9 / 15
肉食女子
しおりを挟む
じ~さんとみーちゃんは色んな場所に行きました。
世界の果てまで、一緒なら行けるような気がしていたのかもしれません。
ある草原に着いたときのこと。
じ~さんが夢中になって食べる草がありました。
「おいしいの?」
みーちゃんが聞くと、じ~さんは目を輝かせて言いました。
「こんなにおいしい草、食べたことない」
じ~さんの言葉を聞いたみーちゃんは、辺りをキョロキョロ見渡すと、草を口に入れます。
「み、みーちゃん?」
視界に入ったのでしょう。じ~さんは慌てて声をかけました。すると、
「もう肉食女子は卒業するの。やっぱり、目指すはベジタリヤンよ! 時代がそう言っているわ!」
と、意味不明なことを口走ります。
じ~さんはわははと笑いました。
「みーちゃんはおもしろい」
安心したのか、再び草を食べ始めるじ~さん。
一方、ベジタリアン宣言したものの、体は草を歓迎するわけではありません。いつしかみーちゃんの口は自然と止まり、じ~さんが食べ終わるのをゆっくり待つことにしました。
ときには草をいじり、ときにはゴロゴロと寝そべって。
また、ある日のことです。
二匹の歩く先に、狼の姿が見えました。あちらも二匹です。
ピクリと足を止めたのは、みーちゃんでした。
「じ~さん、ここで待ってて」
「大丈夫だよ」
「いいから!」
みーちゃんは狼に向かって駆け出していました。
世界の果てまで、一緒なら行けるような気がしていたのかもしれません。
ある草原に着いたときのこと。
じ~さんが夢中になって食べる草がありました。
「おいしいの?」
みーちゃんが聞くと、じ~さんは目を輝かせて言いました。
「こんなにおいしい草、食べたことない」
じ~さんの言葉を聞いたみーちゃんは、辺りをキョロキョロ見渡すと、草を口に入れます。
「み、みーちゃん?」
視界に入ったのでしょう。じ~さんは慌てて声をかけました。すると、
「もう肉食女子は卒業するの。やっぱり、目指すはベジタリヤンよ! 時代がそう言っているわ!」
と、意味不明なことを口走ります。
じ~さんはわははと笑いました。
「みーちゃんはおもしろい」
安心したのか、再び草を食べ始めるじ~さん。
一方、ベジタリアン宣言したものの、体は草を歓迎するわけではありません。いつしかみーちゃんの口は自然と止まり、じ~さんが食べ終わるのをゆっくり待つことにしました。
ときには草をいじり、ときにはゴロゴロと寝そべって。
また、ある日のことです。
二匹の歩く先に、狼の姿が見えました。あちらも二匹です。
ピクリと足を止めたのは、みーちゃんでした。
「じ~さん、ここで待ってて」
「大丈夫だよ」
「いいから!」
みーちゃんは狼に向かって駆け出していました。
0
お気に入りに追加
3
あなたにおすすめの小説
おねしょゆうれい
ケンタシノリ
児童書・童話
べんじょの中にいるゆうれいは、ぼうやをこわがらせておねしょをさせるのが大すきです。今日も、夜中にやってきたのは……。
※この作品で使用する漢字は、小学2年生までに習う漢字を使用しています。
湖の民
影燈
児童書・童話
沼無国(ぬまぬこ)の統治下にある、儺楼湖(なろこ)の里。
そこに暮らす令は寺子屋に通う12歳の男の子。
優しい先生や友だちに囲まれ、楽しい日々を送っていた。
だがそんなある日。
里に、伝染病が発生、里は封鎖されてしまい、母も病にかかってしまう。
母を助けるため、幻の薬草を探しにいく令だったが――
賢二と宙
雨宮大智
児童書・童話
中学校3年生の宙(そら)は、小学校6年生の弟の賢二と夜空を見上げた⎯⎯。そこにあるのは、未だ星座として認識されていない星たちだった。ふたりの対話が、物語の星座を作り上げてゆく。流れ星を見た賢二はいう。「願い事を三回言うなんて、出来ないよ」兄の宙が答えた。「いつでもそうなれるように、準備しておけってことさ」。
【旧筆名、多梨枝伸時代の作品】
うさぎとかめ
トネリコ
児童書・童話
うさぎとかめが、かけっこをしました。
うさぎは怠け者でした。
うさぎはとても足が速いです。
かめは真面目な者でした。
かめはとても足が遅いです。
童話のつづきにあるかもしれないかもしれない物語
ちいさな哲学者
雨宮大智
児童書・童話
ユリはシングルマザー。十才の娘「マイ」と共に、ふたりの世界を組み上げていく。ある時はブランコに乗って。またある時は車の助手席で。ユリには「ちいさな哲学者」のマイが話す言葉が、この世界を生み出してゆくような気さえしてくるのだった⎯⎯。
【旧筆名、多梨枝伸時代の作品】
絡まるソースのような
青西瓜(伊藤テル)
児童書・童話
幼馴染の奏太が貧血で倒れたことをキッカケに、彩夏がバァヤ(おばあちゃん)として奏太の夕ご飯を家で作ってあげることに。
彩夏は奏太に対してバァヤ目線で、会話をしていく。
奏太は彩夏のことが恋愛として好き。
しかし彩夏は奏太のことが実は恋愛として好きだということに気付いていない。
そんな彩夏と奏太が料理で交流していき、彩夏が恋愛に気付いていくストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる