370 / 374
『第三部 因果と果報』 救いの代償
35▶弟 8:大切な
しおりを挟む
突然のことだった。
卒業してから数年後、羅凍は沙稀と連絡が取れなくなった。
そうなってから、あのとき『彼女』と会ってはいけなかったんだと、悔いた。
在学中は、沙稀が誰を好きなのかわからなかった。
凪裟が沙稀に好意を持っている様子だったから、ふたりが付き合えばいいと思ったときもあった。
けれど、それは叶わず。
卒業後しばらくして、凪裟と兄が付き合っていると知る。きっと、兄は以前から凪裟が好きだったんだろう。沙稀が卒業してから、凪裟が振られたと言っていたから、タイミングが噛み合ったのかもしれない。
『彼女』を知ったのは偶然だった。
卒業してから半年くらい経ったころ、哀萩と珍しく遠くへ出かけた。そこでたまたま沙稀を見かけ、声をかけた。
「沙稀!」
すると、沙稀は驚くように振り返った。
羅凍はこんな偶然があるのかと、喜びのまま駆け寄る。けれど、羅凍の速度は緩んだ。沙稀の表情が顕著に苦笑いへと変わっていったから。
沙稀の周囲を見てみれば、女子がいる。
「彼女?」
沙稀と身長に差があるものの、清楚な印象だった。だから羅凍はふたりの年齢差より、単に背の低い子と認識する。
とはいえ、その身長差は羅凍と哀萩の差と同じくらいだ。
沙稀は照れているのか、視線を泳がせながら肯定した。
羅凍は『沙稀の友人』と自己紹介し、追いついてきた哀萩を『俺の彼女』と紹介する。
清楚な印象の女子は、丸い目を潰して微笑んだ。
「初めまして」
可憐で、どこか切ない。
沙稀がぎこちなかったのが、どうしてかわかった気がした。
──隠しておきたかったのかな。
彼女を。
それだけ大切に思っているのだろう。沙稀は恋愛が苦手そうだと感じていたから、納得できなくもない。
もしかしたら沙稀は、何年も片想いをしていたのかもしれない。きっと、羅凍に会わせたくなかったのだ。いや、恐らく誰にも会わせたくないくらい大事なのだろう。
だから、わざわざこうして遠くまでデートに来ていたのか。
『大切なんだね』
そう言おうとして飲み込む。沙稀が全身でそれを肯定しているように見えるほど、余裕がなさそうで。
羅凍は意外にも思う。『彼女』はクロカッスの色彩を持っているが、鴻嫗城の末裔である沙稀なら、引け目は皆無だろう。
それとも、身長差をよほど気にしているのか。他人の目が気にならない羅凍としては、同調できないことだが。
「お邪魔しちゃってごめんね」
背後から哀萩の声がした。
「いいえ! 全然! ね、沙稀?」
「ああ……紹介できてうれしいよ」
緊張がにじみ出ているのが、あまりに沙稀らしくなくて羅凍は笑いをこらえる。
「ありがとう。それじゃ」
「ああ、それじゃ」
誰もがにこやかに、手を振って別れた──のに。
また今度は──いや、未来は。
皆が幸せに結婚報告とか、子ども同士の付き合いとか。そういう話しを賑やかにして、穏やかな未来が続いていると──羅凍は想像していたのに。
連絡の取れなくなった当初は、沙稀に嫌われたのかもしれないと不安になった。
何をしてしまったのかと、自問自答する日々を送った。
検討はまったくつかず、けれど、検討がついたところで時は戻せないとうなだれる。
哀萩はそんな羅凍を励まし続けてくれた。そうして、ずっと言い続けていた願いを羅凍は取付ける。
だから、羅凍は沙稀のお陰と感謝し、どうしても沙稀と話しがしたくなった。
思い切って沙稀の実家を訪ねる。すると、どこかで会った少女が出てきて、すぐに戻っていった。
そうして、沙稀と背格好が似たような人物が出てくる。
そういえば、沙稀は双子だった。これまで沙稀の口からほとんど出て来なかったから、すっかり忘れていたが。
来た経緯を伝えたら──話しているうちに、悩んでいた答えに気づいてしまった。
絶句した。
『彼女』に出会ったときの沙稀への違和感が、一本の線で繋がったから。
無性に悔しくなった。
沙稀に嫌われたのではない。信じてもらえていなかったのだ。
理解はできる。
沙稀は、知られたくなかったのだろう。知られたとき、特殊な目で見られたくなかったんだろう。
理解はできる。──理解は。
「誰だって、そう思うさ」
ふいに、声をかけられた。
確かに、誰だって恐れるだろう。親しければ親しい相手ほど、特殊な目で見られることを、恐れるだろう。
理解はできるが、羅凍も同じように思われていたことが、悔しくてたまらない。
どんな話しだろうがいくらでも聞いたし、酒も付き合ったのに──親友だと思っていたのにと、悔しくてたまらない。
独りで抱え込まないでほしかったと涙が出そうになる。
──どの面下げて、結婚の報告なんて……。
でも、知ってほしかった。沙稀に。
ずっと何度も『羨ましい』と言われながらも、『結婚式には呼んで』と幸せそうに言っていたから。
結婚式に来てくれれば、また話せるようになる。
けれど、来るだろうか。
──来ないだろう。
結論は出るが、それでも現状を沙稀に知っていてほしいと願った。
「似てないって思ったろ」
「申し訳ありませんけど、そうですね」
よく言われると言って、沙稀の双子が笑う。双子らしからぬ笑顔で。
──確か……沙稀は弟だったんだっけ。
己は双子ではないが、同じく弟だ。いつだったか、そんな話を沙稀とした気がする。
昔を思い出しながら、要件を口にする。
沙稀に伝えてほしいと告げれば、沙稀からほしかった言葉が返ってきた。
「おめでと」
礼を言うと、『よく話は聞いてたよ』と、遠い目をして瑠既は言った。
「沙稀とずい分仲よかったんだな。けど、悪いな。俺も含め家族は、沙稀がどこにいるか知らないんだ」
『でも幼なじみが知っているはずだから、連絡の取れる母に伝えておく』と続いた。
幼なじみなのに、瑠既は会わないのだろうか──ふんわりと漂う気まずさが、『会えない』と伝わってきた。
「お願いします」
瑠既が沙稀に会えないのは、その幼なじみのせいかもしれない──そんな想像をしながら託す。
「そういえば、これ」
差し出されたのは、背景が抽象的に描かれていて、神々が子ども向けのイラストで描かれている幻想的な表紙の本。目にした羅凍は、まさかと何年も前のことを思い出す。
昔、哀萩にこの世の祖の話をしたとき、『その絵本童話って、今でもまだ……あるのかな?』と言われた。
羅凍は『今度調べてみる』とその場で言ったが、わざわざ鴻嫗城に足を運ばなかった。
その後、沙稀と出会い、話題として沙稀に聞いたことはあった──が、こうして目の前で見られるときがくるとは思っていなかった。
「いつだったか、まだ沙稀に会えていたとき……沙稀に頼まれたんだよ。あいつさ、一人暮らししてから一回しか帰ってきたことなくて。だから俺に頼んだんだと思うんだけど……」
驚いた羅凍は瑠既を見上げる。
「いつか、『羅凍』が来たら渡してほしいって」
「いいんですか?」
「沙稀が言ったんだ。それに、貸すだけだからな」
釘を刺すように瑠既が言うから、羅凍はおかしくて笑う。
「はい、必ず返しに来ます」
まさか現存しているとは思わなかった貴重な品。羅凍は心して受け取る。
初めて見たにも関わらず、なぜか羅凍は表紙のイラストに安らぎを覚える。ただ、その感情よりも、哀萩に見せられるとうれしさが勝った。
「渡せてよかったよ。俺も、普段はここにいないんだ。……会えてよかった」
「こちらこそ」
噂は噂だったなと羅凍は思う。
羅凍にとって瑠既は『話しやすい人』ではなかった。沙稀と雰囲気が違うからか、なぜかとても緊張してしまった。
沙稀とは、もう会えないだろう。話せないだろう。そう思えば、とても悲しい。
けれど、嫌われたのではないと知れたら、絶望は消えた。
『よかった』とは言えない、決して。
ただ、『俺は幸せだ』と現状を知らせられる可能性があることに感謝する。
そして、沙稀も幸せであるようにと願う。
願うことしか、できない。そう思えばグッと胸が痛いけれど、きっと沙稀は何倍もの痛みを感じていたはずだ。
沙稀は察するだろう。羅凍が『彼女』に実家で会ったと。
沙稀は伝言を聞けば、羅凍を疑わないだろう。
でも、連絡はくれないだろう。
傷はきっと、羅凍が想像している以上に大きい。
「生きていて……くれているんだ。それでいいじゃないか」
伝言してくれると瑠既は言った。
だから、それでいいと納得しようとする。
心底よかったと思うのに、涙が羅凍の視界を邪魔した。
卒業してから数年後、羅凍は沙稀と連絡が取れなくなった。
そうなってから、あのとき『彼女』と会ってはいけなかったんだと、悔いた。
在学中は、沙稀が誰を好きなのかわからなかった。
凪裟が沙稀に好意を持っている様子だったから、ふたりが付き合えばいいと思ったときもあった。
けれど、それは叶わず。
卒業後しばらくして、凪裟と兄が付き合っていると知る。きっと、兄は以前から凪裟が好きだったんだろう。沙稀が卒業してから、凪裟が振られたと言っていたから、タイミングが噛み合ったのかもしれない。
『彼女』を知ったのは偶然だった。
卒業してから半年くらい経ったころ、哀萩と珍しく遠くへ出かけた。そこでたまたま沙稀を見かけ、声をかけた。
「沙稀!」
すると、沙稀は驚くように振り返った。
羅凍はこんな偶然があるのかと、喜びのまま駆け寄る。けれど、羅凍の速度は緩んだ。沙稀の表情が顕著に苦笑いへと変わっていったから。
沙稀の周囲を見てみれば、女子がいる。
「彼女?」
沙稀と身長に差があるものの、清楚な印象だった。だから羅凍はふたりの年齢差より、単に背の低い子と認識する。
とはいえ、その身長差は羅凍と哀萩の差と同じくらいだ。
沙稀は照れているのか、視線を泳がせながら肯定した。
羅凍は『沙稀の友人』と自己紹介し、追いついてきた哀萩を『俺の彼女』と紹介する。
清楚な印象の女子は、丸い目を潰して微笑んだ。
「初めまして」
可憐で、どこか切ない。
沙稀がぎこちなかったのが、どうしてかわかった気がした。
──隠しておきたかったのかな。
彼女を。
それだけ大切に思っているのだろう。沙稀は恋愛が苦手そうだと感じていたから、納得できなくもない。
もしかしたら沙稀は、何年も片想いをしていたのかもしれない。きっと、羅凍に会わせたくなかったのだ。いや、恐らく誰にも会わせたくないくらい大事なのだろう。
だから、わざわざこうして遠くまでデートに来ていたのか。
『大切なんだね』
そう言おうとして飲み込む。沙稀が全身でそれを肯定しているように見えるほど、余裕がなさそうで。
羅凍は意外にも思う。『彼女』はクロカッスの色彩を持っているが、鴻嫗城の末裔である沙稀なら、引け目は皆無だろう。
それとも、身長差をよほど気にしているのか。他人の目が気にならない羅凍としては、同調できないことだが。
「お邪魔しちゃってごめんね」
背後から哀萩の声がした。
「いいえ! 全然! ね、沙稀?」
「ああ……紹介できてうれしいよ」
緊張がにじみ出ているのが、あまりに沙稀らしくなくて羅凍は笑いをこらえる。
「ありがとう。それじゃ」
「ああ、それじゃ」
誰もがにこやかに、手を振って別れた──のに。
また今度は──いや、未来は。
皆が幸せに結婚報告とか、子ども同士の付き合いとか。そういう話しを賑やかにして、穏やかな未来が続いていると──羅凍は想像していたのに。
連絡の取れなくなった当初は、沙稀に嫌われたのかもしれないと不安になった。
何をしてしまったのかと、自問自答する日々を送った。
検討はまったくつかず、けれど、検討がついたところで時は戻せないとうなだれる。
哀萩はそんな羅凍を励まし続けてくれた。そうして、ずっと言い続けていた願いを羅凍は取付ける。
だから、羅凍は沙稀のお陰と感謝し、どうしても沙稀と話しがしたくなった。
思い切って沙稀の実家を訪ねる。すると、どこかで会った少女が出てきて、すぐに戻っていった。
そうして、沙稀と背格好が似たような人物が出てくる。
そういえば、沙稀は双子だった。これまで沙稀の口からほとんど出て来なかったから、すっかり忘れていたが。
来た経緯を伝えたら──話しているうちに、悩んでいた答えに気づいてしまった。
絶句した。
『彼女』に出会ったときの沙稀への違和感が、一本の線で繋がったから。
無性に悔しくなった。
沙稀に嫌われたのではない。信じてもらえていなかったのだ。
理解はできる。
沙稀は、知られたくなかったのだろう。知られたとき、特殊な目で見られたくなかったんだろう。
理解はできる。──理解は。
「誰だって、そう思うさ」
ふいに、声をかけられた。
確かに、誰だって恐れるだろう。親しければ親しい相手ほど、特殊な目で見られることを、恐れるだろう。
理解はできるが、羅凍も同じように思われていたことが、悔しくてたまらない。
どんな話しだろうがいくらでも聞いたし、酒も付き合ったのに──親友だと思っていたのにと、悔しくてたまらない。
独りで抱え込まないでほしかったと涙が出そうになる。
──どの面下げて、結婚の報告なんて……。
でも、知ってほしかった。沙稀に。
ずっと何度も『羨ましい』と言われながらも、『結婚式には呼んで』と幸せそうに言っていたから。
結婚式に来てくれれば、また話せるようになる。
けれど、来るだろうか。
──来ないだろう。
結論は出るが、それでも現状を沙稀に知っていてほしいと願った。
「似てないって思ったろ」
「申し訳ありませんけど、そうですね」
よく言われると言って、沙稀の双子が笑う。双子らしからぬ笑顔で。
──確か……沙稀は弟だったんだっけ。
己は双子ではないが、同じく弟だ。いつだったか、そんな話を沙稀とした気がする。
昔を思い出しながら、要件を口にする。
沙稀に伝えてほしいと告げれば、沙稀からほしかった言葉が返ってきた。
「おめでと」
礼を言うと、『よく話は聞いてたよ』と、遠い目をして瑠既は言った。
「沙稀とずい分仲よかったんだな。けど、悪いな。俺も含め家族は、沙稀がどこにいるか知らないんだ」
『でも幼なじみが知っているはずだから、連絡の取れる母に伝えておく』と続いた。
幼なじみなのに、瑠既は会わないのだろうか──ふんわりと漂う気まずさが、『会えない』と伝わってきた。
「お願いします」
瑠既が沙稀に会えないのは、その幼なじみのせいかもしれない──そんな想像をしながら託す。
「そういえば、これ」
差し出されたのは、背景が抽象的に描かれていて、神々が子ども向けのイラストで描かれている幻想的な表紙の本。目にした羅凍は、まさかと何年も前のことを思い出す。
昔、哀萩にこの世の祖の話をしたとき、『その絵本童話って、今でもまだ……あるのかな?』と言われた。
羅凍は『今度調べてみる』とその場で言ったが、わざわざ鴻嫗城に足を運ばなかった。
その後、沙稀と出会い、話題として沙稀に聞いたことはあった──が、こうして目の前で見られるときがくるとは思っていなかった。
「いつだったか、まだ沙稀に会えていたとき……沙稀に頼まれたんだよ。あいつさ、一人暮らししてから一回しか帰ってきたことなくて。だから俺に頼んだんだと思うんだけど……」
驚いた羅凍は瑠既を見上げる。
「いつか、『羅凍』が来たら渡してほしいって」
「いいんですか?」
「沙稀が言ったんだ。それに、貸すだけだからな」
釘を刺すように瑠既が言うから、羅凍はおかしくて笑う。
「はい、必ず返しに来ます」
まさか現存しているとは思わなかった貴重な品。羅凍は心して受け取る。
初めて見たにも関わらず、なぜか羅凍は表紙のイラストに安らぎを覚える。ただ、その感情よりも、哀萩に見せられるとうれしさが勝った。
「渡せてよかったよ。俺も、普段はここにいないんだ。……会えてよかった」
「こちらこそ」
噂は噂だったなと羅凍は思う。
羅凍にとって瑠既は『話しやすい人』ではなかった。沙稀と雰囲気が違うからか、なぜかとても緊張してしまった。
沙稀とは、もう会えないだろう。話せないだろう。そう思えば、とても悲しい。
けれど、嫌われたのではないと知れたら、絶望は消えた。
『よかった』とは言えない、決して。
ただ、『俺は幸せだ』と現状を知らせられる可能性があることに感謝する。
そして、沙稀も幸せであるようにと願う。
願うことしか、できない。そう思えばグッと胸が痛いけれど、きっと沙稀は何倍もの痛みを感じていたはずだ。
沙稀は察するだろう。羅凍が『彼女』に実家で会ったと。
沙稀は伝言を聞けば、羅凍を疑わないだろう。
でも、連絡はくれないだろう。
傷はきっと、羅凍が想像している以上に大きい。
「生きていて……くれているんだ。それでいいじゃないか」
伝言してくれると瑠既は言った。
だから、それでいいと納得しようとする。
心底よかったと思うのに、涙が羅凍の視界を邪魔した。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
彼女にも愛する人がいた
まるまる⭐️
恋愛
既に冷たくなった王妃を見つけたのは、彼女に食事を運んで来た侍女だった。
「宮廷医の見立てでは、王妃様の死因は餓死。然も彼が言うには、王妃様は亡くなってから既に2、3日は経過しているだろうとの事でした」
そう宰相から報告を受けた俺は、自分の耳を疑った。
餓死だと? この王宮で?
彼女は俺の従兄妹で隣国ジルハイムの王女だ。
俺の背中を嫌な汗が流れた。
では、亡くなってから今日まで、彼女がいない事に誰も気付きもしなかったと言うのか…?
そんな馬鹿な…。信じられなかった。
だがそんな俺を他所に宰相は更に告げる。
「亡くなった王妃様は陛下の子を懐妊されておりました」と…。
彼女がこの国へ嫁いで来て2年。漸く子が出来た事をこんな形で知るなんて…。
俺はその報告に愕然とした。
【完結】え、別れましょう?
須木 水夏
恋愛
「実は他に好きな人が出来て」
「は?え?別れましょう?」
何言ってんだこいつ、とアリエットは目を瞬かせながらも。まあこちらも好きな訳では無いし都合がいいわ、と長年の婚約者(腐れ縁)だったディオルにお別れを申し出た。
ところがその出来事の裏側にはある双子が絡んでいて…?
だる絡みをしてくる美しい双子の兄妹(?)と、のんびりかつ冷静なアリエットのお話。
※毎度ですが空想であり、架空のお話です。史実に全く関係ありません。
ヨーロッパの雰囲気出してますが、別物です。
娼館で元夫と再会しました
無味無臭(不定期更新)
恋愛
公爵家に嫁いですぐ、寡黙な夫と厳格な義父母との関係に悩みホームシックにもなった私は、ついに耐えきれず離縁状を机に置いて嫁ぎ先から逃げ出した。
しかし実家に帰っても、そこに私の居場所はない。
連れ戻されてしまうと危惧した私は、自らの体を売って生計を立てることにした。
「シーク様…」
どうして貴方がここに?
元夫と娼館で再会してしまうなんて、なんという不運なの!
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢は逃げることにした
葉柚
恋愛
皇太子の子を妊娠した悪役令嬢のレイチェルは幸せいっぱいに暮らしていました。
でも、妊娠を切っ掛けに前世の記憶がよみがえり、悪役令嬢だということに気づいたレイチェルは皇太子の前から逃げ出すことにしました。
本編完結済みです。時々番外編を追加します。
宮廷外交官の天才令嬢、王子に愛想をつかれて婚約破棄されたあげく、実家まで追放されてケダモノ男爵に読み書きを教えることになりました
悠木真帆
恋愛
子爵令嬢のシャルティナ・ルーリックは宮廷外交官として日々忙しくはたらく毎日。
クールな見た目と頭の回転の速さからついたあだ名は氷の令嬢。
婚約者である王子カイル・ドルトラードを長らくほったらかしてしまうほど仕事に没頭していた。
そんなある日の夜会でシャルティナは王子から婚約破棄を宣言されてしまう。
そしてそのとなりには見知らぬ令嬢が⋯⋯
王子の婚約者ではなくなった途端、シャルティナは宮廷外交官の立場まで失い、見かねた父の強引な勧めで冒険者あがりの男爵のところへ行くことになる。
シャルティナは宮廷外交官の実績を活かして辣腕を振るおうと張り切るが、男爵から命じられた任務は男爵に文字の読み書きを教えることだった⋯⋯
【完結】側妃は愛されるのをやめました
なか
恋愛
「君ではなく、彼女を正妃とする」
私は、貴方のためにこの国へと貢献してきた自負がある。
なのに……彼は。
「だが僕は、ラテシアを見捨てはしない。これから君には側妃になってもらうよ」
私のため。
そんな建前で……側妃へと下げる宣言をするのだ。
このような侮辱、恥を受けてなお……正妃を求めて抗議するか?
否。
そのような恥を晒す気は無い。
「承知いたしました。セリム陛下……私は側妃を受け入れます」
側妃を受けいれた私は、呼吸を挟まずに言葉を続ける。
今しがた決めた、たった一つの決意を込めて。
「ですが陛下。私はもう貴方を支える気はありません」
これから私は、『捨てられた妃』という汚名でなく、彼を『捨てた妃』となるために。
華々しく、私の人生を謳歌しよう。
全ては、廃妃となるために。
◇◇◇
設定はゆるめです。
読んでくださると嬉しいです!
王女、騎士と結婚させられイかされまくる
ぺこ
恋愛
髪の色と出自から差別されてきた騎士さまにベタ惚れされて愛されまくる王女のお話。
性描写激しめですが、甘々の溺愛です。
※原文(♡乱舞淫語まみれバージョン)はpixivの方で見られます。
婚約者に愛する人が出来たので、身を引く事にしました
Blue
恋愛
幼い頃から家族ぐるみで仲が良かったサーラとトンマーゾ。彼が学園に通うようになってしばらくして、彼から告白されて婚約者になった。サーラも彼を好きだと自覚してからは、穏やかに付き合いを続けていたのだが、そんな幸せは壊れてしまう事になる。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる