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大昔、空に生き物が現れた頃。
同時に『死なず』も生まれるようになった。
ただその頃に誕生した人がいるというだけでまだ知られてはいなかったが。
ただ繁栄した人間はその頃を境にして急速に数を減らしていった。
理由は分からないけれど、石油の採掘場や発電所などエネルギーを生んでいた所が次々と空クジラに襲撃された。お互いに連絡することが出来ず技術の進歩は止まった。
それから残ったエネルギーを奪い合い人間同士で争ったらしい。
どんどん数が減っていった人間を見ながら『死なず』は自分たちが人間とは違う生き物であると認識していった。
病気にもならず、傷もすぐに再生する。
私たちは集まった。
その時皆を集めたのがシーさんだった。
シーさんが管理していた塔にあった他の塔の情報を見て、それぞれが別の塔との連絡係になった。
いつしか塔を管理していた人間が死んでしまい、私たちが住むようになったのだ。
当時は国も瓦解しはじめるほど人口が減り塔の人間たちにはとても感謝された。
一か月に一度の物品の交換はその時の名残であった。
「はぁ、お客か」
今の自分が人間とまともにやり取りできるのかとても不安だ。
――翌日。
やはり客はこなかった。
いつも通りシーさんと話をした。
だがその翌日、平原に異変があった。
「――は」
驚いて望遠鏡を離すと肉眼ではやはり見えない。
今日はやけにそわそわする。
急いでヤギの乳や卵、野菜なんかを準備する。
普段はそこまで凝った料理なんかしないけれど。
いつもだったら卵焼きにする所、オムライスにしてしまった。
何故かわくわくして眠れなかった。
次の日から私は空の他に草原も眺めることになった。
気にしないようにしていたがどうしても気になってしまう。
数時間おきに何度も確認してしまった。
同時に『死なず』も生まれるようになった。
ただその頃に誕生した人がいるというだけでまだ知られてはいなかったが。
ただ繁栄した人間はその頃を境にして急速に数を減らしていった。
理由は分からないけれど、石油の採掘場や発電所などエネルギーを生んでいた所が次々と空クジラに襲撃された。お互いに連絡することが出来ず技術の進歩は止まった。
それから残ったエネルギーを奪い合い人間同士で争ったらしい。
どんどん数が減っていった人間を見ながら『死なず』は自分たちが人間とは違う生き物であると認識していった。
病気にもならず、傷もすぐに再生する。
私たちは集まった。
その時皆を集めたのがシーさんだった。
シーさんが管理していた塔にあった他の塔の情報を見て、それぞれが別の塔との連絡係になった。
いつしか塔を管理していた人間が死んでしまい、私たちが住むようになったのだ。
当時は国も瓦解しはじめるほど人口が減り塔の人間たちにはとても感謝された。
一か月に一度の物品の交換はその時の名残であった。
「はぁ、お客か」
今の自分が人間とまともにやり取りできるのかとても不安だ。
――翌日。
やはり客はこなかった。
いつも通りシーさんと話をした。
だがその翌日、平原に異変があった。
「――は」
驚いて望遠鏡を離すと肉眼ではやはり見えない。
今日はやけにそわそわする。
急いでヤギの乳や卵、野菜なんかを準備する。
普段はそこまで凝った料理なんかしないけれど。
いつもだったら卵焼きにする所、オムライスにしてしまった。
何故かわくわくして眠れなかった。
次の日から私は空の他に草原も眺めることになった。
気にしないようにしていたがどうしても気になってしまう。
数時間おきに何度も確認してしまった。
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