112 / 378
王位継承──後編
【54】わだかまり(1)
しおりを挟む
大臣の言葉を表面通りに受け取れば、そうだと言える。結婚する以上、素性を話すのは誠意でもあるだろう。けれど、大臣はそういう話をしているわけではない。
「これまで揃わなかったものが、すべて揃いました。瑠既様の帰城。加えて、瑠既様は誄姫とご結婚なさると了承しました。婚約発表の予定は、沙稀様と恭良様の婚約を公表する日と、同じ日に調整中です」
沙稀の反応を待たずに、大臣は続ける。沙稀の予想を肯定していく言葉を。
「まず、瑠既様が帰城したと公表します。それから婚約の話に移ります。瑠既様の婚約の話のあと……沙稀様の婚約発表の前に」
「俺の素性を明らかにするつもりか」
大臣の言葉を押し退けて、沙稀は厳しい口調で言う。大臣の計画を否定するかのように。
「そうです」
絶好の機会。これ以上の日はない。沙稀も理屈ではわかっている。
「紗如様が決めた後継者は、沙稀様なのですから」
確かに、大臣の言っていることは正しい。正論そのものだ。
『本来のもの』にようやく戻れる──生年月日も年齢も。鴻嫗城の第二子という身分にも。鴻嫗城の後継者にも。
それなのに、沙稀には──うれしいという感情が一切沸かない。待ち望んでいたというよりは、恐れていたという方が近い感覚。
「恭良様が心配なのですか?」
無言のままの沙稀に、大臣は問う。──『心配』そんな一言で片づけられることではないのに。
沙稀が『本来のもの』に戻るには、王の悪行も恭良に知らせなくてはいけない。王の悪行を公にしてこそ、沙稀は年齢を戻せる。
加えて、恭良と婚約するには、王が偽って王の座にいたことも公表しなくてはいけないだろう。恭良は王の連れ子だと沙稀は聞いているが、恭良はそれを知らない。
恭良は、母が紗如だと信じていただろう。鴻嫗城の姫だと、身分を疑ったこともないだろう。たったひとつだけでも、真実だと恭良に残せない。
沙稀が『本来のもの』を取り戻すには──恭良が何もかもを失う。ふたりの偽りと真実は、表裏一体になっているのだから。──それは。かつて沙稀が味わった苦痛を、そのまま恭良に課すのと同等のこと。
いや、それ以上かもしれない。沙稀は真実を失い偽りに身を置いてきたが、恭良は真実だと思って生きてきたことが、すべて偽りだったと知ることになる。
それが、どんなに辛いか。
だからこそ、沙稀は真実も偽りも、ひとりでふたり分を受け入れようと決めていた。恭良と婚約を結んでから尚更。
婚約を結んでから、大臣の言うように素性を話すべきかと考えたこともあった。けれど、護衛をしていたときよりも、今のままでいいと思う一方だった。
「それも、ある」
ただ、そう決意を固めていても。胸の奥につかえるものがあり、思わず出た言葉。それを証明するように──沙稀は自らの発言に驚き、再び口を閉ざしている。
できれば、言いたくはない。いや、沙稀にしてみれば言葉にしたくないこと。言ってしまえば、聞いてしまえば、事実になってしまいそうで。
けれど、真相を知らなければと無意識では思っているのだろう。聞くには今しかないと、聞いておかなければと、つい言葉が出てしまったのだろうから。
大臣から沙稀の表情は見えない。すっかり沈黙してしまった沙稀に、大臣はそっけなく言葉を投げる。
「他には?」
「大臣には一度、言ったことがある」
想定外のはやい返答に、大臣は首をひねる。
「克主研究所に行く前に、想いを告げるつもりはないとその理由を口にした。ただ、あのときは……多少ごまかした」
あれは、捷羅と羅凍が来た日の夜。紗如と唏劉の描かれた絵画の前で。沙稀が絵本童話を、恭良にあげたことに大臣が苦言を呈したときのこと。
あの日、沙稀は『そんなに俺の本心を聞きたいのなら、教えてやる』と大臣に思いの丈をぶつけた。けれど、何かを言い残した気がした大臣は、『恭良様への想いを秘める理由は、それだけですか?』と言及した。あのとき、沙稀は一番言いたくない表現を使って恭良を示し、自らを擁護する言葉を付足している。
──今度は、きちんと言わなくてはいけない。
もし、沙稀の推測が正しくとも、絶対に恭良には知られたくないこと。もし、そうだとしても、沙稀は恭良の分まで罪を背負う覚悟だ。
恭良に対する想いを解放した。もう、想いを閉じ込められないと、罪を背負う方を選んでいる。つまり、推測が正解になろうと、婚約を解消する気はない。
婚約解消という選択肢が沙稀にない以上、本来は聞く意味を持たない。結論から言えば、沙稀は今更聞く気がなかったはずだ。──それなのに、思わず言葉を出してしまったからには。どんな言葉を選んだとしても、言うしかないと腹をくくる。
沙稀は体の向きを変え、大臣と向き合う。
「俺たちと恭姫の間には、本当に……血縁関係はない?」
まっすぐに向けられた沙稀の視線に、大臣は目を逸らす。
「なぜ、そう思うのです?」
「母上が亡くなる前、俺に……『妹をよろしくね、かわいがってね』と言った。あの言葉は母上が恭良を産まない限り……母上の口からは出ない」
「紗如様に変わって、恭良様をかわいがっていたのは、貴男でしたね」
ああ、と大臣は思い出したように、あの日と同じ言葉を言う。
沙稀は六歳当時、母、紗如とともに『妹』をかわいがっていた。その様子は大臣も見てきた光景。当時、沙稀は本当の妹のように『恭良』と呼び接していて、大臣が感心するほどよく面倒を見ていた。母が亡くなってからも、それは変らず。いや、母がいない分、母に変わって。
沙稀の瞳は、悲しみを増していく。己の推測を否定したいのか、してほしいのか。断定で言ったのだから、否定してほしい気持ちの方が強いだろう。
恭良に沙稀が初めて会ったのは、六歳のとき。恭良は一歳だった。当時の沙稀と同じ、髪も瞳もクロッカスの色彩を持った、ちいさなちいさな存在。
対面するより先に、沙稀は王の連れ子だと大臣から聞いていたが、王の髪と瞳は黄枯茶色。王とは似ても似つかない。
母、紗如の抱く恭良を初めて見たとき、沙稀は恭良を妹だと受け入れようと努めた。クロッカスの髪と瞳の色彩は、高貴な血筋を証明する、高貴な血を受け継ぐ者のみが誇示する色彩だから。
紗如は長年、体調が優れなかった。だからこそ、瑠既も沙稀も、母に会いたくても我慢して幼少期を過ごした。静養に集中できるように、はやく元気になってくれるようにと願って。
双子を産んでから体調を崩しがちだった母。そんな母に、子どもが産めたとは考えにくい。それに、誰かと新たな出会いがあったとも考えにくい。
紗如は自室にこもりきりだった。知らない男の出入りがあれば、いくら双子が幼くても目に付く。
王に初めて会ったのは、恭良に初めて会った日と同じ日。昔から大臣が言っているように、恭良は王の連れ子だと考える方が自然だ。
それから数ヶ月して紗如は、先ほど沙稀が口にした言葉を最期に残した。沙稀は母が亡くなってから、幼いながら必死に過ごし。母からの最期の言葉に違和感を覚えなかった。母を安心させたくて、うなづいた言葉だっただけ。
どこからか、運命は狂い。
沙稀は恭良の護衛になって。
ふとしたときに、じんわりと突き刺さるような淡い想いに気づいた。そのときだ。母の最期の言葉が浮かんで、妙に胸をざわつかせた。──沙稀にとっては、恭良への想いを言わないと選ぶ方が、言おうと思うよりも都合がよかった。告げる方を選べば、崩していかなければならない事柄が次から次へと立ち塞がる。沙稀が苦しむだけなら、告げる方を選んだかもしれない。しかし、そちらを選べば、恭良まで幾重にも苦しめることになる。──だから、都合のいい方を選んでいた。
けれど、現状は婚約者になって。どれがよかったとは一概に言えなくなってしまった。恭良が浮かれすぎるほどに浮かれていて。幸せそうで。
ただ、沙稀の思いとは裏腹な現状へ転がってきてしまった。それだけ。
大臣は一呼吸置くと沙稀と向き合い、覚悟を決めたように視線を合わせる。
「では、あくまでその仮説に話を合わせたとして……父親は誰なのです? 紗如様と真に愛し合えた者は?」
「これまで揃わなかったものが、すべて揃いました。瑠既様の帰城。加えて、瑠既様は誄姫とご結婚なさると了承しました。婚約発表の予定は、沙稀様と恭良様の婚約を公表する日と、同じ日に調整中です」
沙稀の反応を待たずに、大臣は続ける。沙稀の予想を肯定していく言葉を。
「まず、瑠既様が帰城したと公表します。それから婚約の話に移ります。瑠既様の婚約の話のあと……沙稀様の婚約発表の前に」
「俺の素性を明らかにするつもりか」
大臣の言葉を押し退けて、沙稀は厳しい口調で言う。大臣の計画を否定するかのように。
「そうです」
絶好の機会。これ以上の日はない。沙稀も理屈ではわかっている。
「紗如様が決めた後継者は、沙稀様なのですから」
確かに、大臣の言っていることは正しい。正論そのものだ。
『本来のもの』にようやく戻れる──生年月日も年齢も。鴻嫗城の第二子という身分にも。鴻嫗城の後継者にも。
それなのに、沙稀には──うれしいという感情が一切沸かない。待ち望んでいたというよりは、恐れていたという方が近い感覚。
「恭良様が心配なのですか?」
無言のままの沙稀に、大臣は問う。──『心配』そんな一言で片づけられることではないのに。
沙稀が『本来のもの』に戻るには、王の悪行も恭良に知らせなくてはいけない。王の悪行を公にしてこそ、沙稀は年齢を戻せる。
加えて、恭良と婚約するには、王が偽って王の座にいたことも公表しなくてはいけないだろう。恭良は王の連れ子だと沙稀は聞いているが、恭良はそれを知らない。
恭良は、母が紗如だと信じていただろう。鴻嫗城の姫だと、身分を疑ったこともないだろう。たったひとつだけでも、真実だと恭良に残せない。
沙稀が『本来のもの』を取り戻すには──恭良が何もかもを失う。ふたりの偽りと真実は、表裏一体になっているのだから。──それは。かつて沙稀が味わった苦痛を、そのまま恭良に課すのと同等のこと。
いや、それ以上かもしれない。沙稀は真実を失い偽りに身を置いてきたが、恭良は真実だと思って生きてきたことが、すべて偽りだったと知ることになる。
それが、どんなに辛いか。
だからこそ、沙稀は真実も偽りも、ひとりでふたり分を受け入れようと決めていた。恭良と婚約を結んでから尚更。
婚約を結んでから、大臣の言うように素性を話すべきかと考えたこともあった。けれど、護衛をしていたときよりも、今のままでいいと思う一方だった。
「それも、ある」
ただ、そう決意を固めていても。胸の奥につかえるものがあり、思わず出た言葉。それを証明するように──沙稀は自らの発言に驚き、再び口を閉ざしている。
できれば、言いたくはない。いや、沙稀にしてみれば言葉にしたくないこと。言ってしまえば、聞いてしまえば、事実になってしまいそうで。
けれど、真相を知らなければと無意識では思っているのだろう。聞くには今しかないと、聞いておかなければと、つい言葉が出てしまったのだろうから。
大臣から沙稀の表情は見えない。すっかり沈黙してしまった沙稀に、大臣はそっけなく言葉を投げる。
「他には?」
「大臣には一度、言ったことがある」
想定外のはやい返答に、大臣は首をひねる。
「克主研究所に行く前に、想いを告げるつもりはないとその理由を口にした。ただ、あのときは……多少ごまかした」
あれは、捷羅と羅凍が来た日の夜。紗如と唏劉の描かれた絵画の前で。沙稀が絵本童話を、恭良にあげたことに大臣が苦言を呈したときのこと。
あの日、沙稀は『そんなに俺の本心を聞きたいのなら、教えてやる』と大臣に思いの丈をぶつけた。けれど、何かを言い残した気がした大臣は、『恭良様への想いを秘める理由は、それだけですか?』と言及した。あのとき、沙稀は一番言いたくない表現を使って恭良を示し、自らを擁護する言葉を付足している。
──今度は、きちんと言わなくてはいけない。
もし、沙稀の推測が正しくとも、絶対に恭良には知られたくないこと。もし、そうだとしても、沙稀は恭良の分まで罪を背負う覚悟だ。
恭良に対する想いを解放した。もう、想いを閉じ込められないと、罪を背負う方を選んでいる。つまり、推測が正解になろうと、婚約を解消する気はない。
婚約解消という選択肢が沙稀にない以上、本来は聞く意味を持たない。結論から言えば、沙稀は今更聞く気がなかったはずだ。──それなのに、思わず言葉を出してしまったからには。どんな言葉を選んだとしても、言うしかないと腹をくくる。
沙稀は体の向きを変え、大臣と向き合う。
「俺たちと恭姫の間には、本当に……血縁関係はない?」
まっすぐに向けられた沙稀の視線に、大臣は目を逸らす。
「なぜ、そう思うのです?」
「母上が亡くなる前、俺に……『妹をよろしくね、かわいがってね』と言った。あの言葉は母上が恭良を産まない限り……母上の口からは出ない」
「紗如様に変わって、恭良様をかわいがっていたのは、貴男でしたね」
ああ、と大臣は思い出したように、あの日と同じ言葉を言う。
沙稀は六歳当時、母、紗如とともに『妹』をかわいがっていた。その様子は大臣も見てきた光景。当時、沙稀は本当の妹のように『恭良』と呼び接していて、大臣が感心するほどよく面倒を見ていた。母が亡くなってからも、それは変らず。いや、母がいない分、母に変わって。
沙稀の瞳は、悲しみを増していく。己の推測を否定したいのか、してほしいのか。断定で言ったのだから、否定してほしい気持ちの方が強いだろう。
恭良に沙稀が初めて会ったのは、六歳のとき。恭良は一歳だった。当時の沙稀と同じ、髪も瞳もクロッカスの色彩を持った、ちいさなちいさな存在。
対面するより先に、沙稀は王の連れ子だと大臣から聞いていたが、王の髪と瞳は黄枯茶色。王とは似ても似つかない。
母、紗如の抱く恭良を初めて見たとき、沙稀は恭良を妹だと受け入れようと努めた。クロッカスの髪と瞳の色彩は、高貴な血筋を証明する、高貴な血を受け継ぐ者のみが誇示する色彩だから。
紗如は長年、体調が優れなかった。だからこそ、瑠既も沙稀も、母に会いたくても我慢して幼少期を過ごした。静養に集中できるように、はやく元気になってくれるようにと願って。
双子を産んでから体調を崩しがちだった母。そんな母に、子どもが産めたとは考えにくい。それに、誰かと新たな出会いがあったとも考えにくい。
紗如は自室にこもりきりだった。知らない男の出入りがあれば、いくら双子が幼くても目に付く。
王に初めて会ったのは、恭良に初めて会った日と同じ日。昔から大臣が言っているように、恭良は王の連れ子だと考える方が自然だ。
それから数ヶ月して紗如は、先ほど沙稀が口にした言葉を最期に残した。沙稀は母が亡くなってから、幼いながら必死に過ごし。母からの最期の言葉に違和感を覚えなかった。母を安心させたくて、うなづいた言葉だっただけ。
どこからか、運命は狂い。
沙稀は恭良の護衛になって。
ふとしたときに、じんわりと突き刺さるような淡い想いに気づいた。そのときだ。母の最期の言葉が浮かんで、妙に胸をざわつかせた。──沙稀にとっては、恭良への想いを言わないと選ぶ方が、言おうと思うよりも都合がよかった。告げる方を選べば、崩していかなければならない事柄が次から次へと立ち塞がる。沙稀が苦しむだけなら、告げる方を選んだかもしれない。しかし、そちらを選べば、恭良まで幾重にも苦しめることになる。──だから、都合のいい方を選んでいた。
けれど、現状は婚約者になって。どれがよかったとは一概に言えなくなってしまった。恭良が浮かれすぎるほどに浮かれていて。幸せそうで。
ただ、沙稀の思いとは裏腹な現状へ転がってきてしまった。それだけ。
大臣は一呼吸置くと沙稀と向き合い、覚悟を決めたように視線を合わせる。
「では、あくまでその仮説に話を合わせたとして……父親は誰なのです? 紗如様と真に愛し合えた者は?」
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
王が気づいたのはあれから十年後
基本二度寝
恋愛
王太子は妃の肩を抱き、反対の手には息子の手を握る。
妃はまだ小さい娘を抱えて、夫に寄り添っていた。
仲睦まじいその王族家族の姿は、国民にも評判がよかった。
側室を取ることもなく、子に恵まれた王家。
王太子は妃を優しく見つめ、妃も王太子を愛しく見つめ返す。
王太子は今日、父から王の座を譲り受けた。
新たな国王の誕生だった。
【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される
奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。
けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。
そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。
2人の出会いを描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630
2人の誓約の儀を描いた作品はこちら
「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」
https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる