131 / 383
兄と罪、罪と弟
【67】シロツメクサの告白(1)
しおりを挟む
足早に城下町を羅凍は通り過ぎていく。人の少ない道を選ぶのは得意だと言わんばかりに、スイスイと歩いて船に乗り込む。
父が一命をとりとめる方がいいのか、悪いのか、羅凍には判断し難い。倫理で判断するなら当然、前者。それは理解できる。けれど、単純に良しと思えないのは、心にかかる靄。
正直、父が存命しているからこそ、羅凍は城に縛られている気がする。捷羅が継いで順風満帆に日々が過ぎていけば、羅凍に対して母の関心は薄れ──いや、なくなるかもしれない。
捷羅は母の様子を見ながら、自由にさせてくれている。母の関心が羅凍からなくなれば、城から出て自由になる望みは叶いそうだ。
身勝手なのは重々承知。だが、押しつぶされた心は悲鳴を上げていて、その悲鳴がもれないようにグッと理性が抑え込んでいる。どちらも限界を越えそうになりながら生きていて、倫理や理想や建前で父に生きていてほしいとは到底、羅凍には言えない。
──どうして俺は、羅暁城に生まれてきたのだろう。
──違うところに生まれていたなら。
羅凍には、沙稀も忒畝も、誰も彼もが羨ましくて仕方ない。哀萩のことを思えば、尚更。
父が思っているように、羅凍も父の子として生まれなければという思いがある。鏡を見る度に、父と似ていると聞く度に、落胆する。外見だけではなく、己の血肉を呪うように忌み嫌っている。
一方で城から出て、沙稀や忒畝たちと話していればとても満たされる。彼らは羅凍を個として見て、認めてくれているから。対等に扱ってくれるから。そういう彼らと友人でいられることは誇りで、話せる日々はとても幸せだ。
船に揺られて思い出す。そういえば、哀萩に初めて告白したのは、そんな彼らと有意義な一ヶ月を過ごしたあとだった。
あれは、十九歳のときだ。そう、克主研究所の時期君主のお披露目の場として、開かれた約一ヶ月間の講義。講義を務めたのは、もちろん忒畝だ。
楽しく充実した日々はあっという間で──あんな毎日が続いたならと、夢のように思い返しながら羅凍は帰りの船に乗った。
捷羅に帰城した旨を伝えて、その足取りで裏口から出た。向かった先は、幼少期によく過ごした棟の近く。一面には、シロツメクサがかわいらしい花を咲かせていた。その花々を呆然と見つめ、哀萩と出会った日、笑って過ごした日々を思い出す。
巻き戻した時が足早に再生され──羅凍が城内で過ごすようになってからの記憶は、ゆっくりと流れた。
哀萩が急によそよそしくなったのは、そのころだった。話しかけてもそっけない返事しか返ってこなかったり、刺々しい言葉が増えたり──以前のように笑ってくれなくなっていた。
ちょうど捷羅の怒りの声を聞き、驚いたあとのことで。捷羅の言葉の矛先が、父だったのにも驚いたが──それ以上に内容にも、驚いて。心臓が、飛び出そうなほどバクバクといった。
哀萩とは結ばれたいと願うよりも、そばにいてくれればいいと願っていたのに、それさえも願ってはいけないと──諦めなければいけないと、思い詰めることになった。
思いと裏腹に、視線は哀萩に捕らわれ、追いかけてしまう。哀萩は捷羅といつからか仲睦まじくなっていて、羅凍は視線を離せなくなる。──その様子を、捷羅は視線を送らずとも、知っているような気がした。
捷羅の部屋が変ったのと同時に知った、禾葩の死。その原因は、後に母から聞き──捷羅が羅凍に復讐心のようなものを抱いているのを、なんとなく感じるようになっていた。
羅凍自身が、何かをしたわけではない。捷羅もそれを理解しているはず。──けれど、理屈だけですべて片付くわけではない。
哀萩の気持ちは、わからない。本当に捷羅が好きなのかもしれない。だけど、捷羅は──羅凍に見せつけ、羅凍の想う人から想われるという満足に浸るために、必要な演技をしているにすぎないのだろう。
キリキリと胸が痛む。幾重にも諦める理由が重なっていて。好きだという想いが消せなくて。また笑顔が見たいとか、そばにいられればいいとか、そんな思いが膨らんできて。──結局、諦められずに想いを膨らませてしまって、告白しない方が苦しくなってきてしまっていた。
そんな思いを出会って間もない沙稀に露土してしまって、なのに沙稀は、
「羅凍って、自分に素直なんだね」
と言ってくれた。そう? と聞き返せば、
「うん。羨ましいくらい。俺には絶対に真似できない」
と、意外な言葉が返ってきて。──告白してもいいのかと、背中を押してもらえた。
深呼吸をする。あの沙稀に羨ましいと言ってもらえたのだからと、勇気をもらい決心できたと思い出して。哀萩に告白をすると心に決め、草原に腰を下ろす。
──玉砕すれば、きっとスッキリする。
告白しないという選択肢は、もう彼の中にはない。尚且つ、受け入れてもらえるという望みも彼は持っていない。
おもむろに手を伸ばし、一本のシロツメクサを摘む。
懐かしい時間を再び刻むように、茎で円を描く。一度止まり、今度はクルクルと茎を巻きつける。すると、ちいさなシロツメクサの花が、大きく見えた。
シロツメクサを編んで作ったものを見つめて、徐々に鼓動がはやくなる。望みは持っていないが、これには一大決心を込めた。
──結果なんて、わかってる。だけど……。
言わなければ、前には進めない。前を向くこともできない。
告白しないで胸にそっとしまい込めていたら、どんなによかったか。いや、好きだと気づかないで、子どものままこの場で。彼女とふたりでずっと過ごせたのなら──どんなに、よかったか。
ずっとそばにいたかった。いてほしかった。
それだけでいいと願っていた。それだけを望んだ。
一生をともに過ごす象徴が、結婚だ。だけど、結婚は望めないから望まない。だから、プロポーズもできない。
これは、諦めるための手段。
凛と咲き誇る手の中のシロツメクサを見つめ、彼の瞳が潤みかけていたとき、
「おかえり」
と、背後から想い人の声が届いた。
一ヶ月振りに聞く声に、一瞬で瞳は乾く。いや、乾いたのは瞳だけではなく、口の中まで水分は失っていった。
「もう……わざわざ克主研究所から手紙を送ってくるなんて。しかも、ここに呼んで。……どうしたの?」
彼女の声に羅凍の鼓動は高鳴る。いつまでも聞いていたいその声に、心を揺らしてはいけないと、羅凍はなるべく自然に立ち上がる。──手の中にシロツメクサで作ったちいさな物を隠して。
立ち上がれば一面に背の低い緑が広がり、所々に白が点在している。白くて丸いちいさな花を咲かせたシロツメクサたちが。
彼女と向かい合うと、距離はおよそ四メートル。互いに腕を伸ばしても、手は届かない。
「ただいま」
いつものように笑おうとしたのに、顔の筋肉が言うことをきかなかった。彼女に戸惑いの表情が浮かぶ。
それはそうだろう。遠方から手紙を出すのも、彼女を呼び出すのも、強張った表情なのも、すべてが羅凍らしくないのだから。
「何?」
彼女の不安そうな声に、羅凍は隠していたものを差し出す。蔦のように編んだ丸い部分を親指と人差し指で持って、彼女に受け取ってと言うように。
輪の上部に咲く白い花越しに、青と緑の──彼女を象徴するような色合いが、視界を染める。
「はい」
ちいさな花をシンボルとした、おもちゃのリングのようなもの。それを目の前にして、彼女は青空のような瞳を大きくした。
彼女は羅凍の言葉を待っているのか、ただぼんやりとちいさな花を見て──羅凍に標準を合わせるように視界を上げる。
羅凍の顔は、急激に熱を上昇させていく。
「あ……えと、その……初めてあげたのが冠だったから、告白するときはこれを渡そうと思って……た。俺、哀萩が好きだ」
何度か伏し目がちになりながらも、懸命に哀萩を見続ける。
父が一命をとりとめる方がいいのか、悪いのか、羅凍には判断し難い。倫理で判断するなら当然、前者。それは理解できる。けれど、単純に良しと思えないのは、心にかかる靄。
正直、父が存命しているからこそ、羅凍は城に縛られている気がする。捷羅が継いで順風満帆に日々が過ぎていけば、羅凍に対して母の関心は薄れ──いや、なくなるかもしれない。
捷羅は母の様子を見ながら、自由にさせてくれている。母の関心が羅凍からなくなれば、城から出て自由になる望みは叶いそうだ。
身勝手なのは重々承知。だが、押しつぶされた心は悲鳴を上げていて、その悲鳴がもれないようにグッと理性が抑え込んでいる。どちらも限界を越えそうになりながら生きていて、倫理や理想や建前で父に生きていてほしいとは到底、羅凍には言えない。
──どうして俺は、羅暁城に生まれてきたのだろう。
──違うところに生まれていたなら。
羅凍には、沙稀も忒畝も、誰も彼もが羨ましくて仕方ない。哀萩のことを思えば、尚更。
父が思っているように、羅凍も父の子として生まれなければという思いがある。鏡を見る度に、父と似ていると聞く度に、落胆する。外見だけではなく、己の血肉を呪うように忌み嫌っている。
一方で城から出て、沙稀や忒畝たちと話していればとても満たされる。彼らは羅凍を個として見て、認めてくれているから。対等に扱ってくれるから。そういう彼らと友人でいられることは誇りで、話せる日々はとても幸せだ。
船に揺られて思い出す。そういえば、哀萩に初めて告白したのは、そんな彼らと有意義な一ヶ月を過ごしたあとだった。
あれは、十九歳のときだ。そう、克主研究所の時期君主のお披露目の場として、開かれた約一ヶ月間の講義。講義を務めたのは、もちろん忒畝だ。
楽しく充実した日々はあっという間で──あんな毎日が続いたならと、夢のように思い返しながら羅凍は帰りの船に乗った。
捷羅に帰城した旨を伝えて、その足取りで裏口から出た。向かった先は、幼少期によく過ごした棟の近く。一面には、シロツメクサがかわいらしい花を咲かせていた。その花々を呆然と見つめ、哀萩と出会った日、笑って過ごした日々を思い出す。
巻き戻した時が足早に再生され──羅凍が城内で過ごすようになってからの記憶は、ゆっくりと流れた。
哀萩が急によそよそしくなったのは、そのころだった。話しかけてもそっけない返事しか返ってこなかったり、刺々しい言葉が増えたり──以前のように笑ってくれなくなっていた。
ちょうど捷羅の怒りの声を聞き、驚いたあとのことで。捷羅の言葉の矛先が、父だったのにも驚いたが──それ以上に内容にも、驚いて。心臓が、飛び出そうなほどバクバクといった。
哀萩とは結ばれたいと願うよりも、そばにいてくれればいいと願っていたのに、それさえも願ってはいけないと──諦めなければいけないと、思い詰めることになった。
思いと裏腹に、視線は哀萩に捕らわれ、追いかけてしまう。哀萩は捷羅といつからか仲睦まじくなっていて、羅凍は視線を離せなくなる。──その様子を、捷羅は視線を送らずとも、知っているような気がした。
捷羅の部屋が変ったのと同時に知った、禾葩の死。その原因は、後に母から聞き──捷羅が羅凍に復讐心のようなものを抱いているのを、なんとなく感じるようになっていた。
羅凍自身が、何かをしたわけではない。捷羅もそれを理解しているはず。──けれど、理屈だけですべて片付くわけではない。
哀萩の気持ちは、わからない。本当に捷羅が好きなのかもしれない。だけど、捷羅は──羅凍に見せつけ、羅凍の想う人から想われるという満足に浸るために、必要な演技をしているにすぎないのだろう。
キリキリと胸が痛む。幾重にも諦める理由が重なっていて。好きだという想いが消せなくて。また笑顔が見たいとか、そばにいられればいいとか、そんな思いが膨らんできて。──結局、諦められずに想いを膨らませてしまって、告白しない方が苦しくなってきてしまっていた。
そんな思いを出会って間もない沙稀に露土してしまって、なのに沙稀は、
「羅凍って、自分に素直なんだね」
と言ってくれた。そう? と聞き返せば、
「うん。羨ましいくらい。俺には絶対に真似できない」
と、意外な言葉が返ってきて。──告白してもいいのかと、背中を押してもらえた。
深呼吸をする。あの沙稀に羨ましいと言ってもらえたのだからと、勇気をもらい決心できたと思い出して。哀萩に告白をすると心に決め、草原に腰を下ろす。
──玉砕すれば、きっとスッキリする。
告白しないという選択肢は、もう彼の中にはない。尚且つ、受け入れてもらえるという望みも彼は持っていない。
おもむろに手を伸ばし、一本のシロツメクサを摘む。
懐かしい時間を再び刻むように、茎で円を描く。一度止まり、今度はクルクルと茎を巻きつける。すると、ちいさなシロツメクサの花が、大きく見えた。
シロツメクサを編んで作ったものを見つめて、徐々に鼓動がはやくなる。望みは持っていないが、これには一大決心を込めた。
──結果なんて、わかってる。だけど……。
言わなければ、前には進めない。前を向くこともできない。
告白しないで胸にそっとしまい込めていたら、どんなによかったか。いや、好きだと気づかないで、子どものままこの場で。彼女とふたりでずっと過ごせたのなら──どんなに、よかったか。
ずっとそばにいたかった。いてほしかった。
それだけでいいと願っていた。それだけを望んだ。
一生をともに過ごす象徴が、結婚だ。だけど、結婚は望めないから望まない。だから、プロポーズもできない。
これは、諦めるための手段。
凛と咲き誇る手の中のシロツメクサを見つめ、彼の瞳が潤みかけていたとき、
「おかえり」
と、背後から想い人の声が届いた。
一ヶ月振りに聞く声に、一瞬で瞳は乾く。いや、乾いたのは瞳だけではなく、口の中まで水分は失っていった。
「もう……わざわざ克主研究所から手紙を送ってくるなんて。しかも、ここに呼んで。……どうしたの?」
彼女の声に羅凍の鼓動は高鳴る。いつまでも聞いていたいその声に、心を揺らしてはいけないと、羅凍はなるべく自然に立ち上がる。──手の中にシロツメクサで作ったちいさな物を隠して。
立ち上がれば一面に背の低い緑が広がり、所々に白が点在している。白くて丸いちいさな花を咲かせたシロツメクサたちが。
彼女と向かい合うと、距離はおよそ四メートル。互いに腕を伸ばしても、手は届かない。
「ただいま」
いつものように笑おうとしたのに、顔の筋肉が言うことをきかなかった。彼女に戸惑いの表情が浮かぶ。
それはそうだろう。遠方から手紙を出すのも、彼女を呼び出すのも、強張った表情なのも、すべてが羅凍らしくないのだから。
「何?」
彼女の不安そうな声に、羅凍は隠していたものを差し出す。蔦のように編んだ丸い部分を親指と人差し指で持って、彼女に受け取ってと言うように。
輪の上部に咲く白い花越しに、青と緑の──彼女を象徴するような色合いが、視界を染める。
「はい」
ちいさな花をシンボルとした、おもちゃのリングのようなもの。それを目の前にして、彼女は青空のような瞳を大きくした。
彼女は羅凍の言葉を待っているのか、ただぼんやりとちいさな花を見て──羅凍に標準を合わせるように視界を上げる。
羅凍の顔は、急激に熱を上昇させていく。
「あ……えと、その……初めてあげたのが冠だったから、告白するときはこれを渡そうと思って……た。俺、哀萩が好きだ」
何度か伏し目がちになりながらも、懸命に哀萩を見続ける。
0
お気に入りに追加
38
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

【電子書籍発売に伴い作品引き上げ】私が妻でなくてもいいのでは?
キムラましゅろう
恋愛
夫には妻が二人いると言われている。
戸籍上の妻と仕事上の妻。
私は彼の姓を名乗り共に暮らす戸籍上の妻だけど、夫の側には常に仕事上の妻と呼ばれる女性副官がいた。
見合い結婚の私とは違い、副官である彼女は付き合いも長く多忙な夫と多くの時間を共有している。その胸に特別な恋情を抱いて。
一方私は新婚であるにも関わらず多忙な夫を支えながら節々で感じる女性副官のマウントと戦っていた。
だけどある時ふと思ってしまったのだ。
妻と揶揄される有能な女性が側にいるのなら、私が妻でなくてもいいのではないかと。
完全ご都合主義、ノーリアリティなお話です。
誤字脱字が罠のように点在します(断言)が、決して嫌がらせではございません(泣)
モヤモヤ案件ものですが、作者は元サヤ(大きな概念で)ハピエン作家です。
アンチ元サヤの方はそっ閉じをオススメいたします。
あとは自己責任でどうぞ♡
小説家になろうさんにも時差投稿します。
子持ちの私は、夫に駆け落ちされました
月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。
嫌われ聖女さんはとうとう怒る〜今更大切にするなんて言われても、もう知らない〜
𝓝𝓞𝓐
ファンタジー
13歳の時に聖女として認定されてから、身を粉にして人々のために頑張り続けたセレスティアさん。どんな人が相手だろうと、死にかけながらも癒し続けた。
だが、その結果は悲惨の一言に尽きた。
「もっと早く癒せよ! このグズが!」
「お前がもっと早く治療しないせいで、後遺症が残った! 死んで詫びろ!」
「お前が呪いを防いでいれば! 私はこんなに醜くならなかったのに! お前も呪われろ!」
また、日々大人も気絶するほどの魔力回復ポーションを飲み続けながら、国中に魔物を弱らせる結界を張っていたのだが……、
「もっと出力を上げんか! 貴様のせいで我が国の騎士が傷付いたではないか! とっとと癒せ! このウスノロが!」
「チッ。あの能無しのせいで……」
頑張っても頑張っても誰にも感謝されず、それどころか罵られるばかり。
もう我慢ならない!
聖女さんは、とうとう怒った。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

【完結】悪役令嬢は3歳?〜断罪されていたのは、幼女でした〜
白崎りか
恋愛
魔法学園の卒業式に招かれた保護者達は、突然、王太子の始めた蛮行に驚愕した。
舞台上で、大柄な男子生徒が幼い子供を押さえつけているのだ。
王太子は、それを見下ろし、子供に向って婚約破棄を告げた。
「ヒナコのノートを汚したな!」
「ちがうもん。ミア、お絵かきしてただけだもん!」
小説家になろう様でも投稿しています。

邪魔しないので、ほっておいてください。
りまり
恋愛
お父さまが再婚しました。
お母さまが亡くなり早5年です。そろそろかと思っておりましたがとうとう良い人をゲットしてきました。
義母となられる方はそれはそれは美しい人で、その方にもお子様がいるのですがとても愛らしい方で、お父様がメロメロなんです。
実の娘よりもかわいがっているぐらいです。
幾分寂しさを感じましたが、お父様の幸せをと思いがまんしていました。
でも私は義妹に階段から落とされてしまったのです。
階段から落ちたことで私は前世の記憶を取り戻し、この世界がゲームの世界で私が悪役令嬢として義妹をいじめる役なのだと知りました。
悪役令嬢なんて勘弁です。そんなにやりたいなら勝手にやってください。
それなのに私を巻き込まないで~~!!!!!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる