もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

文字の大きさ
255 / 581
7章 世界が広がっていくよ

257.キラキラの祝福だね

しおりを挟む
 ちょっと危ない状況になってもお互いをフォローして乗り越え、薬やスキルで体力と魔力を回復させながら、なんとか星の湖近くのセーフティエリアまで辿り着いた。

 こんなにバトルを繰り返して進むの、僕にとっては珍しい。
 たくさんバトルをこなしたおかげで、みんなレベルアップできたから良かったけどね!

「スラリン、レベル25到達おめでとー」
「きゅぃ(僕、強くなった!)」
「ユキマル、レベル29おめでとー」
「ぴぅ(もう少しでモモに追いつくね)」
「ショコラとオギンはレベル一つ上がったね」
「くまま(モモより上ー)」
「キュオ(大して変わらない気がするわ)」

 ショコラとオギンは元々レベル30超えてたから、レベルアップに必要な経験値の量が多いんだろうなぁ。今のところバトルに困る様子はないから、このまま地道に成長していってもらいたい。

「僕も、祝レベル30! ぱんぱかぱーん!」

 自分でファンファーレを表現してみた。スラリンたちが『すごーい、おめでとー』と祝福してくれる。
 レベル30ということは、このままじゃ戦っても経験値が無駄になっちゃうんだよ。早くレベルキャップ解放しなくちゃ。

 ちょうどいいタイミングで星の湖に着けそうだし、ラッキーだったな。
 時間ももう夕暮れで、一度街に戻らなくてもすぐに夜になるだろうから、そのまま星の雫をゲットしちゃおう。

「星の湖に着いたら、すぐに採水して、街に戻るからそのつもりでいてね」
「きゅぃ(りょーかい!)」

 ぴょんと跳ねたスラリンの横で、ユキマルたちもうんうんと頷いている。
 さて、そろそろ行きますかー。
 レベルキャップ解放目当てでたくさんのプレイヤーが近くにいるから、戦う機会は減りそうだなぁ。

 オギンに乗って揺られながら、星の湖に向かう。空が茜色に変わり綺麗だ。

「あ、モモさーん!」
「うん? こんにちはー。あ、こんばんは、かなー」

 きゃーっと手を振ってくるプレイヤーさんに挨拶を返す。
 この人、たぶんもふもふ教だ。胸元に僕が売ってるウサギモチーフのブローチを付けてて、僕を見てすっごく嬉しそうにしてるもん。

 もふもふ教の人は他にもいるらしく、次々に声を掛けられる。
 バトルフィールドでこんなに挨拶されるのは珍しい。僕は普段、割とプレイヤーが少ないところを進んでることが多いから。

「ぴぅ(暗くなってきたねー)」
「そうだね。まだ見えるけど、一応泡光ソフライト使ってくれる?」
「ぴぅ(いいよー)」

 ユキマルがふわっと柔らかな光を放った。周囲が明るく照らされる。
 ライト系のアイテムよりユキマルのスキルの方が便利!

「キュオ(助かるわ)」
「くまま(暗かったもんねー)」

 オギンとショコラも嬉しそうだ。
 ユキマルの光に照らされて、たくさんの足跡が残った雪道を進む。星の湖の場所を探さなくても、こうして手がかりがあるんだから、レベルキャップ情報を周知して良かったなぁ。

「キュオ(あら、着いたかしら?)」
「ん? そうだね。みんな瓶を構えてる! あれが星の湖かー」

 雪の大地が途切れ、空を映す湖が現れた。まだ星は見えてない。もう少しかな。僕も瓶を用意しておこう。

「よいしょっと」

 オギンからおりて、アイテムボックスから瓶を取り出す。

 スラリンたちが周囲の警戒を請け負ってくれてるし、プレイヤーもいっぱいいるので、突然モンスターに襲撃される危険はなさそうだ。さり気なくもふもふ教の人が周りを固めてくれてる気もするし。

「――そろそろ夜だね」

 ゲーム内での一日で二時間だけある夜の時間。
 こうしてバトルフィールド上で過ごすのは初めてだ。昼とは全然雰囲気が違って、静けさと緊張感が満ちてる気がする。

 こういうのも、なかなかおもしろいかもしれない。バトルフィールドでは夜限定のモンスターが現れることがあるらしいし、また挑戦してみてもいいかも。もっと難度の低いバトルフィールドで、ね。

「きゅぃ(あ、星……)」
「すごい……」

 突然、湖面に光が溢れた。そう見えるほどにたくさんの星が空に輝き、湖に映ってるんだ。
 風がなく、鏡のように空を映す湖は、感動するほど美しい。

 こんな景色、リアルだったら相当遠出しないと見れないし、タイミングも難しいんだろうな。

 思わず、採水するより先に景色を写真に収めていた。
 滅多に来れない場所だろうから、この記憶を長く留めておきたい。

「くまま(水取らないのー?)」
「うん、取るよ」

 ショコラに声を掛けられて、ハッとして湖に歩み寄った。
 僕の動きにつられたのか、周囲の人たちも一斉に動き始める。

 星を映す湖面をちゃぽんと瓶ですくう。
 瓶の中がキラキラと輝く水で満たされた。

〈【星の雫】を入手しました。レベルキャップ(一)を解放します〉

 瓶の中の水からキラキラがあふれる。それは手を伝って僕の体を覆い、白く輝かせた。
 体の奥から力が湧いてくるような心地がする。

「おー、これがレベルキャップ解放?」

 光が消えた後には、瓶の中にあった星の雫もなくなっていた。

 改めて採水しようとすると〈採水できるのは一人一回です〉というアナウンスがされる。星の雫の販売禁止措置かな?
 他のアイテム作りに使えないのは残念。たぶん、夜以外なら採水できるんだろうな。

「きゅぃ(目的達成できた?)」
「うん、たぶん」

 他のプレイヤーたちがどんどんと転移で帰っていくので、これで問題ないはず。
 僕たちも帰らないと。

「――家で、レベルキャップ解放祝いをしよっか!」
「きゅぃ(するー! 美味しいもの食べよう!)」

 楽しそうに返事をするスラリンたちを一足先に戻し、僕は転移を発動する。
 次はダンジョン探索だね!

しおりを挟む
感想 2,645

あなたにおすすめの小説

【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜

るあか
ファンタジー
 僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。  でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。  どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。  そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。  家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。

もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜

きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。 遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。 作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓―― 今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!? ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。 癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。 しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。 「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!

我が家と異世界がつながり、獣耳幼女たちのお世話をすることになった件【書籍化決定!】

木ノ花
ファンタジー
【第13回ネット小説大賞、小説部門・入賞!】 マッグガーデン様より、書籍化決定です! 異世界との貿易で資金を稼ぎつつ、孤児の獣耳幼女たちをお世話して幸せに! 非日常ほのぼのライフの開幕! パワハラに耐えかねて会社を辞め、独り身の気楽な無職生活を満喫していた伊海朔太郎。 だが、凪のような日常は驚きとともに終わりを告げた。 ある日、買い物から帰宅すると――頭に猫耳を生やした幼女が、リビングにぽつんと佇んでいた。 その後、猫耳幼女の小さな手に引かれるまま、朔太郎は自宅に現れた謎の地下通路へと足を踏み入れる。そして通路を抜けた先に待ち受けていたのは、古い時代の西洋を彷彿させる『異世界』の光景だった。 さらに、たどり着いた場所にも獣耳を生やした別の二人の幼女がいて、誰かの助けを必要としていた。朔太郎は迷わず、大人としての責任を果たすと決意する――それをキッカケに、日本と異世界を行き来する不思議な生活がスタートする。 最初に出会った三人の獣耳幼女たちとのお世話生活を中心に、異世界貿易を足掛かりに富を築く。様々な出会いと経験を重ねた朔太郎たちは、いつしか両世界で一目置かれる存在へと成り上がっていくのだった。 ※まったり進行です。

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

追放された悪役令嬢、規格外魔力でもふもふ聖獣を手懐け隣国の王子に溺愛される

黒崎隼人
ファンタジー
「ようやく、この息苦しい生活から解放される!」 無実の罪で婚約破棄され、国外追放を言い渡された公爵令嬢エレオノーラ。しかし彼女は、悲しむどころか心の中で歓喜の声をあげていた。完璧な淑女の仮面の下に隠していたのは、国一番と謳われた祖母譲りの規格外な魔力。追放先の「魔の森」で力を解放した彼女の周りには、伝説の聖獣グリフォンをはじめ、可愛いもふもふ達が次々と集まってきて……!? 自由気ままなスローライフを満喫する元悪役令嬢と、彼女のありのままの姿に惹かれた「氷の王子」。二人の出会いが、やがて二つの国の運命を大きく動かすことになる。 窮屈な世界から解き放たれた少女が、本当の自分と最高の幸せを見つける、溺愛と逆転の異世界ファンタジー、ここに開幕!

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。