6 / 28
5 【ミキ視点】
しおりを挟む
「カップルになれたの!?良かったじゃない!」
帰って早速お母さんに結果を報告したらあからさまにびっくりされた。自分が婚活パーティーを薦めてきたくせにまさか娘が本当にカップルになって帰ってくるとは思ってなかったんだろう・・・。
「それで、どんな人なの?」
「どんなって・・・キラキラしてカッコイイ人だよ。私なんかにはもったいないくらい・・・。」
「なにそれ?まあ好みは人それぞれだからね、ミキがたまたまタイプだったんでしょ。その彼は何の仕事している人?」
「自分で会社やってるって・・・。」
「じゃあ社長さんなの!?ミキ、やったじゃない!玉の輿よ!絶対逃がさないようにしないと!」
「そう・・・だね・・・。」
サトルさんの話を聞いて興奮し始めたお母さんを置いてけぼりにして私は自分の部屋に戻った。
「よかったら今度うちに遊びにおいでよ!」
サトルさんがそう言ってくれた時、ドキッとしたし嬉しくもあった。でもここでホイホイついていく女ってどうなんだろうっていう考えが頭をよぎった。そんなつもりは無いんだろうけどなんだか試されている感覚に陥ったんだ。それに、恋愛するって物凄いエネルギーを使う。とんとん拍子に事が過ぎていって突然傷つくのが怖かったのもある。
「あっ、ごめんね、出会ったばっかりなのに自宅に誘うなんて流石に不謹慎だよね。ただ、ミキにボクの事もっとよく知って貰いたいなって思っただけなんだ。今のは忘れて!そうだな・・・今度映画でも観に行こうか?」
サトルさんと家族の話を少ししたんだ。ご両親が交通事故で亡くなって天涯孤独の身だから早く家族が欲しいなって思って今回パーティーに参加したらしい。自宅は自分一人が過ごすには広すぎて毎日寂しいって。私が母子家庭な事も話した。
「ミキのお母さんだもん、きっと優しい人なんだろうね!」
と言ってくれた。私を真っ直ぐ見つめるサトルさんの瞳は綺麗なガラス玉みたいだった。だけどその奥の方にはなんていうか寂しさや孤独みたいなものがいっぱいつまっている気がした。
みんなが憧れるようなこんな人にもきっと抱えてるものや悩みなんかがあるのかな・・・。
それを私はわかってあげられるだろうか?
受け入れてあげられるだろうか??
サトルさんと・・・家族に・・・???
飛躍しすぎてる自分の発想に恥ずかしさを感じつつも今日会ったばかりの彼の存在がどんどんどんどん大きくなっていくのを感じた。不安と期待が入り混じっている心境の中で私は次の一歩を踏み出した。
「あの・・・行きたいです。映画も・・・サトルさんの家も・・・。」
「そっか、よかった!じゃあまた来週末会えるかな?」
「・・・はい!」
「楽しみだな!」
私が返事をするとサトルさんは屈託のない少年のような笑顔を見せた。
「じゃあ、また来週だね!」
サトルさんは家まで送ってくれると言ってくれたけど、お金持ちであろうサトルさんに庶民が住んでる何の変哲もないこのアパート近くまで送ってもらうのは気が引けてしまった。
また来週・・・か。サトルさんの言葉を思い出しふとクローゼットの方を見た。来週は何を着て行こうか?
久しくお出掛けするなんて事から遠ざかっていた私には今日来ていった小花柄のワンピースくらいしかデートに使える服が無い。来週末までには仕事終わりにでも可愛い服を買いに行かないとな。
布団の中、時間が経つのが楽しみなのはどれくらいぶりなのか考えた。子供の頃は些細な事でもワクワクして明日に希望が持てていたはずなのにな。
そして翌日からまるで世界が変わったかのように毎日仕事に勤しむ自分がいた。
やりがいなんて相変わらず無かったけどそれでもいいと思えた。もうすぐサトルさんと会える。そう思うだけで退屈で一辺倒なこの仕事にも希望が見出せたんだ。
帰って早速お母さんに結果を報告したらあからさまにびっくりされた。自分が婚活パーティーを薦めてきたくせにまさか娘が本当にカップルになって帰ってくるとは思ってなかったんだろう・・・。
「それで、どんな人なの?」
「どんなって・・・キラキラしてカッコイイ人だよ。私なんかにはもったいないくらい・・・。」
「なにそれ?まあ好みは人それぞれだからね、ミキがたまたまタイプだったんでしょ。その彼は何の仕事している人?」
「自分で会社やってるって・・・。」
「じゃあ社長さんなの!?ミキ、やったじゃない!玉の輿よ!絶対逃がさないようにしないと!」
「そう・・・だね・・・。」
サトルさんの話を聞いて興奮し始めたお母さんを置いてけぼりにして私は自分の部屋に戻った。
「よかったら今度うちに遊びにおいでよ!」
サトルさんがそう言ってくれた時、ドキッとしたし嬉しくもあった。でもここでホイホイついていく女ってどうなんだろうっていう考えが頭をよぎった。そんなつもりは無いんだろうけどなんだか試されている感覚に陥ったんだ。それに、恋愛するって物凄いエネルギーを使う。とんとん拍子に事が過ぎていって突然傷つくのが怖かったのもある。
「あっ、ごめんね、出会ったばっかりなのに自宅に誘うなんて流石に不謹慎だよね。ただ、ミキにボクの事もっとよく知って貰いたいなって思っただけなんだ。今のは忘れて!そうだな・・・今度映画でも観に行こうか?」
サトルさんと家族の話を少ししたんだ。ご両親が交通事故で亡くなって天涯孤独の身だから早く家族が欲しいなって思って今回パーティーに参加したらしい。自宅は自分一人が過ごすには広すぎて毎日寂しいって。私が母子家庭な事も話した。
「ミキのお母さんだもん、きっと優しい人なんだろうね!」
と言ってくれた。私を真っ直ぐ見つめるサトルさんの瞳は綺麗なガラス玉みたいだった。だけどその奥の方にはなんていうか寂しさや孤独みたいなものがいっぱいつまっている気がした。
みんなが憧れるようなこんな人にもきっと抱えてるものや悩みなんかがあるのかな・・・。
それを私はわかってあげられるだろうか?
受け入れてあげられるだろうか??
サトルさんと・・・家族に・・・???
飛躍しすぎてる自分の発想に恥ずかしさを感じつつも今日会ったばかりの彼の存在がどんどんどんどん大きくなっていくのを感じた。不安と期待が入り混じっている心境の中で私は次の一歩を踏み出した。
「あの・・・行きたいです。映画も・・・サトルさんの家も・・・。」
「そっか、よかった!じゃあまた来週末会えるかな?」
「・・・はい!」
「楽しみだな!」
私が返事をするとサトルさんは屈託のない少年のような笑顔を見せた。
「じゃあ、また来週だね!」
サトルさんは家まで送ってくれると言ってくれたけど、お金持ちであろうサトルさんに庶民が住んでる何の変哲もないこのアパート近くまで送ってもらうのは気が引けてしまった。
また来週・・・か。サトルさんの言葉を思い出しふとクローゼットの方を見た。来週は何を着て行こうか?
久しくお出掛けするなんて事から遠ざかっていた私には今日来ていった小花柄のワンピースくらいしかデートに使える服が無い。来週末までには仕事終わりにでも可愛い服を買いに行かないとな。
布団の中、時間が経つのが楽しみなのはどれくらいぶりなのか考えた。子供の頃は些細な事でもワクワクして明日に希望が持てていたはずなのにな。
そして翌日からまるで世界が変わったかのように毎日仕事に勤しむ自分がいた。
やりがいなんて相変わらず無かったけどそれでもいいと思えた。もうすぐサトルさんと会える。そう思うだけで退屈で一辺倒なこの仕事にも希望が見出せたんだ。
0
お気に入りに追加
2
あなたにおすすめの小説
近辺オカルト調査隊
麻耶麻弥
ホラー
ある夏の夜、幼なじみの健人、彩、凛は
ちょっとした肝試しのつもりで近辺で噂の幽霊屋敷に向かった。
そこでは、冒涜的、超自然的な生物が徘徊していた。
3人の運命は_______________
>この作品はクトゥルフ神話TRPGのシナリオを元に作ったものです。
この作品を見てクトゥルフ神話TRPGに興味を持った人はルールブックを買って友達と遊んでみてください。(布教)
小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話
矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」
「あら、いいのかしら」
夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……?
微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。
※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。
※小説家になろうでも同内容で投稿しています。
※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。
【R18】僕の筆おろし日記(高校生の僕は親友の家で彼の母親と倫ならぬ禁断の行為を…初体験の相手は美しい人妻だった)
幻田恋人
恋愛
夏休みも終盤に入って、僕は親友の家で一緒に宿題をする事になった。
でも、その家には僕が以前から大人の女性として憧れていた親友の母親で、とても魅力的な人妻の小百合がいた。
親友のいない家の中で僕と小百合の二人だけの時間が始まる。
童貞の僕は小百合の美しさに圧倒され、次第に彼女との濃厚な大人の関係に陥っていく。
許されるはずのない、男子高校生の僕と親友の母親との倫を外れた禁断の愛欲の行為が親友の家で展開されていく…
僕はもう我慢の限界を超えてしまった… 早く小百合さんの中に…
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
【R18】スライム調教
不死じゃない不死鳥(ただのニワトリ)
ホラー
スライムに調教されちゃうお話です
「どうしよう、どうしよう」
Aは泣きながらシャワーを浴びていた。
スライムを入れられてしまったお腹。
中でスライムポコポコと動いているのが外からでも分かった。
「もし出そうとしたら、その子達は暴れて君の内臓をめちゃくちゃにするわよ。
だから変なことなんて考えないでね」
スライムをいれた店主の言葉が再びAの頭の中をよぎった。
彼女の言葉が本当ならば、もうスライムを出すことは不可能だった。
それに出そうにも店主によってお尻に栓を付けられてしまっているためそれも難しかった。
「こらから、どうなっちゃうんだろう」
主人公がスライムをお尻から入れられてしまうお話です。
汚い内容は一切書く気はありません。また人物はアルファベットで表記しており
性別もどちらでも捉えられるようにしています。お好きな設定でお読みください。
※続きを書くつもりはなかったのですが想像以上に閲覧数が多いため、少しだけ続きを書くことにしました。
性的イジメ
ポコたん
BL
この小説は性行為・同性愛・SM・イジメ的要素が含まれます。理解のある方のみこの先にお進みください。
作品説明:いじめの性的部分を取り上げて現代風にアレンジして作成。
全二話 毎週日曜日正午にUPされます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる