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虚ろなマリオネット
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これは、僕の同僚の話だ。
彼はいわゆるイケメンってやつで、仕事ができて、いつ何時も笑っていた。馬鹿にされていても笑っていた。
大きな仕事もそつなくこなすそいつのことを、僕は格別だと思っていた。
一方で僕は、あいつのようにはなれない──なりたくないと思っていた。
「まずい。もう十一時だよ。終電間に合うかな……」
その日は仕事を溜め込んでしまっていたため、帰りが遅くなってしまった。
帰り支度を済まして席を離れると、どこかでまだパソコンの明かりがついているのに気付いた。あいつの席だった。珍しいな。あいつが残業だなんて。
一言「お疲れ様」と言おうとして、僕はためらった。あいつが、異常な顔をしていたからだ。
唇を噛み締めて、顔を真っ赤にしている。なにかに追い詰められているようだ。
そういえばこの間、上司がこいつに物凄い量の資料を渡していたんだっけ? 纏めろとかなんとかって言って。まだ終わっていなかったのか……。
手伝おうと思わなかったわけじゃないけど、終電を逃すと僕まで帰れなくなる。泣く泣く見ないふりをした。
オフィスを出る直前に見たあいつは、上の命令に逆らえない、哀れなマリオネットのようだった。
数日後。
「ああ、大丈夫だよ。ちゃんと資料も作ったし、原稿も書いた」
あいつの、プレゼンの日だった。
誰かと話しているのだろうか? つい最近別の部署から異動してきたあいつに、僕以外に話せる人はいなかったと思うんだけど……。
会議室に移動するときに、あいつの様子を見て僕は驚いた。
あいつは「誰か」と話していてわけじゃない。「独り」で話していたんだ。
可愛らしいクマのぬいぐるみ。片手サイズのそれに、懸命に話しかけていた。
話しかけることはできなかった。今、あいつに声をかけたら、糸が切れてしまいそうで……。
──僕はそれを、後になって後悔する。
あいつのプレゼンは非の打ちどころがないほど完璧なものだった。細かい失敗が多い僕から見ると、薄ら寒くなるくらいに。
それから数日、そいつの異常な行動を度々目にした。誰も気付いていないはずはない。あいつは隠れてやっているつもりなのかもしれないが、隠しきれていなかった。
とはいえ僕も、自分のことで精一杯で、あまり彼のことを気に留めることはできなかった。
そんなある日、あいつは上司に呼ばれた。
「昇進……ですか?」
耳に入ってきたのは、あいつの昇進の話。どうやら嫌な顔一つしない、真面目な勤務態度と正確な資料作りがかなり評価されたそうだ。
「なあ、お前本当に大丈夫か?」
飲み会の日、彼にさりげなく聞いてみた。
「……なにが?」
彼はくまがはっきりついた顔でそう言う。僕がなにを聞いているのか、わかっているくせに。
「仕事だよ。頑張りすぎじゃない?」
「…………」
彼はなにも言わない。なにを言おうか考えているのか、それとも、なにも言うつもりがないのか、その顔からはわからない。
「僕がやらなきゃ、誰がやるんだよ」
彼はボソッと呟く。少し悲しそうな顔で。
「誰が……って、誰でもいいじゃん。別に、お前じゃなくたって……」
そうは言ったものの、足りないと思った。彼を納得させるには、弱い。
彼は酒が入ったコップをぐいっとあおる。
「明日からまた仕事だからさ、俺、これくらいにしとくわ」
彼は一方的に話を切って、店をあとにする。
彼がいなくなって、穴が空いたような席を見る。
それなりに長い付き合いだけど、彼がこんなに飲んでいるのを見るのは初めてだった。それに、明日は休日だ。まさかあいつ、家にまで仕事を持ち込んでいるのか?
止めなきゃいけない。いくら仕事だからって、責任感が強いからって、自分を犠牲にしてまでそんなことをする必要はない。だけど──。
同時に、止めてはいけないと思っていた。だってあいつは、人に認められるのを一番の喜びと感じている。プレゼンが終わった後で見た彼の笑顔が忘れられなかった。
それから彼は、オフィスに来なくなった。
「なあ、あいつが今どこでなにしてるか知ってる?」
しびれを切らした上司が、突然聞いてきた。
「……知りません」
上司は疑うような視線を向けるが、知らないものは知らない。
彼の顔を、僕は一週間は見ていない。今まで一度も仕事を休んだことがないあいつのことだ。なにかあったのかもしれない。
その翌日、僕は彼の家に行ってみた。さすがに心配になったからだ。
「……ここか」
随分寂れた場所だった。所謂、ボロアパート。壁にはひびが入っている。ほとんど人も住んでいないようだ。
彼の部屋の前に立って、チャイムを鳴らす。
……誰も反応しない。それどころか、物音もしない。
まさか、まだ寝てるのか? 休日とはいえ、もう三時だぞ?
あまりにも反応がないドアの向こうにイライラして、ドアノブに手をかけた。
「えっ?」
ドアノブはあっさり回り、ドアが開いてしまった。
このまま先に進めば、僕は犯罪者だ。
でも、ここまで連絡も一切ない彼に、なにかあった可能性を捨てきれず、僕はドアの向こう側へ足を踏み入れた。
名前を呼びながら、狭くて短い廊下を進む。反応はない。
少し罪悪感を覚えつつ、部屋の中を捜索する。すぐに、寝室に辿り着いた。
なんだろう、嫌な予感がする。なにか、たいへんなことが、起こっているような──。
──そこにいたのは、持ち主を失ったマリオネットのような彼だった。
肩を揺すっても、起きる気配はない。息もしてないようだった。
そこからは、色々なことが目まぐるしく過ぎていった。
救急車を呼んで、病院まで着いて行ったけど、手遅れだった。五日前には亡くなっていたそうだ。状況からして、事件性はなし。くも膜下出血だった。
残業は八十時間を優に超えていた。かなり苦労したそうだが、遺族は過労死の認定にまでこぎつけた。
葬儀では、皆悲しんでいた。泣いていた。「どうしてあいつが死んだんだ?」という声が、あちこちから聞こえる。多分、知らないんだ。彼が今まで、どんな状況で闘っていたのかを。
僕は泣けなかった。罪悪感に潰されたように、身体が重くて、本当は今すぐにでもここから離れたかった。
贖罪のつもりか? と自虐的に笑ってみせるが、それで気分が晴れるわけもなかった。
葬儀もなにもかも終わってから、僕はもう一度彼の部屋へ行った。彼の部屋に僕の持ち物があると、遺族から連絡がきたからだ。その日のことは、なんとなく曖昧になってしまった。それだけ気が動転していたのだろうか。忘れ物があることにすら気付いていなかった。
「すみません。遅くなって」
ドアの前にいたのは、彼の妹らしき人だった。
「わざわざすみません」
「いえ、大丈夫です。これくらい」
──なにも、できなかったんだから。
ありきたりな挨拶だけして、彼女は、僕の忘れ物を渡してくれた。
「あの、あとこれ、あなたのことが書いてあって……」
躊躇いがちに渡されたそれは、多分、彼の手帳だ。
「……読んでみてください」
一つページをめくると、そこには予定が記されていた。休みがなく、ぎっしり詰まっている。ある程度予想はしていたけど、まさか、これ程とは……。
さらにページをめくると、今度は日記のようなものがある。
それは、最後のページにあった。
──同僚が、俺のことを心配していた。
まさかそんなことがあるなんて思わなく て、嬉しくて……。
明日からまた仕事だ。もっと頑張らないと
それを読んで、視界が滲んだ。
何でこんなに抱えてたんだよ。同僚なんだからそれぐらい相談しろよ。
色んな言葉が脳を駆けていくが、それを伝えるべき相手はもういない。
「あ、あの……」
彼の妹が、遠慮がちに声をかける。
「……大丈夫です。ありがとうございました」
ちゃんと笑えていたかは、自信がない。
その翌年、僕は彼のかわりに昇進した。抜けられると困るようなポストだったらしい。
特別な関わりがあったわけじゃないけど、あいつを見捨てた社会にいるのは嫌な気がしたけど、もう僕はそこで生きていくしかない。
最近入ってきた新人は僕のことを、「いい上司」だと言っているのを小耳に挟んだ。無理のない、自分のペースで仕事をして、荷が重すぎる仕事を無理に回さない人だ、と。
僕は元々、そういう人間じゃない。あの一件があって、自分の力量、相手の力量をよく見るようになっただけだ。
それがなければ、僕も、彼等も同じ道を辿っていたのかもしれない。
虚ろなマリオネットになってはいけないと、あいつが教えてくれたから──。
彼はいわゆるイケメンってやつで、仕事ができて、いつ何時も笑っていた。馬鹿にされていても笑っていた。
大きな仕事もそつなくこなすそいつのことを、僕は格別だと思っていた。
一方で僕は、あいつのようにはなれない──なりたくないと思っていた。
「まずい。もう十一時だよ。終電間に合うかな……」
その日は仕事を溜め込んでしまっていたため、帰りが遅くなってしまった。
帰り支度を済まして席を離れると、どこかでまだパソコンの明かりがついているのに気付いた。あいつの席だった。珍しいな。あいつが残業だなんて。
一言「お疲れ様」と言おうとして、僕はためらった。あいつが、異常な顔をしていたからだ。
唇を噛み締めて、顔を真っ赤にしている。なにかに追い詰められているようだ。
そういえばこの間、上司がこいつに物凄い量の資料を渡していたんだっけ? 纏めろとかなんとかって言って。まだ終わっていなかったのか……。
手伝おうと思わなかったわけじゃないけど、終電を逃すと僕まで帰れなくなる。泣く泣く見ないふりをした。
オフィスを出る直前に見たあいつは、上の命令に逆らえない、哀れなマリオネットのようだった。
数日後。
「ああ、大丈夫だよ。ちゃんと資料も作ったし、原稿も書いた」
あいつの、プレゼンの日だった。
誰かと話しているのだろうか? つい最近別の部署から異動してきたあいつに、僕以外に話せる人はいなかったと思うんだけど……。
会議室に移動するときに、あいつの様子を見て僕は驚いた。
あいつは「誰か」と話していてわけじゃない。「独り」で話していたんだ。
可愛らしいクマのぬいぐるみ。片手サイズのそれに、懸命に話しかけていた。
話しかけることはできなかった。今、あいつに声をかけたら、糸が切れてしまいそうで……。
──僕はそれを、後になって後悔する。
あいつのプレゼンは非の打ちどころがないほど完璧なものだった。細かい失敗が多い僕から見ると、薄ら寒くなるくらいに。
それから数日、そいつの異常な行動を度々目にした。誰も気付いていないはずはない。あいつは隠れてやっているつもりなのかもしれないが、隠しきれていなかった。
とはいえ僕も、自分のことで精一杯で、あまり彼のことを気に留めることはできなかった。
そんなある日、あいつは上司に呼ばれた。
「昇進……ですか?」
耳に入ってきたのは、あいつの昇進の話。どうやら嫌な顔一つしない、真面目な勤務態度と正確な資料作りがかなり評価されたそうだ。
「なあ、お前本当に大丈夫か?」
飲み会の日、彼にさりげなく聞いてみた。
「……なにが?」
彼はくまがはっきりついた顔でそう言う。僕がなにを聞いているのか、わかっているくせに。
「仕事だよ。頑張りすぎじゃない?」
「…………」
彼はなにも言わない。なにを言おうか考えているのか、それとも、なにも言うつもりがないのか、その顔からはわからない。
「僕がやらなきゃ、誰がやるんだよ」
彼はボソッと呟く。少し悲しそうな顔で。
「誰が……って、誰でもいいじゃん。別に、お前じゃなくたって……」
そうは言ったものの、足りないと思った。彼を納得させるには、弱い。
彼は酒が入ったコップをぐいっとあおる。
「明日からまた仕事だからさ、俺、これくらいにしとくわ」
彼は一方的に話を切って、店をあとにする。
彼がいなくなって、穴が空いたような席を見る。
それなりに長い付き合いだけど、彼がこんなに飲んでいるのを見るのは初めてだった。それに、明日は休日だ。まさかあいつ、家にまで仕事を持ち込んでいるのか?
止めなきゃいけない。いくら仕事だからって、責任感が強いからって、自分を犠牲にしてまでそんなことをする必要はない。だけど──。
同時に、止めてはいけないと思っていた。だってあいつは、人に認められるのを一番の喜びと感じている。プレゼンが終わった後で見た彼の笑顔が忘れられなかった。
それから彼は、オフィスに来なくなった。
「なあ、あいつが今どこでなにしてるか知ってる?」
しびれを切らした上司が、突然聞いてきた。
「……知りません」
上司は疑うような視線を向けるが、知らないものは知らない。
彼の顔を、僕は一週間は見ていない。今まで一度も仕事を休んだことがないあいつのことだ。なにかあったのかもしれない。
その翌日、僕は彼の家に行ってみた。さすがに心配になったからだ。
「……ここか」
随分寂れた場所だった。所謂、ボロアパート。壁にはひびが入っている。ほとんど人も住んでいないようだ。
彼の部屋の前に立って、チャイムを鳴らす。
……誰も反応しない。それどころか、物音もしない。
まさか、まだ寝てるのか? 休日とはいえ、もう三時だぞ?
あまりにも反応がないドアの向こうにイライラして、ドアノブに手をかけた。
「えっ?」
ドアノブはあっさり回り、ドアが開いてしまった。
このまま先に進めば、僕は犯罪者だ。
でも、ここまで連絡も一切ない彼に、なにかあった可能性を捨てきれず、僕はドアの向こう側へ足を踏み入れた。
名前を呼びながら、狭くて短い廊下を進む。反応はない。
少し罪悪感を覚えつつ、部屋の中を捜索する。すぐに、寝室に辿り着いた。
なんだろう、嫌な予感がする。なにか、たいへんなことが、起こっているような──。
──そこにいたのは、持ち主を失ったマリオネットのような彼だった。
肩を揺すっても、起きる気配はない。息もしてないようだった。
そこからは、色々なことが目まぐるしく過ぎていった。
救急車を呼んで、病院まで着いて行ったけど、手遅れだった。五日前には亡くなっていたそうだ。状況からして、事件性はなし。くも膜下出血だった。
残業は八十時間を優に超えていた。かなり苦労したそうだが、遺族は過労死の認定にまでこぎつけた。
葬儀では、皆悲しんでいた。泣いていた。「どうしてあいつが死んだんだ?」という声が、あちこちから聞こえる。多分、知らないんだ。彼が今まで、どんな状況で闘っていたのかを。
僕は泣けなかった。罪悪感に潰されたように、身体が重くて、本当は今すぐにでもここから離れたかった。
贖罪のつもりか? と自虐的に笑ってみせるが、それで気分が晴れるわけもなかった。
葬儀もなにもかも終わってから、僕はもう一度彼の部屋へ行った。彼の部屋に僕の持ち物があると、遺族から連絡がきたからだ。その日のことは、なんとなく曖昧になってしまった。それだけ気が動転していたのだろうか。忘れ物があることにすら気付いていなかった。
「すみません。遅くなって」
ドアの前にいたのは、彼の妹らしき人だった。
「わざわざすみません」
「いえ、大丈夫です。これくらい」
──なにも、できなかったんだから。
ありきたりな挨拶だけして、彼女は、僕の忘れ物を渡してくれた。
「あの、あとこれ、あなたのことが書いてあって……」
躊躇いがちに渡されたそれは、多分、彼の手帳だ。
「……読んでみてください」
一つページをめくると、そこには予定が記されていた。休みがなく、ぎっしり詰まっている。ある程度予想はしていたけど、まさか、これ程とは……。
さらにページをめくると、今度は日記のようなものがある。
それは、最後のページにあった。
──同僚が、俺のことを心配していた。
まさかそんなことがあるなんて思わなく て、嬉しくて……。
明日からまた仕事だ。もっと頑張らないと
それを読んで、視界が滲んだ。
何でこんなに抱えてたんだよ。同僚なんだからそれぐらい相談しろよ。
色んな言葉が脳を駆けていくが、それを伝えるべき相手はもういない。
「あ、あの……」
彼の妹が、遠慮がちに声をかける。
「……大丈夫です。ありがとうございました」
ちゃんと笑えていたかは、自信がない。
その翌年、僕は彼のかわりに昇進した。抜けられると困るようなポストだったらしい。
特別な関わりがあったわけじゃないけど、あいつを見捨てた社会にいるのは嫌な気がしたけど、もう僕はそこで生きていくしかない。
最近入ってきた新人は僕のことを、「いい上司」だと言っているのを小耳に挟んだ。無理のない、自分のペースで仕事をして、荷が重すぎる仕事を無理に回さない人だ、と。
僕は元々、そういう人間じゃない。あの一件があって、自分の力量、相手の力量をよく見るようになっただけだ。
それがなければ、僕も、彼等も同じ道を辿っていたのかもしれない。
虚ろなマリオネットになってはいけないと、あいつが教えてくれたから──。
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