もふもふで始めるのんびり寄り道生活 便利なチートフル活用でVRMMOの世界を冒険します!

ゆるり

文字の大きさ
241 / 581
7章 世界が広がっていくよ

245.お腹も頬も膨らみます

しおりを挟む
 席についてなにも注文してないのに、店員さんがやって来た。巨大な肉の塊を載せたワゴンと共に。

「おお!? なにこれ?」
「ここ、シュラスコ食べ放題の店なんよ。店員さんが回ってくるから、欲しいだけ切ってもらうんや」

 なんか気分が上がる料理だね!
 牛肉っぽいお肉をたくさん切ってもらう。塩味がついてるけど、お好みでソースを付けて食べるんだって。野菜をふんだんに使った酸味のあるモーリョソースや柚子胡椒、ポン酢、チーズソース、ネギ塩ダレなどが用意されてる。

「最初はモーリョソースで!」

 パクッと食べた途端に、肉の旨味が口いっぱいに広がる。でもしつこく感じないのは、モーリョソースのお酢でさっぱりするからだ。

「お、い、しー!」
「喜んでくれて良かったわ」

 ユリはお肉をチーズソースに絡めて食べてる。美味しそう。僕も食べよう。

「チーズもいいね。こってりしてるけど」
「次の味を柚子胡椒にすると、まだまだ食べられるで」
「もぐもぐ……ほんとだ! 爽やかな辛味が口の中をさっぱりさせてくれるね。止まらなくなっちゃう」

 どのソースで食べても美味しい。屋台で食べる串焼きとはちょっと違うんだよ。

「焼き野菜とウインナーはどうですか?」
「食べます!」

 再びやって来た店員さんから、大量の野菜とウインナーをもらう。これもソースに絡めて食べたけど、パクパクと食べ続けちゃうくらい美味しい。

「焼きトマト、うまー」
「程よい塩加減がいいですねー」

 タマモたちも幸せそうに食べていた。どんどん空腹度が回復していく。でも、まだまだ食べたいぞ。

「豚肉も来たー」
「本物の豚かどうかはわからないけどにゃ」
「えっと、幸豚ハッピーブっていうモンスターのようですね。……味も、豚って言っていいと思います」

 ソウタが真剣な表情でもぐもぐと味わってる。
 豚肉も美味しいよねー。王都の近くにいるモンスターなのかな。それとも養豚場がある? 王都内にはそういう施設はなさそうだけど。

「もっぐもっぐ」
「モモ、ほっぺた膨らみ過ぎやない?」

 大きなお肉を詰め込んだら、頬が丸くなっていた。僕のほっぺたはよく伸びる。
 タマモが笑いながら写真を撮ってるけど、これは掲示板に載せないでほしいなぁ。ちょっと恥ずかしい。

「……美味しかった!」
「よう飲み込めたな。ちゃんと噛んだ?」

 ユリが少し呆れた顔をしてる。ちゃんと美味しくいただいたよー。

「あ、モモさん、デザートもあるらしいですよ」
「どんなデザート?」
「パンケーキにアイスと焼いたフルーツを載せてあるものみたいです」
「食べる!」

 デザートは注文しなくちゃいけないようなので、しっかり人数分頼んだ。

 しばらくして届いたのは、華やかな見た目のパンケーキ。焼いてあるバナナやパイナップル、リンゴなどが美味しそう。

 焼きフルーツにアイスを絡めて、パンケーキと一緒にぱくりと食べる。

「……んん! 口の中が幸せ!」
「表情からも伝わってくるぞ」

 ツッキーに微笑ましげな目を向けられた。タマモはパシャパシャと写真を撮り続けてる。

 一口分を切ってアイスとフルーツを盛りつけて、タマモにあーんと差し出すポーズをしてみた。
 タマモは溶けそうな顔でさらに連写してる。『#モモとデート』って感じで投稿していいよ。

「これでこの店はお客さんが増えるだろうにゃ」
「モモさんって招き猫みたいな効果ありますよね」
「招き猫より効果あるやろ」

 ムギとソウタ、ユリが笑いながら話してる。商売繁盛は喜ばしいことだよね。

「満腹だ~」
「さすがに食べすぎた気がする。気分的にな」

 ツッキーがお腹をさすりながら頷く。
 たくさん食べて満足だ。食べ放題の制限時間も来たみたいだし、そろそろ出ようか。

「ユリ、美味しいお店を紹介してくれてありがとー」
「どういたしまして。スカウトの師匠に教えてもらった場所なんやけどな」
「そうなんだ? 僕も友だちにオススメを聞いてこよう」

 お店を出ながら考える。
 モンちゃんは昔王都に住んでたらしいし、情報持ってそう。あとリカちゃんは王都出身だったはずだし、情報通だから良いお店知ってそうだな。

 屋台と違って、王都の店は入るまでどんな料理があるかわかりにくいから、情報収集が大事だ。王都にも友だち作って、いろいろ聞いてみたいなぁ。

「お腹は満たされましたし、私は王都で教会を作る準備に取り掛かりますね」
「うん、それはありがたいけど……ほんとに作れるの?」

 表情を改めたタマモを見上げて首を傾げる。
 塔が乱立する王都に、教会用の敷地を用意するの大変そうだと思うんだけど。

「一応、プレイヤーのクラン等に使用される場所はあるらしいんです。敷地というより、塔のワンフロアな感じですけど」
「マンションの一室を事務所にするようなものやろな」

 ユリが補足を入れる。
 王都では教会を建てるんじゃなくて、もふもふ教のための空間を作るってことらしい。そうすれば、『拠点間転移』のシステムを利用できるようになる。

「基本的にはもふもふ教の宿舎的な扱いになると思います。王都は宿の料金が高いので、組織として用意した方がお得でしょうし」
「そうなんだ?」
「ええ。王都は長期滞在向けの場所ではないようですね」

 タマモが苦笑しながら肩をすくめる。
 王都周辺はあまり実入りの良いバトルフィールドもないらしいし、観光とか魔術学院とか、目的がある時だけ滞在するのがいいんだろうな。

「教会を作ろうとするんはいいけど、条件を達成できる見込みはあるん?」

 ユリが首を傾げて言う。

「条件?」
「王都で組織施設を作るには、ギルドからの推薦状が必要らしいんよ。普通のクランなら冒険者ギルドに頼めば良さそうやけど、もふもふ教の場合はどこに頼むのがいいかまだわからん」
「なるほどー。ここでは領主さんからの許可じゃないんだね」
「推薦の結果、最終的な許可を出すのは王様らしいけどなぁ」

 領主さんに許可をもらうより大変そう。
 タマモを見ると、少し困った顔をしていた。

「とりあえず、いろんなギルドを回ってみようと思ってます。もふもふ教に推薦状をもらうためには、王都で異世界の住人NPCに布教する必要があるかもしれません」
「なるほどにゃ。あたいたちも情報を集めてみるにゃ。布教はタマモたちに任せるにゃ」
「はい。よろしくお願いします!」

 王都のもふもふ教支部は安価な宿になる可能性もあるということで、ムギたちも前向きに協力するつもりらしい。
 僕も王都探索しながら色んな人に聞いて調べてみよう。

しおりを挟む
感想 2,645

あなたにおすすめの小説

もふもふと味わうVRグルメ冒険記 〜遅れて始めたけど、料理だけは最前線でした〜

きっこ
ファンタジー
五感完全再現のフルダイブVRMMO《リアルコード・アース》。 遅れてゲームを始めた童顔ちびっ子キャラの主人公・蓮は、戦うことより“料理”を選んだ。 作るたびに懐いてくるもふもふ、微笑むNPC、ほっこりする食卓―― 今日も炊事場でクッキーを焼けば、なぜか神様にまで目をつけられて!? ただ料理しているだけなのに、気づけば伝説級。 癒しと美味しさが詰まった、もふもふ×グルメなスローゲームライフ、ここに開幕!

『処刑されるたびに12歳に戻る悪役令嬢、7回目の人生は「何もせず寝て過ごす」ことに決めたら、なぜか周囲が勝手に勘違いして聖女扱いされています

六角
恋愛
公爵令嬢リリアーナは、18歳の誕生日に必ず断罪・処刑されては12歳に戻るという地獄のループを6回も繰り返していた。 真面目に努力しても、剣を極めても、裏社会を支配しても、結局は殺される運命。 心折れた彼女は、7回目の人生でついに決意する。 「もう頑張らない。どうせ死ぬなら、今回はひたすら寝て過ごそう」と。 しかし、安眠を求めて「うるさい」と敵を黙らせれば『王者の覇気』と恐れられ、寝ぼけて放った魔法は『神の奇跡』と崇められ、枕への異常なこだわりは『深遠なる儀式』と誤解されてしまう。 気がつけば、ストーカー気味のヤンデレ王子、パン屋の元ヒロイン、狂犬の如きライバル令嬢、元部下の暗殺者、そして不眠症の魔王までもが彼女の信者となり、リリアーナは意図せずして国を、そして世界を救う「最強の聖女」へと祭り上げられていく。 「お願いだから、私を寝かせて!」 睡眠欲だけで運命(システム)さえもねじ伏せる、無気力悪役令嬢の痛快勘違いサクセス(?)ストーリー!

【完結】小さな元大賢者の幸せ騎士団大作戦〜ひとりは寂しいからみんなで幸せ目指します〜

るあか
ファンタジー
 僕はフィル・ガーネット5歳。田舎のガーネット領の領主の息子だ。  でも、ただの5歳児ではない。前世は別の世界で“大賢者”という称号を持つ大魔道士。そのまた前世は日本という島国で“独身貴族”の称号を持つ者だった。  どちらも決して不自由な生活ではなかったのだが、特に大賢者はその力が強すぎたために側に寄る者は誰もおらず、寂しく孤独死をした。  そんな僕はメイドのレベッカと近所の森を散歩中に“根無し草の鬼族のおじさん”を拾う。彼との出会いをきっかけに、ガーネット領にはなかった“騎士団”の結成を目指す事に。  家族や領民のみんなで幸せになる事を夢見て、元大賢者の5歳の僕の幸せ騎士団大作戦が幕を開ける。

家ごと異世界転移〜異世界来ちゃったけど快適に暮らします〜

奥野細道
ファンタジー
都内の2LDKマンションで暮らす30代独身の会社員、田中健太はある夜突然家ごと広大な森と異世界の空が広がるファンタジー世界へと転移してしまう。 パニックに陥りながらも、彼は自身の平凡なマンションが異世界においてとんでもないチート能力を発揮することを発見する。冷蔵庫は地球上のあらゆる食材を無限に生成し、最高の鮮度を保つ「無限の食料庫」となり、リビングのテレビは異世界の情報をリアルタイムで受信・翻訳する「異世界情報端末」として機能。さらに、お風呂の湯はどんな傷も癒す「万能治癒の湯」となり、ベランダは瞬時に植物を成長させる「魔力活性化菜園」に。 健太はこれらの能力を駆使して、食料や情報を確保し、異世界の人たちを助けながら安全な拠点を築いていく。

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

我が家と異世界がつながり、獣耳幼女たちのお世話をすることになった件【書籍化決定!】

木ノ花
ファンタジー
【第13回ネット小説大賞、小説部門・入賞!】 マッグガーデン様より、書籍化決定です! 異世界との貿易で資金を稼ぎつつ、孤児の獣耳幼女たちをお世話して幸せに! 非日常ほのぼのライフの開幕! パワハラに耐えかねて会社を辞め、独り身の気楽な無職生活を満喫していた伊海朔太郎。 だが、凪のような日常は驚きとともに終わりを告げた。 ある日、買い物から帰宅すると――頭に猫耳を生やした幼女が、リビングにぽつんと佇んでいた。 その後、猫耳幼女の小さな手に引かれるまま、朔太郎は自宅に現れた謎の地下通路へと足を踏み入れる。そして通路を抜けた先に待ち受けていたのは、古い時代の西洋を彷彿させる『異世界』の光景だった。 さらに、たどり着いた場所にも獣耳を生やした別の二人の幼女がいて、誰かの助けを必要としていた。朔太郎は迷わず、大人としての責任を果たすと決意する――それをキッカケに、日本と異世界を行き来する不思議な生活がスタートする。 最初に出会った三人の獣耳幼女たちとのお世話生活を中心に、異世界貿易を足掛かりに富を築く。様々な出会いと経験を重ねた朔太郎たちは、いつしか両世界で一目置かれる存在へと成り上がっていくのだった。 ※まったり進行です。

異世界ママ、今日も元気に無双中!

チャチャ
ファンタジー
> 地球で5人の子どもを育てていた明るく元気な主婦・春子。 ある日、建設現場の事故で命を落としたと思ったら――なんと剣と魔法の異世界に転生!? 目が覚めたら村の片隅、魔法も戦闘知識もゼロ……でも家事スキルは超一流! 「洗濯魔法? お掃除召喚? いえいえ、ただの生活の知恵です!」 おせっかい上等! お節介で世界を変える異世界ママ、今日も笑顔で大奮闘! 魔法も剣もぶっ飛ばせ♪ ほんわかテンポの“無双系ほんわかファンタジー”開幕!

【完結】妹は庶子、文句があるか? 常識なんてぶっ飛ばせ!

青空一夏
ファンタジー
(ざまぁ×癒し×溺愛) 庶子として公爵家に引き取られたアメリアは、 王立学園で冷たい視線に晒されながらも、ほんの少しの希望を胸に通っていた。 ――だが、彼女はまだ知らなかった。 「庶子」の立場が、どれほど理不尽な扱いを受けるものかを。 心が折れかけたそのとき。 彼女を迎えに現れたのは、兄――オルディアーク公爵、レオニルだった。 「大丈夫。……次は、俺が一緒に通うから」 妹を守るためなら、学園にだって入る! 冷酷なはずの公爵閣下は、妹にだけとことん甘くて最強です。 ※兄が妹を溺愛するお話しです。 ※ざまぁはありますが、それがメインではありません。 ※某サイトコンテスト用なので、いつもと少し雰囲気が違いますが、楽しんでいただけたら嬉しいです。

処理中です...
本作については削除予定があるため、新規のレンタルはできません。

このユーザをミュートしますか?

※ミュートすると該当ユーザの「小説・投稿漫画・感想・コメント」が非表示になります。ミュートしたことは相手にはわかりません。またいつでもミュート解除できます。
※一部ミュート対象外の箇所がございます。ミュートの対象範囲についての詳細はヘルプにてご確認ください。
※ミュートしてもお気に入りやしおりは解除されません。既にお気に入りやしおりを使用している場合はすべて解除してからミュートを行うようにしてください。