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2 新生活
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ピカピカの食器、買ったばかりの最新家電、ソファやベッド何から何まで新しいものづくめ。モノトーンはちょっと堅苦しいかな、考えに考え抜いてぬいぐるみの一つに至るまで悩みぬきました。そこそこのお値段、わりと広いわけあり物件一軒家。
ここが今日から住む私のお城です。
私の名前は『空野星空』。空野さん家の長女です。空野さんはたいへん理解のある方です。
ただ骨董品屋さんで鏡やひな人形を買うのを止めたところを見るとセンスはやはり常人なのだろうと思います。
視界の隅で、磨きに磨きぬいた骨董品の姿見にふと白い影が横切った気がします。
そろっと覗いてみると……。
青を基調とした抑え目のワンピース。かなり明るい茶髪。肩までの髪の毛は私が動くたびに毛先がぴょんぴょん。肌は病気を疑うほどに青白く、まあ美人な私。
「私ってやっぱり可愛いなぁ! 高校生にしては幼いけど、まあモテそうじゃない!? うへへへへ」
姿見がだんだんと暗くなっていきます。鏡というものは「私、綺麗?」ときくと「あなたが一番綺麗です」と答えるものじゃないのかな。
「もういい!」
鏡に埃除けをバサっとかぶせました、不愉快なので。
階段をドタドタと騒がしく、「先輩っ! 先輩っ!せんぱ~~~いっ!!」叫びながら登ってくるのは私の弟です。
「先輩っ! やばいですっ! ほらこれ見てください!」
「こらアオ! おねえちゃんっでしょ!」
中学の制服を着て、涙目になっている少年。背が高いので見上げないといけませんが、その手には長い黒髪。
「どうしたのよ、ガタガタ震えて」
「せんぱ……お姉ちゃん。あの、これ!! 風呂場に女の髪の毛がぁ!!」
地球にごまんとある怪談の定番パターンを叫んだ。
私は明るい茶髪、といっても赤髪に近い色です。アオは黒、というよりも灰色っぽい黒髪。もう一人妹がいますが、その娘はまだこの家に足を踏み入れてもいません。悠々自適のホテル暮らしを満喫するんだって。
「私たちのじゃなければ、空野さんの髪の毛じゃないの?」
「空野さん男の人じゃん! 髪短いじゃんんん!!」
髪の毛を掴んだ手をガタガタと震わせながら、アオは叫びます。
「伸びたんでしょう? 男女で髪の長さは決まってないわよ? イメチェンしたんじゃない」
「空野さん一週間前坊主頭!! こんな短期間でそんな伸びるかボケナス!!」
ぼ、ぼけなす……とは……なんぞや。
何となく雰囲気から悪口系の言葉とは分かりますが。
「じゃあここの名物幽霊じゃないの? 髪の長い女なんてまさに定番!」
「ゆ、ゆうれい……? ……ってなんですか?」
「その髪の毛分析でもして調べれば?」
「怪奇現象じゃないんですか?」
「だから……調べれば?」
なんで幽霊を知らず、怪奇現象はわかってるんでしょうか。
「え、あ、はい……?」
アオは呆気に取られた様子で下に降りていきました。
うふふ。分析結果が楽しみです。
それに幽霊が何かをアオがいつ知るか。この家の訳ありを知った時の顔を思い浮かべるとニヤニヤが止まりません。
明日は初めての学校! とても楽しみです。
私たちはそれぞれ初等部・中等部・高等部がある学校にそれぞれ転入します。
ちなみに空野さんとは都会の裏路地で転がっていた人間で、キャトルミューティレーションした結果今は協力関係にあります。
――――第四の月 ▽日 魚曜日
ここが今日から住む私のお城です。
私の名前は『空野星空』。空野さん家の長女です。空野さんはたいへん理解のある方です。
ただ骨董品屋さんで鏡やひな人形を買うのを止めたところを見るとセンスはやはり常人なのだろうと思います。
視界の隅で、磨きに磨きぬいた骨董品の姿見にふと白い影が横切った気がします。
そろっと覗いてみると……。
青を基調とした抑え目のワンピース。かなり明るい茶髪。肩までの髪の毛は私が動くたびに毛先がぴょんぴょん。肌は病気を疑うほどに青白く、まあ美人な私。
「私ってやっぱり可愛いなぁ! 高校生にしては幼いけど、まあモテそうじゃない!? うへへへへ」
姿見がだんだんと暗くなっていきます。鏡というものは「私、綺麗?」ときくと「あなたが一番綺麗です」と答えるものじゃないのかな。
「もういい!」
鏡に埃除けをバサっとかぶせました、不愉快なので。
階段をドタドタと騒がしく、「先輩っ! 先輩っ!せんぱ~~~いっ!!」叫びながら登ってくるのは私の弟です。
「先輩っ! やばいですっ! ほらこれ見てください!」
「こらアオ! おねえちゃんっでしょ!」
中学の制服を着て、涙目になっている少年。背が高いので見上げないといけませんが、その手には長い黒髪。
「どうしたのよ、ガタガタ震えて」
「せんぱ……お姉ちゃん。あの、これ!! 風呂場に女の髪の毛がぁ!!」
地球にごまんとある怪談の定番パターンを叫んだ。
私は明るい茶髪、といっても赤髪に近い色です。アオは黒、というよりも灰色っぽい黒髪。もう一人妹がいますが、その娘はまだこの家に足を踏み入れてもいません。悠々自適のホテル暮らしを満喫するんだって。
「私たちのじゃなければ、空野さんの髪の毛じゃないの?」
「空野さん男の人じゃん! 髪短いじゃんんん!!」
髪の毛を掴んだ手をガタガタと震わせながら、アオは叫びます。
「伸びたんでしょう? 男女で髪の長さは決まってないわよ? イメチェンしたんじゃない」
「空野さん一週間前坊主頭!! こんな短期間でそんな伸びるかボケナス!!」
ぼ、ぼけなす……とは……なんぞや。
何となく雰囲気から悪口系の言葉とは分かりますが。
「じゃあここの名物幽霊じゃないの? 髪の長い女なんてまさに定番!」
「ゆ、ゆうれい……? ……ってなんですか?」
「その髪の毛分析でもして調べれば?」
「怪奇現象じゃないんですか?」
「だから……調べれば?」
なんで幽霊を知らず、怪奇現象はわかってるんでしょうか。
「え、あ、はい……?」
アオは呆気に取られた様子で下に降りていきました。
うふふ。分析結果が楽しみです。
それに幽霊が何かをアオがいつ知るか。この家の訳ありを知った時の顔を思い浮かべるとニヤニヤが止まりません。
明日は初めての学校! とても楽しみです。
私たちはそれぞれ初等部・中等部・高等部がある学校にそれぞれ転入します。
ちなみに空野さんとは都会の裏路地で転がっていた人間で、キャトルミューティレーションした結果今は協力関係にあります。
――――第四の月 ▽日 魚曜日
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