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ずっと一緒に
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「じ~さん!」
どこかから声が聞こえました。
「みーちゃん!」
それは、まぎれもないみーちゃんの声でした。
「痛かったし、こわかったよう!」
じ~さんはみーちゃんに駆け寄ります。
「うんうん、痛かったし、こわかったね。もう、大丈夫だよ」
みーちゃんはじ~さんをギュッと抱きしめました。
「あれ、それより……」
みーちゃんをモフモフ触ったじ~さんは言います。
「いい加減、羊の皮とってよ」
その声に、みーちゃんはえへへと笑いました。
「聞いて聞いて! 今度は私、羊さんになれるの。だから、これは私の毛なの」
じ~さんはキョトンとします。
「ねぇ、今度はじ~さんと同じ羊さんだよ!」
「え~、僕は狼になりたい」
はしゃぐみーちゃんに対し、じ~さんは不平をもらします。
「じ~さん、私と一緒にいてくれないの?」
ジッと見るみーちゃんの瞳はまんまるです。じ~さんはフイっと顔を背けます。
「どんな姿のみーちゃんだって、僕はずっと一緒にいるもん」
「そうだね」
にっこりと笑う羊のみーちゃんを見て、じ~さんもにっこりと笑うのでした。
おしまい
どこかから声が聞こえました。
「みーちゃん!」
それは、まぎれもないみーちゃんの声でした。
「痛かったし、こわかったよう!」
じ~さんはみーちゃんに駆け寄ります。
「うんうん、痛かったし、こわかったね。もう、大丈夫だよ」
みーちゃんはじ~さんをギュッと抱きしめました。
「あれ、それより……」
みーちゃんをモフモフ触ったじ~さんは言います。
「いい加減、羊の皮とってよ」
その声に、みーちゃんはえへへと笑いました。
「聞いて聞いて! 今度は私、羊さんになれるの。だから、これは私の毛なの」
じ~さんはキョトンとします。
「ねぇ、今度はじ~さんと同じ羊さんだよ!」
「え~、僕は狼になりたい」
はしゃぐみーちゃんに対し、じ~さんは不平をもらします。
「じ~さん、私と一緒にいてくれないの?」
ジッと見るみーちゃんの瞳はまんまるです。じ~さんはフイっと顔を背けます。
「どんな姿のみーちゃんだって、僕はずっと一緒にいるもん」
「そうだね」
にっこりと笑う羊のみーちゃんを見て、じ~さんもにっこりと笑うのでした。
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