりになられました。
「えっ・・・・・。」
ボクが絶句している最中も医者とナースは頭を下げ続けていた。
父さんと母さんが亡くなった???
そんな、まさか!?
だってボクが気を失う前に二人の姿を見たじゃないか。ボクが出血多量で死ぬならわかる。でも二人は明らかにボクや姉さんより出血なんてしていなかったし、失神しているだけで死ぬような状態には見えなかった。あれは・・・幻を見たって事?違う!そんな事ありえない!
「っ・・・痛っ。」
「黄田川さん、大丈夫ですか!?」
頭の混乱と共に激しい頭痛に見舞われた。
「・・・痛み止めの点滴を入れますね。とりあえず今日はゆっくり休みましょう!お姉様も今は安静にしておられますので。」
「・・・姉さん?」
そうだ、姉さんはこの病院にいるんだ!
「今すぐ、姉さんに会わせてください!きっと父さんと母さんが死んだなんて何かの間違いなんです!姉さんが何か知っているかも!」
暴れ出したボクに注入された点滴は今考えれば痛み止めじゃなくて強い麻酔みたいなものだったんじゃないかって思う。
まああのままだったらずっと暴れて誰かに怪我を負わせてたかもしれないし、医者としては懸命な判断だったんじゃないかって思うよ。
次に目が覚めたのは翌日の午前中でしばらくは身体が重く頭も冴えなくて暴れる気力も失っていた。そして動けない身体で車の中で見た事を繰り返し思い出していた。
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