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7章 世界が広がっていくよ
245.お腹も頬も膨らみます
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席についてなにも注文してないのに、店員さんがやって来た。巨大な肉の塊を載せたワゴンと共に。
「おお!? なにこれ?」
「ここ、シュラスコ食べ放題の店なんよ。店員さんが回ってくるから、欲しいだけ切ってもらうんや」
なんか気分が上がる料理だね!
牛肉っぽいお肉をたくさん切ってもらう。塩味がついてるけど、お好みでソースを付けて食べるんだって。野菜をふんだんに使った酸味のあるモーリョソースや柚子胡椒、ポン酢、チーズソース、ネギ塩ダレなどが用意されてる。
「最初はモーリョソースで!」
パクッと食べた途端に、肉の旨味が口いっぱいに広がる。でもしつこく感じないのは、モーリョソースのお酢でさっぱりするからだ。
「お、い、しー!」
「喜んでくれて良かったわ」
ユリはお肉をチーズソースに絡めて食べてる。美味しそう。僕も食べよう。
「チーズもいいね。こってりしてるけど」
「次の味を柚子胡椒にすると、まだまだ食べられるで」
「もぐもぐ……ほんとだ! 爽やかな辛味が口の中をさっぱりさせてくれるね。止まらなくなっちゃう」
どのソースで食べても美味しい。屋台で食べる串焼きとはちょっと違うんだよ。
「焼き野菜とウインナーはどうですか?」
「食べます!」
再びやって来た店員さんから、大量の野菜とウインナーをもらう。これもソースに絡めて食べたけど、パクパクと食べ続けちゃうくらい美味しい。
「焼きトマト、うまー」
「程よい塩加減がいいですねー」
タマモたちも幸せそうに食べていた。どんどん空腹度が回復していく。でも、まだまだ食べたいぞ。
「豚肉も来たー」
「本物の豚かどうかはわからないけどにゃ」
「えっと、幸豚っていうモンスターのようですね。……味も、豚って言っていいと思います」
ソウタが真剣な表情でもぐもぐと味わってる。
豚肉も美味しいよねー。王都の近くにいるモンスターなのかな。それとも養豚場がある? 王都内にはそういう施設はなさそうだけど。
「もっぐもっぐ」
「モモ、ほっぺた膨らみ過ぎやない?」
大きなお肉を詰め込んだら、頬が丸くなっていた。僕のほっぺたはよく伸びる。
タマモが笑いながら写真を撮ってるけど、これは掲示板に載せないでほしいなぁ。ちょっと恥ずかしい。
「……美味しかった!」
「よう飲み込めたな。ちゃんと噛んだ?」
ユリが少し呆れた顔をしてる。ちゃんと美味しくいただいたよー。
「あ、モモさん、デザートもあるらしいですよ」
「どんなデザート?」
「パンケーキにアイスと焼いたフルーツを載せてあるものみたいです」
「食べる!」
デザートは注文しなくちゃいけないようなので、しっかり人数分頼んだ。
しばらくして届いたのは、華やかな見た目のパンケーキ。焼いてあるバナナやパイナップル、リンゴなどが美味しそう。
焼きフルーツにアイスを絡めて、パンケーキと一緒にぱくりと食べる。
「……んん! 口の中が幸せ!」
「表情からも伝わってくるぞ」
ツッキーに微笑ましげな目を向けられた。タマモはパシャパシャと写真を撮り続けてる。
一口分を切ってアイスとフルーツを盛りつけて、タマモにあーんと差し出すポーズをしてみた。
タマモは溶けそうな顔でさらに連写してる。『#モモとデート』って感じで投稿していいよ。
「これでこの店はお客さんが増えるだろうにゃ」
「モモさんって招き猫みたいな効果ありますよね」
「招き猫より効果あるやろ」
ムギとソウタ、ユリが笑いながら話してる。商売繁盛は喜ばしいことだよね。
「満腹だ~」
「さすがに食べすぎた気がする。気分的にな」
ツッキーがお腹をさすりながら頷く。
たくさん食べて満足だ。食べ放題の制限時間も来たみたいだし、そろそろ出ようか。
「ユリ、美味しいお店を紹介してくれてありがとー」
「どういたしまして。スカウトの師匠に教えてもらった場所なんやけどな」
「そうなんだ? 僕も友だちにオススメを聞いてこよう」
お店を出ながら考える。
モンちゃんは昔王都に住んでたらしいし、情報持ってそう。あとリカちゃんは王都出身だったはずだし、情報通だから良いお店知ってそうだな。
屋台と違って、王都の店は入るまでどんな料理があるかわかりにくいから、情報収集が大事だ。王都にも友だち作って、いろいろ聞いてみたいなぁ。
「お腹は満たされましたし、私は王都で教会を作る準備に取り掛かりますね」
「うん、それはありがたいけど……ほんとに作れるの?」
表情を改めたタマモを見上げて首を傾げる。
塔が乱立する王都に、教会用の敷地を用意するの大変そうだと思うんだけど。
「一応、プレイヤーのクラン等に使用される場所はあるらしいんです。敷地というより、塔のワンフロアな感じですけど」
「マンションの一室を事務所にするようなものやろな」
ユリが補足を入れる。
王都では教会を建てるんじゃなくて、もふもふ教のための空間を作るってことらしい。そうすれば、『拠点間転移』のシステムを利用できるようになる。
「基本的にはもふもふ教の宿舎的な扱いになると思います。王都は宿の料金が高いので、組織として用意した方がお得でしょうし」
「そうなんだ?」
「ええ。王都は長期滞在向けの場所ではないようですね」
タマモが苦笑しながら肩をすくめる。
王都周辺はあまり実入りの良いバトルフィールドもないらしいし、観光とか魔術学院とか、目的がある時だけ滞在するのがいいんだろうな。
「教会を作ろうとするんはいいけど、条件を達成できる見込みはあるん?」
ユリが首を傾げて言う。
「条件?」
「王都で組織施設を作るには、ギルドからの推薦状が必要らしいんよ。普通のクランなら冒険者ギルドに頼めば良さそうやけど、もふもふ教の場合はどこに頼むのがいいかまだわからん」
「なるほどー。ここでは領主さんからの許可じゃないんだね」
「推薦の結果、最終的な許可を出すのは王様らしいけどなぁ」
領主さんに許可をもらうより大変そう。
タマモを見ると、少し困った顔をしていた。
「とりあえず、いろんなギルドを回ってみようと思ってます。もふもふ教に推薦状をもらうためには、王都で異世界の住人に布教する必要があるかもしれません」
「なるほどにゃ。あたいたちも情報を集めてみるにゃ。布教はタマモたちに任せるにゃ」
「はい。よろしくお願いします!」
王都のもふもふ教支部は安価な宿になる可能性もあるということで、ムギたちも前向きに協力するつもりらしい。
僕も王都探索しながら色んな人に聞いて調べてみよう。
「おお!? なにこれ?」
「ここ、シュラスコ食べ放題の店なんよ。店員さんが回ってくるから、欲しいだけ切ってもらうんや」
なんか気分が上がる料理だね!
牛肉っぽいお肉をたくさん切ってもらう。塩味がついてるけど、お好みでソースを付けて食べるんだって。野菜をふんだんに使った酸味のあるモーリョソースや柚子胡椒、ポン酢、チーズソース、ネギ塩ダレなどが用意されてる。
「最初はモーリョソースで!」
パクッと食べた途端に、肉の旨味が口いっぱいに広がる。でもしつこく感じないのは、モーリョソースのお酢でさっぱりするからだ。
「お、い、しー!」
「喜んでくれて良かったわ」
ユリはお肉をチーズソースに絡めて食べてる。美味しそう。僕も食べよう。
「チーズもいいね。こってりしてるけど」
「次の味を柚子胡椒にすると、まだまだ食べられるで」
「もぐもぐ……ほんとだ! 爽やかな辛味が口の中をさっぱりさせてくれるね。止まらなくなっちゃう」
どのソースで食べても美味しい。屋台で食べる串焼きとはちょっと違うんだよ。
「焼き野菜とウインナーはどうですか?」
「食べます!」
再びやって来た店員さんから、大量の野菜とウインナーをもらう。これもソースに絡めて食べたけど、パクパクと食べ続けちゃうくらい美味しい。
「焼きトマト、うまー」
「程よい塩加減がいいですねー」
タマモたちも幸せそうに食べていた。どんどん空腹度が回復していく。でも、まだまだ食べたいぞ。
「豚肉も来たー」
「本物の豚かどうかはわからないけどにゃ」
「えっと、幸豚っていうモンスターのようですね。……味も、豚って言っていいと思います」
ソウタが真剣な表情でもぐもぐと味わってる。
豚肉も美味しいよねー。王都の近くにいるモンスターなのかな。それとも養豚場がある? 王都内にはそういう施設はなさそうだけど。
「もっぐもっぐ」
「モモ、ほっぺた膨らみ過ぎやない?」
大きなお肉を詰め込んだら、頬が丸くなっていた。僕のほっぺたはよく伸びる。
タマモが笑いながら写真を撮ってるけど、これは掲示板に載せないでほしいなぁ。ちょっと恥ずかしい。
「……美味しかった!」
「よう飲み込めたな。ちゃんと噛んだ?」
ユリが少し呆れた顔をしてる。ちゃんと美味しくいただいたよー。
「あ、モモさん、デザートもあるらしいですよ」
「どんなデザート?」
「パンケーキにアイスと焼いたフルーツを載せてあるものみたいです」
「食べる!」
デザートは注文しなくちゃいけないようなので、しっかり人数分頼んだ。
しばらくして届いたのは、華やかな見た目のパンケーキ。焼いてあるバナナやパイナップル、リンゴなどが美味しそう。
焼きフルーツにアイスを絡めて、パンケーキと一緒にぱくりと食べる。
「……んん! 口の中が幸せ!」
「表情からも伝わってくるぞ」
ツッキーに微笑ましげな目を向けられた。タマモはパシャパシャと写真を撮り続けてる。
一口分を切ってアイスとフルーツを盛りつけて、タマモにあーんと差し出すポーズをしてみた。
タマモは溶けそうな顔でさらに連写してる。『#モモとデート』って感じで投稿していいよ。
「これでこの店はお客さんが増えるだろうにゃ」
「モモさんって招き猫みたいな効果ありますよね」
「招き猫より効果あるやろ」
ムギとソウタ、ユリが笑いながら話してる。商売繁盛は喜ばしいことだよね。
「満腹だ~」
「さすがに食べすぎた気がする。気分的にな」
ツッキーがお腹をさすりながら頷く。
たくさん食べて満足だ。食べ放題の制限時間も来たみたいだし、そろそろ出ようか。
「ユリ、美味しいお店を紹介してくれてありがとー」
「どういたしまして。スカウトの師匠に教えてもらった場所なんやけどな」
「そうなんだ? 僕も友だちにオススメを聞いてこよう」
お店を出ながら考える。
モンちゃんは昔王都に住んでたらしいし、情報持ってそう。あとリカちゃんは王都出身だったはずだし、情報通だから良いお店知ってそうだな。
屋台と違って、王都の店は入るまでどんな料理があるかわかりにくいから、情報収集が大事だ。王都にも友だち作って、いろいろ聞いてみたいなぁ。
「お腹は満たされましたし、私は王都で教会を作る準備に取り掛かりますね」
「うん、それはありがたいけど……ほんとに作れるの?」
表情を改めたタマモを見上げて首を傾げる。
塔が乱立する王都に、教会用の敷地を用意するの大変そうだと思うんだけど。
「一応、プレイヤーのクラン等に使用される場所はあるらしいんです。敷地というより、塔のワンフロアな感じですけど」
「マンションの一室を事務所にするようなものやろな」
ユリが補足を入れる。
王都では教会を建てるんじゃなくて、もふもふ教のための空間を作るってことらしい。そうすれば、『拠点間転移』のシステムを利用できるようになる。
「基本的にはもふもふ教の宿舎的な扱いになると思います。王都は宿の料金が高いので、組織として用意した方がお得でしょうし」
「そうなんだ?」
「ええ。王都は長期滞在向けの場所ではないようですね」
タマモが苦笑しながら肩をすくめる。
王都周辺はあまり実入りの良いバトルフィールドもないらしいし、観光とか魔術学院とか、目的がある時だけ滞在するのがいいんだろうな。
「教会を作ろうとするんはいいけど、条件を達成できる見込みはあるん?」
ユリが首を傾げて言う。
「条件?」
「王都で組織施設を作るには、ギルドからの推薦状が必要らしいんよ。普通のクランなら冒険者ギルドに頼めば良さそうやけど、もふもふ教の場合はどこに頼むのがいいかまだわからん」
「なるほどー。ここでは領主さんからの許可じゃないんだね」
「推薦の結果、最終的な許可を出すのは王様らしいけどなぁ」
領主さんに許可をもらうより大変そう。
タマモを見ると、少し困った顔をしていた。
「とりあえず、いろんなギルドを回ってみようと思ってます。もふもふ教に推薦状をもらうためには、王都で異世界の住人に布教する必要があるかもしれません」
「なるほどにゃ。あたいたちも情報を集めてみるにゃ。布教はタマモたちに任せるにゃ」
「はい。よろしくお願いします!」
王都のもふもふ教支部は安価な宿になる可能性もあるということで、ムギたちも前向きに協力するつもりらしい。
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