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2 【ミキ視点】
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「ミキ、駅前のビルで今度婚活パーティーがあるんだって。週末休みでしょ、いい機会だから参加してみたら?」
お母さんから婚活パーティーという言葉を聞いた時正直最初はかなり抵抗があった。絶対結婚したいとか強い気持ちがあるわけじゃないし、こんな中途半端な私が参加しても真面目に活動している方に失礼なんじゃないかと思えた。
「婚活パーティーなんてまだ私には早いんじゃないかな?」
「何言ってんの、今の仕事、本当は辞めたいんでしょ?働くの自体ミキには向いてないのかもね。」
そう言ってお母さんは深くため息をついた。
「せっかく大学まで出してあげたのに・・・まあ、いいわ。新しい仕事探す気が無いならせめて結婚相手でも探しに行ってくれば?」
シングルマザーで私を一生懸命に育ててくれたお母さん。パワフルなお母さんの性格は受け継ぐ事なく私はどちらかというと引っ込み事案な性格だ。自分の考えは主張出来ないし、周りに流されやすい。それでも隣にハキハキしたお母さんがいてくれるお陰で今まで危ない目にあった事はなかった。
「結婚って・・・。」
23歳の私には正直まだ自分の結婚生活なんて夢のまた夢で全然想像がつかなかった。
新卒で入社した会社では理想と現実のギャップに苦しむ事になり、今もどんよりとした気持ちで日々勤務している。
でも正社員で雇って貰えたし、職場は実家からも近い。たまに上司に指導を受ける事もあるけどそんなのはよくある事だよね。それ以外の人はみんな優しいし。でも、なんだかなあ・・・やりがいとか楽しいとか今の生活には皆無過ぎてため息をつきながら毎日がしんどいままなんとなく過ごしていた。
「仕事がダメなら永久就職して専業主婦を目指せばいいじゃない!生き方はひとつじゃないんだし、お金持ちの男性でも捕まえて来なよ!」
閉塞感を感じる毎日にはうんざりだけどだからってどう動いたらいいかすぐには思いつかなかった。
「いつかは孫の顔を見るのが私の夢なのよ。いつも言ってるじゃない。」
「はいはい、わかってるよ。」
高校時代に別れた以来、私にはずっと彼氏はいない。その高校時代に一年程付き合った先輩も先輩が卒業して大学に進学してから急に連絡が途絶えたんだよね。
卒業間近には一人暮らし始めるから遠いけど落ち着いたら遊びにおいで!なんて言ってくれていたのに。パタリと連絡が来なくなったのは彼自身に何かあったからなのか、それとも私との関係はただヤリたかっただけだったのか・・・真実はわからないままだ。頻繁に連絡すればよかったのに、新生活で色々と忙しいだろうと気を遣ってしまいなかなか自分からは連絡しなかった。そして待てども待てども彼から連絡が来る事はなかった。しばらく時が経ちやっと決意して連絡した頃には先輩に繋がることはなく、そのまま自然消滅になってしまった。
「今の生活で新しい出会いなんか期待出来ないでしょう。物は試しっていうし、つまらなかったらすぐに帰ってくればいいじゃない。」
お母さんの言う事は正に図星で今の私は職場と自宅の往復の生活を送っていた。私はプライベートは完全なインドア派で家にいる事が好きなため今のまま生きていたら一生新しい出会いは期待出来ないだろう。
「・・・わかったよ。とりあえず行ってみるね。」
こうして嬉しそうなお母さんを尻目に私は自分の奥にある小さな勇気をかき集めて婚活パーティーに参加する事にしたんだ。
お母さんから婚活パーティーという言葉を聞いた時正直最初はかなり抵抗があった。絶対結婚したいとか強い気持ちがあるわけじゃないし、こんな中途半端な私が参加しても真面目に活動している方に失礼なんじゃないかと思えた。
「婚活パーティーなんてまだ私には早いんじゃないかな?」
「何言ってんの、今の仕事、本当は辞めたいんでしょ?働くの自体ミキには向いてないのかもね。」
そう言ってお母さんは深くため息をついた。
「せっかく大学まで出してあげたのに・・・まあ、いいわ。新しい仕事探す気が無いならせめて結婚相手でも探しに行ってくれば?」
シングルマザーで私を一生懸命に育ててくれたお母さん。パワフルなお母さんの性格は受け継ぐ事なく私はどちらかというと引っ込み事案な性格だ。自分の考えは主張出来ないし、周りに流されやすい。それでも隣にハキハキしたお母さんがいてくれるお陰で今まで危ない目にあった事はなかった。
「結婚って・・・。」
23歳の私には正直まだ自分の結婚生活なんて夢のまた夢で全然想像がつかなかった。
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でも正社員で雇って貰えたし、職場は実家からも近い。たまに上司に指導を受ける事もあるけどそんなのはよくある事だよね。それ以外の人はみんな優しいし。でも、なんだかなあ・・・やりがいとか楽しいとか今の生活には皆無過ぎてため息をつきながら毎日がしんどいままなんとなく過ごしていた。
「仕事がダメなら永久就職して専業主婦を目指せばいいじゃない!生き方はひとつじゃないんだし、お金持ちの男性でも捕まえて来なよ!」
閉塞感を感じる毎日にはうんざりだけどだからってどう動いたらいいかすぐには思いつかなかった。
「いつかは孫の顔を見るのが私の夢なのよ。いつも言ってるじゃない。」
「はいはい、わかってるよ。」
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卒業間近には一人暮らし始めるから遠いけど落ち着いたら遊びにおいで!なんて言ってくれていたのに。パタリと連絡が来なくなったのは彼自身に何かあったからなのか、それとも私との関係はただヤリたかっただけだったのか・・・真実はわからないままだ。頻繁に連絡すればよかったのに、新生活で色々と忙しいだろうと気を遣ってしまいなかなか自分からは連絡しなかった。そして待てども待てども彼から連絡が来る事はなかった。しばらく時が経ちやっと決意して連絡した頃には先輩に繋がることはなく、そのまま自然消滅になってしまった。
「今の生活で新しい出会いなんか期待出来ないでしょう。物は試しっていうし、つまらなかったらすぐに帰ってくればいいじゃない。」
お母さんの言う事は正に図星で今の私は職場と自宅の往復の生活を送っていた。私はプライベートは完全なインドア派で家にいる事が好きなため今のまま生きていたら一生新しい出会いは期待出来ないだろう。
「・・・わかったよ。とりあえず行ってみるね。」
こうして嬉しそうなお母さんを尻目に私は自分の奥にある小さな勇気をかき集めて婚活パーティーに参加する事にしたんだ。
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