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0026 最後の証明?

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 他人から聞いた君の姿と、僕が見ていた君の姿は全然違う。一体どっちが本当の姿なんだ?
 僕がそう問いかけても、もう君は答えない。

 閉じた目は力なく、時折白目をむいている。

「いっつもお兄ちゃんのそばにいるよね、もう!」

 妹が呆れたように笑って、ぼくのひざの上で横たわる君を見た。
 ゴロゴロとのどを鳴らしながら君は、手足を伸ばして大きく伸びをした。ぐでん、と態勢が変わるたびにぼくのひざにはあたたかな体温が伝わる。

「本当にタマが威嚇なんかするのか?」

「触られたくない時はいっつも威嚇するよ」

「ぼくはそんな姿見たことないけどなぁ……」

 さあどっちが本当の君の姿なのか。起きたら見せてくれるかな。何回もぼくの前で妹や両親が証明しようとしたけれど、ぼくの前にいる君はいつもと変わらず誰にでも背中を撫でさせてくれる人懐っこい猫だった。

 今度こそ、最後の証明になるだろうか。

「タマはみんなのこと大好きだもんな」

 ぼくがタマののどを撫でると、タマは寝ぼけているのか嬉しそうに顔を手にのせてくれた。
 妹が呆れたようため息を吐いた。

「もう猫かぶってるんだから!」
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