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file3:呪いの手紙
8.呪うモノ
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葵が友里奈を見つめながら話し始める。
「ヒトガタを使った呪いは、本来なら非常に難しい呪術です。あなたが一から行っても、なにも効果はなかったでしょう」
「じゃあ、どうして――」
友里奈が困惑と苦痛が滲んだ呟きを零しながら、腹部を握りしめた。その手が白くなるほど強く。
巴が気遣わしげに友里奈を見つめる。
「あなたはヒトガタを受け取った。それは、呪いを簡略化するための呪術が組み込まれた呪具です。それゆえ、呪いはあなたの命を蝕む代わりに、効果を発現した」
「呪具……あれは、そんなに……?」
友里奈が動揺した様子で声を震わせる。
その様子を窺いながら、智輝は眉を顰めて葵を見つめた。
葵が話している内容を、智輝は一切把握していなかった。
呪具とはなんなのか。その存在を何故葵が知っているのか。いつからその可能性に気づいていたのか。
葵を問い詰めたいが、友里奈に配慮して口を開けないでいる。
「――僕は以前、似たような調査に携わりました」
智輝の疑問に気づいたのか、葵が一瞬視線を向けてきた。
葵がこれまでに関わった仕事を、智輝はまだ把握しきれていない。その作業を急ぐべきかと考え、山のような資料を思い出して、少しげんなりとした。
「その際も、呪具の受け渡しのためにSNSが使われました。受け取った人物はその後……死亡が確認されています。呪いを受けた相手も同様に」
「っ……!」
「友里奈ちゃんはっ、友里奈ちゃんは大丈夫なんですよね!? あなたが助けてくれるんですよね!?」
息を飲んだ友里奈を強く抱き締め、巴が必死に葵に叫ぶ。
葵がすぐさま深く頷くと、二人の表情が僅かに和らいだ。
「……そんな事件、知らない」
「事故死や病死で処理されたからね」
ポツリと呟いた智輝に、葵があっさりと返した。
事故死や病死。頭でその言葉を反芻し、智輝は目を細めて手に視線を落とす。
警察は呪いや幽霊なんて相手にしない。怪異現象対策課があっても、法がそれを許さないのだから、公的に追及することはできないのだ。智輝たちができるのは、表に出さないまま、協力者の力を借りて、問題を解決するよう暗躍することだけ。
「あなたに接触したのは、おそらく意図的です。呪いを簡略化すると言っても、呪具を作る側が呪う相手を知っていなければ呪術が成立しませんから。呪具を作った人は、あいつを知り、あなたの憎しみを知っている人です」
「……私は、もしかして、あいつを呪い殺すために利用されたんですか。呪いの糧にするために?」
友里奈が顔を俯けたまま呟いた。
「そうですね。あなたと巴さんの関係も知られていたでしょう。外で会って話すこともあったのでは?」
「……ありました。二人でカフェで蒼汰の話をしたり……」
答えたのは巴だ。いったい誰が友里奈を利用しようとしているのかと、怒りに燃えた眼差しだった。
その時、智輝は不意に気づいた。
葵が智輝と一緒に巴を訪ねたのは、巴が呪具を作った犯人の一味ではないかと疑っていたからなのだと。その疑いは、巴が呪いに全く関心がない様子ですぐに晴れたのだろうが。
「友里奈さんを犠牲に、あれを殺そうとしている者は、あなたの身元を把握しています。できるだけ早く、隠れましょう。おそらく直接的な手を出してくることはないでしようが、一年ほどは身の回りに気をつけた方がいいかと……」
呟いた葵が懐から天然石がついたネックレスを取り出した。
「こちらを差し上げます。相手が呪術的に干渉してこようと、あなたの身と心を守ります。できる限り身に付けていてください。あと、これは僕の名刺です。不審なことが身の回りで起きたときはご連絡ください」
「ありがとうございます……!」
すぐさま巴が動いた。ネックレスを友里奈につけ、名刺をその手に握らせる。
「友里奈ちゃん、私の友達が貸家を持っているの。しばらくそちらに行きましょう。お金は心配しないで。私が出すわ。この家に来てと言いたいけど、私とあなたの関係が知られているなら、あなたを隠すことにはならないと思うし。友達には、ストーカーから逃げていると伝えるから、ある程度配慮してもらえると思うわ」
「巴さん……ありがとうございます……っ」
抱き合う二人を智輝は静かに見つめた。
葵がいつから友里奈を守ろうと準備していたか分からない。もしかしたら、あの喫茶店で蒼汰の霊に接触した時点で、この展開を考えていたのかもしれない。
「現在行っている呪いですが」
「っ、はい、どうしたらいいですか? あのヒトガタを捨てたらいいですか?」
解放される希望が見えたのか、少し活力が出てきた表情で友里奈が葵を見つめた。
「まず、あなたを蝕んでいるものを除きたいと思います。こちらに触れてください」
葵が差し出した手には、人の形に切られた紙があった。複雑な文様が、白を埋めるように描かれている。
「……はい」
呪いに使ったのがヒトガタであったためか、友里奈は僅かに警戒した様子だったが、巴に肩を抱き締められながら手を伸ばした。
友里奈の手がヒトガタに触れた瞬間に、描かれていた文様が蠢く。
「っ!」
鋭く息を飲んだのは誰だったのか。葵以外の全員だったのかもしれない。
言葉が発せられないまま、智輝たちはヒトガタの変化をただ見つめ続けた。
「……いいでしょう。痛みはどうですか」
「ぇ……ぁ、痛くない……痛くないですっ!」
ヒトガタから文様が消え失せた頃、葵が友里奈とヒトガタを引き離した。
友里奈が呆然とした様子で腹部を擦り、驚いたように口をポカンと開ける。巴が嬉しそうに友里奈を抱き締めた。
「今、このヒトガタがあなたの代わりになって、呪いの反動を引き受けています」
「代わり……」
葵がヒラリと無造作に振ったヒトガタに全員の視線が集中する。
智輝は現実離れした話の連続に、そろそろ目を逸らしたい気分だ。だが、警察として友里奈という市民を守るために、己を叱咤して葵の言葉に耳を傾けた。
「ヒトガタは良くも悪くも使われるものなのですよ。既に呪いはあなたの手を離れていますから、身を隠すことに集中してください。僕の方で、呪いを解除しておきますから」
「……あいつは、結局なんの罰も受けないんですね」
友里奈が複雑な表情で呟いた。
自分が苦しみから解放された喜び。復讐を遂げられなかった残念さ。速水への深い憎しみ。様々な感情が友里奈の顔を歪めている。
それは巴も同じだった。友里奈と手を繋ぎながら、目を翳らせてじっとヒトガタを見つめている。
今度は巴の方が呪いを実行してもおかしくないと思わせる表情だった。おそらく巴は、友里奈を大事に思っても、自身の命を守るつもりはない。
智輝はなんと言うべきかと考えて、言葉が見つからなかった。
復讐なんてやめろと言ったところで、彼女を踏み留まらせる一助にもなり得ないだろうと思う。所詮、智輝は彼女の痛みを実感できない他人なのだ。
「目には目を、歯には歯を。古い国の法に載っていた言葉です――」
不意に葵が語り始めた。
友里奈と巴が、突然の話題の変化についていけなかったのか、ポカンと口を開けて葵を見つめる。
智輝は葵が言いたいことを察して眉を顰めた。
「この国の法は、必ずしも悪人を罰するわけではありません。ですが、天は見ているのですよ」
葵が人差し指を立てて振る。そして皮肉っぽく微笑んだ。
「あなた方がなにかをしなくても、あれは必ず罰されます。この世で生きている間も、死してからさえも」
なんの根拠もない言葉だ。智輝はそう判断する一方で、どこか救われた気分になった。
友里奈と巴も同じだったのか、強張っていた表情を緩め、葵に強い眼差しを向ける。
「――呪いの解除、よろしくお願いします。私は生きて、速水行宏の人生と死後が苦しみに満ちたものであるよう祈り続けます」
「私も。本当はこの手で殺したい。でも、しばらく様子を見ることにします」
友里奈の言葉もなかなかだが、巴の言葉は警察として見過ごしてはいけない気がした。
だが、智輝は葵に視線を向けてから沈黙を選んだ。不思議と巴が罪を犯す事態にはならない予感がしたのだ。
「ヒトガタを使った呪いは、本来なら非常に難しい呪術です。あなたが一から行っても、なにも効果はなかったでしょう」
「じゃあ、どうして――」
友里奈が困惑と苦痛が滲んだ呟きを零しながら、腹部を握りしめた。その手が白くなるほど強く。
巴が気遣わしげに友里奈を見つめる。
「あなたはヒトガタを受け取った。それは、呪いを簡略化するための呪術が組み込まれた呪具です。それゆえ、呪いはあなたの命を蝕む代わりに、効果を発現した」
「呪具……あれは、そんなに……?」
友里奈が動揺した様子で声を震わせる。
その様子を窺いながら、智輝は眉を顰めて葵を見つめた。
葵が話している内容を、智輝は一切把握していなかった。
呪具とはなんなのか。その存在を何故葵が知っているのか。いつからその可能性に気づいていたのか。
葵を問い詰めたいが、友里奈に配慮して口を開けないでいる。
「――僕は以前、似たような調査に携わりました」
智輝の疑問に気づいたのか、葵が一瞬視線を向けてきた。
葵がこれまでに関わった仕事を、智輝はまだ把握しきれていない。その作業を急ぐべきかと考え、山のような資料を思い出して、少しげんなりとした。
「その際も、呪具の受け渡しのためにSNSが使われました。受け取った人物はその後……死亡が確認されています。呪いを受けた相手も同様に」
「っ……!」
「友里奈ちゃんはっ、友里奈ちゃんは大丈夫なんですよね!? あなたが助けてくれるんですよね!?」
息を飲んだ友里奈を強く抱き締め、巴が必死に葵に叫ぶ。
葵がすぐさま深く頷くと、二人の表情が僅かに和らいだ。
「……そんな事件、知らない」
「事故死や病死で処理されたからね」
ポツリと呟いた智輝に、葵があっさりと返した。
事故死や病死。頭でその言葉を反芻し、智輝は目を細めて手に視線を落とす。
警察は呪いや幽霊なんて相手にしない。怪異現象対策課があっても、法がそれを許さないのだから、公的に追及することはできないのだ。智輝たちができるのは、表に出さないまま、協力者の力を借りて、問題を解決するよう暗躍することだけ。
「あなたに接触したのは、おそらく意図的です。呪いを簡略化すると言っても、呪具を作る側が呪う相手を知っていなければ呪術が成立しませんから。呪具を作った人は、あいつを知り、あなたの憎しみを知っている人です」
「……私は、もしかして、あいつを呪い殺すために利用されたんですか。呪いの糧にするために?」
友里奈が顔を俯けたまま呟いた。
「そうですね。あなたと巴さんの関係も知られていたでしょう。外で会って話すこともあったのでは?」
「……ありました。二人でカフェで蒼汰の話をしたり……」
答えたのは巴だ。いったい誰が友里奈を利用しようとしているのかと、怒りに燃えた眼差しだった。
その時、智輝は不意に気づいた。
葵が智輝と一緒に巴を訪ねたのは、巴が呪具を作った犯人の一味ではないかと疑っていたからなのだと。その疑いは、巴が呪いに全く関心がない様子ですぐに晴れたのだろうが。
「友里奈さんを犠牲に、あれを殺そうとしている者は、あなたの身元を把握しています。できるだけ早く、隠れましょう。おそらく直接的な手を出してくることはないでしようが、一年ほどは身の回りに気をつけた方がいいかと……」
呟いた葵が懐から天然石がついたネックレスを取り出した。
「こちらを差し上げます。相手が呪術的に干渉してこようと、あなたの身と心を守ります。できる限り身に付けていてください。あと、これは僕の名刺です。不審なことが身の回りで起きたときはご連絡ください」
「ありがとうございます……!」
すぐさま巴が動いた。ネックレスを友里奈につけ、名刺をその手に握らせる。
「友里奈ちゃん、私の友達が貸家を持っているの。しばらくそちらに行きましょう。お金は心配しないで。私が出すわ。この家に来てと言いたいけど、私とあなたの関係が知られているなら、あなたを隠すことにはならないと思うし。友達には、ストーカーから逃げていると伝えるから、ある程度配慮してもらえると思うわ」
「巴さん……ありがとうございます……っ」
抱き合う二人を智輝は静かに見つめた。
葵がいつから友里奈を守ろうと準備していたか分からない。もしかしたら、あの喫茶店で蒼汰の霊に接触した時点で、この展開を考えていたのかもしれない。
「現在行っている呪いですが」
「っ、はい、どうしたらいいですか? あのヒトガタを捨てたらいいですか?」
解放される希望が見えたのか、少し活力が出てきた表情で友里奈が葵を見つめた。
「まず、あなたを蝕んでいるものを除きたいと思います。こちらに触れてください」
葵が差し出した手には、人の形に切られた紙があった。複雑な文様が、白を埋めるように描かれている。
「……はい」
呪いに使ったのがヒトガタであったためか、友里奈は僅かに警戒した様子だったが、巴に肩を抱き締められながら手を伸ばした。
友里奈の手がヒトガタに触れた瞬間に、描かれていた文様が蠢く。
「っ!」
鋭く息を飲んだのは誰だったのか。葵以外の全員だったのかもしれない。
言葉が発せられないまま、智輝たちはヒトガタの変化をただ見つめ続けた。
「……いいでしょう。痛みはどうですか」
「ぇ……ぁ、痛くない……痛くないですっ!」
ヒトガタから文様が消え失せた頃、葵が友里奈とヒトガタを引き離した。
友里奈が呆然とした様子で腹部を擦り、驚いたように口をポカンと開ける。巴が嬉しそうに友里奈を抱き締めた。
「今、このヒトガタがあなたの代わりになって、呪いの反動を引き受けています」
「代わり……」
葵がヒラリと無造作に振ったヒトガタに全員の視線が集中する。
智輝は現実離れした話の連続に、そろそろ目を逸らしたい気分だ。だが、警察として友里奈という市民を守るために、己を叱咤して葵の言葉に耳を傾けた。
「ヒトガタは良くも悪くも使われるものなのですよ。既に呪いはあなたの手を離れていますから、身を隠すことに集中してください。僕の方で、呪いを解除しておきますから」
「……あいつは、結局なんの罰も受けないんですね」
友里奈が複雑な表情で呟いた。
自分が苦しみから解放された喜び。復讐を遂げられなかった残念さ。速水への深い憎しみ。様々な感情が友里奈の顔を歪めている。
それは巴も同じだった。友里奈と手を繋ぎながら、目を翳らせてじっとヒトガタを見つめている。
今度は巴の方が呪いを実行してもおかしくないと思わせる表情だった。おそらく巴は、友里奈を大事に思っても、自身の命を守るつもりはない。
智輝はなんと言うべきかと考えて、言葉が見つからなかった。
復讐なんてやめろと言ったところで、彼女を踏み留まらせる一助にもなり得ないだろうと思う。所詮、智輝は彼女の痛みを実感できない他人なのだ。
「目には目を、歯には歯を。古い国の法に載っていた言葉です――」
不意に葵が語り始めた。
友里奈と巴が、突然の話題の変化についていけなかったのか、ポカンと口を開けて葵を見つめる。
智輝は葵が言いたいことを察して眉を顰めた。
「この国の法は、必ずしも悪人を罰するわけではありません。ですが、天は見ているのですよ」
葵が人差し指を立てて振る。そして皮肉っぽく微笑んだ。
「あなた方がなにかをしなくても、あれは必ず罰されます。この世で生きている間も、死してからさえも」
なんの根拠もない言葉だ。智輝はそう判断する一方で、どこか救われた気分になった。
友里奈と巴も同じだったのか、強張っていた表情を緩め、葵に強い眼差しを向ける。
「――呪いの解除、よろしくお願いします。私は生きて、速水行宏の人生と死後が苦しみに満ちたものであるよう祈り続けます」
「私も。本当はこの手で殺したい。でも、しばらく様子を見ることにします」
友里奈の言葉もなかなかだが、巴の言葉は警察として見過ごしてはいけない気がした。
だが、智輝は葵に視線を向けてから沈黙を選んだ。不思議と巴が罪を犯す事態にはならない予感がしたのだ。
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