75 / 88
75皇太后のはかりごと
しおりを挟む
全て皇太后ジェシカが計画したことだった。
「息子は王位を継いだけれど芸術に傾倒してしまっていて…。
生まれで職業を決めてしまうのってかわいそうじゃない?私も現代っ子だったし。
だから、宰相デイヴィッドに協力してもらいながら私が執政をすることにしたの。
世継ぎのルイスが生まれて嬉しかったわ。
3歳の時、私に『立派な王になりたいです!』って言った姿に感動したのよ?
『とってもたいへんだけど出来る?』って聞いたら『はい!』っていいお返事してくれたじゃない!
だから甘やかさないようにって、可愛い盛りに泣く泣く突き放したというのにっ」
悔しそうに詰る皇太后ジェシカに、全く覚えていないルイス王子は「今までの厳格さが演技…」と目を見開き愕然としてしまった。
まさか幼い時に言った言葉のせいで皇太后が自分に厳しかったとは思い当たるはずがない。
祖母の本心など分からず、巧みに執政をこなし冷たいほどに厳しく立派すぎる皇太后にルイス王子は気後れし何も言えなくなってしまっていたのだから。
「五年前、エマ姉様がこの世界に渡って『魔女』になり王都へ来ることが『視えた』の。
だから、かねてから計画していたことを実行することにしたのよ」
それは、いずれルイス王子の治世の災となるホージ侯爵をはじめとする腐敗貴族や商人らを今のうちに一掃することと、ルイス王子を奮起させ次期国王の自覚をもたせる、という計画だった。
皇太后は、ルイス王子をキッと睨みつけた。
「私も高齢になってきたし、いまのうちに憂いは全て片付けておこうって。
さすがのルイスも自分の結婚のこととなると黙ってはいないだろうと思ったのよ。
なのにお前はすっかり諦めてしまっていたでしょ!
お前は私が命じれば、妃としての素養の欠片もない娘とわかりながらも結婚するつもりだったのかい?
私に一言の諫言もせず?
お前の妃は王妃、国母になる女性なのですよ!
そのようなことでどうするの!
次代はお前がこの国を導いてゆかなければならないのにっ!」
「ち、ちょっと…お待ち下さいっ。
それは、私も面目ないと思っておりますが、どうか落ち着いて下さい。
順を追ってご説明下さいませんかっ」
「はあ、そうね、わかったわ。
まず、私はあの毒草の存在を以前から知っていたの。
幻覚作用があるあの毒草が王都に入ってこないか警戒していたわ。
でも、今回それを逆手に取ろうと思ったのよ。
まず、マリアンヌたち親子がやってくることが分かったから、住めるように山奥にわざと鄙びた小屋を作らせて、『魔女の秘伝』を隠しておいたの。
あの冊子は私がこの世界に来た時に、英国での思い出を忘れないようにハーブを使ったお菓子の作り方やお茶の入れ方を書き留めておいたものよ。
エマ姉様が読んだのは、『Nine Herbs Charm』。つまり『九つの薬草の呪文』という詩の一部分。
意味はこう、
『蛇が這い来たりて人を傷つけたり。
ウォーデン九つなる栄光の枝を取り、
蛇を打ちつくるに、これ九つに砕け散りぬ。
ここにおいて林檎は毒に打ち克ちて、
以後蛇は人の家に住うことを欲さざるなり。
タイムとフェンネルを、いと力強き双方をーーー』
と詩は続いていくの。
私たちがいた国の言葉で書いたから、私たちにしか読めない。
ね?エマ姉様。
マリアンヌをいきなりルイスの婚約者にするには相当の理由が必要でしょ?
だから『魔女』とすれば身分の枠をこえられるじゃない。
そして、ホージ侯爵にマリアンヌを迎えに行かせる途中で毒草を見つけさせたの。
先にテューセック村へ向かわせたのは、ドリスの元に新しい『魔女』がもうすぐ『界渡り』すると知らせるため。
『私の命令で若い魔女を捜している』とドリスが聞けば悟ってくれると思ったから」
だからドリスは突然現れたエマを冷静に受け入れ、様々なことを教えてくれた。
ホージ侯爵は道中で見つけた毒草の密売にまんまと手を出し、言い逃れ出来ない犯罪の痕跡を残したのだった。
これを足がかりにホージ侯爵や取り巻きの貴族そして商人たちの余罪も調べ尽くされるだろう。
「何もかも全てが手のひらの上で動かされていたということですか。
それだけ暗躍すれば確かにお忙しいはずだ」
ルイス王子はこめかみを押さえながら力なく首をふる。
「お前にはいい形で国を継がせたいと思ったのよ。
何か一言でも言ってくるかと思えば、お前はのらりくらりとっ!
エマ姉様が王都に来るのが待ち遠しかったわ。
姉様との出会いがルイスの転機になることはわかっていたから。
だから二人の出会いはやっぱり素敵な偶然がいいと思ったの。
マリアンヌを春の大祭の舞踏会に出さなかったのは、せっかくの出会いを邪魔されたくないじゃない?
ただ…ジークヴァルトのことを『視る』のをすっかり忘れていたのよねぇ」
皇太后は意味深な視線をジークヴァルトに向けるが、エマはその意味が分からず首をかしげた。
「まあ、いいわ。
ルイスもきちんと世継ぎとして自覚もあるようだし、ジークヴァルトも次期宰相として成長してくれているし、これ以上お前たちをのぞき『視る』のはやめておきましょう。
あとはお前たちにまかせます」
事情も理由もわかった。
でも、『魔女』と偽ったとしてもどうしてマリアンヌだったのか。
年頃の娘なら誰でもよかったのか。
貧しい平民を、ルイス王子を奮起させるためだけに利用して捨ててしまうようなやり方は納得がいかない。
エマがたずねるとジェシカは残念そうに首を振った。
マリアンヌは生活苦から逃げるために罪を重ね、取り返しのつかない罪を犯してしまう運命だったのだと。
「まだ罪を犯していないマリアンヌにきちんとした教育を与えられればものの見方が変わるのではと思ったけれど…彼女の中には自己愛しか芽生えなかった。
マリアンヌの人見知りせず勝気な性格なら別の立場を与えてあげればもしかするともっと違ったかもしれないわね……。
私は、計画をめぐらし人を利用して……すっかり老獪な年寄りになってしまったのよ。
そのためにエマ姉様にはたくさん怖い思いや危険なめにあわせてしまって、本当にごめんなさい」
*
その後、エマと二人だけで話したいとの皇太后の願いで男たち三人は席を外すことになった。
ジークヴァルトはエマに「先ほどの応接室で待っている」と言って出ていった。
二人だけになるとジェシカはドリスが亡くなった悔みをエマに伝え、高齢の自分が生きているうちにエマに会えたことを喜んだが、エマの目には涙が滲んだ。
「私は結局弟子を持つことはなかったわ。
でも、エマ姉様はいつか新たな『イルヴァ』と出会うかも知れないし、この世界で弟子になる娘と出会うかも知れないわね」
自分に弟子ができるなどエマには想像も出来なかった。
ジェシカは「今後のお楽しみだから『視ない』わね」と笑った。
そして、「彼らの前では言えなかったけれど」と前置きして少し真剣な顔になった。
「エマ姉様は、魔女の『力』であるルーンをどう思う?」
一言で言えば、万能だ。何故そんな『力』があるのか不思議でしかない。
植物にルーンで語りかければどんな薬でもたちどころに作ることが出来る。例え知らなくても植物の方からエマに従ってくれる。
ホージ侯爵が密売していた辺境地の毒草や、先程のミルクピッチャーに入っていた猛毒も。
「そうね。エマ姉様がさっき飲んだ紅茶のシロップ。
ホージ侯爵に姉様の『力』を試すと持ちかけたら、まんまとすり替えたわね。
だから、姉様の席を私たちからうんと離しておいたの。唱える『ルーン』を悟られないためにね。
ただの嫌がらせじゃないのよ?
ホージ侯爵はジークヴァルトに守られた姉様に手出しできない焦りから今日をチャンスと私の目の前で凶行に走ってしまった。
それも私に罪をなすりつけるつもりで。
彼は、『皇太后を不快にさせてしまった』の。
断罪するにはそれで充分なのよ。私って権力があるの。
ふう、話が逸れたわね。
つまり、この世界では『ルーン』はとてつもない『力』を持っているわ。
現在『力』が及ぶものは、占い、薬草の調合、動物との意思疎通、呪術の四つとされているけれど、以前は違ったの」
そうしてジェシカが語ったのはジークヴァルトたちには聞かせられないものだった。
「息子は王位を継いだけれど芸術に傾倒してしまっていて…。
生まれで職業を決めてしまうのってかわいそうじゃない?私も現代っ子だったし。
だから、宰相デイヴィッドに協力してもらいながら私が執政をすることにしたの。
世継ぎのルイスが生まれて嬉しかったわ。
3歳の時、私に『立派な王になりたいです!』って言った姿に感動したのよ?
『とってもたいへんだけど出来る?』って聞いたら『はい!』っていいお返事してくれたじゃない!
だから甘やかさないようにって、可愛い盛りに泣く泣く突き放したというのにっ」
悔しそうに詰る皇太后ジェシカに、全く覚えていないルイス王子は「今までの厳格さが演技…」と目を見開き愕然としてしまった。
まさか幼い時に言った言葉のせいで皇太后が自分に厳しかったとは思い当たるはずがない。
祖母の本心など分からず、巧みに執政をこなし冷たいほどに厳しく立派すぎる皇太后にルイス王子は気後れし何も言えなくなってしまっていたのだから。
「五年前、エマ姉様がこの世界に渡って『魔女』になり王都へ来ることが『視えた』の。
だから、かねてから計画していたことを実行することにしたのよ」
それは、いずれルイス王子の治世の災となるホージ侯爵をはじめとする腐敗貴族や商人らを今のうちに一掃することと、ルイス王子を奮起させ次期国王の自覚をもたせる、という計画だった。
皇太后は、ルイス王子をキッと睨みつけた。
「私も高齢になってきたし、いまのうちに憂いは全て片付けておこうって。
さすがのルイスも自分の結婚のこととなると黙ってはいないだろうと思ったのよ。
なのにお前はすっかり諦めてしまっていたでしょ!
お前は私が命じれば、妃としての素養の欠片もない娘とわかりながらも結婚するつもりだったのかい?
私に一言の諫言もせず?
お前の妃は王妃、国母になる女性なのですよ!
そのようなことでどうするの!
次代はお前がこの国を導いてゆかなければならないのにっ!」
「ち、ちょっと…お待ち下さいっ。
それは、私も面目ないと思っておりますが、どうか落ち着いて下さい。
順を追ってご説明下さいませんかっ」
「はあ、そうね、わかったわ。
まず、私はあの毒草の存在を以前から知っていたの。
幻覚作用があるあの毒草が王都に入ってこないか警戒していたわ。
でも、今回それを逆手に取ろうと思ったのよ。
まず、マリアンヌたち親子がやってくることが分かったから、住めるように山奥にわざと鄙びた小屋を作らせて、『魔女の秘伝』を隠しておいたの。
あの冊子は私がこの世界に来た時に、英国での思い出を忘れないようにハーブを使ったお菓子の作り方やお茶の入れ方を書き留めておいたものよ。
エマ姉様が読んだのは、『Nine Herbs Charm』。つまり『九つの薬草の呪文』という詩の一部分。
意味はこう、
『蛇が這い来たりて人を傷つけたり。
ウォーデン九つなる栄光の枝を取り、
蛇を打ちつくるに、これ九つに砕け散りぬ。
ここにおいて林檎は毒に打ち克ちて、
以後蛇は人の家に住うことを欲さざるなり。
タイムとフェンネルを、いと力強き双方をーーー』
と詩は続いていくの。
私たちがいた国の言葉で書いたから、私たちにしか読めない。
ね?エマ姉様。
マリアンヌをいきなりルイスの婚約者にするには相当の理由が必要でしょ?
だから『魔女』とすれば身分の枠をこえられるじゃない。
そして、ホージ侯爵にマリアンヌを迎えに行かせる途中で毒草を見つけさせたの。
先にテューセック村へ向かわせたのは、ドリスの元に新しい『魔女』がもうすぐ『界渡り』すると知らせるため。
『私の命令で若い魔女を捜している』とドリスが聞けば悟ってくれると思ったから」
だからドリスは突然現れたエマを冷静に受け入れ、様々なことを教えてくれた。
ホージ侯爵は道中で見つけた毒草の密売にまんまと手を出し、言い逃れ出来ない犯罪の痕跡を残したのだった。
これを足がかりにホージ侯爵や取り巻きの貴族そして商人たちの余罪も調べ尽くされるだろう。
「何もかも全てが手のひらの上で動かされていたということですか。
それだけ暗躍すれば確かにお忙しいはずだ」
ルイス王子はこめかみを押さえながら力なく首をふる。
「お前にはいい形で国を継がせたいと思ったのよ。
何か一言でも言ってくるかと思えば、お前はのらりくらりとっ!
エマ姉様が王都に来るのが待ち遠しかったわ。
姉様との出会いがルイスの転機になることはわかっていたから。
だから二人の出会いはやっぱり素敵な偶然がいいと思ったの。
マリアンヌを春の大祭の舞踏会に出さなかったのは、せっかくの出会いを邪魔されたくないじゃない?
ただ…ジークヴァルトのことを『視る』のをすっかり忘れていたのよねぇ」
皇太后は意味深な視線をジークヴァルトに向けるが、エマはその意味が分からず首をかしげた。
「まあ、いいわ。
ルイスもきちんと世継ぎとして自覚もあるようだし、ジークヴァルトも次期宰相として成長してくれているし、これ以上お前たちをのぞき『視る』のはやめておきましょう。
あとはお前たちにまかせます」
事情も理由もわかった。
でも、『魔女』と偽ったとしてもどうしてマリアンヌだったのか。
年頃の娘なら誰でもよかったのか。
貧しい平民を、ルイス王子を奮起させるためだけに利用して捨ててしまうようなやり方は納得がいかない。
エマがたずねるとジェシカは残念そうに首を振った。
マリアンヌは生活苦から逃げるために罪を重ね、取り返しのつかない罪を犯してしまう運命だったのだと。
「まだ罪を犯していないマリアンヌにきちんとした教育を与えられればものの見方が変わるのではと思ったけれど…彼女の中には自己愛しか芽生えなかった。
マリアンヌの人見知りせず勝気な性格なら別の立場を与えてあげればもしかするともっと違ったかもしれないわね……。
私は、計画をめぐらし人を利用して……すっかり老獪な年寄りになってしまったのよ。
そのためにエマ姉様にはたくさん怖い思いや危険なめにあわせてしまって、本当にごめんなさい」
*
その後、エマと二人だけで話したいとの皇太后の願いで男たち三人は席を外すことになった。
ジークヴァルトはエマに「先ほどの応接室で待っている」と言って出ていった。
二人だけになるとジェシカはドリスが亡くなった悔みをエマに伝え、高齢の自分が生きているうちにエマに会えたことを喜んだが、エマの目には涙が滲んだ。
「私は結局弟子を持つことはなかったわ。
でも、エマ姉様はいつか新たな『イルヴァ』と出会うかも知れないし、この世界で弟子になる娘と出会うかも知れないわね」
自分に弟子ができるなどエマには想像も出来なかった。
ジェシカは「今後のお楽しみだから『視ない』わね」と笑った。
そして、「彼らの前では言えなかったけれど」と前置きして少し真剣な顔になった。
「エマ姉様は、魔女の『力』であるルーンをどう思う?」
一言で言えば、万能だ。何故そんな『力』があるのか不思議でしかない。
植物にルーンで語りかければどんな薬でもたちどころに作ることが出来る。例え知らなくても植物の方からエマに従ってくれる。
ホージ侯爵が密売していた辺境地の毒草や、先程のミルクピッチャーに入っていた猛毒も。
「そうね。エマ姉様がさっき飲んだ紅茶のシロップ。
ホージ侯爵に姉様の『力』を試すと持ちかけたら、まんまとすり替えたわね。
だから、姉様の席を私たちからうんと離しておいたの。唱える『ルーン』を悟られないためにね。
ただの嫌がらせじゃないのよ?
ホージ侯爵はジークヴァルトに守られた姉様に手出しできない焦りから今日をチャンスと私の目の前で凶行に走ってしまった。
それも私に罪をなすりつけるつもりで。
彼は、『皇太后を不快にさせてしまった』の。
断罪するにはそれで充分なのよ。私って権力があるの。
ふう、話が逸れたわね。
つまり、この世界では『ルーン』はとてつもない『力』を持っているわ。
現在『力』が及ぶものは、占い、薬草の調合、動物との意思疎通、呪術の四つとされているけれど、以前は違ったの」
そうしてジェシカが語ったのはジークヴァルトたちには聞かせられないものだった。
2
お気に入りに追加
515
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【書籍化確定、完結】私だけが知らない
綾雅(要らない悪役令嬢1/7発売)
ファンタジー
書籍化確定です。詳細はしばらくお待ちください(o´-ω-)o)ペコッ
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2024/12/26……書籍化確定、公表
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
私を幽閉した王子がこちらを気にしているのはなぜですか?
水谷繭
恋愛
婚約者である王太子リュシアンから日々疎まれながら過ごしてきたジスレーヌ。ある日のお茶会で、リュシアンが何者かに毒を盛られ倒れてしまう。
日ごろからジスレーヌをよく思っていなかった令嬢たちは、揃ってジスレーヌが毒を入れるところを見たと証言。令嬢たちの嘘を信じたリュシアンは、ジスレーヌを「裁きの家」というお屋敷に幽閉するよう指示する。
そこは二十年前に魔女と呼ばれた女が幽閉されて死んだ、いわくつきの屋敷だった。何とか幽閉期間を耐えようと怯えながら過ごすジスレーヌ。
一方、ジスレーヌを閉じ込めた張本人の王子はジスレーヌを気にしているようで……。
◇小説家になろうにも掲載中です!
◆表紙はGilry Drop様からお借りした画像を加工して使用しています
踏み台令嬢はへこたれない
三屋城衣智子
恋愛
「婚約破棄してくれ!」
公爵令嬢のメルティアーラは婚約者からの何度目かの申し出を受けていたーー。
春、学院に入学しいつしかついたあだ名は踏み台令嬢。……幸せを運んでいますのに、その名付けはあんまりでは……。
そう思いつつも学院生活を満喫していたら、噂を聞きつけた第三王子がチラチラこっちを見ている。しかもうっかり婚約者になってしまったわ……?!?
これは無自覚に他人の踏み台になって引っ張り上げる主人公が、たまにしょげては踏ん張りながらやっぱり周りを幸せにしたりやっと自分も幸せになったりするかもしれない物語。
「わたくし、甘い砂を吐くのには慣れておりますの」
ーー踏み台令嬢は今日も誰かを幸せにする。
なろうでも投稿しています。
【1/21取り下げ予定】悲しみは続いても、また明日会えるから
gacchi
恋愛
愛人が身ごもったからと伯爵家を追い出されたお母様と私マリエル。お母様が幼馴染の辺境伯と再婚することになり、同じ年の弟ギルバードができた。それなりに仲良く暮らしていたけれど、倒れたお母様のために薬草を取りに行き、魔狼に襲われて死んでしまった。目を開けたら、なぜか五歳の侯爵令嬢リディアーヌになっていた。あの時、ギルバードは無事だったのだろうか。心配しながら連絡することもできず、時は流れ十五歳になったリディアーヌは学園に入学することに。そこには変わってしまったギルバードがいた。電子書籍化のため1/21取り下げ予定です。
【完結】婚約者が好きなのです
maruko
恋愛
リリーベルの婚約者は誰にでも優しいオーラン・ドートル侯爵令息様。
でもそんな優しい婚約者がたった一人に対してだけ何故か冷たい。
冷たくされてるのはアリー・メーキリー侯爵令嬢。
彼の幼馴染だ。
そんなある日。偶然アリー様がこらえきれない涙を流すのを見てしまった。見つめる先には婚約者の姿。
私はどうすればいいのだろうか。
全34話(番外編含む)
※他サイトにも投稿しております
※1話〜4話までは文字数多めです
注)感想欄は全話読んでから閲覧ください(汗)
薬術の魔女の結婚事情【リメイク】
しの
恋愛
『身分を問わず、魔力の相性が良い相手と婚姻すべし』
少子高齢化の進む魔術社会でそんな法律が出来る。それは『相性結婚』と俗世では呼称された。
これは法律に巻き込まれた、薬術が得意な少女の物語——
—— —— —— ——
×以下 中身のあらすじ×
××
王家を中心に複数の貴族家で構成されたこの国は、魔獣の襲来などはあるものの隣国と比べ平和が続いていた。
特出した育児制度も無く労働力は魔術や魔道具で補えるので子を増やす必要が少なく、独り身を好む者が増え緩やかに出生率が下がり少子高齢化が進んでいた。
それを危惧した政府は『相性結婚』なる制度を作り上げる。
また、強い魔力を血筋に取り込むような婚姻を繰り返す事により、魔力の質が低下する懸念があった。その為、強い血のかけあわせよりも相性という概念での組み合わせの方が、より質の高い魔力を持つ子供の出生に繋がると考えられたのだ。
しかし、魔力の相性がいいと性格の相性が良くない事が多く、出生率は対して上がらずに離婚率をあげる結果となり、法律の撤廃が行われようとしている間際であった。
薬作りが得意な少女、通称『薬術の魔女』は、エリート学校『魔術アカデミー』の薬学コース生。
第四学年になった秋に、15歳になると検討が始まる『相性結婚』の通知が届き、宮廷で魔術師をしているらしい男と婚約する事になった。
顔合わせで会ったその日に、向こうは「鞍替えしても良い」「制度は虫よけ程度にしか使うつもりがない」と言い、あまり乗り気じゃない上に、なんだかただの宮廷魔術師でもなさそうだ。
他にも途中で転入してきた3人もなんだか変なやつばっかりで。
こんな感じだし、制度はそろそろ撤廃されそうだし。アカデミーを卒業したら制度の通りに結婚するのだろうか。
これは、薬術の魔女と呼ばれる薬以外にほとんど興味のない(無自覚)少女と、何でもできるが周囲から認められず性格が歪んでしまった魔術師の男が制度によって出会い、互いの関係が変化するまでのお話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる