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8章 新たな地へ
303.自由に大海原へ
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なんか通知マークがあるな、と思ったらルトから連絡が来てた。
——————
ルト:さっきのワールドアナウンス、どう考えてもモモだよな? 一人でどんだけ先に進むつもりなんだよ。俺らが行くまで、いくらかはミッション残しておいてくれ……
——————
おぉ……ごめんね? ワールドミッションのクリアは全然狙ってなかったんだよ。
ちょっと申し訳ないから、スタ島探索は一旦お休みしようかな。
お店や農地の状況が気になってきたし。
「あ、でも、まだ釣りしてない!」
せっかく釣りポイントの地図をもらったんだし、混雑する前に釣りしてみよう。
ルトに『ほどほどのところで帰りまーす』と返事をして、ヒスイたちを帰してから、転移で海の近くに向かった。
ふわっと潮の香りが押し寄せてくる。
うーん、海の音を聞くとほのぼのするね!
目の前には青い海。
ここは最初の船着き場の近くだから、まだ豪華客船があるのが見えた。
ラファイエットさんたち、祭りでしか見なかったけど、どこにいるんだろう? どのくらい調査できてるか、ちょっと聞きたいんだけど……次会うのを楽しみにしとこう。
今は釣りの時間だ、とまずは小型帆船を出す。小さい模型の船を海に浮かべた途端、モコモコッと煙が漂い、気づいた時には大きくなっていた。
「小型ってなってるけど、十分大きいよ」
豪華客船とは比べられないほど小さいけど、僕のサイズならのびのびと寛げそう。
飛翔で飛び乗り、船を見て回る。
船は全体的に木製で、温かみがあっていい感じ。
帆は生成りの白でシンプル。ここに僕らしいマークを付けたい。やっぱり天兎イラストがいいかな。
船には小さな船室もあって、小さなベッドとベンチがあった。僕くらいの大きさなら四、五体はゆったりと寛げそう。
その船室内にある操縦パネルで船を動かすらしい。
パネルに触れると、見慣れたマップが表示された。トルドさんにもらった釣りポイントも反映されてる。
近くにある釣りポイントをタッチしてみる。
〈このポイントを目的地に設定しますか?〉
お、アナウンスで聞かれるのか。
うん、早速行ってみよう。
「設定してくださーい」
〈設定しました。船が動きます〉
アナウンスの後、外の景色がゆっくりと動き始めた。
「なんか楽しい! 僕が船長さんだぞー♪」
ワクワクして、そのテンションのまま飛翔で飛んだ。船を空から眺める。
いいね、いいね。自分の船で自由に海を進めるって、想像以上に嬉しいよ。
船の甲板に着地して、先端に立ち、風を浴びる。青い水平線に世界の広さを実感して、気分が高まった。
今、すっごく自由を感じてるよ。僕、どこにでも行ける気がする!
ルンルンと鼻歌を歌いながら海を眺めていたら、船がゆっくりと減速していく。
〈目的地に到着しました〉
「あ、もう着いたんだ? モンスターとは出会わないもんなんだなぁ」
ちょっぴり海賊モンスターに会えないかなって期待してたから残念。イカ欲しかった。
まぁ、今回の目的は釣りだからいいけど。
「おっと、忘れちゃダメダメ。【召喚】スラリン、ユキマル、オギン、ヒスイ、ピア!」
漁をする仲間スラリン&ユキマルと、釣り中の警戒をお願いするオギン&ヒスイ&ピアを召喚した。
「きゅぃ(海……漁!)」
スラリンが海を見た途端、目をキラッと輝かせる。ユキマルも気合いいっぱいな様子で跳ねてる。
豪華客船では漁をできなかったもんねー。一緒にたくさん獲ろう!
「にゃ(海の上にいるにゃ!? ビックリにゃー)」
「キュオ(これくらいで驚いていたら、疲れちゃうわよ)」
「もふ(青い海を~飛ぶよ~)」
ピアがふわふわと飛んでいく。一面の青い海にテンションが上がってるみたいだ。
いざという時には船を守ってほしいけど、今は遊んでていいよー。
「ヒスイとオギンはモンスターが近づいて来ないか警戒しててね」
「にゃ(任せてにゃ! 魚群探知機は作らなかったのかにゃ?)」
「あ、そういえば、そんなアイテムあったね。うーん……スラリンたちがいるし、とりあえずなしで漁をしてみる!」
たくさん釣れたらラッキーってことにしよう。トルドさんに教えてもらった釣りポイントだから、全然釣れないってことはないでしょ。
「——スラリン、ユキマル! 漁開始だよー!」
いぇーい! と宣言したら、スラリンたちは『がんばるー!』と気合いを入れて海に飛び込んだ。
今さらだけど、この海、スラリンたちの能力が通用しないモンスターいないよね? 危険な敵に遭遇して攻撃受けちゃいそうだったら早く帰ってきてね?
ちょっぴり心配しつつ、僕も釣りの準備を始める。
実は新しい餌を作ったのです。
「錬金術製新餌【いかいかえくせれんと】!」
じゃじゃん、と取り出す。
ヒスイがキラッと目を輝かせたから、食いつかないようにサッと遠ざけた。これはヒスイを釣る餌じゃないんだよー。
海賊烏賊のぶつ切りと痺海月を混ぜた餌です。食いついたら痺れるから、釣れやすくなるよ。
餌を針につけて、海に投げる。
何が釣れるかなー♪
ワクワクと海面を眺める僕の視界を、緑と白の大きな物体が横切った。
「……んん? 待って、スラリンたち流されてない!?」
「きゅぷっ」
「ぴぅっ」
スラリンたちが取り込んだ水を吐き出して、その勢いを使って船の方に戻ってくる。
ちょっとモンスターも吐き出しちゃってるね。飲み込みすぎちゃった?
「獲ったものは甲板に吐き出していいよー」
オギンとヒスイがスラリンたちを捕まえて固定してくれたので、指示を出す。すると、すぐにたくさんの魚たちが甲板に降ってきた。
「おわっ! ……これ、船が沈まないよね?」
重さで船が傾いてる気がするぞ……?
「回収回収ーっ!」
慌ててクーラーボックスに詰めてアイテムボックスに収納。
獲ったものの確認は陸地でしよう!
******
書籍1巻部分の人物紹介と称号・スキル・アイテム解説を公開しております。
また、2~7章の登場人物簡易紹介も公開しました。
簡単に振り返りたい場合などにご利用くださいませ。
書籍版につきまして、諸事情によりスラリンの名前が『スラ君』に変更になっております。
ウェブ版はスラリンで更新を継続してまいります。
あらかじめご了承くださいませ。
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ルト:さっきのワールドアナウンス、どう考えてもモモだよな? 一人でどんだけ先に進むつもりなんだよ。俺らが行くまで、いくらかはミッション残しておいてくれ……
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おぉ……ごめんね? ワールドミッションのクリアは全然狙ってなかったんだよ。
ちょっと申し訳ないから、スタ島探索は一旦お休みしようかな。
お店や農地の状況が気になってきたし。
「あ、でも、まだ釣りしてない!」
せっかく釣りポイントの地図をもらったんだし、混雑する前に釣りしてみよう。
ルトに『ほどほどのところで帰りまーす』と返事をして、ヒスイたちを帰してから、転移で海の近くに向かった。
ふわっと潮の香りが押し寄せてくる。
うーん、海の音を聞くとほのぼのするね!
目の前には青い海。
ここは最初の船着き場の近くだから、まだ豪華客船があるのが見えた。
ラファイエットさんたち、祭りでしか見なかったけど、どこにいるんだろう? どのくらい調査できてるか、ちょっと聞きたいんだけど……次会うのを楽しみにしとこう。
今は釣りの時間だ、とまずは小型帆船を出す。小さい模型の船を海に浮かべた途端、モコモコッと煙が漂い、気づいた時には大きくなっていた。
「小型ってなってるけど、十分大きいよ」
豪華客船とは比べられないほど小さいけど、僕のサイズならのびのびと寛げそう。
飛翔で飛び乗り、船を見て回る。
船は全体的に木製で、温かみがあっていい感じ。
帆は生成りの白でシンプル。ここに僕らしいマークを付けたい。やっぱり天兎イラストがいいかな。
船には小さな船室もあって、小さなベッドとベンチがあった。僕くらいの大きさなら四、五体はゆったりと寛げそう。
その船室内にある操縦パネルで船を動かすらしい。
パネルに触れると、見慣れたマップが表示された。トルドさんにもらった釣りポイントも反映されてる。
近くにある釣りポイントをタッチしてみる。
〈このポイントを目的地に設定しますか?〉
お、アナウンスで聞かれるのか。
うん、早速行ってみよう。
「設定してくださーい」
〈設定しました。船が動きます〉
アナウンスの後、外の景色がゆっくりと動き始めた。
「なんか楽しい! 僕が船長さんだぞー♪」
ワクワクして、そのテンションのまま飛翔で飛んだ。船を空から眺める。
いいね、いいね。自分の船で自由に海を進めるって、想像以上に嬉しいよ。
船の甲板に着地して、先端に立ち、風を浴びる。青い水平線に世界の広さを実感して、気分が高まった。
今、すっごく自由を感じてるよ。僕、どこにでも行ける気がする!
ルンルンと鼻歌を歌いながら海を眺めていたら、船がゆっくりと減速していく。
〈目的地に到着しました〉
「あ、もう着いたんだ? モンスターとは出会わないもんなんだなぁ」
ちょっぴり海賊モンスターに会えないかなって期待してたから残念。イカ欲しかった。
まぁ、今回の目的は釣りだからいいけど。
「おっと、忘れちゃダメダメ。【召喚】スラリン、ユキマル、オギン、ヒスイ、ピア!」
漁をする仲間スラリン&ユキマルと、釣り中の警戒をお願いするオギン&ヒスイ&ピアを召喚した。
「きゅぃ(海……漁!)」
スラリンが海を見た途端、目をキラッと輝かせる。ユキマルも気合いいっぱいな様子で跳ねてる。
豪華客船では漁をできなかったもんねー。一緒にたくさん獲ろう!
「にゃ(海の上にいるにゃ!? ビックリにゃー)」
「キュオ(これくらいで驚いていたら、疲れちゃうわよ)」
「もふ(青い海を~飛ぶよ~)」
ピアがふわふわと飛んでいく。一面の青い海にテンションが上がってるみたいだ。
いざという時には船を守ってほしいけど、今は遊んでていいよー。
「ヒスイとオギンはモンスターが近づいて来ないか警戒しててね」
「にゃ(任せてにゃ! 魚群探知機は作らなかったのかにゃ?)」
「あ、そういえば、そんなアイテムあったね。うーん……スラリンたちがいるし、とりあえずなしで漁をしてみる!」
たくさん釣れたらラッキーってことにしよう。トルドさんに教えてもらった釣りポイントだから、全然釣れないってことはないでしょ。
「——スラリン、ユキマル! 漁開始だよー!」
いぇーい! と宣言したら、スラリンたちは『がんばるー!』と気合いを入れて海に飛び込んだ。
今さらだけど、この海、スラリンたちの能力が通用しないモンスターいないよね? 危険な敵に遭遇して攻撃受けちゃいそうだったら早く帰ってきてね?
ちょっぴり心配しつつ、僕も釣りの準備を始める。
実は新しい餌を作ったのです。
「錬金術製新餌【いかいかえくせれんと】!」
じゃじゃん、と取り出す。
ヒスイがキラッと目を輝かせたから、食いつかないようにサッと遠ざけた。これはヒスイを釣る餌じゃないんだよー。
海賊烏賊のぶつ切りと痺海月を混ぜた餌です。食いついたら痺れるから、釣れやすくなるよ。
餌を針につけて、海に投げる。
何が釣れるかなー♪
ワクワクと海面を眺める僕の視界を、緑と白の大きな物体が横切った。
「……んん? 待って、スラリンたち流されてない!?」
「きゅぷっ」
「ぴぅっ」
スラリンたちが取り込んだ水を吐き出して、その勢いを使って船の方に戻ってくる。
ちょっとモンスターも吐き出しちゃってるね。飲み込みすぎちゃった?
「獲ったものは甲板に吐き出していいよー」
オギンとヒスイがスラリンたちを捕まえて固定してくれたので、指示を出す。すると、すぐにたくさんの魚たちが甲板に降ってきた。
「おわっ! ……これ、船が沈まないよね?」
重さで船が傾いてる気がするぞ……?
「回収回収ーっ!」
慌ててクーラーボックスに詰めてアイテムボックスに収納。
獲ったものの確認は陸地でしよう!
******
書籍1巻部分の人物紹介と称号・スキル・アイテム解説を公開しております。
また、2~7章の登場人物簡易紹介も公開しました。
簡単に振り返りたい場合などにご利用くださいませ。
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あらかじめご了承くださいませ。
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