51 / 378
代償と柵《シガラミ》
【31】代償(2)
しおりを挟む
竜称は動作を止め、視線を忒畝に向ける。無表情から不敵な笑みへと変わり、大きな口がハサミのように開く。
「遅かったな、忒畝」
広い空間に広がる不気味な声。
遅かった──それは、手遅れという意味だろうか。再び竜称は王の口元を見、
「こいつは、ずい分濁っていて酷い」
と口角を鋭利に上げる。バケモノと呼ばれるに相応しい裂けた口が、より大きくなる。
竜称は王の口の前で空気をガッシリとつかみ、ゆっくりと引っ張る動作をさも愉快そうに行う。王の口が徐々に開き、白いものが釣り上げられるように出てくる。今にも、口から転がり出てきそうだ。
忒畝の脳が訴えてくる。あれは、出てきてはいけないものだと。
──あれは『魂』だ。
忒畝は叫ぶ。
「竜称、止めろ!」
その刹那に感じた、懐かしいような気配。忒畝は無意識で振り返る。
そこにいたのは、悠穂と沙稀と恭良だ。忒畝の意識は一時、竜称から離れる。沙稀が悠穂を助けてくれたのではないかと。
その、わずかな時だ。
王の口から、白いもの──『魂』が抜き取られたのは。
その光景を見ていた悠穂が青ざめて叫ぶ。
「お兄ちゃん!」
悠穂の指さした方向を見て、忒畝は息を飲む。王の『魂』が、竜称の手にある。
沙稀は警戒しつつ恭良を降ろし、恭良の前に一歩出る。その光景を、なぜか竜称は満足そうに見ていた。
「これで、役者はそろったか」
竜称の意味深な一言に、忒畝の体に旋律が走る。
遅かったのだ。
竜称は王の口から取り出した『魂』を王の顔の前で転がし、フッと息を吹きかける。すると『魂』は、白い煙の塊だったかのように、丸い形を失った。空気に混ざって少しずつ消えていき、王の体はガクンと脱力する。
「きゃー! お父様!」
「あっはっは」
恭良の叫び声をかき消すように、竜称は高々に笑いを響かせる。
王のもとへ駆け出しそうになる恭良を、沙稀は制止。忒畝はジッと憎しみの視線を送る。
無言の深い憎しみを感じ取ったのか、竜称は不敵な笑みを返すと──消えた。
静けさだけが残った。
真っ先に動いたのは、沙稀だ。これ以上の危害はないと判断したのか、恭良に寄り添って王へ近づいていく。
王の前でひざまずき、呼吸と脈、瞳を順に確認する。
「沙稀、お父様は……平気よね? 元気になるわよね?」
恭良の声に、沙稀は理性を保つ。そうしなければ、この世で一番憎い存在を前に触れることも、生きていてほしいとも、到底思えない。
「残念ですが」
堪える感情は悲しみではない。恭良を思って言える言葉は、これが最上級で。
「嘘……嘘よ」
うろたえる恭良は、王の冷たい手を両手で包む。次第に小刻みに震え始める細い体。寄り添いたい。親族を亡くした痛みはわかる。ましてあんな光景を目の当たりにして、どんなに辛いか。
しかし沙稀には、どうしても──恭良に寄り添いたいとどんなに思っても、王を悼むことはできない。許しがたい憎しみは、深すぎて。
──それにしても。
沙稀には気になったことがあった。王の体温は、死後直後だと思えないほど冷たかった。すぐに駆けつけられたわけではないが、ここまで体温を失うほどの時間は経っていない。
息がなかったのは、ずい分前からだったのかもしれない──が、恭良は気づかないだろう。亡骸に触れたのは、初めてなのだから。
忒畝は悲しみに暮れる恭良と、そこにある重い現実を受け止めるように見つめていた。目の前で父を失った恭良に、寄り添う沙稀に、かけられる言葉はない。巻き込んでしまったと、謝って済むような軽々しい事態ではないのだから。
悲しみ募る光景に背を向け、
「悠穂」
と、忒畝は妹に呼びかける。
「どうして、急にいなくなったの?」
その口調は決して責めるものではなかったが、重いものだ。
悠穂は何も言わずに下を向く。申し訳なさそうに。悠穂は今更になって気づいている。兄が、どれほど心配していたのかを。
忒畝は悠穂を抱き寄せ、頭をなでる。
「無事で、よかった」
母はいないかもしれないと思っていた。悠穂もいないかもしれないと思っていた。
けれど、悠穂はいた。しかも、傷ひとつなく。──それだけで、忒畝には充分だった。
抱き締めて、感覚を確かめ安堵しているようだった。
兄であり、父のような兄妹の再会を、恭良に寄り添っていた沙稀は見ていた。
──ああ、本当に忒畝の妹だったんだな。
疑い、信じて、また疑った少女。
克主研究所に何度も行っていても、何泊をしても、決して会ったことがなかったからこそ、沙稀は悠穂を信じきれなかった。
ただ、それは忒畝の反応を見るまでの話しだ。
純粋に、守りたかっただけだ。悠穂は、四戦獣伝説を知っている人物からすれば、好奇の目を向けたくなる。いや、向けてしまう。悠穂という、一個人を知ろうとする前に。
だからこそ忒畝は、その家族は、彼女を一個人として見てくれる場所だけにいてほしいと願うのだろう。
四戦獣伝説を知っていても、それを忘れてしまうような。彼女の人柄に惹かれる人たちに囲まれていてほしいと願うのだろう。
ふと、忒畝は顔を向けた。だが、それは沙稀の視線に気がついたわけではなかった。
悔しいような、悲しい表情をして命亡き王を見ている。だが、それは数秒。沙稀と視線が合うと、我に返ったように忒畝は会釈をする。
そっと悠穂の背中を押し、ふたりで王の間を退室する。
忒畝が王の間を出てから数歩。真横を通る竜称の姿が視界に入る。体に走る旋律。
止まった足を悟られないように、忒畝は振り返らずに竜称に問う。
「竜称、君の狙いは……」
「そう喚くな。こっちは予定以上に被害を出してしまったんだ」
被害とは何のことを言わんとしているのか、忒畝にはわからない。
「僕がここに来る前に、何があった?」
忒畝は厳しい声で竜称に憎しみを注ぐ。それにも関わらず、竜称は大きな口を吊り上げ笑った。
「お前にはいい娘を用意している。また、会おうじゃないか」
「何のことだ?」
続けざまの竜称の不可解な発言。忒畝の表情が渋くなる。それでも竜称は忒畝の質問に答えることはなく、
「ああ、あと。妹は連れていけ。来られては困るのでな」
と、言った。
忒畝の心臓が止まりそうになる。そう言えば、一緒に王の間から出てきたはずの悠穂がいない。
慌てて周囲を確認する。──悠穂は竜称の右隣にいた。
心臓の鼓動も、首や手首の脈拍も、おかしいリズムを刻む。呼吸困難に陥ってもおかしくない。身の危機と悠穂への危機を感じ、竜称を凝視しようと視線を動かすと──竜称はすでに消えていた。
──これで終わりじゃない。わざわざ僕の前で竜称が王に手をかけたのは……これが『始まり』だという見せしめだ。
鴻嫗城を巻き込んだこと、王の命を犠牲にしてしまったこと、他にも知らない事態の数々。立ち会ったのに防げなかった犠牲を、忒畝は深く後悔をした。
「遅かったな、忒畝」
広い空間に広がる不気味な声。
遅かった──それは、手遅れという意味だろうか。再び竜称は王の口元を見、
「こいつは、ずい分濁っていて酷い」
と口角を鋭利に上げる。バケモノと呼ばれるに相応しい裂けた口が、より大きくなる。
竜称は王の口の前で空気をガッシリとつかみ、ゆっくりと引っ張る動作をさも愉快そうに行う。王の口が徐々に開き、白いものが釣り上げられるように出てくる。今にも、口から転がり出てきそうだ。
忒畝の脳が訴えてくる。あれは、出てきてはいけないものだと。
──あれは『魂』だ。
忒畝は叫ぶ。
「竜称、止めろ!」
その刹那に感じた、懐かしいような気配。忒畝は無意識で振り返る。
そこにいたのは、悠穂と沙稀と恭良だ。忒畝の意識は一時、竜称から離れる。沙稀が悠穂を助けてくれたのではないかと。
その、わずかな時だ。
王の口から、白いもの──『魂』が抜き取られたのは。
その光景を見ていた悠穂が青ざめて叫ぶ。
「お兄ちゃん!」
悠穂の指さした方向を見て、忒畝は息を飲む。王の『魂』が、竜称の手にある。
沙稀は警戒しつつ恭良を降ろし、恭良の前に一歩出る。その光景を、なぜか竜称は満足そうに見ていた。
「これで、役者はそろったか」
竜称の意味深な一言に、忒畝の体に旋律が走る。
遅かったのだ。
竜称は王の口から取り出した『魂』を王の顔の前で転がし、フッと息を吹きかける。すると『魂』は、白い煙の塊だったかのように、丸い形を失った。空気に混ざって少しずつ消えていき、王の体はガクンと脱力する。
「きゃー! お父様!」
「あっはっは」
恭良の叫び声をかき消すように、竜称は高々に笑いを響かせる。
王のもとへ駆け出しそうになる恭良を、沙稀は制止。忒畝はジッと憎しみの視線を送る。
無言の深い憎しみを感じ取ったのか、竜称は不敵な笑みを返すと──消えた。
静けさだけが残った。
真っ先に動いたのは、沙稀だ。これ以上の危害はないと判断したのか、恭良に寄り添って王へ近づいていく。
王の前でひざまずき、呼吸と脈、瞳を順に確認する。
「沙稀、お父様は……平気よね? 元気になるわよね?」
恭良の声に、沙稀は理性を保つ。そうしなければ、この世で一番憎い存在を前に触れることも、生きていてほしいとも、到底思えない。
「残念ですが」
堪える感情は悲しみではない。恭良を思って言える言葉は、これが最上級で。
「嘘……嘘よ」
うろたえる恭良は、王の冷たい手を両手で包む。次第に小刻みに震え始める細い体。寄り添いたい。親族を亡くした痛みはわかる。ましてあんな光景を目の当たりにして、どんなに辛いか。
しかし沙稀には、どうしても──恭良に寄り添いたいとどんなに思っても、王を悼むことはできない。許しがたい憎しみは、深すぎて。
──それにしても。
沙稀には気になったことがあった。王の体温は、死後直後だと思えないほど冷たかった。すぐに駆けつけられたわけではないが、ここまで体温を失うほどの時間は経っていない。
息がなかったのは、ずい分前からだったのかもしれない──が、恭良は気づかないだろう。亡骸に触れたのは、初めてなのだから。
忒畝は悲しみに暮れる恭良と、そこにある重い現実を受け止めるように見つめていた。目の前で父を失った恭良に、寄り添う沙稀に、かけられる言葉はない。巻き込んでしまったと、謝って済むような軽々しい事態ではないのだから。
悲しみ募る光景に背を向け、
「悠穂」
と、忒畝は妹に呼びかける。
「どうして、急にいなくなったの?」
その口調は決して責めるものではなかったが、重いものだ。
悠穂は何も言わずに下を向く。申し訳なさそうに。悠穂は今更になって気づいている。兄が、どれほど心配していたのかを。
忒畝は悠穂を抱き寄せ、頭をなでる。
「無事で、よかった」
母はいないかもしれないと思っていた。悠穂もいないかもしれないと思っていた。
けれど、悠穂はいた。しかも、傷ひとつなく。──それだけで、忒畝には充分だった。
抱き締めて、感覚を確かめ安堵しているようだった。
兄であり、父のような兄妹の再会を、恭良に寄り添っていた沙稀は見ていた。
──ああ、本当に忒畝の妹だったんだな。
疑い、信じて、また疑った少女。
克主研究所に何度も行っていても、何泊をしても、決して会ったことがなかったからこそ、沙稀は悠穂を信じきれなかった。
ただ、それは忒畝の反応を見るまでの話しだ。
純粋に、守りたかっただけだ。悠穂は、四戦獣伝説を知っている人物からすれば、好奇の目を向けたくなる。いや、向けてしまう。悠穂という、一個人を知ろうとする前に。
だからこそ忒畝は、その家族は、彼女を一個人として見てくれる場所だけにいてほしいと願うのだろう。
四戦獣伝説を知っていても、それを忘れてしまうような。彼女の人柄に惹かれる人たちに囲まれていてほしいと願うのだろう。
ふと、忒畝は顔を向けた。だが、それは沙稀の視線に気がついたわけではなかった。
悔しいような、悲しい表情をして命亡き王を見ている。だが、それは数秒。沙稀と視線が合うと、我に返ったように忒畝は会釈をする。
そっと悠穂の背中を押し、ふたりで王の間を退室する。
忒畝が王の間を出てから数歩。真横を通る竜称の姿が視界に入る。体に走る旋律。
止まった足を悟られないように、忒畝は振り返らずに竜称に問う。
「竜称、君の狙いは……」
「そう喚くな。こっちは予定以上に被害を出してしまったんだ」
被害とは何のことを言わんとしているのか、忒畝にはわからない。
「僕がここに来る前に、何があった?」
忒畝は厳しい声で竜称に憎しみを注ぐ。それにも関わらず、竜称は大きな口を吊り上げ笑った。
「お前にはいい娘を用意している。また、会おうじゃないか」
「何のことだ?」
続けざまの竜称の不可解な発言。忒畝の表情が渋くなる。それでも竜称は忒畝の質問に答えることはなく、
「ああ、あと。妹は連れていけ。来られては困るのでな」
と、言った。
忒畝の心臓が止まりそうになる。そう言えば、一緒に王の間から出てきたはずの悠穂がいない。
慌てて周囲を確認する。──悠穂は竜称の右隣にいた。
心臓の鼓動も、首や手首の脈拍も、おかしいリズムを刻む。呼吸困難に陥ってもおかしくない。身の危機と悠穂への危機を感じ、竜称を凝視しようと視線を動かすと──竜称はすでに消えていた。
──これで終わりじゃない。わざわざ僕の前で竜称が王に手をかけたのは……これが『始まり』だという見せしめだ。
鴻嫗城を巻き込んだこと、王の命を犠牲にしてしまったこと、他にも知らない事態の数々。立ち会ったのに防げなかった犠牲を、忒畝は深く後悔をした。
0
お気に入りに追加
37
あなたにおすすめの小説
偉物騎士様の裏の顔~告白を断ったらムカつく程に執着されたので、徹底的に拒絶した結果~
甘寧
恋愛
「結婚を前提にお付き合いを─」
「全力でお断りします」
主人公であるティナは、園遊会と言う公の場で色気と魅了が服を着ていると言われるユリウスに告白される。
だが、それは罰ゲームで言わされていると言うことを知っているティナは即答で断りを入れた。
…それがよくなかった。プライドを傷けられたユリウスはティナに執着するようになる。そうティナは解釈していたが、ユリウスの本心は違う様で…
一方、ユリウスに関心を持たれたティナの事を面白くないと思う令嬢がいるのも必然。
令嬢達からの嫌がらせと、ユリウスの病的までの執着から逃げる日々だったが……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【取り下げ予定】愛されない妃ですので。
ごろごろみかん。
恋愛
王妃になんて、望んでなったわけではない。
国王夫妻のリュシアンとミレーゼの関係は冷えきっていた。
「僕はきみを愛していない」
はっきりそう告げた彼は、ミレーゼ以外の女性を抱き、愛を囁いた。
『お飾り王妃』の名を戴くミレーゼだが、ある日彼女は側妃たちの諍いに巻き込まれ、命を落としてしまう。
(ああ、私の人生ってなんだったんだろう──?)
そう思って人生に終止符を打ったミレーゼだったが、気がつくと結婚前に戻っていた。
しかも、別の人間になっている?
なぜか見知らぬ伯爵令嬢になってしまったミレーゼだが、彼女は決意する。新たな人生、今度はリュシアンに関わることなく、平凡で優しい幸せを掴もう、と。
*年齢制限を18→15に変更しました。
【完結】もう無理して私に笑いかけなくてもいいですよ?
冬馬亮
恋愛
公爵令嬢のエリーゼは、遅れて出席した夜会で、婚約者のオズワルドがエリーゼへの不満を口にするのを偶然耳にする。
オズワルドを愛していたエリーゼはひどくショックを受けるが、悩んだ末に婚約解消を決意する。だが、喜んで受け入れると思っていたオズワルドが、なぜか婚約解消を拒否。関係の再構築を提案する。その後、プレゼント攻撃や突撃訪問の日々が始まるが、オズワルドは別の令嬢をそばに置くようになり・・・
「彼女は友人の妹で、なんとも思ってない。オレが好きなのはエリーゼだ」
「私みたいな女に無理して笑いかけるのも限界だって夜会で愚痴をこぼしてたじゃないですか。よかったですね、これでもう、無理して私に笑いかけなくてよくなりましたよ」
元侯爵令嬢は冷遇を満喫する
cyaru
恋愛
第三王子の不貞による婚約解消で王様に拝み倒され、渋々嫁いだ侯爵令嬢のエレイン。
しかし教会で結婚式を挙げた後、夫の口から開口一番に出た言葉は
「王命だから君を娶っただけだ。愛してもらえるとは思わないでくれ」
夫となったパトリックの側には長年の恋人であるリリシア。
自分もだけど、向こうだってわたくしの事は見たくも無いはず!っと早々の別居宣言。
お互いで交わす契約書にほっとするパトリックとエレイン。ほくそ笑む愛人リリシア。
本宅からは屋根すら見えない別邸に引きこもりお1人様生活を満喫する予定が・・。
※専門用語は出来るだけ注釈をつけますが、作者が専門用語だと思ってない専門用語がある場合があります
※作者都合のご都合主義です。
※リアルで似たようなものが出てくると思いますが気のせいです。
※架空のお話です。現実世界の話ではありません。
※爵位や言葉使いなど現実世界、他の作者さんの作品とは異なります(似てるモノ、同じものもあります)
※誤字脱字結構多い作者です(ごめんなさい)コメント欄より教えて頂けると非常に助かります。
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる