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完璧な計画
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「あんた、椿家の人?今双樹くん疲れて寝ちゃってるから外で待ってて貰っていい?」
迎えの人を一旦返し、ベッドに戻る。彼は柔らかい寝息を立てすやすやと眠っている。頭を撫でてやると嫌そうに眉間にしわを寄せた。
「ふふ、かわいー……」
今まで数え切れない程のお見合い、もといセックスを繰り返した訳だが、あんなにムードが無いのは初めてだった。まあ俺のことを嫌いな奴を抱いたのは初めてだったしな。でも、正直今までの誰よりも気持ちよかった。好きな人とするセックスが一番気持ちいいんだぜ、と兄貴に言われたことがあったが、やっと意味が分かったかもしれない。ベッドの上の双樹くんはエロくて可愛くて、いつも以上に興奮してしまった。
初めて双樹くんに会ったのは十年前の明日見グループのパーティだった。声のデカい双子が居るなと思ったけど、別に近付こうとは思わなかった。それよりも、打算的に話しかけてくる奴ばかりで嫌気が差し庭に逃げていた。しばらく一人でいると、同い年くらいの子供が話しかけてきた。
「お前、明日見麟太郎だろ。みんな探してたぞ」
「あ?お前誰だよ。どうせ探してる奴だって手っ取り早く明日見家と仲良くなりたいだけだ」
「俺は椿双樹だ!覚えとけ!せっかくこの俺が呼んできてやったのに」
彼はふん!と言いながら俺の隣に座った。そして俺の方を見ると今度はニヤリと笑う。
「じゃあ、お前がここから動かないなら俺の妹の話を聞かせてやろう!何時間でも話してやるぞ!」
「えっ」
彼は有無を言わさず話し始めた。椿家の自慢話、いかに妹が可愛いかの話など聞いてもないのに興味の無いことをペラペラ喋り続ける。これまで話しかけてくる大人たちの笑顔は思惑が見え透いたものだったが、楽しそうに話をする彼は純粋な笑顔を向けてきた。その時、彼のことを可愛いと思ってしまった。
――俺、この子と結婚したい!
「おはよ、双樹くん。もう迎えの人来てるよ」
「んん……?……あっ明日見お前!!あれ、この服……」
「双葉ちゃんの服は洗ったから、俺の予備の服貸すね」
「お前やっぱり服持ってたんじゃないか!」
俺の服を着ている双樹くんの袖はサイズが大きくてゆるゆるだ。これが彼シャツかあ、悪くないな。
「俺、双樹くんと結婚することに決めたから」
「は!?そんなの願い下げだ!」
「ねえ、縁談の決定権は明日見の方にあるって分かってるよね?」
「嘘だろ……!?」
「俺たち体の相性もバッチリだったし、絶対上手くいくよ!やったね!」
そう、椿家の親にはもう話をつけてるし喜んでるからね。回りくどくなったし時間も掛かった。でもまあ、計画通りに行って良かったな。
迎えの人を一旦返し、ベッドに戻る。彼は柔らかい寝息を立てすやすやと眠っている。頭を撫でてやると嫌そうに眉間にしわを寄せた。
「ふふ、かわいー……」
今まで数え切れない程のお見合い、もといセックスを繰り返した訳だが、あんなにムードが無いのは初めてだった。まあ俺のことを嫌いな奴を抱いたのは初めてだったしな。でも、正直今までの誰よりも気持ちよかった。好きな人とするセックスが一番気持ちいいんだぜ、と兄貴に言われたことがあったが、やっと意味が分かったかもしれない。ベッドの上の双樹くんはエロくて可愛くて、いつも以上に興奮してしまった。
初めて双樹くんに会ったのは十年前の明日見グループのパーティだった。声のデカい双子が居るなと思ったけど、別に近付こうとは思わなかった。それよりも、打算的に話しかけてくる奴ばかりで嫌気が差し庭に逃げていた。しばらく一人でいると、同い年くらいの子供が話しかけてきた。
「お前、明日見麟太郎だろ。みんな探してたぞ」
「あ?お前誰だよ。どうせ探してる奴だって手っ取り早く明日見家と仲良くなりたいだけだ」
「俺は椿双樹だ!覚えとけ!せっかくこの俺が呼んできてやったのに」
彼はふん!と言いながら俺の隣に座った。そして俺の方を見ると今度はニヤリと笑う。
「じゃあ、お前がここから動かないなら俺の妹の話を聞かせてやろう!何時間でも話してやるぞ!」
「えっ」
彼は有無を言わさず話し始めた。椿家の自慢話、いかに妹が可愛いかの話など聞いてもないのに興味の無いことをペラペラ喋り続ける。これまで話しかけてくる大人たちの笑顔は思惑が見え透いたものだったが、楽しそうに話をする彼は純粋な笑顔を向けてきた。その時、彼のことを可愛いと思ってしまった。
――俺、この子と結婚したい!
「おはよ、双樹くん。もう迎えの人来てるよ」
「んん……?……あっ明日見お前!!あれ、この服……」
「双葉ちゃんの服は洗ったから、俺の予備の服貸すね」
「お前やっぱり服持ってたんじゃないか!」
俺の服を着ている双樹くんの袖はサイズが大きくてゆるゆるだ。これが彼シャツかあ、悪くないな。
「俺、双樹くんと結婚することに決めたから」
「は!?そんなの願い下げだ!」
「ねえ、縁談の決定権は明日見の方にあるって分かってるよね?」
「嘘だろ……!?」
「俺たち体の相性もバッチリだったし、絶対上手くいくよ!やったね!」
そう、椿家の親にはもう話をつけてるし喜んでるからね。回りくどくなったし時間も掛かった。でもまあ、計画通りに行って良かったな。
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